ネタバレ有「石の繭 殺人分析班」全話あらすじ・登場人物(キャスト)・感想・視聴方法

WOWOW連続ドラマ「石の繭 殺人分析班」ネタバレ感想

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2015年に放送されたWOWOWの連続ドラマ「石の繭 殺人分析班」(全5話)についてまとめました。

木村文乃さん演じる新人刑事が猟奇殺人事件に挑む〈殺人分析班〉シリーズの第1弾。

10月6日からスピンオフ「悪の波動」が、11月から第3シーズンとなる「蝶の力学」がWOWOWで放送されるため、その前に見ておこうと思いまして。

犯人との息詰まる攻防戦、張り巡らされた数々の伏線。見始めたら止まらなくなるやつですね、これは。最後の最後まで仕掛けに満ちていて、すごく面白かったです。

番組概要

  • 放送局:WOWOWプライム
  • 初放送:2015年8月16日~2015年9月13日
  • 原作:麻見和史『石の繭 警視庁殺人分析班』
  • 脚本:渡辺謙作
  • 監督:内片輝
  • 音楽:諸橋邦行

あらすじ

刑事だった父の後を継ぎ、警視庁捜査一課十一係の刑事となった如月塔子(木村文乃)。ある日、廃ビルの地下室で、床にセメントで塗り込まれた死体が発見された。犯人は一体何故こんな殺し方をしたのか?
捜査会議が始まり、その最中に“トレミー”と名乗る犯人から捜査本部に電話が入り、塔子が交渉相手となる。殺人に関するヒントを提示しながら警察を愚弄・挑発するトレミー。やがてトレミーから第二の犯行予告の電話が入る。そして予告通り第二の犠牲者が出た。被害者はまたもセメントで塗り固められていた。

WOWOW公式サイトより

視聴方法(動画配信)

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原作について

このドラマの原作は、麻見和史さんの推理小説『石の繭 警視庁殺人分析班』(2011年刊)です。

「警視庁殺人分析班」シリーズの第1弾。
2019年現在、第11弾まで刊行されています。最新作は「凪の残響」。

登場人物(キャスト)

捜査一課十一係「殺人分析班」

如月塔子(木村文乃)
巡査部長。父の遺志を継いで刑事になった。女性捜査員特別要請プログラムに抜擢され捜査一課に配属されるも、経験が少なく危なっかしい面がある。父の遺品である時計がお気に入りで、いつも身につけている。

鷹野秀昭(青木崇高)
警部補。塔子の指導係としてコンビを組む。仕事はできるが飄々として人を寄せ付けず、塔子の指導係に選ばれたことにも不満を抱いている。若い相棒を亡くした過去があり、新人刑事にはことさら厳しくあたる。

神谷太一(段田安則)
課長。鷹野を信頼し、塔子の指導係を任せる。17年前、塔子の父・功と共に「昭島母子誘拐事件」の捜査を担当していた。

早瀬泰之(渡辺いっけい)
係長。チームリーダーとして捜査を牽引。部下からの信頼も厚い。

門脇仁志(平岳大)
警部補。新人の塔子を「お嬢ちゃん」と呼ぶ。

徳重英次(北見敏之)
巡査部長。温厚で控えめな性格。

尾留川圭介(小柳友)
捜査一課の巡査部長。経験は浅いがムードメーカー的存在。

如月家

如月功(仲村トオル)
塔子の亡き父。享年39歳。元警視庁捜査一課の刑事。17年前「昭島母子誘拐事件」で犯人に刺されて負傷し、それが原因で警察を辞職。その1年後に病死した。

如月厚子(神野三鈴)
塔子の母。父と同じ警察官の道を選んだ塔子を心配しながらも温かく見守る。

八木沼家

八木沼和佳子(神楽坂恵)
17年前の「昭島母子誘拐事件」の被害者。息子の雅人と共に誘拐され、現在も行方不明。

八木沼雅人(生駒星汰)
17年前「昭島母子誘拐事件」で誘拐された6歳の児童。のちに保護されている。父親の自殺後、静岡の伯母に育てられた。

八木沼孝明(水橋研二)
昭島市で生花業を営む。和佳子の夫で、雅人の父。17年前、犯人から身代金6000万円を要求され、金を持って受け渡し場所へ行くが、警察の失態により金だけ戻ってきた。11年前に自殺している。

