Netflix「ダーク DARK」シーズン3|家系図・登場人物(キャスト)・キーワード解説・全話あらすじ・感想

Netflix「ダーク」シーズン3あらすじキャスト感想

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Netflixの海外ドラマ「ダーク」シーズン3(全8話)についてまとめました。

ついに来ましたね、最終シーズン! シーズン2で壮大な世界観に圧倒されましたが、シーズン3はさらにそれを上回るスケールでした。最後は静かな感動に包まれ、しばらく放心状態になりました。

ここまで真正面からパラドックスに挑み、描ききった作品を見たのは初めて。タイムトラベル好きの好奇心を存分に刺激し、その期待に見事なまでに応えてくれた大傑作でした。最高に面白く、最高に楽しい時間でした!

とはいえ説明するのが非常に難しい…。わたし自身、どこまで理解できたか自分でも心もとないのですが、わかる範囲で解説していきたいと思います。

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作品概要

  • 製作国:ドイツ(2020年)
  • 公開日:2020年6月27日
  • 原題:Dark
  • 脚本:ヤンチェ・フリーセほか
  • 監督:バラン・ボー・オダー
  • 企画・製作総指揮:ヤンチェ・フリーセ/バラン・ボー・オダーほか

あらすじ

2019年、洞窟から出たヨナスが目にしたのは、よく知っているようで何かが違うヴィンデンの町。そこでは、最近1人の少年が謎の失踪を遂げていた。

Netflix公式サイトより

予告動画

登場人物(キャスト)

※シーズン2までのネタバレを含みます

カーンヴァルト家

ヨナス・カーンヴァルト(ルイス・ホフマン)
物静かで思慮深い高校生。マルタに想いを寄せている。父の自殺の真相を探るうち、洞窟の奥のタイムトンネルを見つけ、自身の出生の秘密を知る。シーズン2のラストで異世界から来たマルタに助けられ、異世界の2019年11月4日に移動する。

ミハエル・カーンヴァルト(セバスティアン・ルドルフ)
ヨナスの父。2019年6月21日に自ら命を絶つ。実は2019年11月4日に失踪した少年ミッケルの成長した姿。1986年にタイムスリップし、看護師イネスに引き取られて“ミハエル”と名前を変えた。シーズン2で、自殺をうながしたのが未来から来たヨナスであることが明らかになった。

ハンナ・カーンヴァルト(マヤ・シェーネ)
ヨナスの母。理学療法士。ウルリッヒと不倫関係にあったが一方的に別れを告げられる。ウルリッヒを追って1954年にタイムスリップするが、その愛が偽物であることに気づき、ウルリッヒを見捨てる。

イネス・カーンヴァルト(アンゲラ・ヴィンクラー)
ヨナスの祖母で、ミハエルの養母。1986年時は看護師で、2019年からタイムスリップしてきたミッケルを引き取って家族になった。

ダニエル・カーンヴァルト(フローリアン・パンツナー)
イネスの父。警察官。1953年時はエゴンの上司で、エゴンとともに建設現場で発見された2人の少年の遺体や、ヘルゲの誘拐事件について調べている。

ニールセン家

ミッケル・ニールセン(Daan Lennard Liebrenz)
11歳。ニールセン家の末っ子。2019年11月4日に原子力発電所近くの洞窟で失踪した。実は1986年にタイムスリップし、看護師イネスに引き取られて“ミハエル”と名を変えた。現在のヨナスの父でもある。

マルタ・ニールセン(リサ・ヴィカリ)
高校生。ニールセン家の長女。ミッケルの姉でマグヌスの妹。ヨナスに想いをよせているが、出生の秘密を知ったヨナスに拒絶され、バルトシュとヨリを戻す。シーズン2のラストでアダムに撃たれて死亡する。

マグヌス・ニールセン(モーリッツ・ヤーン)
高校生。ニールセン家の長男。ミッケルとマルタの兄。ヨナス、バルトシュと仲がいい。フランツィスカと恋仲。シーズン2のラストで中年ヨナスとともに1888年にタイムトラベルした。

ウルリッヒ・ニールセン(オリヴァー・マスッチ)
ヴィンデン警察の警察官。カタリーナの夫で、ミッケル、マグヌス、マルタの父。失踪したミッケルを探すうち洞窟のトンネルを通って1953年にタイムスリップし、少年殺しの犯人として逮捕され、精神科病棟に入れられる。

カタリーナ・ニールセン(ヨルディス・トリーベル)
ヴィンデン高校の校長。ミッケル、マグヌス、マルタの母。シーズン2で息子ミッケルと夫ウルリッヒが別の時代にいることを知らされ、タイムマシンを使ってミッケルを探しに過去へ行く。

マッツ・ニールセン(Valentin Oppermann)
ウルリッヒの弟。1986年に原子力発電所近くの森で失踪した。実はノアとヘルゲに拉致され、タイムマシンの試作品の実験台にされて殺された。遺体は2019年11月4日に地下貯蔵室に現れ、ペーターとトロンテによって森に運ばれた。

トロンテ・ニールセン(ウォルター・クレー)
ウルリッヒの父。元記者。妻と2人で小さなアパートに住んでいる。ミッケルが失踪した2019年11月4日、ペーターからの連絡を受けて地下貯蔵室へ行き、1986年に失踪した息子マッツの遺体を確認する。その後、老クラウディアの指示で森に遺体を放置した。1986時は発電所所長クラウディアと不倫関係にあった。

ヤーナ・ニールセン(Tatja Seibt)
ウルリッヒの母で、トロンテの妻。1986年に失踪した息子マッツが生きていると信じ、現在も待ち続けている。1986年時、夫の浮気に悩み離婚を考えていた。

アグネス・ニールセン(アンチュ・トラウェ)
ウルリッヒの祖母で、トロンテの母。1953年にトロンテを連れてヴィンデンに引っ越してきた。シングルマザー。シーズン2でクラウディアを裏切ってアダム側につき、実の兄ノアを射殺する。

