ネタバレ有「ストレンジャー・シングス」シーズン4全話あらすじ・感想・オマージュ解説|シリーズ最大の転換点

ネタバレ有「ストレンジャー・シングス」シーズン4全話あらすじ・感想・オマージュ解説

記事内に広告を含みます

Netflixで配信中のドラマ「ストレンジャー・シングス」シーズン4のあらすじと感想(ネタバレ有)です。

バイヤーズ家とともにカリフォルニアで新生活を送るエル(イレブン)。エルがいなくなったホーキンスでは、再び怪事件が起こります。舞台はホーキンス、カリフォルニア、カムチャッカ(ソ連)の3つに分かれ、それぞれの場所で物語が同時に進んでいきます。

今までのような爆発的なカタルシスは控えめ。明るいシーンも少なめ。これまで以上に登場人物たちの心の奥に踏み込み、喪失や再生といった重ためのテーマが重層的に描かれます。

登場人物一覧はこちら

Netflix「ストレンジャー・シングス」シーズン4あらすじキャスト 「ストレンジャー・シングス」シーズン4登場人物(キャスト)一覧・時代背景

各話のあらすじ(ネタバレ有)

1979年、ホーキンス研究所。ブレンナー博士が子どもたちに能力テストを行っている最中、突如として施設内で惨劇が発生する。職員や子どもたちは次々と殺され、血まみれの廊下に倒れていく。その中で唯一生き残ったのは、「011(イレブン)」だった。
時は流れ、1986年の春。イレブン(エル)はジョイス、ウィル、ジョナサンとともにカリフォルニアで新生活を送っていた。エルは恋人のマイクに「すべて順調で幸せだ」と手紙を書くが、実際には学校でいじめを受け、孤独と不安を抱えていた。
ある日、ジョイスのもとにソ連からと思しき謎の荷物が届く。彼女は元新聞記者のマレー・バウマンに連絡を取り、助言を受けて中に入っていた人形を壊す。すると、その内部から「ホッパーは生きている」と書かれた紙が現れる。
一方、ホーキンスではマイク、ダスティン、ルーカスが高校生活を送っていた。3人は「ヘルファイア・クラブ」と呼ばれるD&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)のクラブに所属していたが、ルーカスは“オタク”からの脱却を目指し、人気を得ようとバスケットボールチームに入部する。
マックスは兄ビリーの死に対する罪悪感に苦しみ、母親との関係も悪化していた。彼女はカウンセリングを受けているが、周囲に心を閉ざし、ルーカスともすでに破局していた。
その頃、ホーキンス高校のチアリーダーであるクリッシーは、奇妙な幻覚に悩まされていた。過去のトラウマに苦しむ彼女は、現実と幻覚の境界が曖昧になっていく。ドラッグを求めてヘルファイア・クラブのリーダーであり麻薬ディーラーでもあるエディ・マンソンに接触するが、その夜、彼女はエディの家で恐ろしい怪物“ヴェクナ”によって殺される。

ホーキンスで起きたチアリーダー・クリッシーの惨殺事件は、町全体に衝撃を与える。現場に居合わせたエディ・マンソンは、恐怖に駆られて姿を消し、警察はもちろん、仲間たちやクリッシーの恋人ジェイソンからも容疑者として追われることとなる。
事件当夜、エディの家の近所にいたマックスは、クリッシーの様子や周囲の異変を思い返し、何か人間ではない“存在”が彼女を殺したのではないかと疑念を抱く。マックスはダスティンに相談し、2人は真相を探るためにエディの行方を追い始める。
ナンシーは事件の手がかりを求めてエディの叔父を訪ね、過去にホーキンスで起きた類似の猟奇事件について話を聞く。その頃、ナンシーの同僚フレッドも幻覚に悩まされており、彼の心の奥に潜む罪悪感がヴェクナによって刺激されていく。幻覚に導かれるように森へと彷徨ったフレッドは、やがてヴェクナの手にかかり、凄惨な死を遂げる。
ダスティン、マックス、スティーブ、ロビンの4人は、湖畔の家に身を潜めていたエディを発見する。怯えるエディから事件の詳細を聞いた彼らは、「裏側の世界」の怪物が再び動き出したことを確信する。
一方、カリフォルニアではエルがマイクとの再会を果たす。スケート場でのデート中、クラスメイトたちと遭遇したエルは、マイクの目の前で屈辱的な仕打ちを受ける。怒りに駆られたエルはアンジェラに暴力を振るってしまい、その瞬間、かつてホーキンス研究所で体験した記憶が脳裏にフラッシュバックする。
その頃、ジョイスとマレーは「ホッパーは生きている」という手がかりをもとに、彼を救出するためアラスカへ向かう決意を固めていた。ホッパーは爆発の中で奇跡的に生き延びていたが、現在はカムチャッカの刑務所に囚われていた。

