ネタバレ有「パムの秘密」全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)・予告動画

海外ドラマ「パムの秘密-ある主婦の知られざる顔-」あらすじキャスト

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海外ドラマ「パムの秘密-ある主婦の知られざる顔-」(全6話)についてまとめました。

レニー・ゼルウィガー主演。アメリカの小さな町で起きた残忍な殺人事件。数々の不可解な証拠が示す犯人は、平凡な主婦パムだった……。実話をもとに描く戦慄のサスペンス!

WOWOW公式サイトより

「ブリジット・ジョーンズの日記」で知られるレニー・ゼルウィガーが製作総指揮と主演を務めた、実話がベースのサスペンスドラマ。IMDbの評価は7.2。

2011年にアメリカの小さな町で起きた殺人事件を、ブラックユーモアを注いでポップにドラマ化。特殊メイクでパムになりきったレニー・ゼルウィガーの巧演にも注目です。

作品概要

  • 放送局:WOWOW
  • 放送時間:2023年3月11日(土)15:00~ ※全6話一挙放送
  • 製作国:アメリカ(2022年)
  • 原題:The Thing About Pam
  • 製作総指揮:ジェニー・クライン/スコット・ウィナント/ジェシカ・ボリシツキー/レニー・ゼルウィガー

あらすじ

2011年12月、ミズーリ州の小さな町。主婦ベッツィは自宅で手首を深く切られ、首に包丁を刺されて亡くなる。第一発見者である彼女の夫ラスは激しく動揺しながらも、すぐに警察に通報する。そんなベッツィには、家をリフォームして売っている親友パムがいた。夫や息子と暮らすパムは、がんで苦しむベッツィを気にかけ何かと世話を焼いていた。
事件を調べ出した地元警察はラスが犯人だと考えて彼を逮捕し、やがて弁護人としてセントルイスからジョエルが駆け付け裁判が始まる。パムは検察側の証人としてラスの犯行の証明を手伝うが、その証言はどこか疑わしいものが多く、実はパムが真犯人ではないかと考えられるように。マスコミの報道を通じ、全米の世論はパムが真犯人か否かで二分していき……。

WOWOW公式サイトより

予告動画

登場人物(キャスト/吹替)

主要人物

パム・ハップ(レニー・ゼルウィガー/声:三石琴乃)
平凡な主婦。不動産投資で稼いでいるが、金に困っている。闘病中の親友ベッツィを気にかけ、何かと世話を焼いていた。ベッツィの遺体が発見されたあと、夫のラスに疑いの目が向くよう警察や検察を誘導する。

ベッツィ・ファリア(ケイティ・ミクソン/声:新藤みなみ)
自宅で刺殺された主婦。末期がんを患い、余命わずかだった。母親の家で家族と過ごしていたが、親友のパムにほぼ強引に自宅に戻され、殺害された。事件の4日前に、生命保険の受取人を夫からパムに変更している。

リア・アスキー(ジュディ・グリア/声:竹内順子)
地区検事。ベッツィ事件を担当する。パムの言葉を信用し、彼女と協力関係を築く。地元の強みを生かしてラスを有罪に追い込む。

ジョエル・シュワルツ(ジョシュ・デュアメル/声:高橋広樹)
セントルイスの大手事務所から来た弁護士。ラスの弁護を担当する。当初はラスの犯行を確信していたが、彼と話をして無実だと直感し、真犯人としてパムを疑い始める。調査を進めるうちに警察や検察のずさんな捜査に気づく。

パムの関係者

マーク・ハップ(ショーン・ブリジャース/声:露崎亘)
パムの夫。元プロ野球選手。パムが前夫と結婚中に出会い、彼女からの強引なアプローチを受けて結婚した。

シャーリー・ニューマン(セリア・ウェストン)
パムの母。認知症で施設に入っている。パムと孫のサラを否定し続けている。

サラ(Sarah Stipe)
パムが前夫ランディとの間にもうけた娘。現在は結婚して家を出ている。パムとの関係は悪く、ランディを嫌っていた祖母シャーリーからも疎外されている。

トラヴィス(Drew Scheid)
パムとマークの息子。パムが資金を出したマンションのオーナー。

ミニー(パトリシア・フレンチ)
パムの隣人。野生のリスを餌付けして可愛がっている。パムとは親しくしていたが、ある事件をきっかけに彼女を疑い始める。

ベッツィの関係者

ラス・ファリア(グレン・フレシュラー/声:菊池通武)
ベッツィの夫。遺体の第一発見者。通報時の声が「大げさ」という理由で疑われ、妻殺しの容疑をかけられる。事件当日は友人の家でゲームをしており、帰宅して妻の遺体を発見した。