ドップラー家

フランツィスカ・ドップラー(Gina Stiebitz)
高校生。ドップラー家の長女。両親や町の人々の偽善に憤りを感じ、ヴィンデンを出るためにお金を貯めている。シーズン2のラストで中年ヨナスとともに1888年にタイムトラベルした。

エリザベート・ドップラー(カルロッタ・フォン・ファルケンハイン)
ドップラー家の次女。聴覚障害者。2052年では終末を生き延びた生存者グループのリーダーになっている。実はノアの妻で、シャルロッテの母であることがシーズン2で明らかになった。

シャルロッテ・ドップラー(カロリーヌ・アイヒホルン)
ヴィンデン警察の署長。フランツィスカとエリザベートの母。両親は不明で、H・G・タンハウスに育てられた。シーズン2のラストで終末を回避しようと発電所へ行き、時空の裂け目を通じて未来の娘であり母でもあるエリザベートと対面する。

ペーター・ドップラー(シュテファン・カンプヴィルト)
心理療法士。シャルロッテの夫で、フランツィスカとエリザベートの父。ミッケルが失踪した夜、地下貯蔵室でマッツの遺体を発見し、老クラウディアの指示でトロンテとともに森に運んで放置した。その際、老クラウディアから未来の出来事を記した手帳を預かった。シーズン2のラストでエリザベートを連れて地下貯蔵室に逃げ込み、終末を生き延びる。

ヘルゲ・ドップラー(Hermann Beyer)
ペーターの父。左耳がつぶれ、左頬に大きな傷跡がある。1953年、少年時代に2019年から来たウルリッヒに襲われて大怪我を負い、地下貯蔵室に閉じ込められた。左耳と左頬の傷はそのときのもの。その後、1986年に飛ばされてノアに救われ、以来ノアの協力者となる。
2019年、認知症で失われていた記憶を取り戻し、若き日の自分を止めようと過去へタイムトラベルし、車ごと突っ込んで死亡した。

ベルント・ドップラー(ミヒャエル・メンドル)
ヘルゲの父。原子力発電所の創設者で、初代所長。1986年時、新任所長となったクラウディアに事故隠蔽の秘密を打ち明ける。1953年時は妻グレタと息子ヘルゲと共に豪邸(のちのホテル)に住んでいて、ヴィンデンにドイツ初の原子力発電所を建設するため奔走する。

グレタ・ドップラー(Cordelia Wege)
ヘルゲの母で、ベルントの妻。ノアがいる教会に通っている。ヘルゲが夫の子ではないかもしれないという恐れから、愛情を注げない。

ティーデマン家

バルトシュ・ティーデマン(Paul Lux)
高校生。ティーデマン家の一人息子。ヨナスの親友で、マルタの彼氏。ノアから授かったタイムマシンで密かに行動していたが、マルタやマグヌスたちに知られ、タイムマシンを奪われる。シーズン2のラストで中年ヨナスとともに1888年にタイムトラベルした。

レジーナ・ティーデマン(デボラ・カウフマン)
バルトシュの母で、アレクサンダーの妻。“森のホテル・ヴィンデン”を経営していたが、乳がんが発覚して闘病生活を送っていた。シーズン2のラストで過去から来た母クラウディアに助けられ、地下貯蔵室に逃げて終末を生き延びる。

アレクサンダー・ティーデマン(ピーター・ベネディクト)
バルトシュの父で、レジーナの夫。原子力発電所の所長。警察の捜査が入ることを恐れ、1986年から洞窟内に保管されていた事故隠蔽の証拠(放射性廃棄物が入ったドラム缶)をトラックに積んで移動させた。本名はボリス・ニーヴァルトで、偽名を使っていることを知るハンナから脅迫されている。

クラウディア・ティーデマン(ジュリカ・ジェンキンス)
レジーナの母で、バルトシュの祖母。1986年に発電所の所長に就任した。シーズン2で未来からきた自分に会い、タイムマシンを授かる。レジーナを助けるため2019年にタイムトラベルし、地下貯蔵室に逃げ込んで終末を生き延びる。

エゴン・ティーデマン(Christian Pätzold)
クラウディアの父。元ヴィンデン警察の警察官。1987年に退職して隠居生活を送っていたが、シーズン2でクラウディアと諍いになり死んでしまう。1953年時は若き警察官で、2019年からタイムスリップしたウルリッヒを殺人犯として逮捕した。シーズン3ではタイムスリップしてきたハンナと不倫中。

ドリス・ティーデマン(ルイーゼ・ヘイヤー)
エゴンの妻で、クラウディアの母。1953年に引っ越してきたアグネスとトロンテ親子に部屋を貸す。アグネスと密会を重ねるようになり、次第にエゴンとの夫婦関係が壊れていく。

そのほか

未来から来たヨナス(アンドレーアス・ピーチュマン)
レジーナが経営する“森のホテル・ヴィンデン”に滞在し、ヨナスが洞窟の秘密を探る手助けをした。タイムマシンを持ち歩く時間の旅人。シーズン2のラストでマグヌスたちを終末から救うため、タイムマシンを使って1888年に移動した。

ノア/ ハンノ・タウバー(マルク・ヴァシュケ)
秘密結社〈シーク・ムンドゥス〉のメンバー。アグネスの兄で、シャルロッテの父。時間の旅人。少年たちを拉致して1986年の地下貯蔵室に監禁し、タイムマシン試作品の実験台にした。シーズン2でアダムを殺そうとしてアグネスに射殺された。若いノアは2019年の地下貯蔵室でエリザベートと出会う。

アダム(ディートリッヒ・ホリンダーボイマー)
秘密結社〈シーク・ムンドゥス〉の代表者。実は未来のヨナス。タイムトラベルを重ねたことで容貌が著しく変貌している。ループを繰り返して新たな世界を創るのが目的で、シーズン2で若いヨナスを導くためにマルタを殺した。