連続殺人事件の発生を受け、サリバン中佐は犯人がエルであると疑い、かつてホーキンス研究所を率いていたサム・オーエンズ博士のもとを訪れる。彼女の居場所を聞き出そうとするが、オーエンズは慎重な態度を崩さない。
カリフォルニアでは、エルがアンジェラへの暴力事件を起こしたことで警察に連行される。マイクやウィルたちは彼女を守ろうと奔走するが、状況は悪化の一途をたどる。そんな中、オーエンズ博士が現れ、エルに「力を取り戻すための特別なプログラム」への参加を提案する。エルはホーキンスと友人たちを救うため、自らそのプログラムへの参加を決意する。
一方、ソ連のカムチャッカにある刑務所では、ホッパーが過酷な労働と厳重な監視のもとで脱出の機会を探り続けていた。看守の“エンゾ”から、ジョイスが取引に応じてアラスカに向かっていることを知らされたホッパーは、わずかな希望を胸に抱く。
ホーキンスでは、ナンシーとダスティンたちが合流し、事件の真相を追っていた。ナンシーはエディの叔父から聞いた過去の猟奇事件との関連を調べるため、ロビンとともに図書館へ向かう。調査の結果、1959年にヴィクター・クリールが起こした一家惨殺事件が、現在の連続殺人と同じ“ヴェクナ”によるものではないかと推測する。
ダスティン、スティーブ、マックスの3人は、被害者たちの共通点を探るため、学校のカウンセラー室に忍び込む。クリッシーとフレッドはともにカウンセリングを受けており、頭痛や鼻血、悪夢といった症状に悩まされていたことが判明。マックス自身にも同様の症状が現れ始めており、彼女は自分が次の標的になるのではないかという不安に襲われる。

カリフォルニアでは、マイク、ウィル、ジョナサンの3人が、オーエンズの部下であるスティンソンからエルに起きた出来事の説明を受ける。彼女が政府の極秘施設に向かい、ヴェクナとの戦いに備えて能力を取り戻そうとしていることを知った3人は、ホーキンスへ向かう決意を固める。
しかしその矢先、サリバンの部隊が彼らの居場所を突き止め、襲撃を仕掛けてくる。混乱の中、ピザ屋の配達員アーガイルが到着し、3人は彼の車に乗り込み命からがら逃走する。負傷した警護の男性は、「オーエンズ博士に連絡を」と言い残し、息を引き取る。
ホーキンスでは、マックスに幻覚症状が現れ始める。過去の犠牲者たちと同じ兆候に気づいた彼女は、自分が次のヴェクナの標的であることを確信する。仲間たちは彼女を救う方法を必死に探るが、呪いの発動は刻一刻と迫っていた。
死を覚悟したマックスは、兄ビリーへの複雑な思いを手紙に綴り、墓地を訪れる。彼女の心に潜む罪悪感と悲しみは、ヴェクナにとって格好の標的となる。
一方、ナンシーとロビンは、1959年に起きた一家惨殺事件の犯人とされるヴィクター・クリールに面会するため、ペンハースト精神病院を訪れる。ロビンが機転を利かせて院長を説得し、2人はヴィクターとの対面に成功する。
ヴィクターは、かつて自分の家族が“悪魔”に襲われたと語り、妻と2人の子どもが命を落とした経緯を明かす。彼の証言から、ヴェクナが過去から現在にかけて同じ手口で人々を襲っていることが判明。ロビンは、ヴィクターが音楽によって命を救われたことに気づき、マックスを救う鍵がそこにあると直感する。
その頃、ジョイスとマレーはホッパーを救うため、アラスカで密輸業者ユーリと接触する。しかし、ユーリの裏切りによって計画は崩れ、ジョイスとマレーは睡眠薬を盛られて金を奪われてしまう。
カムチャッカでは、ホッパーが看守“エンゾ”の協力を得て脱出計画を実行。鎖を外して刑務所の外へと逃げ出し、雪深い森を抜けてユーリとの待ち合わせ場所である教会にたどり着く。だが、そこでもユーリの裏切りに遭い、ホッパーは再び捕らえられてしまう。
マックスはついにヴェクナの世界に引き込まれる。幻覚の中で兄ビリーの死や自責の念に苛まれ、彼女の体は宙に浮かび、呪いが発動しようとする。その瞬間、仲間たちは彼女の好きな音楽――ケイト・ブッシュの「Running Up That Hill」を流す。
音楽がマックスの心を呼び覚まし、彼女はヴェクナの支配から逃れることに成功。赤い空と浮遊する岩の中を走り抜け、現実世界へと戻ってくる。仲間たちは彼女を抱きしめ、命を取り留めた奇跡に安堵する。