マライア・デイ(ギデオン・アドロン/声:南真由)
ベッツィの娘。次女。学区のレベルが高いという理由で、祖母ジャネットの家に住んでいる。血の繋がらないラスを父親として慕い、彼の無実を信じる。

リリー・デイ(オリヴィア・ルッカルディ)
ベッツィの娘。長女。継父ラスのことをよく思っておらず、母を殺した犯人と思い込む。

ジャネット(スアンヌ・スポーク/声:森ひとみ)
ベッツィの母。ベッツィの娘マライアと一緒に住んでいる。ベッツィの死後、親友だったパムが何かと気遣ってくれることに感謝している。

そのほか

ライアン・マカリック(マック・ブラント/声:江頭宏哉)
主任刑事。ベッツィの事件を担当する。事件発生直後から第一発見者のラスを犯人と決めつけ、ほかの可能性を除外して強引に捜査を進める。

キャシー・シンガー(アリス・バレット)
シカゴのテレビ局「NBC」のプロデューサー。ベッツィ事件に興味を持ち、自身の番組「デイトライン」で取り上げる。

ネイト・スワンソン(Ben Chase)
弁護士。ジョエルと組んで、ベッツィ事件の容疑者ラスの無実を証明するべく奔走する。

マイク・ウッド(デーン・ダベンポート)
ネイトの友人。地区検事局で働いている。のちに地区検事選に出ることに。

ルイス・ガンペンバーガー(ジェフ・ライアン・ベイカー)
パムが通りすがりに声をかけた男性。自動車事故で重度の精神的・身体的障害を負っている。

キース・モリソン(本人/声:楠見尚己)
「デイトライン」のジャーナリスト。本作のナレーションを担当。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

2011年12月27日。ミズーリ州トロイの町でベッツィ・ファリアが殺害された。末期がんを患っていた彼女は、母ジャネットの家を訪れて家族と穏やかな時間を過ごしていた。
ベッツィの親友パム・ハップは、夕方になると車で彼女を迎えに行き、ほぼ強引に自宅に連れ戻す。19時すぎ、パムはベッツィを自宅に送った後、車内からベッツィに電話するが、彼女は電話に出ない。
21時38分、友人宅でゲームをしていたベッツィの夫ラスが帰宅し、家の中でベッツィの遺体を発見する。「妻が自殺した」という通報を受けて現場に駆けつけたのは、マイク・ラング警部、ライアン・マカリック主任刑事、そしてマイケル・マーケル刑事だった。
3人は現場の状況を見て自殺ではないと判断、大げさな態度で妻の死を悲しむ夫ラスを怪しみ、殺人容疑で署に連行する。
翌日、パムは最後にベッツィを見た人物として警察の聴取を受ける。昨夜のことを聞かれたパムは、ベッツィを自宅に送り届け、帰宅してからベッツィに電話したと説明する。そしてラスが乱暴者で、ベッツィに暴力を振るっていたと話す。
パムの証言でラスの犯行だと確信した刑事たちは、ラスから自白を引き出そうとする。
パムはベッツィの実家を訪ね、娘の死を悲しむ母ジャネットをいたわりつつ、ラスが警察に疑われていることを伝える。

地区検事のリアはラスを起訴したがっていたが、確実な証拠がなく、やむなく釈放することに。ラスの娘マライアは父親を心配するが、祖母のジャネットに会うことを止められる。
パムは刑事たちの訪問を受け、ベッツィが自分あてに書いたメールがパソコンに残っているはずだと話す。そしてラスが彼女を虐待していたことを証言すると約束する。
ラスはベッツィ殺害容疑で逮捕される。ラスに雇われた大手事務所の弁護士ジョエル・シュワルツは、無実を主張する彼の言葉を信じ、ネイトとともに事件の調査を始める。ベッツィの解剖写真を見た2人は、犯人が殺害後に偽装工作をし、痴情による犯行に見せかけていることに気づく。
さらに、パムが事件の夜から翌朝にかけて2度シャワーを浴びていることや、ベッツィの保険金の受取人が事件の4日前にラスからパムに変更されていることを知り、パムに動機があると見て、疑い始める。
刑事に保険金について問われたパムは、受取人変更はベッツィの意向だったと説明し、彼女の娘たちのために保険金を信託で残すと断言する。その一方で、夫のマークには保険金で家を修繕すると話していた。
ジョエルはルミノール反応を捉えた現場の写真をリアに要請するが、カメラが壊れていたため写真は撮れていなかったと告げられる。地元出身のリアは、裁判長のクリス・メネマイヤーや陪審員たちと旧知の仲で、ジョエルたちは明らかに不利だった。