H・G・タンハウス(Christian Steyer)
「時間の旅」の著者。時計職人。シャルロッテの養父。1953年に老クラウディアからタイムマシンの設計図を渡され製作を依頼されるが完成には至らず、1986年に中年ヨナスが持ち込んだ完成品を参考にして完成させた。

グスタフ・タンハウス(Axel Werner)
盲目の老人。H・G・タンハウスの祖父。1888年には機械工場を経営し、2020年からタイムトラベルしてきた中年ヨナスとマグヌス、バルトシュ、フランツィスカを受け入れる。幼くして母を亡くし、時空間移動に人生を捧げた父の影響を強く受ける。秘密組織〈シーク・ムンデゥス〉の創設者。アリアドネの本を愛読し、父から譲り受けた懐中時計を愛用している。

ウェラー(レオポルド・ホーナン)
ヴィンデン警察の警察官。右目を負傷しているが、原因は不明。発電所の所長アレクサンダーと密かに繋がっており、警察署の情報を流したり発電所の隠蔽工作に手を貸したりしている。バーナデッテとは兄弟。

バーナデッテ
性転換した売春婦。トレーラーハウスで商売をしており、かつてペーターが常連だった。フランツィスカからホルモン療法の処方箋を買っている。

シリヤ
2053年の少女。エリザベートのもと、終末を生き延びた人々とともに暮らしている。シーズン2でヨナスが〈神の粒子〉を安定化させるのに協力した。

ヘレーネ・アルバース
カタリーナの母親。看護師。1987年ではウルリッヒが入院している精神科病棟に勤務している。聖クリストファーのペンダントを身につけている。

家系図

※クリックで拡大します(PCのみ)

ダーク家系図(その3)
ダーク家系図(シーズン3)
ダーク(オリジナル世界)

キーワード(ネタバレ有)

発電所近くの森の中にある洞窟。ほとんどの住民はよく知らない。洞窟の最初の地図は、ヨナスの父ミハエル・カーンヴァルトによって作成され、彼の死後ヨナスに引き継がれた。

シーズン1のラストで中年ヨナスがトンネルを破壊しようとして失敗し、ワームホールを閉じてしまうが、シーズン2のラストでヨナスがタイムマシンを作動させてトンネルを再開した。

通路として
洞窟の奥には3つの扉(トリケトラのシンボルと「Sic Mundus Creatus Est」の文字が装飾されている)があり、過去と未来に繋がる人工トンネルに通じている。トンネルの扉へ向かう道には、ヨナスによって赤い紐の目印がつけられている。

貯蔵庫として
1986年の事故で発生した放射性廃棄物が入った黄色いドラム缶が保管されている。事故当時の所長ベルント・ドップラーが隠蔽し、保管した。その後、後任のクラウディアによって鉄のドアが閉鎖され、外部からアクセスできなくなった。

ヴィンデン洞窟に近い、町の端に位置する。ヴィンデンにおける最大の雇用主。創設者および初代所長はベルント・ドップラー。2代目所長はクラウディア・ティーデマン。3代目所長はアレクサンダー・ティーデマン

1950年代にベルント・ドップラーによって建設が推進された。1953年に建設現場で2人の少年の遺体が発見されたが建設中止には至らず、原子力法案の通過を経て1960年に建設開始。

チェルノブイリの事故が起きた1986年の夏、爆発事故が発生するも、当時の所長ベルント・ドップラーが隠蔽。従業員に賄賂を贈って口止めし、放射性廃棄物を黄色いドラム缶に入れて洞窟へ隠した。後に、このときの爆発によって〈神の粒子〉が発見されたことが明らかになる。

同じ年、ドイツ初の女性所長としてクラウディア・ティーデマンが就任。ベルントから秘密を受け継いだクラウディアは、廃棄物を隠している洞窟の扉を溶接して閉じ、外部からアクセスできないようにした。

福島の事故を受けて、2020年に廃止が決定。2019年、失踪事件に関して警察の捜査が入ることを恐れた所長アレクサンダー・ティーデマンは、廃棄物の入ったドラム缶をトラックに積んで発電所の外へ持ち出した。

2020年6月、1か月後の閉鎖に向けて、アレクサンダーが廃棄物のドラム缶を保管プールに入れてコンクリートで埋めるが、特別捜査班を率いるクラウゼンによって暴かれる。

1986年に原子力発電所で爆発が起きた際の放射性廃棄物が入っている。当時の所長ベルント・ドップラーによって事故は隠蔽され、廃棄物は黄色いドラム缶に入れられて洞窟の奥に隠された。

後任のクラウディアは流れ者のアレクサンダーを雇い、ドラム缶が置かれている洞窟の扉を溶接して閉じさせている。

2019年11月、失踪事件の捜査で警察が立ち入ることを予想した所長アレクサンダー・ティーデマンは、ドラム缶をトラックに積んで移動させた。

その後、未来から来た中年ヨナスがタイムマシンを稼働させる目的で、トラックの中のドラム缶からセシウムの放射性同位元素である137-Csを取り出している。

2020年6月、アレクサンダーの命令で警察官ウェラーがドラム缶を積んだトラックを運び、発電所内に持ち込んだ。

ドップラー家が所有している。山小屋のそばにある金属製ハッチがついた地下貯蔵室は、ウィンデン洞窟のタイムトンネルのすぐ上に位置し、第二次世界大戦時に建設されたと思われる。

1953年には少年ヘルゲ・ドップラーの遊び場となり、後に彼がウルリッヒに襲われて大怪我をしたまま閉じ込められた場所でもある。

1986年には、ノアとヘルゲによって動物柄の明るい壁紙が貼られ、二段ベッドと小さなテレビが置かれた。部屋の真ん中に置かれた椅子型の装置は初期型タイムマシンで、ノアとヘルゲが行方不明の子供たちを使って実験を行った。

