Huluで配信中の海外ドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」シーズン3、第2話のあらすじと感想(ネタバレ有)です。
ローレンス司令官の家に配属され、彼の不可解な態度に戸惑いながらも、抵抗の足がかりを探るジューン。撃たれた女中がローレンス家に逃げ込んでくるなど、さっそく緊迫した状況に。
リディアおばは怪我から回復し、車いす姿で再登場。
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第2話「マリアとマルタ」のあらすじ
“オブジョセフ”となったジューンは、ギレアドに服従する侍女オブマシューと新しいショッピングパートナーを組むことに。怪我が回復したリディアはローレンス家を訪れ、ジューンの様子をうかがう。
ローレンス家では、女中のベス、コーラ、アリソンがほかの地区から来る女中を脱出させるべく、密かに話し合っていた。アリソンはセンターを爆破した爆弾を作った元化学教師だった。ジューンは女中になりすまして逃亡を手伝う。
夜、守護者に撃たれた女中とアリソンがローレンス家に逃げ込んでくる。ジューンたちは重症の彼女を地下室に匿い、ローレンス司令官と妻エレノアは見て見ぬフリをする。女中は命を落とし、ジューンによって庭に埋められる。翌朝、エレノアは墓の上に花を植える。
カナダでは、ルークとモイラがニコールの世話をしていた。ルークはいつまでたっても家族と連絡を取ろうとしないエミリーにジューンを重ね、きつく当たってしまう。エミリーは苦悩の末に妻シルビアに連絡する。
第2話の感想
爆弾を作ったのは女中だった
今回のエピソードでは、ギレアドからの逃亡先がカナダ以外にも存在する可能性が示唆されました。女中のアリソンは「西へ向かい、レジスタンスのもとで潜伏する」と語ります。
彼女は元化学教師であり、爆弾の製造技術を持つ人物。シーズン2でオブグレンが起こした自爆テロに使われた爆弾も、彼女の手によるものでした。
この事実は、ギレアドに対する抵抗が知的かつ組織的な戦略に基づいていることを示しています。侍女たちが手紙を密かに運ぶことしかできなかった初期の段階から、武力を伴う抵抗へと物語が進化している点は、社会運動の段階的な変化を思わせます。
「西」とはどこなのか──その地理的・政治的な意味も含めて、今後の展開が気になるところです。
ローレンス夫妻は敵か味方か
ローレンス司令官は、依然としてその真意が掴みにくい人物。
ジューンに遺体の処理を命じるなど冷酷な一面を見せる一方で、逃亡者を見逃すような柔軟さも持ち合わせています。彼の行動は、ギレアドの制度に対する皮肉や批判を含んでいるようにも見えます。
一方、ローレンス夫人はジューンに対して協力的な姿勢を見せます。撃たれた女中が運び込まれた際には、冷静かつ的確に対応していたので、精神的に不安定なふりをしている可能性も。
この夫妻の存在は、ギレアド内部にも多様な価値観が存在することを示しています。
生きていた“リディアおば”
エミリーに刺された“リディアおば”は生きていて、車いすでの生活を余儀なくされていました。ジューンに対して電流棒を押しつけるなど、依然として厳しい態度を崩していません。
彼女がふるう“制裁”は、ギレアドの秩序を守るという信念に基づくものですが、悪意ではなく「正しさ」からくる無慈悲さが、より恐ろしさを感じさせます。
ドラマとしては、彼女の強烈な存在感が物語の緊張感を保つ役割を果たしていて、今後もジューンの前に立ちはだかることが予想されます。
ニコールに対して複雑な感情を抱くルーク
カナダでは、ニコールの世話をモイラが積極的に担っている一方で、ルークは距離を置いている様子でした。ニコールが自分以外の男性の子どもであることが、彼の心に複雑な感情を生んでいるのでしょうね。
また、ジューンがギレアドに残り、ひとりで娘ハンナを救おうとしていることに対しても、ルークはどこか不満を抱いているように見えます。自分には何もできないという無力感が、苛立ちとなって表れているのかもしれません。
さらに問題なのは、ルークがニコールをウォーターフォード司令官の子どもだと思い込んでいること。実際にはニックとの間に生まれた子ども(愛し合って結ばれた結果)であり、この事実が明らかになったとき、彼の感情や家族関係に大きな影響を及ぼす可能性も……。
エミリーの葛藤
エミリーは病院で検査を受け、身体的な問題がないことを確認したようですが、精神的な回復には時間がかかりそうです。長年にわたる虐待が、彼女のアイデンティティを揺るがしていました。
家族に連絡を取ることをためらう姿は、トラウマを抱えた人が「元の生活」に戻ることの難しさを象徴しています。
それでもエミリーは、勇気を出して妻に連絡を取りました。これは、過去を乗り越えようとする第一歩。彼女の再生の物語が始まったことを意味しています。
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