裁判の2日前に携帯のデータが開示される。パムの通話記録は、彼女が事件の夜に2度めの電話をしたとき、ベッツィの家から5キロ圏内にいたことを示していた。
ジョエルの手元にはパムが真犯人であることを示す証拠が集まりつつあったが、リアは元同級生の裁判長メネマイヤーを味方につけ、パムに関する証拠を排除させる。
2013年、ベッツィ事件の裁判が始まる。ラスの娘たちは検察側の証人となり、両親がよく怒鳴り合いの喧嘩をしていたことや、ラスに恐怖を感じることがあったことを証言する。
捜査を担当したマーケル刑事は、現場でルミノール反応を見たと証言。キッチンに血を洗い流した痕跡があったと話す。
弁護材料をすべて取り上げられたジョエルは、方針を変え、パムの偽証の矛盾をつくことに。だがパムは都合が悪くなると「覚えてない」と繰り返し、ベッツィの親友として彼女に尽くしてきたとアピールする。
ラスのゲーム仲間たちは事件当日の彼のアリバイを証言する。だがリアは彼らが共犯者で、口裏を合わせてラスのアリバイを成立させたと主張。結果、ラスは有罪判決を受け、仮釈放なしの終身刑を言い渡される。
ジョエルは裁判を傍聴していたNBCのプロデューサー、キャシー・シンガーに「無罪を勝ち取るまでは諦めない」と告げる。一方、思い通りに事が運んだパムは、信託契約したベッツィの保険金を全額自分の口座に移す。

1977年。貧しい家庭環境で育ったパムだったが、チアリーディング部で活躍して人気者に。母シャーリーはそんな娘を愛さず、事あるごとに否定する。
1984年。パムは高校の同級生ランディと結婚、サラをもうける。ランディを嫌うシャーリーはサラを孫と認めず、パムもサラに厳しく接する。パムは家族の目を盗んで夜遊びに興じ、偶然出会った野球選手のマークを誘惑する。
1989年。マークと再婚してフロリダに移住したパムは、次男トラヴィスを出産する。
ラスの有罪判決から2年。パムは保険金の件でラスの娘たちから提訴される。そのときのパムの発言がきっかけとなり、ベッツィ事件の再審が認められる。
パムは新しい情報として、ベッツィと性的関係があったことをリアに打ち明けるが、リアは次々と話を変えるパムに疑いを持ち始める。
ジョエルのもとに、検察側から匿名で写真が届く。それは事件発生時、カメラの故障で写っていなかったとされたルミノール反応をとらえた写真だった。カメラが壊れたという話はウソだったのだ。写真には血痕はもちろん、血をふき取った形跡もなかった。ジョエルは無実のラスのために全力で戦うことを約束する。
裁判が始まると、リアはベッツィを殺害できるのはラスだけだと主張。一方、ジョエルはパムが真犯人だと主張し、ルミノール反応の写真を提出する。
さらに、ベッツィのパソコンから見つかったパム宛のメールが、別のパソコンで作成後にコピーされたものであることを証明し、警察の捜査がずさんだったことを指摘する。
ラスは無罪判決を受け、晴れて釈放される。リアは保身のため、ベッツィ事件に関するすべての証拠を破棄し、密かに隠蔽しようとする。
パムは認知症の母親から罵倒されたうえに「相続から外す」と言われ、飲み物に薬を仕込んで眠らせる。そして施設の看護師に「明日の昼まで寝かせておいて」と伝えて帰る。
その夜、シャーリーは窓の下の植え込みで転落死体となって発見される。

