WOWOW「悪党」最終話(第6話)あらすじネタバレ感想

WOWOWドラマ「悪党」

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WOWOWの連続ドラマ「悪党~加害者追跡調査~」最終話(第6話)のあらすじと感想です。

原作よりも救いのある終わり方でした。

幸せそうな佐伯と冬美、嬉しそうなお父さん、ホッとしてるお染さんと所長。憎悪の連鎖を自らの手で断ち切った佐伯は、〝あの日〟から踏み出すことができました。

榎木と対峙した佐伯が選んだのは復讐ではなく、ある意味それよりももっと残酷な罰。

それにしてもお染さんは結局なにもなかったなぁ~。絶対ワケアリだと踏んでたのに!

最終話のあらすじ

佐伯(東出昌大)は15年前に姉ゆかりを殺害した犯人のひとり、榎木(波岡一喜)ががんに侵され、余命幾ばくもないことを知る。佐伯は清掃員になりすまして榎木の病室を訪れるが、榎木は佐伯の正体を知っても謝罪や後悔の言葉を口にせず、「最後に母親に会って復讐したい」と言う。

榎木の母・恵子(烏丸せつこ)は榎木が10歳の頃に離婚し、弟だけを連れて家を出ていた。恵子は「会ってやってほしい」と言う佐伯に「あんな悪党、とっくに死んだんですよ!」と叫ぶ。佐伯はレコーダーに保存したその音声を榎木に聞かせるため、病室に持ち込む。

だが、危篤状態の榎木を前にした佐伯は、榎木の枕元で恵子が歌う子守歌を再生する。榎木は母親の子守歌に涙を流し、「死にたくない」と訴えながら死んでいく。恵子が病室に駆け込んできたとき、榎木は既に息を引き取っていた。病院を飛び出し、慟哭する佐伯。

海辺の町を訪れた佐伯は、小さなカフェで働く冬美(新川優愛)と再会。「俺のそばにずっといてほしい」と告げる。佐伯から「会ってほしい人がいる」と連絡を受けた父・敏夫(益岡徹)は心から喜ぶ。

ホープ事務所に戻った佐伯は、父親を殺した加害者を捜してほしいというりさ(蓮佛美沙子)の依頼を受ける。木暮(松重豊)と染谷(板谷由夏)は復帰した佐伯を温かく迎える。

最終話の感想

加害者への絶えることのない憎しみを、どうすれば消せるのか。

何の反省もしていない榎木を見て、〝復讐〟することを選んだ佐伯でしたが、最終的には榎木を傷つけることはしませんでした。

もし、あのレコーダーに保存していた母親の言葉――「和也は死んだんです! あんな悪党、とっくに死んだんですよ!」という言葉を死にゆく榎木に聞かせていたら、彼を死よりも深い絶望の淵に落としていたら、佐伯の心は満たされたのでしょうか。

でも、佐伯はそうすることを選ばず、榎木の母親が歌う子守歌を聞かせました。これは原作にはない場面で、ドキッとさせられました。

母親の子守歌は榎木の心を救うと同時に、彼が犯した罪の深さを突き付けました。死の間際に、榎木は始めて自分の心と向き合ったのかもしれません。

死んでいく者に「死にたくない」と思わせることは、ある意味残酷です。でもそれは、彼が15年前に命を奪ったゆかりの訴えでもあるのです。あの一瞬、ようやく榎木はゆかりの気持ちを知ったのだと思います。

原作では、榎木の母親を呼んだのは鈴本弁護士で、彼は「私なりの彼への罰です」と言っています。ドラマにおける佐伯は、たぶんそこまでは意図していなかったでしょうね…。

寝たきりの演技だけで〝悪党〟と〝息子〟を演じ切った波岡一喜さんも見事でした。かなりの減量をされたようで、どこから見ても病人でしたね。

* * *

姉ゆかりのためなら悪党になってもいい、そう思っていた佐伯を最後に思いとどまらせたのは、冬美の存在だったのかもしれません。木暮所長が会わせた夫婦の姿に、未来の自分と冬美を思い描いたのかもしれない。

海辺の町で冬美と再会するシーンがとてもよかった。泣けました。ずっと暗い荒んだ目をしていた佐伯だけど、最終話の終盤は別人のように穏やかな表情になっていて、ホッとしました。

結局、探偵稼業は続けるみたいですね。
新たな依頼人は、坂上の元恋人りさでした。

佐伯がしっかりした足取りで歩き出すラストシーンが心に残りました。

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