カリフォルニアでは、マイク、ウィル、ジョナサン、アーガイルの4人がエルの行方を追う手がかりを失い、途方に暮れていた。
そんな中、マイクは死亡した警護の男性が握っていたペンの中から、番号が書かれた紙切れを発見する。それがコンピューターの識別番号だと気づいた彼らは、ダスティンの恋人スージーに助けを求めるため、ユタ州へ向かうことを決意する。
一方、エルはオーエンズ博士に連れられ、ネバダ州の砂漠にある極秘施設へと到着する。そこには「ニーナ」と呼ばれる装置があり、彼女の失われた能力を回復させるための実験が始まろうとしていた。
だが、施設の責任者として現れたのは、かつて彼女が「パパ」と呼んでいたブレンナー博士だった。突然の再会にエルは激しく動揺し、封じ込めていた過去の記憶が蘇る。ブレンナーは、能力を取り戻すには記憶を辿る必要があると語り、エルは自らの意思でその記憶と向き合うことを選ぶ。
ホーキンスでは、ヴェクナの呪いから生還したマックスが、幻覚の中で見た光景を絵に描き起こす。それを見たナンシーは、描かれた場所がヴィクター・クリールの家であることに気づき、仲間たちとともに廃墟と化したその家を調査する。
電気が通っていないはずの家の中で照明が点滅し、彼らは屋根裏部屋へとたどり着く。「裏側の世界」では、まさにその場所にヴェクナが潜んでいたのだった。
湖畔の家に身を潜めていたエディは、クリッシーの恋人ジェイソンとその仲間たちに発見され、ボートで湖へと逃げ出す。ジェイソンとパトリックは湖を泳いでエディを追うが、突如としてパトリックの体が宙に浮かび、ヴェクナの呪いによって無惨に殺されてしまう。
カムチャッカの監獄では、ホッパーと看守“エンゾ”が再会を果たす。脱出の糸口を探るエンゾに対し、ホッパーはジョイスを危険に巻き込んだ自責の念に苛まれ、希望を失いかけていた。アラスカでは、ジョイスとマレーがユーリに拘束され、KGBに引き渡されようとしていた。だが、飛行機でカムチャッカへ向かう途中、2人は隙を突いてユーリを制圧し、機体を強制的に不時着させることに成功する。

エルはニーナ計画の装置によって記憶の断片を呼び起こされ、過去の出来事を一つずつ追体験していく。研究所では他の子どもたちから疎まれ、孤立していた彼女だったが、ある若い男性職員と心を通わせるようになる。彼との交流はエルに安らぎをもたらす一方で、施設内でかつて起きた惨劇の記憶を徐々に呼び起こす。
その頃、マイク、ウィル、ジョナサン、アーガイルの4人はユタ州に住むスージーのもとを訪れ、エルの居場所を突き止めるための協力を求める。スージーは冷静にコンピューターを操作し、見事なハッキング技術でエルがネバダ州にいることを突き止める。
一方、ホーキンスでは湖での惨劇を目の当たりにしたジェイソンが、エディを悪魔崇拝のカルトの首謀者だと断定し、町の人々にその陰謀を説き始める。警察は懐疑的だったが、ジェイソンの熱狂的な語りに町民たちは次第に同調し、「ヘルファイア・クラブ」のメンバーたちに疑念の目が向けられていく。
ナンシー、スティーブ、ロビン、エディ、ダスティン、ルーカス、マックスは、ヴェクナの呪いが発生した地点を調査し、湖の底に「裏側の世界」へのゲートが存在することを突き止める。スティーブは湖に潜ってゲートを確認しようとするが、「裏側の世界」に引きずり込まれ、コウモリの怪物に襲われてしまう。彼を救うため、ナンシー、ロビン、エディが次々と湖に飛び込み、「裏側の世界」へと突入する。
カムチャッカでは、ホッパーが囚人たちとともにデモゴルゴンとの戦いに備えていた。豪華な食事が振る舞われるが、それは処刑前の“最後の晩餐”だった。ホッパーは密かにアルコールとライターを盗み出し、エンゾにデモゴルゴンの弱点が“火”であることを伝える。
その頃、ジョイスとマレーはユーリを利用して刑務所への潜入を企てる。マレーはユーリになりすますという大胆な作戦を立て、堂々と正面から施設に乗り込もうとする。

