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「東京二十三区女」
どうも、夏蜜柑です。
WOWOWのオムニバスドラマ「東京二十三区女」第5話。
完成度が高い回でした。
原作の中でもかなり怖い話ですが、映像になると倍増し。
昭和のおどろおどろしい雰囲気が恐怖を盛り上げていました。
主演の中山美穂さんもこの役にぴったり。
おばあさん役はてっきり別の女優さんかと。
もっと長く見ていたいと思うほどハマり役でした。
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第5話「板橋区の女」あらすじ
- 幼い頃、両親が血の繋がらない弟・福男を殺害する現場を目撃した薫(中山美穂)。その時に逃げて以来、近づくことのなかった板橋本町の一角に再び足を運ぶ。そこには縁切りの効力がある“縁切榎”が祀られていた。
- 薫は1年前に結婚した夫・佐武英司(小木茂光)の態度がよそよそしくなったことに疑念を抱き、浮気を疑って尾行したのだった。英司は“縁切榎”を訪れ、「妻の薫と別れさせてほしい」と書いた絵馬を奉納していた。
- ショックを受けた薫は、英司が書いた絵馬を外して自宅に持ち帰るが、英司は“縁切榎”の訪問を続け、絵馬はどんどん増えていった。ある日、英司は暗号のような文章の絵馬を残していくが、薫には意味がわからない。
- 英司は薫が隠した絵馬を見つけ、薫を問いただす。薫はなぜ自分と別れたいのかと訊ねるが、英司は理由を答えようとしない。薫を見て恐怖に怯え、「一刻も早く出て行ってくれ」と叫ぶ。
- 衝動に突き動かされた薫は、包丁で英司を刺し殺してしまう。そのとき、薫は英司が絵馬に書いた暗号の意味に気づき、自分にかつて両親に殺された福男の亡霊が取り憑いていることを知る。
- “縁切榎”を訪れたフリーライターの璃々子(島崎遥香)と島野(岡山天音)は、その場にいた老婆から夫を殺した女性の話を聞く。島野は、かつて板橋区で起きた「もらい子殺し」事件について語る。
- 璃々子が帰った後、年老いた薫は“縁切榎”に語りかける。夫を殺した罪で逮捕された薫は、その後刑期を終えてこの町に戻ってきた。福男の霊は今も薫に取り憑いている。
登場人物の詳細はこちら
第5話の感想
縁切りというと、関西では京都の「安井金比羅宮」が有名です。
絶大な力があるという噂で、わたしはちょっと怖くて近寄れませんでした^^;
板橋区の“縁切榎”はこの作品で初めて知りましたが、全国どこにでもあるんですね。
絵馬に秘めた真相
幼い頃、両親が弟・福男を殺す現場を目撃してしまった薫。
幸せな結婚生活を手に入れたのもつかのま、夫の態度がよそよそしくなります。
薫は夫の浮気を疑って尾行し、“縁切榎”にたどり着く。
夫は“縁切榎”に謎めいた文章の絵馬を奉納していました。
妻には 過去のゆか 憂い怒る怖い。かなし
これは暗号になっていて、最後の「かなし」が鍵。
「か」を無しにするのです。
つまには かこのゆか うれいいかるこわい。
2人の縁を切ったのは
結果的に、夫の願いは叶えられました。
どんな形であれ、薫と別れることができたのですから。
でも、その願いを叶えたのは本当に“縁切榎”だったのでしょうか?
そもそも英司が福男の霊を見なければ、2人の結婚生活はうまくいっていたはずです。
英司に「福男の霊が見えた」ことは、はたして偶然だったのでしょうか?
もしかしたら、福男が自分の姿を英司に見せ、薫に英司を殺させたのかもしれません。
2人の縁を切るために……。
そう考えるとゾッとしますね。
板橋もらい子殺し事件
ドラマの中で島野先輩が語った「板橋もらい子殺し事件」は、戦前まで板橋にあった〈岩の坂地区〉で起きた事件。1930年頃に発覚しました。
ただ、もらい子殺し自体は板橋に限ったことではなく、日本のほかの場所でも発覚しています。
社会自体が貧しかったことや、昔は人工中絶が合法化されていなかったので私生児が多かったという社会的背景もあると思います。現代に生きていると想像しにくいですが……。
運命を受け入れた薫
両親から逃げたあと、ひとりで生きてきた薫は、おそらく相当の苦労を重ねたと思います。
原作には売春宿で働いていたという記述もありました。
そんな彼女がようやく手に入れた幸せも、わずか1年で壊れてしまいました。
薫は自分の運命を受け入れ、福男と共に生きることを決めたのでしょう。
年老いた彼女の顔が穏やかに見えたのが唯一の救いでした。
次回はついに璃々子の回。
彼女の目的が明らかになります。楽しみ。