埋もれる殺意~26年の沈黙~|全話ネタバレ・感想・登場人物(キャスト)・予告動画

「埋もれる殺意~26年の沈黙~」

各話のあらすじ(ネタバレ有)

ロンドン北東部を流れるリー川で、スーツケースに入った遺体が発見される。遺留品の腕時計の内蓋には「W・スミス」という職人の署名と2つの修理日が刻まれてあり、遺体の胸腔には包丁の刃先とポケベルの残骸が残っていた。
弁護士のコリンは夫のサイモンと共に7歳の少女フローラを養子に迎えようとしていたが、ゲイを差別する通りすがりの男から暴言を受け、カッとなって男の車に傷をつけてしまう。フローラの父親タイラーはその現場を目撃し、コリンを脅迫する。
ロンドンの看護師マリオンは不仲な姉エリースとの関係や、治療に消極的な患者ゾーイの対応に苦心する。教師のサラは校長職昇進のための面談に臨む。オックスフォードの警察署に勤務するテッサは、内気な息子ジェイソンの将来に不安を抱いていた。
サニーは腕時計の所有者を1990年5月に姿を消したデヴィッド・ウォーカーと特定。キャシーとサニーはデヴィッドの元妻テッサに会いに行き、事実を報告する。

テッサは聴取に応じ、失踪する前のデヴィッドが保守派のトーリー党に入れ込んでいたことや、うつに苦しんでいたことを明かす。テッサの上司は業務の制限を彼女に言い渡すが、テッサは拒否する。
キャシーたちは被害者デヴィッドの遺留品から、コリン・オズボーン、サラ・マームード、ジョイ・ダンフィにたどり着く。コリンはデヴィッドを知らないと言うが、サラは当時売春婦だったことからデヴィッドが客のひとりだった可能性を認める。
コリンは夫のサイモンにタイラーから脅迫されていることを明かし、タイラーに金を払うことを決める。フランはデヴィッドの古い友人グレゴリーから、デヴィッドが小学生時代に教師から虐待を受けていたことを聞く。

サニーはグレゴリーに会い、デヴィッドがつらい過去を忘れるために酒と麻薬におぼれ、頻繁に売春婦と関係を持っていたことを聞く。また、失踪する前に小学校時代の教師と会い、虐待について問い詰めていたことも判明する。
キャシーはデヴィッドが切符に書き込んでいた住所を訪ね、ジョイとエリースに会う。ジョイはその当時アメリカに滞在中で、娘のマリオンが家にいたと証言する。
マリオンには犯罪歴があり、1988年にデモ行進に参加し警察官に暴行を加え逮捕されていた。マリオンが逮捕時に住んでいた家の近くにはIRA(アイルランド共和軍)活動家が住んでいたことが判明する。マリオンはキャシーの訪問に動揺を示し、ジョイとエリースに当たり散らす。
コリンはデヴィッドが失踪する数日前、精神を病んで入院したことをキャシーたちに明かす。サラは夫ハッサンに売春婦をしていた過去を打ち明ける。コリンとサラ、マリオンは密かにパブで合流する。

コリン、サラ、マリオンは警察に聴取をされたことでそれぞれ家族との関係が悪化する。コリンはフローラの実母にスマホを盗まれ、サラは売春婦だった過去を家族や知人に知られ、マリオンは過去にIRA活動家と同居していたことを夫に知られる。
キャシーとサニーはサラの家を訪れ、サラがデヴィッドのポケベルに住所を送信した日に重傷を負って病院へ行った事実を突きつけ、デヴィッドに暴行されたのではないかと問うが、サラは知らないと主張する。さらに、コリンは以前勤めていた銀行で派遣社員から性的暴行を訴えられ、退職していたことが判明。
デヴィッドの過去を調査するうち、彼が慈善事業を利用して未成年の子供たちに性的虐待を繰り返していたことがわかる。マリオンはデヴィッドをIRAの標的にし、殺そうとしていたという証言が出てくる。

コリンの性的暴行事件は、元の雇い主であるデヴィッドから金を受け取ったマリアの狂言だったことが判明。キャシーはデヴィッドから虐待を受けていたエレンから、いかがわしい〝集会〟が行われていた民家の前でテッサと思われる女性に会ったことを聞く。
キャシーはコリンとマリオンとサラが知り合いである可能性を考え、3人を同時に警察署へ呼び出す。サラは民家の写真を見て動揺し、キャシーはサラが〝集会〟に呼ばれていたことを確信するが、サラは知らないと言い張る。コリンは性的暴行の訴えがウソだと知らされ驚くが、デヴィッドのことは覚えていないと言う。マリオンもまた〝集会〟については知らないと首を振る。
サラが警察に呼び出されている間、夫のハッサンはサラの父親から話を聞く。サラは幼い頃に母を亡くしたせいで素行不良になり、父親は13歳のサラを家から追い出したと言う。ハッサンはサラが事件当時ヨーロッパにいたことを示す証拠を警察署に持ち込み、サラを連れ帰る。

