海外ドラマ「バビロン・ベルリン」(シーズン1、2)の紹介です。
ドイツ史上最大の規模で制作され、各国の賞を総なめした歴史ドラマ。ヨーロッパ映画賞で初めて設立されたTVフィクション・シリーズ部門で作品賞を受賞し、大きな反響を呼びました。
物語の舞台は、1929年のワイマール共和国時代のドイツ。故郷ケルンから〝ある目的〟のためにベルリンにやってきたゲレオン・ラート警部と、警視庁の記録係シャルロッテ・リッターが、巨大な陰謀に巻き込まれていくというストーリー。
ゲレオンを演じるのは「君がくれたグッドライフ」などに出演しているフォルカー・ブルッフ。シャーロット役には「カウンターパート/暗躍する分身」でグレタ役を演じたリヴ・リサ・フリースがキャスティングされています。
シーズン3(全12話)は2020年1月~2月にドイツで放送され、日本でも2020年12月にBS12にて放送予定。シーズン4への更新も決定しています。
Contents
作品概要
- 放送局:BS12 トゥエルビ
- 放送時間:2019年10月4日(金)から毎週金曜19時~※2話ずつ放送
- 製作国:ドイツ(2017年)
- 原題:Babylon Berlin
- 原作:フォルカー・クッチャー『ベルリン警視庁殺人課ゲレオン・ラート警部』シリーズ
- 監督・脚本:トム・ティクヴァ/アヒム・フォン・ボリース/ヘンドリック・ハンドレーグテン
あらすじ
1929年、ベルリン。ケルンから転任したばかりのラート警部がヴォルター上級警部とともにボルノ映画の撮影現場に踏み込む。拘留された撮影監督のケーニヒは隠し持っているフィルムの所在を明かさない。貧しい家庭を支えるため、昼間は警視庁での事務員、夜は別の顔を持つシャルロッテは、ある日、殺人課の写真整理を任される。ソビエト連邦からベルリンを目指す1台の貨物列車。ロシア人に乗っ取られたその列車が国境を越えた知らせに、ベルリン在住のトロツキスト集団が歓喜に沸く。
BS12 トゥエルビ公式サイトより
予告動画
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時代背景
年代 | 出来事 |
---|---|
1910年 | フロイトが国際精神分析協会を設立 |
1914年 | 第一次世界大戦が始まる |
1917年 | ロシア革命 |
1918年 | ドイツ革命 |
1919年 | ヴェルサイユ条約 ワイマール共和国(ドイツ共和国)成立 |
1921年 | アインシュタインがノーベル物理学賞を受賞 |
1922年 | ソヴィエト社会主義共和国連邦成立 |
1925年 | ソ連の政治家トロツキー失脚(1929年に国外追放) |
1926年 | ドイツが国際連盟に加入 |
1929年 | ベルリンで共産主義者の暴動 世界恐慌 |
1932年 | 総選挙でナチス第1党に躍進 |
1933年 | ヒトラーが首相に就任、国際連盟脱退 |
1934年 | ヒトラーが総統に就任 |
1939年 | 第二次世界大戦が始まる |
詳しくはこちら
解説「バビロン・ベルリン」黄金の20年代とは?時代背景を知れば10倍面白くなる登場人物(キャスト)
※一部ネタバレを含みます
主要人物
ゲレオン・ラート(フォルカー・ブルッフ)
ベルリン警察風紀課の刑事。真面目で品行方正。第一次世界大戦の退役軍人でもあり、密かにPTSDに苦しみモルヒネを服用している。故郷ケルンからベルリンに転任し、ケルン市長の脅迫ネタである盗撮フィルムを追っている。
シャルロッテ・リッター(リヴ・リサ・フリース)
警視庁の記録係として働く女性。家が貧しく、家族を支えるために夜はナイトクラブ〈モカ・エフティ〉の地下で娼婦をしている。警視庁のトイレで痙攣発作を起こしたゲレオンを助けたのが縁となり、彼の捜査を手伝うようになる。殺人課の刑事になることを夢見ている。
ベルリン警察
ブルーノ・ヴォルター(ペーター・クルト)