ナンシー、ロビン、エディは「裏側の世界」へと入り、コウモリのような怪物に襲われていたスティーブを救出する。彼らはナンシーが隠し持っていた銃を手に入れるため、彼女の家を目指すが、「裏側の世界」が1983年11月6日(ウィルが失踪した日)で時間が止まっていることに気づく。
一方、現実世界ではダスティン、マックス、ルーカスの3人が警察に保護され、ナンシーの家へと連れ戻されていた。「裏側の世界」にいるナンシーたちは、ダスティンの声をかすかに聞き取り、ライトを点滅させて信号を送り、助けを求める。ダスティンは、ヴェクナによる殺害現場にゲートが開くことに気づき、ナンシーたちをトレーラー・パークにあるエディの家へと誘導する。
ロビンとエディは、天井に開いたゲートから無事に現実世界へ戻ることに成功するが、ナンシーは突然幻覚に囚われ、ヴェクナの精神世界へと引き込まれてしまう。彼女はそこで、ヴェクナの正体を知ることになる。
その頃、ニーナ計画の施設では、エルが過去の記憶を追体験し続けていた。彼女はついに、ホーキンス研究所で起きた虐殺事件の真相にたどり着く。事件の犯人はエルではなく、かつて彼女が信頼していた職員「ワン」だった。彼の正体はヴィクター・クリールの息子ヘンリーであり、研究所では“001”として育てられていた超能力者だった。
ワンはエルの力を利用して自らの能力を解放し、研究所の子どもたちや職員を次々と殺害。エルはワンとの壮絶な戦いの末、彼を「裏側の世界」へと吹き飛ばす。そこで彼はヴェクナへと変貌し、数年後に現実世界へ干渉を始めることになる。
カムチャッカでは、ジョイスとマレーが刑務所への潜入を果たす。2人はホッパーと囚人たちがデモゴルゴンと戦わされる様子を目の当たりにし、制御室を占拠してホッパーとエンゾを救出する。ホッパーとジョイスはついに再会を果たし、互いの無事を確かめ合う。

ヴェクナの幻覚に囚われたナンシーは、ホーキンスの街全体に4つのゲートが広がり、破滅へと向かう未来の光景を目撃する。炎に包まれた学校、崩壊する町、そして無数の死。ヴェクナは彼女に「イレブンに伝えろ。お前が見たすべてを」と言い残し、ナンシーを解放する。現実世界へ戻ったナンシーは、仲間たちにその恐ろしいビジョンを伝える。
ダスティンは、ヴェクナが幻覚を見せている間は本体が無防備になることに気づき、マックスをおとりにしてヴェクナの隙を突く作戦を提案する。仲間たちはそれぞれの役割を担い、「裏側の世界」でヴェクナの本体を攻撃する準備を進めていく。
一方、ニーナ計画の施設では、エルが過去の記憶をすべて思い出し、能力を完全に取り戻していた。巨大なタンクを軽々と浮かせるほどの力を発揮した彼女は、ホーキンスの仲間たちに危険が迫っていることを察知する。マックスに死の気配が迫っていることを知ったエルは、ホーキンスへ戻る決意を固める。
しかし、ブレンナー博士は「まだ準備が整っていない」と主張し、エルを施設内に閉じ込めようとする。エルは彼に対し、「あなたこそが怪物だった」と怒りをぶつける。彼がヴェクナ(ワン)を探させたことで、ゲートが開き、多くの命が失われることになったのだ。
その直後、施設はサリバン中佐率いる武装部隊に襲撃される。ブレンナーはエルを連れて脱出を試みるが、ヘリからの狙撃を受けて致命傷を負う。エルは自分を狙うヘリを能力で墜落させ、ブレンナーに静かに別れを告げる。そして、駆けつけたマイク、ウィル、ジョナサン、アーガイルと合流し、ホーキンスへ向かう。
カムチャッカでは、ホッパー、ジョイス、マレー、エンゾたちが刑務所の奥で複数のデモゴルゴンや、動く黒い塵(マインド・フレイヤーの一部)を発見する。生きたまま解剖されているデモドッグの姿に衝撃を受けながらも、彼らは下水道を使って脱出を果たし、アメリカへの帰還方法を探り始める。

