「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」シーズン3第3話のあらすじと感想(ネタバレ有)です。
ジューンは反体制的な女性たちの中から「助ける5人」を選ぶという重い決断を迫られます。彼女が選んだ5人とは……。
セリーナは母親の家で孤独と絶望に沈みながらも、ジューンとの再会を通じて少しずつ立ち直る兆しを見せます。支配と抵抗、選択と再生が交錯する、緊張感のある回でした。
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Contents
第3話「悪夢」のあらすじ
ジューンは力のある〝味方〟を得ようと、ローレンスを探り始める。ローレンス家に司令官たちが集まり、会合が開かれる。
その中には降格したフレッドと司令官に昇格したニックも含まれていた。ニックは前線のシカゴへ移ることになり、ジューンに別れを告げる。
ローレンスはジューンを車に乗せ、シカゴでの暴動に関わった多数の女たちが収容されている場所へ連れて行く。
全員コロニーへ送られることが決定していたが、ローレンスは5人だけ女中として残せるよう計らったと告げ、その5人をジューンに選ぶよう命じる。
ニコールを失い絶望するセリーナは、母の家に身を寄せていた。フレッドとの復縁を望む母に反発し、子どもを失った悲しみを訴えるセリーナだったが、「実の子じゃない」と一蹴される。セリーナはローレンス家を訪ね、ジューンと悲しみを分かち合う。
ジューンはセリーナを励まし、「まだできることがある」と希望を与える。ギレアドに居場所を見いだせないセリーナは海で入水自殺を試みるが、途中で思いとどまり、フレッドのもとへ帰って行く。
ジューンは収容されている女性たちの中から、エンジニア、IT技術者、ジャーナリスト、弁護士、泥棒の5人を女中に選び、レジスタンスの仲間に戻す。
第3話の感想
司令官たちの会合
ローレンス家で開かれた司令官たちの会合は、ギレアドの権力構造を垣間見る興味深い場面でした。
降格されたフレッドは、依然としてジューンに執着していて、彼女の冷静な振る舞いに翻弄される姿が印象的。ジューンの演技力が、支配者たちの心理を揺さぶる武器になっていることがよくわかります。
一方、ニックは司令官に昇格し、シカゴの前線へ異動することが決まりました。ジューンにとって彼の存在は精神的な支えでもあったため、別れは大きな痛手です。ただ、物語の流れから考えると、再会の可能性は十分ありそう。
ローレンス司令官は会合の場でジューンに給仕を命じ、彼女の過去(編集者としての知性)を逆手に取って、書架の本を取ってこさせるという屈辱を与えます。ギレアドが個人の能力を抑圧し、従属させる構造を象徴するシーンでもありました。
ローレンス司令官の意図は?
ローレンス司令官は、フレッドのような感情的な支配者とは異なり、冷静かつ計算された態度でジューンに接します。
彼は、シカゴの暴動に加わった女性たちの収容施設へジューンを連れて行き、「5人だけ助ける。その選択は君に任せる」と告げます。残りの女性たちはコロニー送り、つまり死を意味します。
ジューンは一度は選択を拒みますが、後に抵抗の力となる可能性を見越して、エンジニア、IT技術者、ジャーナリスト、弁護士、そして泥棒という5人を選びます。ギレアドの体制に対抗するための戦略的な判断で、彼女のリーダーとしての資質が垣間見えます。
ローレンス司令官の意図は何だったのでしょうか。彼はジューンが反体制的な人材を選ぶことを予測していたはずであり、あえてその選択を促したとも考えられます。
ギレアドの崩壊を望んでいるのか、それとも単なる実験的な観察なのか──彼の本心は依然として謎に包まれています。
セリーナの絶望と再生への兆し
セリーナはフレッドのもとを離れ、母親の家に身を寄せています。
彼女は夫との関係に終止符を打ちたいと訴えますが、母親は「夫に従うことが女性の生きる道」と説得し、セリーナの孤独感を深めます。妻としても母としても居場所を失った彼女の姿には、ギレアドが女性に強いる役割の重さが浮かび上がります。
ローレンス家を訪れたセリーナは、ジューンと再会し、ニコールへの思いを語ります。ジューンはその感情を否定せず、セリーナをニコールの母親として認め、悲しみを共有します。敵対していた2人の間にわずかな共感と連帯を生み出す重要な場面でした。
海へ入っていくセリーナの姿には、自殺をほのめかす危うさがありましたが、彼女は思いとどまります。彼女が再び立ち上がり、今後ジューンと共に何らかの形で行動を起こすことが期待されます。
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