ベルリン警察風紀課の上級警部。ゲレオンと共にポルノ映画の撮影現場に踏み込み、ケーニヒを逮捕した。ゲレオンとケーニヒの関係に不審を抱き、ゲレオンの目的を探ろうとする。共産主義者を毛嫌いしており、〈黒い国防軍〉と共に君主制の復活を企んでいる。
シュテファン・イェニケ(アントン・フォン・ルケ)
風紀課の刑事。ブルーノの助手。行政長官の密命を受け、ブルーノと〈黒い国防軍〉との関係を調査している。両親が聴覚障害者で、読心術に長けている。シャルロッテに夢中だが、奥手なためうまく誘えない。
アウグスト・ベンダ(マティアス・ブラント)
行政長官。政治警察のトップ。ゲレオンの目的を知り、任務を遂行できるよう便宜を計らう。密かに〈黒い国防軍〉とブルーノ、ニッセンらの関係を調べている。社会民主党員のユダヤ人で、ワイマール共和国を支持している。
カール・ツェルギーベル(トーマス・ティーメ)
警視総監。5月1日のデモで多数の犠牲者を出したことによる警察への抗議運動を鎮めるため、発砲したのは共産党員だとする記者会見を開く。ロシアの列車を押収した件でソビエト大使や大統領側近に圧力をかけられる。
グレーフ(クリスティアン・フリーデル)
警察の写真技師。趣味は女装。いつもゲレオンに現像を邪魔される。
エルンスト・ゲナート(ウド・サメル)
殺人課の課長。〈赤の砦〉のメンバー15人が殺害された事件の捜査を指揮する。ベンダの要請で捜査に加わることになったゲレオンを受け入れ、合同捜査を開始する。
ヴィルヘルム・ベーム(ゴーデハート・ギーズ)
殺人課の上級警部。“聖人ヨーゼフ”の事件を担当し、捜査の中でゲレオンに疑いを抱く。
ヘニング(Thorsten Merten)
殺人課の刑事。ゲレオンの部下として捜査に協力する。
チェルヴィンスキー(ルーディガー・クリンク)
殺人課の刑事。ロシア語に精通している。ゲレオンの部下として捜査に協力する。
盗撮フィルムに関わる者たち
ヨハン・ケーニヒ(マーク・ホーゼマン)
ポルノ映画の撮影監督。盗撮フィルムをネタにケルン市長を脅して大金を得ようとしていたが、ゲレオンとブルーノに逮捕された後、フィルムの在処を教えないまま自殺を図る。
フランツ・クライェフスキー(ヘニング・ペカー)
元警官で、PTSDを患う退役軍人。ケーニヒの撮影を手伝っていたが逮捕を逃れ、情報提供者となる。モルヒネと引き換えにフィルムの隠し場所を教える。
シュミット医師(イェンス・ハルツァー)
暗示療法研究室の医師。クライェフスキーの治療を担当している。戦争神経症に関する研究を行っているが、世間からは「インチキ」呼ばわりされている。
エドガー(ミシェル・マティチェヴィッチ)
ナイトクラブ〈モカ・エフティ〉の経営者。アルメニア人。ベルリンの闇世界を牛耳るギャングのボス。シュミット医師に一生の恩義がある。
ヨーゼフ・ヴィルチェク(フランク・クンスター)
司祭の扮装をした巨体の男。エドガーの手下。“聖人ヨーゼフ”と呼ばれている。
トロツキスト
アレクセイ・カルダコフ(イワン・シュヴェドフ)
ベルリンのトロツキスト集団〈赤の砦〉のリーダー。反スターリン主義のロシア難民で、スターリンの支配から国民を解放するのが目的。スパイとは知らずにスウェトラーナと恋仲になり、ソビエト政府に命を狙われる。以前はベーンケの下宿に住んでいた。
スウェトラーナ・ソロキナ(セベリヤ・ヤヌシャウスカイト)
カルダコフの恋人。伯爵令嬢。〈モカ・エフティ〉では男装の歌手ニコロス。実はソビエト秘密警察のスパイで、トロツキストの情報を流している。ニッセンの恋人でもある。共産党員に奪われた父親の金塊を取り戻そうとしている。
ボリス・ヴォルコフ(オレグ・ティコミロフ)
ロシアの貨物列車の運転士で、〈赤の砦〉のメンバー。ベルリンで待ち構えていたスウェトラーナに殺されそうになり逃亡するが、ソビエト大使館の職員に拘束される。
黒い国防軍
アルフレッド・ニッセン(ラーズ・アイディンガー)
民主主義の崩壊を企む実業家。母親の鉄鋼会社を利用してソビエトから戦争物資を密輸し、〈黒い国防軍〉に提供している。貨物列車で化学兵器(毒ガス)を運ばせていたが、トロツキストに乗っ取られる。
