Huluで配信中の海外ドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」シーズン3第10話のあらすじと感想(ネタバレ有)です。
ジューンが侍女たちの子どもを救う計画を本格的に進める一方で、ローレンス司令官がついに覚悟を決めます。
フレッドの策略やジャニーンの過去も明らかになり、それぞれの人物が葛藤を抱えながらも前に進もうとする姿が描かれました。
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Contents
第10話「立会人」のあらすじ
ローレンス邸に戻ったジューンは、女中のベスや侍女のアルマに子どもたちを亡命させる計画への協力を求めるが、「危険すぎる」と拒否される。
ローレンスの妻・エレノアは薬が入手できなくなり、ますます不安定に。ジューンはエレノアの協力で侍女の子どもたちに関する情報を手に入れる。ジューンに亡命を勧められたエレノアは、戦犯である夫が亡命したら処刑されると話す。
上級司令官ジョージ・ウィンズロウがボストンを訪れる。フレッドはローレンス家に4人もの侍女が派遣されながら子どもが産まれないことに疑問を呈し、ウィンズロウやセリーナ、リディアと共にローレンス邸を訪れ〈儀式〉を監視する。
ローレンスとエレノアは〈儀式〉を拒むが、ジューンは「このままでは全員処刑される」と2人を説得して〈儀式〉を行う。ローレンスはエレノアを亡命させることを決断する。
ジューンの呼びかけにアルマとジャニーンが答え、協力を買って出る。ジャニーンに息子ケイレブについて聞かれたジューンは、「カリフォルニアにいる」と嘘をつく。ケイレブは4年前に交通事故で亡くなっていた。
セリーナはフレッドがニコールを取り戻す気がないことに気づき、カナダのマーク・トゥエロに連絡するよう促す。ベスは女中仲間にジューンの計画について協力を求め、多くの賛同を得る。
第10話の感想
フレッドの策略とジューンの冷静な応答
フレッドは、ジューンがローレンス司令官を評価したことに対して、露骨な嫉妬心を見せます。ローレンスを陥れることで、自らの立場を強化し、ジューンを手に入れようとする意図が見え隠れします。
〈儀式〉の後にジューンへ「君は大丈夫か?」と声をかける場面は、表面的な優しさの裏にある支配欲が感じられ、視聴者に不快感を与える演出でした。
それに対してジューンは、「少なくとも、あなたとよりは」と皮肉を込めた一言でフレッドを突き放します。彼女の冷静な態度は、フレッドの浅はかな思惑を見抜いている証でもあり、物語の中での彼女の成長を感じさせる瞬間でした。
ローレンス司令官の葛藤と決断
ローレンス司令官は、これまで〈儀式〉を行ってこなかったことが明かされます。妻エレノアとの間で「儀式はしない」と誓い合っていたことが背景にあり、彼の人間性とギレアドの制度との間に深い矛盾があることが浮き彫りになります。
ジューンの働きかけによって、彼は苦悩しながらも〈儀式〉を行う決断を下しますが、その後に避妊薬を渡すという行動からも、彼の良心が感じられます。ジューンの「これで終わりじゃない」という言葉に背中を押され、ついにエレノアを亡命させる決意を固める姿は、彼の内面の変化を象徴していました。
ローレンス夫妻は、当初は謎めいた存在でしたが、回を重ねるごとにその人間味が見えてきて、視聴者の共感を呼ぶ存在へと変化していきましたね。
ジューンの計画とジャニーンへの嘘
ジューンは、侍女たちの子どもを探し出し、逃亡させる計画を進めます。見つかれば即処刑というリスクがある中で、女中のベスや侍女のアルマは最初は慎重な姿勢を見せますが、ジューンから子どもの居場所を知らされることで協力を決意します。
ローレンス家の地下室に侍女たちの個人情報が保管されていたことには驚きました。ギレアドの厳格な管理体制とは裏腹に、情報の扱いがずさんであることがわかります。
ジャニーンの息子ケイレブが4年前に事故で亡くなっていた事実は、ジャニーン本人には知らされていません。ジューンが「カリフォルニアにいる」と嘘をついたのは、彼女を計画に巻き込むための手段だったとも受け取れます。
その判断が「優しさ」なのか「戦略」なのかは、見る人によって解釈が分かれるところですが、ジャニーンの繊細な心を思うと複雑な気持ちになりました。
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