土門省三(勝部演之)
雅人の祖父で、和佳子の父。17年前、身代金6000万円を用意した。2年前に死亡している。

浜田たえこ(水木薫)
雅人の伯母で、和佳子の姉。静岡に住んでいる。孝明の自殺後、甥の雅人を引き取って育てている。

被害者

伊沢義邦(米村亮太朗)
リサイクルショップ経営者。酒癖が悪く、絡む癖があった。自宅からジャーナリストを名乗る男からの手紙と人骨写真が発見される。

阿部大祐(政岡泰志)
工務店勤務。17年前の「昭島母子誘拐事件」の参考人として取り調べを受けていた。当時、ギャンブルにはまって借金を抱えていた。

そのほか

トレミー
連続殺人犯。捜査本部に電話をかけてきて〝トレミー〟と名乗り、冷静な口調で警察を挑発する。最初に対応した塔子を気に入り、以降も塔子を指名する。

大辺(山本龍二)
塔子たち殺人分析班が頻繁に利用する「OB’s Cafe」のマスター。警察OB。

横井(古川雄輝)
「OB’s Cafe」のアルバイト店員。

根本(野中隆光)
所轄の刑事。若くして捜査一課に抜擢された塔子を僻み、嫌味を言ったり突っかかったりしてくる。

笹久保(山中崇)
所轄の刑事。17年前の「昭島母子誘拐事件」で塔子の父・功と知り合う。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

刑事だった父の後を継ぎ、警視庁捜査一課十一係の刑事となった如月塔子。指導係の鷹野は無愛想でとっつきにくく、十一係の先輩刑事からは〝頼りない新人〟扱いされている。
ある日、廃ビルの地下室で変死体が発見される。死体は床に寝た状態でセメントで固められ、胸の部分だけ後から剥がした痕跡があった。
捜査会議中、〝トレミー〟と名乗る犯人から電話が入り、塔子が交渉相手に選ばれる。トレミーは殺人に関するヒントを提示しながら警察を挑発し、「あなた方はまだ本当の悲劇を知らない」という言葉を残して電話を切る。
現場に「大ポンペイ展」の半券が残されていたことから、塔子と鷹野は上野の歴史博物館へ行く。パンフレットに掲載されていた「犠牲者の型取り」といわれる石膏像が今回の被害者の状況に酷似していることから、犯人が何らかの影響を受けたと推測された。
〝トレミー〟から再び電話が入り、署の玄関前の植え込みで塔子宛の封筒が見つかる。中には殺害に至る被害者の写真が数枚入っていた。〝トレミー〟を追った塔子は、遠くからその姿を確認する。

捜査本部に「2人目の犠牲者が出る」というトレミーからの電話が入る。塔子たちはトレミーが被害者たちに何らかの恨みを抱いていると推測し、最初の被害者・伊沢義邦の自宅を捜索。人骨の写真と手紙を発見する。トレミーから電話が入り、「次の犠牲者の居場所を教える代わりに伊沢と第2の犠牲者が人殺しだとマスコミに発表しろ」と要求を突き付けられる。塔子は要求を飲み、トレミーは被害者と一緒にいることを教える。
逆探知によってトレミーの居場所を突き止めた捜査本部は、捜査員総出でトレミーの確保と被害者の救出に向かう。塔子と鷹野は廃病院でモルタルで固められた被害者を発見。救出するも、まもなく亡くなってしまう。
2人目の被害者・阿部大祐は17年前の「昭島母子誘拐事件」の参考人だったことが判明。捜査一課の課長・神谷は当時事件を担当しており、塔子の父・功と共に捜査にあたっていた。功はその事件で犯人に刺され、重症を負っていた。

トレミーに「第3の犠牲者が出る」と予告され緊張感が高まる捜査一課。トレミーが17年前の「昭島母子誘拐事件」の被害者・雅人で、誘拐犯たちに復讐している可能性が高くなる。塔子は17年前の事件が解決に至らなかったのは父・功のせいだと考え、罪悪感に苛まれる。鷹野は感情にとらわれ捜査に集中できない塔子を叱責し、「おまえとは組めない」と告げる。
神谷は功を守れなかったことを悔いていると塔子に伝え、鷹野もまた、過去に新人刑事だった相棒を亡くしていることを打ち明ける。それ以来、鷹野はことさら新人刑事に厳しく接するようになったと言う。
態度を改めた塔子は再び捜査に復帰。父の現役時代を知る所轄の刑事・笹久保に出会う。笹久保は鷹野の雰囲気が功にそっくりだと話す。鷹野は11年前に自殺した雅人の父・孝明の死に疑念を抱いていた。塔子と鷹野は孝明が飛び降り自殺した現場を検証し、孝明が誰かに突き落とされたことを確信する。