カムチャッカでは、ホッパーたちがオーエンズ博士の部下と連絡を取り、ホーキンスが破滅の危機に瀕していることを知らされる。ホッパーとジョイスは子どもたちを守るため、再び刑務所へ戻り、「裏側の世界」と繋がる“ハイブ・マインド”にダメージを与える作戦を立てる。
ホーキンスでは、ナンシーたちが現実世界と「裏側の世界」に分かれてヴェクナを倒すための作戦を実行する。ナンシー、スティーブ、ロビン、ダスティン、エディは「裏側の世界」に潜入し、ナンシーたちはヴィクター・クリールの屋敷へ向かう。ダスティンとエディは、ヴェクナの守護者である“デモバット”を引き離すため、トレーラーハウスの屋根でエディがエレキギターをかき鳴らし、デモバットを呼び寄せる。
現実世界では、マックス、ルーカス、エリカがヴィクターの屋敷に向かう。マックスはヴェクナの注意を引きつけるため、あえて彼の精神世界に飛び込む。ルーカスとエリカは彼女を守ろうとするが、ジェイソンが乱入し、ルーカスと激しく衝突。その最中、ヴェクナの呪いが発動し、マックスの体が宙に浮かぶ。
エルはマックスを救うため、ピザ店の冷蔵庫を感覚遮断タンクとして使い、遠隔からヴェクナの精神世界に潜入する。激しい戦闘が繰り広げられるが、ヴェクナは圧倒的な力でエルを追い詰め、マックスを殺そうとする。
その瞬間、カムチャッカの刑務所に潜入したホッパー、ジョイス、マレーがデモゴルゴンたちを火炎放射器で焼き払い、ハイブ・マインドにダメージを与える。「裏側の世界」全体が揺らぎ、ヴェクナも苦しみ始め、エルは反撃のチャンスを得る。
ナンシーたちは屋敷の屋根裏でトランス状態のヴェクナの肉体を発見し、火炎瓶とショットガンで攻撃。ヴェクナは炎に包まれて窓から転落するが、姿を消してしまう。
エディは自らの命を顧みず、ダスティンを逃がして最後まで戦い抜くが、デモバットに襲われて致命傷を負い、ダスティンの腕の中で静かに息を引き取る。
マックスの心臓が止まった瞬間、ホーキンスの中心部に巨大な裂け目が発生し、町は壊滅的な被害を受ける。エルは精神世界の中でマックスの命をつなぎ止めることに成功するが、彼女は昏睡状態のまま病院に運ばれる。
2日後、エルとマイクたちはホーキンスに到着する。病院を訪れたエルはマックスの意識の中を探ろうとするが、そこには何も存在していなかった。
仲間たちはエルがかつて暮らしていた小屋を修繕し、彼女をそこに匿うことに。そこへ、カムチャッカから帰還したホッパーとジョイスが現れ、子どもたちとの再会を果たす。
だが、喜びも束の間、空には「裏側の世界」の赤い稲妻が走り、死んだ植物が灰のように舞い始める。ウィルはヴェクナの気配を感じ取り、戦いはまだ終わっていないことを静かに告げる。

感想と解説(ネタバレ有)

シリーズの転換点としてのシーズン4

シリーズの中でも特にスケールが大きくて、物語の大きな転換点になったシーズンだと感じました。これまでの“青春×SF×ホラー”という枠組みはそのままに、よりダークで重厚なトーンへと踏み込んでいて、登場人物たちの内面にも深く切り込んでいます。

まず、舞台が3つに分かれたこと。ホーキンス、カリフォルニア、カムチャッカという地理的な分断によって、それぞれのキャラクターがまったく違う状況で物語を進めていく構成になっていました。

さらに、今シーズンから登場した新たな敵“ヴェクナ”が、シリーズのホラー要素を一段と強めています。これまでの「裏側の世界」の怪物とは違って、ヴェクナは登場人物たちのトラウマや罪悪感に直接働きかけてくる存在で、心理的な恐怖がじわじわと描かれていくのが印象的でした。

今回はそんなシーズン4を多角的に読み解きながら、物語の構造やキャラクターの描写、演出の意図、そしてテーマ性について、じっくり掘り下げていきたいと思います。

3つの舞台で同時に進行する物語

これまで、物語の中心は一貫してホーキンスでした。しかし今回のシーズンでは、登場人物たちが地理的にも心理的にも分断され、それぞれの場所でまったく異なるドラマが展開されていきます。

物語の主軸となるのは、やはりホーキンス。マックスをはじめとする若者たちが、次々とヴェクナの呪いにとらわれます。エルが不在の中、スティーブ、ナンシー、ロビン、ダスティン、ルーカスたちがヴェクナに立ち向かい、物語を力強く引っ張っていきます。

一方、カリフォルニアでは能力を失ったエルが孤立し、マイクやウィルたちが彼女を救うために奔走します。こちらはホーキンスのような緊迫したアクションよりも、人間関係の揺らぎや心理的な葛藤に焦点が当てられていて、静かなドラマが展開されていました。

そしてカムチャッカでは、ホッパーが過酷な収容所に囚われ、ジョイスとマレーが彼の救出に向けて動き出します。このパートは、ホッパーの過去や贖罪を描くと同時に、「裏側の世界」との接点を持つことでホーキンスの戦いとも間接的につながっていきます。

3つの舞台が同時進行する構成は、物語に広がりと奥行きをもたらす一方で、視点が分散されるという欠点も。特にカリフォルニア組の描写はやや弱く、物語全体のテンポや感情の濃度にばらつきが生まれていた印象もあります。