2019年11月4日、ペーター・ドップラーは貯蔵室に突然現れた少年の遺体が1986年に失踪したマッツだと気づき、マッツの父親トロンテを呼び出した。その後、2人の前に老クラウディアが現れ、ペーターとトロンテターと命じてマッツの遺体を森に運ばせた。

2020年6月、シャルロッテによって失踪事件やタイムトラベルに関する資料が持ち込まれ、シャルロッテ、ペーター、ハンナ、中年ヨナス、カタリーナが話し合う場となった。

2020年6月27日の終末以降、クラウディア・ティーデマンが作業場として使用。2053年、タイムスリップしたヨナスによってクラウディアが残した録音テープ、家系図などが発見される。

日本語訳は「かくして世界は創られる」。錬金術の奥義が記されていると言われるエメラルド・タブレット(現存するのは翻訳だけで、実物は確認されていない)の中の一文。

ノアの背中のタトゥーや、ウィンデン病院の廊下に飾られていた絵は、17世紀のドイツの錬金術師ハインリヒ・クンラートの『永遠の智恵の円形劇場』の挿絵で、エメラルド・タブレットの想像画(ドラマではそこにトリケトラのシンボルが挿入されている)。

グスタフ・タンハウスが創設し、アダムが引き継いだ秘密結社〈シーク・ムンドゥス〉の名前の由来でもある。

マルタが主役を演じ、ヴィンデン高校で上演した劇の題材。グスタフ・タンハウスの愛読書でもあった。

“すべてが変わらないとその時悟った。糸車はグルグルと回り続けるのだ。次の運命と結ばれている。血のように赤い糸が私たちをつないでいる”

ギリシャ神話
クレタ島のミノス王の娘。アテネの王子テセウスに恋した。テセウスが迷宮に住むミノタウロスを退治する際、迷宮から脱出できるよう糸玉を持たせた。ここから難問解決の手引き・方法を「アリアドネの糸」という。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

2019年6月27日。ヨナスは異世界から来たマルタが操る球体の装置によって、洞窟に移動する。マルタは「必ず直すと約束する」と告げて消える。
異世界の2019年11月4日。マルタはミッケル、マグヌス、カタリーナとともに暮らしている。カタリーナはウルリッヒと離婚し、ウルリッヒはハンナと再婚。ハンナは妊娠中だが、ウルリッヒはシャルロッテと浮気していた。
マルタは黄色いレインコートを着て登校する。学校ではエリックの失踪が話題になっていた。洞窟を出たヨナスは学校へ行くが、誰も自分を知らない。マルタに会ってもヨナスが誰だかわからず、ハンナもヨナスを他人のように見る。ヨナスが教会の墓地へ行くと、父ミハエルの墓が存在しない。
ヨナスは自分がここに送られたのは、ミッケルのタイムトラベルを阻止するためだと考え、森でマルタたちを待ち伏せる。だがそこにミッケルは現れなかった。洞窟の前で不気味な音を聞いたマルタたちは地下貯蔵室に逃げ込み、そこで時空の裂け目から現れたマッツの遺体と遭遇する。
ヨナスの前に老女が現れ、この世界ではミッケルが過去に行かず、ヨナスが生まれていないことを告げる。だがそれでもやはり終末が訪れ、ヨナスの世界と同じように何度も繰り返されるという。老女の正体は未来から来たマルタだった。
1888年9月21日。ヨナスと別れた異世界のマルタは、タンハウスの機械工場を訪れる。そこには2019年から移動してきた中年のヨナスがいた。別マルタは再会を喜ぶヨナスに別人であることを告げ、「始まりを探すのを手伝う」と告げる。

2020年9月22日。終末を生き延びたクラウディアとレジーナは、廃墟となった警察署で暮らしていた。余命短いレジーナの前に、未来からタイムスリップしてきたトロンテが現れ、「こうするしかないんだ」と告げてレジーナを窒息死させる。
ペーターとエリザベートはトレーラーハウスで暮らしながら、シャルロッテとフランツィスカの行方を探し続けていた。エリザベートに近づくノアを牽制するペーター。ノアはペーターに「あなたは殺される」と告げる。
1987年9月22日。2020年からタイムスリップしたカタリーナは、ミッケルを探して学校へ行き、ハンナから精神科病棟の患者がミハエルを誘拐しようとしたことを教えられる。誘拐犯がウルリッヒだと気付いたカタリーナは精神科病棟を訪ね、看護師として働く若き日の母ヘレーネ・アルバースと出会う。ウルリッヒと再会したカタリーナは、必ずここから出すと約束する。
1888年9月22日。中年ヨナスとマグヌス、フランツィスカ、バルトシュは、タンハウス機械工場でポータルを完成させようと実験を繰り返していた。未来の核燃料が手に入る見込みはなく、タイムマシンが使えなかったからだ。
バルトシュは異世界のマルタを隠れ家に連れていき、中年ヨナスが未来で見た秘密結社〈シーク・ムンドゥス〉を再現しようとしていることを明かす。バルトシュにアダムについて聞かれたマルタは、アダムの正体がヨナスであることを教える。
異世界の2019年11月4日。ヨナスは老マルタに洞窟の隠れ家に案内され、この世界の終末が3日後に訪れることを知らされる。