捜査一課は八木沼雅人への逮捕状を請求する。鷹野は、雅人の父親・孝明が誘拐事件の犯人を突き止め、その犯人に殺害されたと考えていた。孝明の死後、父の手帳を受け継いだ雅人は、両親の復讐のためにこの計画を実行したと推理する。トレミーのいう第3の犠牲者とは、孝明を自殺に見せかけて殺した3人目の犯人だと思われた。
トレミーは新聞社に伊沢が17年前の犯行を告白する音声データを送りつける。警察はやむなく記者会見を開くが、現時点では17年前の事件の詳細を語ることはできなかった。トレミーから電話が入り、第3の犠牲者の居場所のヒントが与えられる。塔子と鷹野は17年前に雅人が監禁され、雅人の母・和佳子の遺体が埋められていたと思しき採石場を突き止めるが、第3の犠牲者は見つからない。トレミーが復讐する相手は〝警察〟だと塔子が気づいた瞬間、採石場で爆発が起こる。

塔子はトレミーが仕掛けた爆発に巻き込まれるが、鷹野に救出される。トレミーが復讐を誓った〝第3の犯人〟とは警察のことだったのか? 疑心にとらわれつつも、塔子は休養を命じられ、久しぶりに自宅に帰ることに。しかし自宅はトレミーのアジトと化し、母・厚子は塔子が家を出た直後から四日間も拘束されていた。塔子もまた手錠を掛けられ、そこで初めてトレミーの真の目的が如月家だったことを知る。
トレミーの正体は、塔子たち殺人分析班が頻繁に利用していた「OB’s Cafe」のアルバイト店員・横井だった。トレミーは自分を誘拐した伊沢と阿部、そして母親が殺される原因を作った警察官・如月功の娘である塔子への復讐を誓い、計画を進めていたのだ。さらに父・孝明を自殺に見せかけて殺したのもトレミーだった。孝明は3人目の誘拐犯であり、借金返済のために誘拐計画を立てた張本人だった。
トレミーは塔子と厚子をモルタルで固めようとするが、2人の決死の反撃によって倒れ、踏み込んだ鷹野らに確保される。神谷は塔子の気持ちを気遣い部署の異動を打診するが、塔子は捜査一課に残ると断言する。

感想(ネタバレ有)

トレミーの周到な計画

面白かった~~。途中から続きが気になって止められなくなり、一気見してしまいました。

終盤はどんでん返しの連続。
塔子同様、トレミーの周到な計画にまんまと騙されました!

WOWOWのサイトでスピンオフの情報を見たので、犯人が誰なのかはあらかじめ知ってたのですが…それ以外の真相が最終話で明らかになって、驚きました。

主人公が父親の遺志を継いで刑事になるとか、犯人が電話をかけてきて警察を挑発するとか、諸々よくある設定でちょっとマンネリだなぁ…と序盤は思ってたんだけど、最後には全部「そういうことだったのか!!」と膝を叩くことに。

全5話と短いながらも巧みに計算された内容で、とても見応えのあるドラマでした。

タイトル「石の繭」の意味

タイトル「石の繭」は、モルタルで固められた遺体が石の繭のように見える…というところからきています。それが犯人の動機(17年前の事件)に繋がる重要な鍵ともなっているんですね。

現場には「ポンペイ展」の半券が残されていて、塔子たちが博物館を訪ねると、パンフレットに遺体の状況とそっくりな石膏像が載っている。

古代都市ポンペイは、今から2000年ほど前の西暦79年にヴェスヴィオ火山の噴火による土石流で地中に埋もれてしまいました。

灰が堆積して固まった地層中には人型の空洞が残っていて、そこに石膏を流し込み、当時の犠牲者の姿を復元した……それが「犠牲者の型取り」と呼ばれる石膏像です。

犯人はポンペイの石膏像に、モルタルで固められて遺棄された母親を重ねていました。幼い頃に目の前で殺された母親は、彼の中で神格化されていたのです。

ポンペイの石膏像は初めて見ましたが、ドラマ以上に衝撃的でした。

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