「太陽は動かない」最終話ネタバレ感想|鷹野と田岡の物語は映画版へ続く

ドラマ「太陽は動かない−THE ECLIPSE−」あらすじキャスト

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WOWOWの連続ドラマ「太陽は動かない」第6話(最終話)のあらすじと感想(ネタバレ有)です。

カジノ利権をめぐる争いは、意外な結末に。AN通信恐るべしですね。

意外とロマンチックな桜井と永島が好きでしたが、自分に正直すぎる人間はこういう世界ではだいたい長生きできませんね。

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ドラマ「太陽は動かない−THE ECLIPSE−」あらすじキャスト 「太陽は動かない」登場人物(キャスト)一覧・全話ネタバレ感想

最終話のあらすじ

都市博メモリアルタワーで再会する鷹野(藤原竜也)と桜井(安藤政信)。そこへ中国に雇われた殺し屋チーヨウ(松本実)が現れる。

田岡(竹内涼真)の加勢でチーヨウを倒した鷹野たちだったが、桜井は鷹野をかばって致命傷を負う。

桜井が日本に戻ってきた理由は、再開発で撤去されるコインロッカーを見るためだったのではないかと推測する鷹野。

だが日本に戻ったことがわかればAN通信に狙われる。そのために、裏の仕事を受けてその組織に守ってもらうしかなかったのだと。

その頃、西東京案妨害計画の証拠となるデータを手に入れた桐野(柿澤勇人)のもとに、風間(佐藤浩市)が訪れる。

桐野は「今の私にはあなたたちは必要ない」と言い、AN通信の介入を拒む。しかしデータは風間によって盗まれ、永島(吉田鋼太郎)ともども窮地に立たされる。

桜井を逃がした鷹野は、田岡とともに桜井が仕掛けた爆弾の解除に挑む。最後の配線は2つあり、ギリギリまで迷った鷹野はその日桜井が食べていたカップラーメンの色「緑」を選び、解除に成功する。

爆弾が解除されたことを知った桜井は、「つまんねーなぁ、あいつは」と呟いてコインロッカーの前で息絶える。

アメリカと中国の怒りを買った桐野のもとに鷹野が現れ、桜井から預かった西東京案妨害計画のデータを高額で売り渡す。桐野に脅された中尊寺(石橋蓮司)は風間に相談。風間は桐野と手を組むことを提案し、その交渉を高額で引き受ける。

落合香(多部未華子)の遺体が見つかったというニュースが流れ、状況から自殺と判断される。田岡は風間の家へ向かい、落合が生きていることを知る。今は風間の秘書だが、いずれAN通信のエージェントになると宣言する落合。

永島は重盛(金井勇太)から連絡を受けて港へ向かうが、そこで待ち受けていたのは周(酒向芳)だった。永島はドラム缶にコンクリート詰めにされて海に捨てられる。

横浜米軍補給基地が返還され、そこでカジノを中心とした統合型リゾートの建設が決定する。互いに褒め称え合う中尊寺と桐野。

鷹野は撤去されるコインロッカーを見に行き、ロッカーの中に桜井との思い出の時計を入れる。

最終話の感想

桜井の物語は終わった

面白かったなぁ。最近不振の連続ドラマW、久々に見応えのある作品だった。もっと長くてもいいくらいだけど、映画の前哨戦としてはちょうどいいのかな。

おそらく幼少時の辛い体験から感情をうまく表現できない鷹野は、完璧主義者で一見冷たそうに見えるけれどもそうではない。

精神的に弱い一面を持つ、エージェントとしては致命的な田岡の教育を面倒くさがりながらも見捨てることはできないし、自分を育ててくれた桜井に関しては最後まで組織の命令に反して逃がそうとしていた。

桜井と鷹野の関係はそのまま鷹野と田岡の関係に引き継がれて、桜井の物語は終わる。再開発で撤去される前に、自分が捨てられたコインロッカーをもう一度見たかった…という鷹野の推測はロマンチックすぎるけど、きっとそうだったんだろう。

コインロッカーで生まれ、コインロッカーで死んでいった桜井。いちばん最初の場所に戻ることを望んでいた彼は、どんな思いで死んでいったんだろうか。

最後に勝ったのは誰?

第5話の段階では、風間の「今回の計画の証拠をすべて抹消しろ」というセリフには桜井も含まれているものと思っていましたが、ミスリードだったようで。

鷹野に桜井を殺せないことは承知の上で、「証拠を手に入れろ」と言いたかったのですね。

権力者に雇われ、彼らの権力争いのために命を懸けるAN通信のエージェントたち。桜井の「所詮、クソみたいな権力者たちの思惑に振り回されてるだけだろ、俺たちは」という言葉がむなしく響く。

ところが、案外そうでもなさそうだということが最後に示唆されます。中尊寺には「証拠は隠滅しました」と報告する一方で、敵対する桐野に証拠のデータを渡し、2人に手を組ませてことを収め、両方からガッポリ情報料を得るAN通信。

AN通信がその気になれば、彼らを思うままに操ることも可能なのでは? という疑念が湧くラスト。支配力の源=情報であることを見せつけられました。

結局、今回の事件では中尊寺も桐野も結果的には得をしているわけで(AN通信のおかげで)、永島と中国企業は自分で自分の首を絞めた形に。

永島には生き残ってほしかったけど、重森を甘く見たのが運の尽きでしたね。

落合に決断させた理由が腑に落ちない

落合の物語がちょっと雑だったかな、という気が。彼女がAN通信のエージェントを目指す理由が風間に「よく生きてきたね」と言われたから、というのが腑に落ちませんでした。

虐待を受けたり親に捨てられたり、幼少時に辛い経験をした人間はみんなエージェントにならなきゃ生きていけないのか? と思ってしまう。

もちろんそんなことはないはずで、彼女がこれから得ることができるかもしれない平穏な人生を捨ててまで、苛酷なエージェントの道を選ぶ理由が風間の一言では弱い気がする。風間が彼女を無慈悲な世界に引き込む理由もわからない。

田岡と恋に落ちるくだりも唐突で、わたしは「エージェント同士の恋愛はよくない」という落合のセリフで初めて「あ、2人はそういう関係になってたの?」と気付いた次第。

しかし彼女をこの世界に引き込んだ風間は、どういう立ち位置なんだろう? 第3話では「私も組織の駒」だと言ってたけど、だとしたら彼の上には誰がいるんだろう。

鷹野と田岡の物語は映画版へ続く

ドラマ版では、鷹野が故郷の南蘭島を出て桜井に預けられるところから描かれ、それ以前に彼がどんな暮らしをしていたのかは一切わかりません。

鷹野の生い立ちやAN通信に所属した経緯、風間との出会いは、映画版で明かされるらしい。ドラマの最後に山下の消息が途絶え、鷹野と田岡がブルガリアに向かうシーンが挿入されていましたが、映画版はブルガリアが舞台になるようです。

「ミセン~未生~」のピョン・ヨハン、「トンイ」のハン・ヒョジュも重要な役どころで出演。映画版はさらにスケールの大きなストーリーが展開しそうです。現在のところ公開は未定だけど、楽しみだなぁ。

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