1888年。グスタフ・タンハウスは上唇に傷のある老人、中年男、少年の3人組に殺される。中年ヨナスはマルタが持つ球体の装置から取り出した核燃料を使って、ポータルを生み出す実験を試みるが失敗。それを見届けたマルタは球体の装置を使って移動する。
2053年9月23日。1888年から移動したマルタをアダムが迎え、「君の行いは正しい」と告げる。
異世界の2019年11月5日。老マルタは“エヴァ”と名乗り、この世界がアダムの世界と対になっていることを示す。エヴァに説得されたヨナスはマルタにすべてを見せるため、洞窟のタイムトンネルへ誘導する。2人が移動した先は、異世界の2053年だった。洞窟の外には砂漠が広がり、中年のマルタが現れる。
エヴァのもとに上唇に傷のある3人組が現れ、タンハウスから奪ったアリアドネの本、懐中時計、そして2つの鍵と“ヴィンデン原子力発電制御システム”の書類を渡す。
マッツの遺体を見つけたマルタたちは警察に通報。ヘルゲは警察署に出頭し、「私が少年を殺した」と告白する。ヘルゲに飛びかかるウルリッヒを見て「彼だった」と呟くヘルゲ。

1954年。2020年からタイムスリップしたハンナは、若き警察官エゴンと不倫関係を続けていた。エゴンは愛の証に聖クリストファーのペンダントをハンナに贈る。
エゴンの妻ドリスは失踪したアグネスを探す中で、同時期に失踪した牧師ハンノ・タウバーとの関連を疑い、教会を訪れる。上唇に傷のある新任の牧師は、エゴンの浮気をほのめかす。
妊娠が発覚したハンナは、エゴンに父親を疑われて激昂。エゴンに別れを告げ、子供を堕ろして一人で生きていくことを決める。ハンナは中絶のためオベンドルフを訪ね、待合室でヘレーネ・アルバースと会う。中絶を考え直し、彼女に聖クリストファーのペンダントを残して立ち去るハンナ。エゴンはドリスとやり直すことを決めるが、ドリスに浮気を突きつけられ、別れを切り出される。
異世界の2052年11月6日。中年のマルタはヨナスとマルタを地下貯蔵室へ連れて行き、ここが33年後の未来で、トンネルの扉が過去と未来につながっていることをマルタに説明する。そして2人が阻止することに失敗すれば、2日後に終末が訪れて全員死ぬと告げる。救えるのはどちらか一方の世界だけだと言われ、動揺するヨナス。マルタもまた現実を受け入れられない。2019年に戻った2人はマルタの部屋で結ばれる。
2053年。アダムはマルタに「君の役目は終末の阻止ではなく、起源を生み出すことだった」と告げる。マルタとヨナスの子供がすべての起源であり、2つの世界をつなぐ橋だと言う。

異世界の2019年。ヨナスとマルタは終末を阻止すべく、発電所へ向かう。フェンスを破って侵入しようとした際、マルタの頬に傷がつく。それを見たヨナスは自分をこの世界に送り込んだマルタにも同じ傷があったことを思い出し、エヴァの本当の目的に気付く。エヴァに確かめるため、洞窟へ向かうヨナスとマルタ。
1987年。10代のシャルロッテはH・G・タンハウスと一緒に暮らしている。タンハウスには息子夫婦と孫がいたが、3人とも交通事故で亡くなっていた。事故の夜、謎めいた2人の女が現れて赤ん坊のシャルロッテを預けていったという。“シャルロッテへ”と刻まれた懐中時計は、そのとき赤ん坊が持っていたものだった。
2020年。レジーナを失ったクラウディアの前に異世界から来たクラウディアが現れ、タイムトラベルの覇権を争う2つの陣営があることを教える。ヨナスは両方の世界を消滅させて結び目を壊そうとし、エヴァは両世界を救おうとしていると説明する。彼女は手帳を渡し、ヨナス、ノア、エリザベートを導くよう指示。同じ道を辿り、結び目を維持してほしいと訴える。
ペーターはトレーラーハウスで見知らぬ男に襲われていたエリザベートを助けようとして、男に刺されて殺されてしまう。エリザベートは消火器で男を殴り殺す。
1987年。カタリーナは通勤途中の母ヘレーネを襲い、病院のカードキーを盗もうとする。だがヘレーネに反撃され、殺されて湖に沈められてしまう。2人が揉み合った際、ヘレーネがつけていた聖クリストファーのペンダントが外れて砂の上に落ちる。
帰宅したヘレーネが血まみれなのに気付き、心配する10代のカタリーナ。ヘレーネはカタリーナを殴り、「お前も堕ろせばよかった」と罵る。
異世界の2019年。ヨナスとマルタはエヴァに会いに行く。今すぐ自分の世界に帰りたいと訴えるヨナスだったが、エヴァは「あなたはこの世界での役目を果たした」と告げて若いマルタにヨナスを殺させる。

1888年。中年ヨナスはマルタの手紙を燃やす。そこには「この迷路から抜け出すのを諦めないで」「私が生きるためには私の死が不可欠」と書かれていた。
異世界。エヴァはヨナスを殺したマルタに、ヨナス宛の手紙を書かせる。時間ループの結合部には分岐点があり、そこから派生した別のタイムラインではヨナスが生きているというエヴァ。
2020年。クラウディアは手帳を読んで発電所へ行き、〈神の粒子〉を見つける。そこへヨナスが現れる。洞窟のトンネルは使えず、過去に戻って終末を回避するためには〈神の粒子〉を安定化させてポータルを作る必要があると訴える。
異世界の2019年。帰宅したマルタは髪を切り、バルトシュに会いに行く。あと1時間で終末が訪れると説明し、バルトシュとともに発電所へ向かうマルタ。だが2人の前に未来から来た老年のマグヌスとフランツィスカが現れ、ヨナスは私たちの世界で生きていると教える。2人の言葉に心を動かされたマルタは、彼らとともに球体の装置で移動する。
2053年。サイクルを完成させるためにマグヌス、フランツィスカ、シャルロッテ、エリザベート、シリヤ、アグネスをそれぞれの場所へ送り込んだアダムは、監禁していたマルタを〈神の粒子〉の下に座らせる。
アダムは2つの世界を完全に消滅させるために、マルタと彼女の中に芽生えた命を死なせようとする。2つの世界にとって、自分とマルタは過ちなのだと語るアダム。
上唇に傷のある男、老人、少年は、二手に分かれて2つの世界の発電所へ入り込み、〈神の粒子〉を活性化させる。発電所の上空に黒い球体が現れ、町を飲み込む。

