Huluで配信中の海外ドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」シーズン3第11話のあらすじと感想です。
ジューンが子どもたち52人の脱出計画を本格的に進める中、ローレンス司令官の迷いやウィンズロウ司令官との衝突など、緊迫した展開が続きます。
一方、セリーナとフレッドはカナダへ向かい、そこで思いがけない結末を迎えます。それぞれの選択が物語を大きく動かす、見応えのある回でした。
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第11話「ウソ」のあらすじ
女中と侍女が脱出させると申し出た子どもの数は全部で52人だった。ジューンは用意できる席が足りないことに頭を悩ませる。
エレノアは夫ローレンスがジューンと“儀式”を行ったことを受け入れられず、ローレンスに銃を向ける。ジューンは子どもたちの脱出計画のために彼の力が必要だとエレノアを説得し、ローレンスにも計画に協力することを約束させる。
一部の女中たちは別の計画が進行中であることをジューンに告げ、互いに協力も邪魔もしないことを誓う。彼女たちが“荷物”を待っていることを知ったジューンは、帰りの貨物機に子どもたちを乗せることを思いつく。
ローレンスは約束を破って夫妻だけで逃げようとするが、失敗して家に戻ってくる。検問の通過に新たな許可が必要で通れなかったという。
ジューンは売春宿のバーテンダー、ビリーに会いに行き、高価な美術品と引き換えに夫妻と女中のベス、さらに52人の子どもたちを貨物機に乗せて欲しいと頼む。
ジューンが売春宿を後にしようとしたとき、ウィンズロウ司令官に遭遇。部屋に連れ込まれレイプされそうになり、ウィンズロウを殺してしまう。そこへ清掃の女中が現れ、状況を見てジューンを逃がす。
彼女は以前シカゴの暴動に加わりコロニーへ送られることが決まっていたが、ジューンが女中に指名したことによって助け出された女性だった。彼女はほかの女中たちと協力して血痕のついた部屋を元通りにし、ウィンズロウの遺体を焼却炉で燃やして事件を隠蔽する。
セリーナとフレッドはニコールを取り戻すためトゥエロと連絡を取り、カナダ国境近くに赴いて秘密裏に交渉を進めようとする。だがトゥエロは2人の車を誘導して国境を超えさせ、フレッドは国際戦争犯罪人としてカナダ軍に逮捕される。
第11話の感想
52人の脱出計画とローレンス司令官の迷い
ジューンが立ち上げた「子どもたち脱出計画」には、なんと52人もの子どもが集まります。
彼女は貨物機を使って脱出させると語りますが、その規模の大きさに現実味を疑う声も出てきます。果たして、そんな人数を安全に運ぶことができるのか――計画の実現性が問われます。
計画への協力を約束していたはずのローレンス司令官は、約束を破って妻エレノアと共に国外脱出を試みますが、政府の検問に阻まれて失敗します。
彼は「ここまで人の心が危ういとは。母性愛も想定外だった」と語り、ギレアドの制度設計において人間の感情を軽視していたことが明らかになります。
理性だけで構築された体制が、いかに現実の人間性と乖離しているかを示す象徴的なセリフでした。
ウィンズロウ司令官との衝突
ローレンス司令官の支援が期待できないと悟ったジューンは、自ら計画を進める決意を固めます。女中たちの間では別の作戦も動いており、「荷物が届く」という言葉から、何らかの武器や爆発物が関係している可能性も示唆されます。
そんな中、ジューンは売春宿でウィンズロウ司令官と偶然遭遇。彼に誘われ、拒めば計画が危うくなるという状況の中で、ジューンは抵抗を試み、最終的には彼を殺害してしまいます。ペン1本で応戦し、置物でとどめを刺すという緊迫した場面は、彼女の極限状態を物語っていました。
この事件の処理を担ったのは、売春宿の女中。彼女は第3話で、コロニー送りになる女性の中からジューンが選んだ5人のうちの1人で、ここで過去の伏線が回収される形となりました。ウィンズロウの遺体は女中たちによって処理され、証拠は完全に消されます。
セリーナの選択とフレッドの逮捕
一方、セリーナとフレッドは密かにニコールを取り戻すため、トゥエロと接触します。旅の途中で、ギレアドが存在しなかった世界を想像する2人の会話には、過去への後悔と未来への希望が交錯していました。
2人は国境近くでトゥエロと落ち合い、カナダへと誘導されますが、入国直後にフレッドがカナダ軍に逮捕されてしまいます。セリーナは、フレッドの逮捕を知っていて協力したのでしょうか。
フレッドのセリーナへの愛情は本物だったかもしれませんが、それは支配の枠内で成立する関係性であって、彼女の自由な選択を許さないものでした。ギレアドという体制の中で築かれた関係が、外の世界でどう変化するのか。今後の展開が楽しみです。
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