キャラクター別の描写と役割

キャラクターごとの描写にも大きな差が生まれました。ここでは、特に印象的だったキャラクターたちの役割と描かれ方を整理してみたいと思います。

ホッパー:贖罪と再生の物語

ソ連の収容所に囚われたホッパーは、肉体的に拘束されているだけでなく、過去の罪と真正面から向き合わざるをえない精神的な牢獄にも閉じ込められていました。

かつてベトナム戦争中、枯葉剤の製造に関与していたという事実。そして、その化学物質の影響で最愛の娘サラを病で失ったという過去は、彼の心に深い傷を残しています。

ホッパーはその出来事を「呪い」として捉えていて、「俺が呪われているんじゃない。俺自身が呪いなんだ」という言葉には、自分自身を加害者として責め続ける強烈な自己嫌悪と、救いようのない絶望が滲んでいます。

しかし物語の終盤、ホッパーはデモゴルゴンとの死闘に身を投じることで、再び“戦う父親”としての姿を取り戻していきます。それは、彼が過去の罪に押し潰されるのではなく、罪を背負いながらも前に進もうとする意志の表れでした。

そしてジョイスとの再会は、ホッパーの人間性が再び息を吹き返す象徴的な場面として描かれています。孤独と罪悪感に沈んでいた彼が再び立ち上がる姿には、胸が熱くなりました。

ウィル:言葉にできない想いと絵に込めたメッセージ

シーズン4でのウィルは、“言葉にできない想い”を抱え、苦悩します。

マイクに手渡した絵には、ウィル自身の想いが込められていました(エルの気持ちを代弁するふりをしていましたが)。マイクを“心臓”として描いたその絵は、ウィルにとってマイクがどれほど大切な存在であるかを示しています。

バンの中で必死に涙をこらえる姿や、ピザ店で兄ジョナサンと抱き合う場面も、彼の心の揺れを繊細に映し出していました。こうした描写は、ウィルの内面にある葛藤や孤独を浮かび上がらせると同時に、シーズン5への伏線として重要な意味を持っているように感じます。

マックス:内面の葛藤と希望

ヴェクナの標的となったマックスは、兄ビリーの死に対する罪悪感、そして自分自身の孤独と向き合うことになります。その心の奥底にある痛みは、ヴェクナの攻撃によってさらに深く掘り下げられていきます。

ヴェクナの世界から脱出するシーン(第4話)は、音楽と映像がみごとに融合し、マックスの“生への意志”が鮮やかに浮かび上がるシリーズ屈指の名場面でした。

最終話で彼女が背負うことになった運命も、物語全体に強い余韻を残しました。

エディ:アウトサイダーの英雄譚

新キャラクターのエディは、社会の中で“異端者”として疎外される存在でした。

ヘルファイア・クラブのリーダーであり、麻薬ディーラーでもあった彼は、町の人々の偏見によって、まるで“魔女狩り”のような扱いを受けてしまいます。実際には繊細で仲間思いな人物なのに、見た目や噂だけで決めつけられてしまうところがとても切なかったです。

そんなエディが、「裏側の世界」で自らおとりとなってデモバットを引きつける場面は、彼の「逃げない」という決意がはっきりと表れた瞬間でした。ダスティンとの友情が、彼に勇気を与えたのだと思います。

最終話のエディのギター演奏と、ダスティンとの別れのシーンは、心に残る名場面でした。わたしは映画「ロード・オブ・ザ・リング」が好きなのですが、エディにはボロミアの姿が重なって見えました。

スティーブ&ナンシー:成長と再接近

シーズン4では、スティーブの内面の成長がとても丁寧に描かれていました。ナンシーに将来の夢を語るシーンは印象的で、彼が責任感と優しさを持つ青年へと成長したことが伝わります。

一方のナンシーは、ヴェクナの謎を追う調査の中心人物として活躍し、強いリーダーシップを発揮します。スティーブとの関係も、恋愛というより“戦友”としての絆が強まっていて、ジョナサンとの微妙な距離感との対比が印象的でした。

「裏側の世界」でスティーブがデモバットに襲われる場面では、ナンシーが迷いなく彼を守る姿が描かれ、2人の関係が内面と行動の両面で深まっていることが感じられます。

個人的にはナンシー&ジョナサンを応援しているので、この展開には少し複雑な気持ちになりました。スティーブが魅力的だからこそ、ナンシー以外の誰かと幸せになってほしいです。

マイク&ジョナサン:物語からの後退

マイクとジョナサンは、これまで物語の中心を支えてきた存在でしたが、シーズン4では少し舞台の後ろに下がったような印象を受けました。

マイクは、エルとの恋愛に焦点が当てられたことで、彼自身の葛藤や成長があまり描かれず、少し物足りなさを感じる場面もありました。ウィルとの微妙な距離感や、言葉にできない不安が見える瞬間もあったのに、それが深く掘り下げられることはなく、彼の内面にもっと触れてほしかったという思いが残ります。

ジョナサンもまた、ナンシーとの関係に揺れる様子が描かれながらも、アーガイルとのコメディ要素が前面に出ていて、彼自身の内面や“兄”としての役割が少しかすんでしまった印象でした。