2020年6月27日。終末の日、アダムの指示を受けた異世界のマルタはヨナスのもとへ向かうが、未来から来たバルトシュに止められる。アダムに騙されていると言われ、マルタはバルトシュとともに球体の装置で移動する。
1974年。若いタンハウスは地下貯蔵室にタイムマシン作成のための作業室を作り、実験を繰り返す。
2021年。父ペーターを失ったエリザベートはノアとともに洞窟で生活していた。ノアはトンネルを掘りながら、アダムが実現しようとしている楽園の話を語って聞かせる。
1890年。ヨナスはタンハウス機械工場で実験を繰り返していた。ヨナスに反発するバルトシュは工場を出ていき、森の中で2053年からタイムトラベルしてきたシリヤと出会う。1904年、シリヤはバルトシュの子を産み、“ハンノ”と名付ける。
2023年。ヨナスとクラウディアは〈神の粒子〉を安定化させる方法を模索するがうまくいかない。絶望したヨナスは家に帰り、父親と同じ場所で首を吊って自殺を図ろうとするが、ノアに阻止される。ノアはヨナスを洞窟のトンネルに連れていき、「君が、アダムが楽園に導くんだ。僕らは友人になる。でも君は裏切る」と告げる。
2040年。大人になったヨナスとノアは友人になる。ヨナスはアダムにならないことを宣言し、「僕が戻れば変えられる」と言う。ノアはクラウディアを疑い、実験が成功しないのは彼女のせいではないかと疑っていた。
クラウディアは2人に隠れて密かに異世界のクラウディアとの接触を続け、彼女の助言に従ってポータルを完成させずにいた。疑心が募ったクラウディアは異世界のクラウディアを銃殺して球体の装置を奪い、彼女のふりをしてエヴァに会いに行く。エヴァはタイムマシンの設計図を渡し、タンハウスに届けるようクラウディアに指示しろと命じる。
1910年。シリヤは2人目の子供を産んで死亡する。子供はアグネスと名付けられる。
2041年。アダムによって未来から送り込まれたシャルロッテとエリザベートは、生まれたばかりのノアとエリザベートの子供を誘拐する。ノアはヨナスが娘を誘拐したと思い込み、「必ず取り戻す」とエリザベートに約束する。
1911年。バルトシュのもとに子供を連れたハンナが現れる。子供の名前は“シリヤ”だった。ハンナはヨナスと再会するが、ヨナスの容貌は変わり果てていた。ヨナスはハンナを殺し、シリヤを連れて行く。
1920年。ハンノ(若いノア)のもとに未来から来た中年のノアが現れる。ノアは〈シーク・ムンデゥス〉の隠れ家にいるアダムと再会し、クラウディアが自分たちを騙していたことを知らされる。本の最後のページを探し出せば、楽園が見つかると告げるアダム。
2052年。ついに〈神の粒子〉の安定化に成功する。老クラウディアはヨナスを地下貯蔵室に連れて行き、若き日の自分を誘導して同じことをさせるよう命じる。そしてH・G・タンハウスの『時間の旅』を手渡し、彼がタイムマシンを修理してくれると教える。ヨナスは壊れたタイムマシンを持って2019年へと旅立ち、老クラウディアは本の最後のページを破る。
未来から来たバルトシュはマルタを異世界の2053年に連れて行き、エヴァに引き合わせる。エヴァは「アダムを選べば死ぬ」と告げ、同じ傷を持つためにマルタの顔を傷つける。
2053年。アダムはマルタと子供を消滅させるが、世界は消えない。そこに老クラウディアが現れる。

2053年。「あなたの旅を終わらせに来た」とアダムに告げる老クラウディア。起源は両世界の結び目にあるのではなく、その外側にあるという。
結び目を生み出したのはタンハウスだった。家族を亡くしたタンハウスはタイムマシンを作って死者をよみがえらせようとしたが、それによって世界が分割され、2つの世界が創られたのだった。結び目を根絶する方法は、起源となった世界を守り、時空旅行の発明をやめさせることだという。老クラウディアはヨナスとマルタを起源に送り込んで全てを終わらせてほしいと頼み、アダムに球体の装置を手渡す。
アダムは2020年6月27日に移動してマルタが死んだ直後のヨナスに会い、異世界のマルタを救って起源の世界へ戻れと球体の装置をヨナスに手渡す。
異世界の2053年。エヴァはマルタが産む子供こそが両世界の起源だとマルタに教える。そこへ上唇に傷のある男、老人、少年が現れる。彼らは未来から来たマルタの息子だった。エヴァはマルタに銃を渡し、みんなを生かし続けるためにヨナスを殺すよう誘導する。
異世界の2019年終末の日。バルトシュの自転車に乗って発電所へ向かうマルタの前に、アダムが送り込んだ老年のマグヌスとフランツィスカが現れる。ヨナスは装置を作動させ、マルタに抱きついて一緒に移動する。
異世界の2053年。アダムはエヴァに会いに行く。サイクル通りならエヴァを銃で殺すことになっているが、アダムの銃に弾は入っていなかった。2つの世界は消滅し、私たちは消えると告げるアダム。
1986年6月21日。ヨナスとマルタは洞窟のトンネルの奥に進み、タンハウスがタイムマシンを作動させるのを待つ。光に包まれ、異空間に放り出されるヨナスとマルタ。2人はそれぞれ幼いマルタと幼いヨナスに出会う。
出口を見つけた2人は、世界が分割される前のもとの世界に辿り着く。タンハウスの息子マレクは父親と口論になり、妻子を連れて自宅に帰ろうと雨の中車を走らせる。ヨナスとマルタはマレクの車を止め、事故があって橋は通れないと忠告する。考え直したマレクはタンハウスの家に戻り、2人は和解する。
ヨナスとマルタは世界を守ることに成功し、2人は消えていく。2053年のアダムとエヴァ、中年のヨナスとマルタ、クラウディアも消える。
嵐の夜。レジーナ、カタリーナ、ペーター、バーナデッテ、ハンナ、ウェラーが集まり、夕食をともにする。黄色いレインコートを見てデ・ジャブにとらわれたハンナは、昨日見た世界の終わりの夢について話す。
生まれてくる子供の名前を聞かれたハンナは、「ヨナスがいいわ」と答える。