キャシーはコリンとサラ、マリオンの3人がどこかで出会い、それぞれが憎む虐待者を交換殺人によって殺害したという仮説にたどり着く。捜査班はその仮説を立証する証拠を捜そうと動き出す。
サニーはマリオンの母ジョイに会い、マリオンが12歳のとき実の父親から性的虐待を受けていたことを聞く。そのことを知りながら放置していたジョイを、姉のエリースは激しく罵倒する。調査の結果、3人は同じ病院の精神科に通っていたことがわかる。
マリオンを尾行したキャシーは、田舎のパブで3人が会っているところを目撃する。コリンは9歳の時に父の友人から性的虐待を受けたことをキャシーに話し、「同じ経験をしたことのないあなたに私がしたことを咎める権利はない」と告げる。
マリオンは犯行が明るみに出る前に夫に真実を話そうと、トニーに実父から受けていた性的虐待について語る。コリンは容疑が晴れるまでフローラと接することを禁じられ、家を出て行く。
キャシーはサニーと会い、3人を刑務所へ送る意味について語り合う。これ以上彼らに罰を与える必要はないと判断したキャシーは、3人が密会している現場を抑えたことを明かさない決意をする。

感想(ネタバレ有)

キャシーの決断に救われる

シリーズ3作品の中で、いちばん心を揺さぶられる内容でした。

不条理で、やりきれなくて、胸を締め付けられるストーリー。殺人の動機が悲しすぎて、殺された被害者にまったく同情できませんでした。

殺人は重罪なので犯人を許してはいけないのだけど、キャシーが下した「これ以上の罰を与えない」という決断に同意せずにはいられません。キャシーの優しさに救われました。

むしろデヴィッドの遺体が見つからないほうがよかったのでは…とも思ったけど、いろいろ考えてみた結果、やはり見つかってよかったのだと思う。

そのおかげで殺されたデヴィッドの悪行が明らかになり、彼の行為を許した妻のテッサは警察官としてのキャリアを失い、再婚相手と築くはずだった幸せな生活も手放すことになった。

息子のジェイソンにとっては辛い真実だったけど、キャスのように彼のよさがわかる女性もいるし、きっと乗り越えられると思う。

コリンとサラとマリオンは、虐待を受けていた事実を身近な人に語ることができた。コリンが訴えられた性的暴行も、ウソだったと判明。

遺体が見つからなければ、彼らはずっとひとりで苦しみを抱え続けていたかもしれない。パートナーとの関係も、いつか壊れることになっていたかも…。

とはいえ人を殺したことは事実で、彼らはその罪を一生背負い、隠し続けることになるのでしょう。

時代のせいにする大人たち

子供の頃に性的虐待を受け、心に深い傷を負った彼らは、その後も辛い人生を送っていたのだと思います。接点のなかった彼らが出会ったのは、ある病院の精神科でした。

そのときどんな会話が交わされたのかは、想像するしかありません。

おそらく互いの苦しみを分かち合い、心を支配する憎しみから解放されるためには、憎むべき相手をこの世から消し去るしかないと考えたのでしょう。そしてアリバイを作るために交換殺人を計画したのだと思います。

キャシーにすべてを打ち明けたコリンは、強い口調で言いました。

「私がこうなったのは、彼のせいだと思っています。どうぞ刑務所に入れてください。でも言っておきますが、同じ経験をしていないあなたやほかの人間に、私がしたことを咎める権利は一切ない」

一方、夫の虐待行為を見逃したテッサは、職場の上司に「どうして黙っていられたの?」と訊かれたとき、こう答えています。

「当時はロックスターがテレビで未成年の恋人のことを話しても誰もとがめなかった。『ああそう』って受け流してたし、ある意味そういうのがカッコイイともてはやされた。誰も変だと思わなかった。時代が変わるまで」

わたしも若くないので、時代の変化を言い訳にしたい心理には共感できる部分もあります。けれど、それを理由に“なかったこと”にしてはいけないということを、今回肝に銘じました。

関係者に放ったキャシーのセリフが胸に響きます。

「10年前に見過ごした人も、時代のせいにするんです。今の人たちが、将来同じ言い訳をしないことを願います」

盤石の信頼関係

キャシーとサニーが今回もいいコンビでした。本当にこの2人が大好きです。

でもちょっと危うい場面もありましたね。なぜかサニーがキャシーにキスしそうになるという。未遂に終わったのでよかったけど。2人にはずっと今のままの信頼関係を続けてほしいから、変に恋愛とか持ち込まないでほしいわ。

この2人だけじゃなく、マーレイもジェイクもフランも好き。このドラマに出てくる警察の人たちは、珍しくみんな真面目で親切で優しい。

彼らがやっている気が遠くなるような証拠集めも、地味だけど好感が持てる。
こういう場面をしっかり見せてくれるドラマは信頼できます。

第1弾の「39年目の真実」でキャシーの亡くなった母親が不倫していたことが発覚しましたが、今回もその件を引きずっていて、キャシーの父親は悩んだ末に不倫相手に会いに行きました。

そこでキャシーの母親が不倫相手に別れを切り出していたことがわかり、キャシーも父親もようやく気持ちに整理をつけることができたようです。

「埋もれる殺意」関連記事
1 2

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です