クルト・ゼーガース少将(エルンスト・シュテッツナー)
第一次世界大戦の英雄で、かつてのブルーノの指揮官。反共和国を掲げ、社会主義勢力に対抗するため非合法の戦闘部隊〈黒い国防軍〉を結成する。
ヴェント大佐(ベンノ・フユルマン)
ワイマール共和国大統領の相談役。〈黒い国防軍〉の指揮官。
ラート家
へルガ・ラート(ハンナー・ヘルツシュプルング)
ゲレオンの義姉。第一次世界大戦中に消息不明となった兄アンノーの妻。モーリツという一人息子がいる。ゲレオンとは10年以上もの間、不倫関係を続けている。ゲレオンから「ベルリンに残る」という手紙を受け取り、息子と共にベルリンにやってくる。
モーリツ・ラート(イヴォ・ピーツカー)
ヘルガとアンノーの息子。ヘルガと共にベルリンにやってくる。母親とゲレオンの関係に以前から気づいており、複雑な思いを抱えている。行方不明の父が生きて帰ってくることを信じている。
エンゲルベルト・ラート(ハンス・ツィッシュラー)
ゲレオンの父。警察の高官で、ケルン市長の右腕。優秀な長男アンノーを溺愛していた。ゲレオンをベルリンへ送り込み、脅迫のネタとなっている盗撮フィルムを探させる。
アンノー・ラート(ヤン・ベーメ)
ゲレオンの兄。優秀で父親の期待を背負っていた。第一次世界大戦で消息を絶ち、その後“戦死”と認定される。
リッター家
ミンナ・リッター(ヒルデガード・シュレードター)
シャルロッテの母。重い病気を患っており、自宅療養中。
イルゼ・リッター(Laura Kiehne)
シャルロッテの姉。幼い子どもや祖父の世話をしている。
トニ・リッター(Irene Böhm)
シャルロッテが親代わりとなって面倒を見ている妹。一人で家計を支える姉シャルロッテのために、力になりたいと考えている。
エリッヒ・リッター(ピット・ブコウスキー)
イルザの夫。シャルロッテの稼ぎを当てにし、働かずにブラブラしている。
共産主義者
フリッツ(ヤコブ・マッチェンツ)
グレータの恋人。湖でグレータと出会い、デートを重ねる。共産主義者で、ベンダと警察に恨みを抱いている。
オットー(Julius Feldmeier)
フリッツの友人。グレータをある事件に巻き込む。
ヴォルカー医師(ヨーディス・トリーベル)
クロイツベルクの地区委員をしている女医。共産党員。5月1日の暴動で警察が非武装の民間人を撃ったにもかかわらず、真実を歪めて公表したことを非難する。
そのほか
トロシン(デニス・ブルガズリエフ)
ソ連の外交官。スターリンの秘密警察官として、ベルリンにおける反スターリン主義者を排除している。〈赤い砦〉のアジトを襲撃してメンバー15人を射殺した。また、逃亡した列車の運転手(赤の砦のメンバー)を拷問にかけてソロキン家の金塊が積まれていることを聞き出し、遺体を運河に捨てた。
エリーザベト・ベーンケ(フリッツィ・ハーバーランド)
下宿の女主人。ブルーノの死んだ戦友の妻。以前カルダコフが住んでいた部屋をゲレオンに貸す。ゲレオンと深い関係に陥るが、ヘルガがベルリンへ来たことでゲレオンは下宿を出ていく。
サミュエル・カテルバッハ(カール・マルコヴィックス)
ベーンケの下宿に住む風変わりな作家兼ジャーナリスト。ゲレオンと親しくなる。ある人物からの情報提供を受けて〈黒い国防軍〉の記事を書く。
グレータ・オーバーベック(レオニー・ベネッシュ)
シャルロッテの学童疎開時代の友人。ダルス出身。路上生活をしていたがベルリンの町で偶然シャルロッテと再会し、シャルロッテを介して行政長官の家で家政婦として働く。湖で出会ったフリッツと親しくなる。
グスタフ・シュトレーゼマン(ヴェルナー・ヴェルベルン)
ドイツの外務大臣。協調外交を推進してロカルノ条約締結、国際連盟加入を実現した。1926年にフランス外相アリスティード・ブリアンと共にノーベル平和賞を受賞している。
パウル・フォン・ヒンデンブルク大統領(ギュンター・ランプレヒト)
ワイマール共和国の第2代大統領。元陸軍元帥。第一次世界大戦初頭のタンネンベルクの戦いでロシア軍に完勝し、国民的英雄となった。軍部に強い影響力を持つ。