感想(ネタバレ有)

2つの世界の起源を探す旅

はぁ~ややこしかったねぇ! 難しくて1、2回見ただけでは内容を全て理解できたとは言えませんが、本当に素晴らしかった。ヨナスとマルタの長く苦しい旅の終わりに、こんな安らぎが待っていたとは…。感無量。

シーズン3では時間軸だけでなく並行世界(便宜上〝異世界〟と呼びます)が登場して、時間と空間と人物が入り乱れ、大混乱でした。メモを取りながら見たけど、正直「?」と考え込む瞬間も多かったなぁ。

シーズン1とシーズン2で見てきた世界を【アダムの世界】と呼ぶとすれば、シーズン3で新たに加わったのがヨナスの存在しない【エヴァの世界】。こちらを仕切っているのが老年のマルタ(=エヴァ)。

さらに、時間ループの結合部には分岐点があり、そこから別のタイムラインが派生していることも判明。個人的にはこれがいっちばん混乱したわ!!

最終話で明かされたのは、もともとひとつだった世界が、タンハウスのタイムマシン実験によって分割され、2つの世界が生み出されてしまったということ。

クラウディアは密かに2つの世界を行き来して、この状況を生み出した起源を突き止め、最終目的(もとの世界に戻す)のために全員を騙していたのです。

最後はあのダースベイダーみたいなアダムを説得して、ヨナスとマルタを起源に送り込み、世界の分割を阻止したクラウディア。長い長い孤独な戦いが終わりを迎えた瞬間、彼女が流した涙が本当に美しかった。

ややこしい異世界マルタの動きを追ってみた

先にも書きましたが、わたしが最も混乱したのが分岐点から派生したタイムライン。特に異世界マルタの動きがややこしかった。というわけで、異世界マルタの動きを時系列にして追ってみました。

異世界マルタの行動
  1. 別世界から来たヨナスと出会う
  2. ヨナスと洞窟のトンネルを通って33年後の世界へ行き、中年のマルタから終末を阻止するよう頼まれる
  3. ヨナスと2019年に戻り、結ばれる
  4. 終末を阻止するためヨナスと発電所の敷地に侵入、頬に小さな傷を作る
  5. ヨナスとともに洞窟へ行き、ヨナスが未来のマルタに殺される
  6. 家に戻り、髪を切る
  7. バルトシュとともに発電所へ向かう途中で、未来から来た老年のマグヌスとフランツィスカに会い、説得されて2053年のアダムのもとへ
  8. アダムの指示に従い、2019年6月27日のヨナスのもとへ移動して彼を別世界へ送り込む【※分岐点※】
  9. 1888年の中年ヨナスのもとへ移動し、タイムマシンの核燃料を渡す
  10. 2053年のアダムのもとへ戻り、監禁される
  11. アダムによって消滅させられる

しかしこれだと、“ヨナスを撃つマルタ”が存在しません。“ヨナスを撃つマルタ”は、【※分岐点※】から派生した別のタイムラインのマルタだったんですね。

以下、別のタイムラインの異世界マルタが取った動き(分岐点以降)。

別タイムラインの異世界マルタの行動
  1. アダムの指示に従い、2019年6月27日のヨナスのもとへ移動するが、バルトシュに止められてエヴァのもとへ連れて行かれる【※分岐点※】
  2. エヴァに顔を切られ、大きな切り傷ができる
  3. 未来の息子たちに会い、ヨナスを殺すようエヴァに説得される
  4. 過去の自分と一緒に現れたヨナスを撃つ
  5. エヴァの指示でヨナス宛の手紙を書く

ヨナスがアダムになるまで

シーズン1、シーズン2でわたしたちが見てきたヨナスは、別のタイムラインの異世界マルタによって殺されてしまいました。

が、この“別のタイムラインの異世界マルタ”が2019年6月27日にヨナスの前に現れなかったことで、このタイムラインのヨナスは生き残ります。つまり、

  1. 終末の日に別世界のマルタによって別世界の2019年11月4日に移動したヨナス ⇒ 死亡
  2. 終末の日に別世界のマルタが現れず、そのまま2020年に残ったヨナス ⇒ 生存

となるわけですね。シーズン1、シーズン2で見てきた中年のヨナスやアダムは、この②のタイムラインのヨナスです。ややこしい! 異世界マルタはこれをあっという間に理解していたけど、普通ムリよね…。

終末を生き延びたヨナスが、どんな経緯を辿ってアダムになりはててしまうのかも、今回のシーズン3で描かれていました。少し長いですが、こちらも時系列で追ってみましょう。