創造と破壊の三角関係

シーズン4の核心にあるのは、エル、ヴェクナ(ワン/ヘンリー)、そしてブレンナー博士の関係です。

まずブレンナー博士は、エルにとって“育ての親”でありながら、“支配者”でもある存在でした。彼はエルを「娘」と呼び、表面的には愛情を注いでいるように見えますが、その根底には常に「実験対象」としての管理意識がありました。

エルの能力を引き出すために、彼女の人格や自由を犠牲にしてきたのも、彼の“父性”がどこか歪んだものであることを物語っています。

一方のワン(後のヴェクナ)は、幼少期に一家惨殺事件の唯一の生き残りとして発見され、その異質な力を理由にブレンナー博士の管理下へと置かれた「最初の被験者」でした。

彼の能力は突出していて、ブレンナーですら制御不能でした。そのため彼は力を封じられ、施設内で存在を否定され続けることになります。やがて彼の内面には怒りと孤独が積み重なり、自分を“怪物”として扱う者たちへの憎しみが反逆という形で噴き出します。

エルとの対話の中で語られる彼の思想や世界観は、「裏側の世界」を解放の場として描き出します。そこでは力こそが真理であり、弱さは淘汰されるべきものとされます。この思想は、ブレンナーによって生み出された“怪物”が、さらに新たな破壊を生むという連鎖を浮かび上がらせます。

そしてエルは、この2人の間に立たされる存在。彼女がワンを「裏側の世界」に送ったことで、結果的にヴェクナを“創造”してしまった――この出来事は、エルの力が“創造”と“破壊”の両面を持つことを意味していて、彼女が背負う“原罪”のようなものとして描かれています。

ニーナ計画によってエルが過去の記憶を追体験する過程は、彼女が自分の存在の意味を再確認する旅でもありました。「自分は何者なのか」という問いに向き合うことが、エルを“怪物”ではなく“人間”として立ち上がらせていきます。

この三者の関係は、以下のような構造で整理できます。

役割関係性
ブレンナー博士支配者/育ての親/加害者
ワン(ヴェクナ)被害者/反逆者/怪物
エル創造者/犠牲者/戦士

それぞれが“力”を持ち、その力をどう使うかによって物語が少しずつ動いていく。そんな構造が、シーズン4のドラマを支える土台となっていました。

とりわけ、ブレンナー博士の死とエルの覚醒は、物語の流れを大きく変える出来事として、強く印象に残ります。

演出とジャンルの変化

シーズン4は、これまでの「80年代ノスタルジー」を軸としたSF・ホラー・青春ドラマの雰囲気から一歩踏み出し、作品全体が大きく変化した印象を受けます。特に際立つのが、ホラー要素の強化と、演出の緻密さです。

ヴェクナの登場によって、恐怖の質は“モンスター的な脅威”から“心の傷に触れる心理的恐怖”へとシフト。マックスやクリッシーの描写を通して、恐怖の根源がトラウマや罪悪感にあることが強調されました。

演出面では、夢と現実が交錯する映像や、“空中浮遊”“時計の音”などの象徴的モチーフが、視覚的な不安と緊張感を生み出しています。音楽も重要な役割を果たし、ケイト・ブッシュの「Running Up That Hill」はマックスの心の拠り所として、物語の鍵となりました。

ジャンルとしても「SF+青春」から「心理ホラー+群像劇」へと重心が移り、登場人物の内面に深く踏み込む描写が増えました。

こうした変化はシーズン5への布石としても意味深く、物語がより暗く、重層的になっていく中で、キャラクターたちの選択がどう描かれるのかに注目が集まります。

シーズン4が描いたテーマ

シーズン4では、物語のスケールが広がっただけでなく、テーマ性もより深く、重層的になっていました。ここでは、特に印象的だったテーマをいくつか整理してみたいと思います。

贖罪と責任

ホッパーの過去やエルの“原罪”は、個人が背負う罪とどう向き合うかという問いを投げかけています。ホッパーは娘の死を自分のせいだと感じ、エルはヴェクナを生み出してしまったことに苦しみます。彼らの戦いは過去との対峙であり、贖罪でもありました。

喪失と記憶

マックスが兄ビリーの死に囚われているように、喪失は多くのキャラクターに影を落としています。ウィルもまた、マイクとの関係の変化に“何かを失った”感覚を抱いています。過去の記憶は彼らを苦しめる一方で、再生の鍵にもなっていました。

孤独とつながり

エルが孤立する描写や、ウィルが自分の気持ちを誰にも言えない場面など、孤独はシーズン4の大きなテーマのひとつです。
ただし、その孤独の中で誰かとつながろうとする姿勢(ジョイスがホッパーを救いに行く行動や、ダスティンがエディに寄り添う場面など)が、物語に温かさを与えていました。