2003年。パムはフロリダでの生活に嫌気がさし、マークを説得してミズーリ州に引っ越す。
2016年。パムはベッツィ事件の容疑者として有名になる。検事のマイク・ウッドは地区検事選への出馬を決め、ジョエルと手を組んでリアを追い落とそうと企む。
「デイトライン」のキャシーは、転落事故と判断されたシャーリーの死に疑念を抱き、調査を始める。シャーリーの体内からは適用量の14倍の睡眠薬が検出されており、彼女の死によってパムはまたも死亡保険金を受け取っていた。
ベッツィ事件から5年。マライアとリリーの姉妹は母親の保険金を奪ったパムを訴え、裁判を起こす。だが、亡くなったベッツィの真意を示す証拠がなく、彼女たちの主張は認められなかった。
父親ラスとも和解できず、意気消沈するマライアのもとに、ラスから手紙が届く。その内容は攻撃的で、悪意に満ちたものだった。しかし後日、偶然パムの字を見たマライアは、手紙の送り主がパムであることに気づく。マライアは町を離れることを決意し、カリフォルニアへ旅立つ。
パムの悪い噂は町中に広まり、不動産業にも影響を及ぼし家が売れなくなってしまう。検事のリアにも見捨てられ、隣家の友人ミニーからも拒絶される。
リアの部下ティナは、事件の証拠を破棄して隠蔽をはかろうとしたリアの企みを密かに阻止する。地区検事選に出馬したマイクは、リアが殺人犯のパムをかばったと演説で訴える。

収入がなくなり金に困ったパムは、自分への疑いを晴らそうと、家族の留守中にある計画を実行する。テレビプロデューサーの“キャシー”を名乗り、通りすがりのルイス・ガンペンバーガーに「楽してお金を稼げる」と持ちかけ、家に連れて帰る。
ルイスは事故で重度の精神的・身体的障害を抱えており、パムの真意に気づけず、言われるがままに彼女を脅す演技をする。パムは警察に通報し、電話口で「助けて」と叫びながらルイスを射殺する。
通報を受けて駆けつけたヒルキ刑事は、パムがベッツィ事件の関係者だと知って慎重に捜査を行う。ラスが自分を襲わせたと言いはるパムだったが、ラスにはアリバイがあり、障害のあるルイスに犯行は不可能だった。
さらに、パムがルイスの家の近くまで出向いていたことや、ルイスが所持していた紙幣がパムの寝室にあった紙幣と連番だったことが判明。パムは殺害容疑で逮捕される。
署に連行されたパムは、ボールペンで自らの首を刺し、自殺を図る。だが大動脈は無傷で、命に別状はなかった。ジョエルは「計算ずくの時間稼ぎだ」と非難する。
裁判の日。パムやベッツィの家族らが見守る中、パムは先に行った無罪答弁を撤回し、どちらの訴因についても有罪の答弁をする“アルフォード答弁”を行い、死刑を免れる。彼女は無実を主張したまま終身刑に処される。
マークはパムと離婚し、新しい妻とともに同じ家に住み続ける。マライアはミズーリに戻って2人目の子を出産するが、父親のラスとは今も口をきいていない。
マイクは検事選でリアに勝ち、リンカーン郡の検事になる。初仕事として2019年6月20日、ベッツィ・ファリア事件の再捜査に乗り出した。リアは事件での職権乱用に関し取り調べを受けているが、否認している。
パムの母親の死は公には不審死とされているが、ベッツィ事件との関連で現在捜査中。2021年7月、パムはベッツィ殺害で起訴された。

感想(ネタバレ有)

実話だというのが信じられないくらい、警察・検察がひどかったですね。

ドラマなので誇張している部分も多少あると思いますが、ルミノール反応の写真のくだりは実際に刑事が裁判で「カメラが壊れていて写真の現像に失敗した」と証言しているので、呆れてしまいます。こうやって冤罪が生まれるんだなぁ。

作品としてとらえた場合、やはりコメディタッチの演出を受け入れられるかどうかで評価が分かれると思います。私は正直、おふざけシーンが出てくるたびに「邪魔だなぁ」と感じてしまいました。

作品に入り込んでいても、おふざけシーンで冷めちゃうというか、スッと引き戻されるんですよね。あと、何が事実なのかがわかりにくい。普通にシリアスタッチのサスペンスドラマとして見たかったです。

ただレニー・ゼルウィガーの演技はさすがでした。パム・ハップ本人に会ったわけではないので似ているかどうかはわからないけど、友人や隣人に対する冷酷さとか、お金に執着する嫌らしい感じとか、平気で空気をぶちこわすところとか、生理的にぞわぞわするくらいリアルでした。約4時間かかったという特殊メイクも見事でした。

どこを見てもまったく同情できない主人公でしたが、母親との関係だけは少し可愛そうでしたね。そしてその関係が娘のサラとの関係に受け継がれていくところが悲しい。機能不全家族によって心の奥深くに植え付けられた怒りは、どうすれば消化できるんだろう。

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