ヨナスがアダムになるまで
  1. 洞窟のタイムトンネルを見つけ、父ミハエル=ミッケルだと知る
  2. 中年ヨナスの失敗で2053年に飛ばされ、〈神の粒子〉を安定化させてポータルを作る
  3. ポータルで1921年に移動し、若いノアやアダムと会う
  4. アダムの助言で父ミハエルの自殺を止めに行く(=自殺を誘導する)
  5. 老クラウディアから教育され、アダムが敵だと知る
  6. 中年クラウディアを導き、トンネルを再開
  7. 2019年6月27日、目の前でアダムにマルタを殺される【※分岐点※】
  8. クラウディアやノアとともに〈神の粒子〉を安定化させる実験を繰り返す
  9. ポータルが完成し、クラウディアの指示で2019年に送り込まれる
  10. 2019年の自分を誘導し、洞窟のタイムトンネルへと導く
  11. H・G・タンハウスを訪ね、タイムマシンの修理を依頼
  12. トンネルを破壊しようとして失敗
  13. 2020年のハンナ、シャルロッテ、ペーターと会い、タイムトラベルの秘密を共有
  14. 2020年6月27日、マルタを地下貯蔵室に閉じ込め、バルトシュ、マグヌス、フランツィスカとともに1888年へ移動
  15. タンハウス機械工場でポータルの実験を繰り返す
  16. 異世界マルタと出会い、異世界の存在を知る
  17. タンハウスが創設した秘密結社〈シーク・ムンデゥス〉を引き継ぐ
  18. 起源を破壊して楽園(=永遠の暗闇)を実現させようと考える

マルタを殺されたヨナスにとって、この世界は絶望でしかなかったんだろうな…。【エヴァの世界】のマルタは、ヨナスを失っても子供がいた。彼女がヨナスを殺してでもサイクルを維持する目的は、子供を守るためだった。

でもヨナスとマルタの子供があの不気味な3人組というのは、最後までしっくりこなかった。名前すら付けてもらえず、笑うこともできず、ロボットのように無慈悲な殺人を繰り返す彼らに、マルタはどんな愛情を注いでいたんだろう?

マルタ(エヴァ)がサイクルを維持するのは彼らを生かすためなのに、その彼らはサイクル維持のための暗殺者にされてしまっている。今回の脚本でいちばん腑に落ちなかったのがここですね。

意外な血縁関係が明らかに

そのほかにも、シーズン3で明らかになった血縁関係があります。

ノアとアグネスはバルトシュとシリヤの子供で、そのシリヤはハンナとエゴンの娘。シリヤは2053年にいた生き残りグループの女の子ですが、まさかこんな重要な役目を担っていたとはねぇ。

シーズン通して何かとお騒がせなハンナは、息子(アダム)に殺されてしまうという悲しい最期でした。

悲しいといえばカタリーナの最期も悲しかった。1987年の精神科病棟にいるウルリッヒを助けようと、母親のヘレーネ(病院の看護師)からカードキーを奪おうとして殺されてしまう。

ヨナスとマルタが湖のほとりで見つけた聖クリストファーのペンダントは、もともとはエゴンがハンナに贈ったもので、ハンナからヘレーネに渡り、ヘレーネがカタリーナと揉み合いになった際に落としたものでした。

2つの世界を生んだタンハウスの実験

2つの世界が生まれるきっかけとなったのは、タンハウスの「家族を生き返らせたい」という強い想い。彼の息子夫婦は赤ん坊とともに交通事故で亡くなっています。

もともと彼の家系は時間移動への執着が強く、憧れがあった。それが息子夫婦の死で、より現実的な願望となった。密かに地下貯蔵室に作業場を作り、タイムマシンの発明に取り組んでいたタンハウス。その実験が世界を分割し、【アダムの世界】と【エヴァの世界】を生み出してしまったのでした。

ヨナスとマルタは2つの世界が生まれた日(1986年6月21日)の起源の世界へ。そこでタンハウスの息子夫婦が事故に遭うのを阻止し、タンハウスがタイムマシンを作る理由を消し去ったことで、2つの世界は消滅します。

タイムトラベルそのものが存在しない世界になるので、ミッケルのタイムトラベルによって生まれたヨナス、ヨナスとマルタの子孫であるマルタは消滅します。

アダムとエヴァ、中年ヨナス、クラウディアも消えていく。みんな、悲しいというより安堵したような表情を浮かべていたのが印象的。彼らにとっての楽園(=永遠の闇)が訪れたということでしょう。

世界から消えた人々と、残った人々

ラストシーンは、消滅しなかったヴィンデンの人々がヨナスの家(今はレジーナの家になっている)に集まります。レジーナとカタリーナは独身かな。ペーターとバーナデッテは幸せそう。ハンナはウェラーの子供を妊娠中らしい。

彼らはタイムトラベルによって生まれたわけではないので、新しい世界になっても消滅しなかったんですね。レジーナの父親はトロンテかと思われたけど、写真を見るとベルントだったようです(トロンテなら消滅するはず)。

ハンナは生まれてくる子供に「ヨナス」と名付けるようだけど、もちろんわたしたちが知っているヨナスが生まれてくるはずはなく、別人です。

タイムトラベルを繰り返して世界を救った人たちが、最終的な世界に存在しないという結末には、やはり一抹の淋しさを覚えます。その余韻も含めて、これ以上ない見事な幕引きでした。

複雑になりすぎて感情移入しにくい

結局、アレクサンダーが過去に起こした事件や、ウェラーの右目の怪我については最後までわからずじまいでしたね。まぁそれは大したことじゃないのでいいんだけど。

シーズン3は脚本としては巧く出来ていたけど、複雑になりすぎて登場人物に感情移入しにくくなったのが残念だったかなぁ。

たとえば異世界マルタが最初にヨナスのもとに現れたとき、彼女はひどく辛そうな、悲しそうな顔をしていました。あの異世界マルタは、目の前でヨナスを殺された後のマルタなんですよね。

そういう登場人物の心理状態が、すぐにパッとわからないんですよ。「このマルタってどこの誰だっけ?どこから来たんだっけ?」ってちょっと考えないとわからない。ほかの登場人物にしてもそう。

とはいえ、全体的な満足感のほうが圧倒的に大きいのは間違いないです。ここまで見事な作品にはそうそうお目にかかれない。本当に楽しかった。

ドイツの重暗い雰囲気や並行世界に興味がある方は、「カウンターパート」もおすすめ。この作品も「この人どっちだっけ?」ってなるけど、面白いです。

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