再生と希望

絶望的な状況の中でも、キャラクターたちは何かを取り戻そうとします。ホッパーは人間性を、エルは力と記憶を、マックスは生きる意志を。それぞれが“再生”に向かって動いていく姿は、シーズン5への希望にもつながっています。

ついに最終章へ…

シーズン4は、これまでで最も“重くて深い”シーズンだったと言えるかもしれません。物語の構造が複雑になり、登場人物の内面もより繊細に描かれ、ジャンル的にもホラーや心理ドラマの要素が強まりました。

登場人物たちはそれぞれの場所で、自分自身の過去と向き合いながら、「裏側の世界」という共通の脅威に立ち向かっていきます。その中で描かれたテーマ(贖罪、喪失、孤独、再生)は、シリーズ全体の根底にある“人間の強さと脆さ”を浮かび上がらせていました。

そして何より、シーズン4は最終章となるシーズン5への“助走”としての役割も担っています。

多くの伏線が張られ、キャラクターの関係性が積み上げられ、物語はついにクライマックスへと向かっていきます。次のシーズンでは、これまで積み重ねられてきた彼らの感情や葛藤がどう爆発するのか。最終章が待ちきれません。

▼シーズン5の予告映像

シーズン4に込められたオマージュ

本作は80年代のポップカルチャーへの愛情と敬意に満ちた作品として知られていますが、シーズン4ではそのオマージュの深度がさらに増し、ジャンルを横断するような演出が随所に見られました。印象的なオマージュシーンをいくつかご紹介します。

ファンタジーの残響『ロード・オブ・ザ・リング』

エディとダスティンの関係性は、『ロード・オブ・ザ・リング』のボロミアとメリー&ピピンのような“年長者と若者”の絆を思わせます。特にエディの自己犠牲は、ボロミアがホビットたちを守って命を落とす展開と重なります。

第9話でホッパーが剣を手に取り、デモゴルゴンに立ち向かう場面は、まるでアラゴルンやボロミアが剣で怪物に挑むような“英雄の瞬間”を彷彿とさせます。

さらに、ヴェクナの世界に引き込まれる演出(空中に浮かび、時間が止まるような感覚)は、指輪の力に囚われる描写や、サウロンの支配する空間に近い雰囲気を持っています。

そして何より、ダファー兄弟自身が「シーズン5の最終話は『王の帰還』のように盛りだくさんになる」と語っていることからも、彼らがこの壮大なファンタジーへの敬意を物語の芯に据えていることがうかがえます。

ホラー映画への敬意『エルム街の悪夢』『13日の金曜日』

ヴェクナが夢や幻覚を通じて犠牲者を追い詰める手法は、『エルム街の悪夢』のフレディ・クルーガーを彷彿とさせますし、森の中で若者たちが襲われる構図は、スラッシャー映画の定番『13日の金曜日』を思い起こさせます。

精神と対話の演出『羊たちの沈黙』

ヴィクター・クリールとの面会シーンは、まるで『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクターとの対話のよう。隔離された空間で語られる過去の記憶と、静かな狂気が交錯する演出は、心理スリラーへのオマージュとして印象的でした。

呪われた家の記憶『悪魔の棲む家』

ヴィクター・クリールの家は、ホラー映画『悪魔の棲む家』を思わせます。両作品とも、家族が不可解な現象に巻き込まれ、精神的に追い詰められていくという点で共通しています。

特に、ヴェクナの世界に引き込まれる際の演出(空間が歪み、時間が止まるような感覚)は、『悪魔の棲む家』で描かれた“見えない力”の存在と通じるものがあります。

SFホラーの空気感『エイリアン』『コマンドー』

ソ連の収容所での戦闘や、「裏側の世界」の生物描写には、80年代後期のSF映画の影響が色濃く見られます。ホッパーの肉体的な戦いは、シュワルツェネッガー主演の『コマンドー』を思わせるアクション演出。

一方で、研究施設の冷たい空気や、未知の生命体との接触は『エイリアン』シリーズの緊張感を彷彿とさせます。

“物語の鍵”として機能する「Running Up That Hill」

マックスがヴェクナの支配から逃れる場面で流れるケイト・ブッシュの「Running Up That Hill」。音楽がキャラクターの生死を左右する“物語の鍵”として機能する演出は、80年代のMV文化や映画音楽の使い方へのオマージュとも言えます。

音楽で挑む“裏側の世界”「Master of Puppets」

最終話、エディが屋根の上で演奏したのはメタリカの『Master of Puppets』。支配と狂気をテーマにしたこの曲は、ヴェクナの“精神操作”と呼応するように響き、エディの反逆精神と仲間への思いを象徴する選曲となっています。

“最もメタルな瞬間”と称されたこの演奏は、80年代カルチャーへの鮮烈なオマージュであり、音楽がキャラクターの心情と物語のテーマを際立たせる演出となっていました。

関連記事

Netflixの記事