「石つぶて」最終話(第8話)ネタバレあらすじ感想|最後まで胸熱だった

WOWOWドラマ「石つぶて」あらすじ感想

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WOWOW連続ドラマ「石つぶて~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~」最終話のあらすじと感想です。

事件の結末は何とも虚しく、悔しく、やりきれない。しかし負けてもなお潔い男たちと、その情熱を受け継いだ女性刑事が、最後に爽やかな後味を残してくれました。

第7話のあらすじ(ネタバレ有)

総理官邸から提出された証拠書類は、殆どが黒塗り状態だった。しかも書類の開示と引き替えに、真瀬(北村一輝)の罪状を横領ではなく詐欺罪にするよう求められる。外務省は真瀬個人に罪をなすりつけ事件を終わらせようとしていた。

納得がいかない木崎(佐藤浩市)と斎見(江口洋介)は国友(矢島健一)に抗議するが認められない。「このままでは事件そのものがもみ消される」という東田(萩原聖人)の言葉に、2人は仕方なく詐欺罪で立件することに応じる。

真瀬は詐欺罪で逮捕、同じく外務省ノンキャリ職員の秋村(羽場裕一)と児玉(清水伸)も逮捕されるが、木崎たちが望む結果とはほど遠かった。

政府は機密費上納の存在を認めず、やがて報道は沈静化。木崎は真瀬に上納の事実を公判で述べるように訴えるが、真瀬は真実を明かさないまま公判は終わる。

その後、木崎と矢倉(飯豊まりえ)はナンバーに異動。斎見は管理官となる。定年を迎えた木崎のもとを斎見が訪れ、矢倉がサンズイを上げたことを伝える。

第7話の感想(ネタバレ有)

いやもう、ほんとに最後の最後まで緊張感のある面白いドラマでした。連続ドラマで、こんなに毎回興奮したのは初めてですね。胸熱な結末に、思わず涙がこみ上げました。

外務省は真瀬を「詐欺罪」で立件するように要請してきました。これは前回、安西(佐野史郎)が首相らしき人物にお願いしていた結果でしょう。でも木崎たちが望むのは横領罪

ここで疑問が発生します。「“詐欺罪”と“横領罪”ってどう違うの?」って思いませんでした?わたしはさっぱり違いがわからなかったので、気になって調べてみました。

詐欺罪は、人を騙して物を得たり利益を得たりすること。
横領罪は、人から預かった物(または公共の物)を、不法に横取りして自分の物にすること。

ざっくり言うと、そういうことらしいです。二課の刑事はサンズイ(汚職)の摘発に命をかけているので、単なる詐欺ではダメだったのでしょう。

前回、真瀬の自供が得られたので、もう全部終わったような気になっていましたが、とんでもなかったですね。真瀬を立件するために、裏取り(証拠集め)に奔走する刑事たち。これが見るからに大変そう。

刑事ドラマというと、街中で銃をぶっ放したり、密室の謎を解いたり、犯人と取っ組み合ったりするものが多いので、警察の仕事がこんなに地味で手間のかかるものだとは思いませんでした。実際は、こういう地味な作業のほうが多いんでしょうね……頭が下がります。

裏付け捜査のために聴取に呼ばれた参考人の数は、700人以上。途方に暮れてしまいます。どれだけ時間がかかったんだろう。

それでも、逮捕できたのは真瀬を含むノンキャリ3人だけでした。キャリアたちは形だけの処分で終わり、政府も上納の存在を認めず、マスコミは別の事件に興味を移し、世間は事件を忘れ去っていく……。

「結局、俺たちの捜査は負けたんだ」と呟く木崎。真瀬は、大きな力の前には誰も抗えない、自分はただの石ころにすぎない、と言います。

組織ぐるみの不正を前にしたら、誰でもそう言わざるを得ません。相手が国家であればなおさら。大なり小なり組織に属しているわたしたちは、誰でも経験しているはず。

木崎にしても、あからさまな報復人事でナンバーに飛ばされ、無念を抱えたまま定年退職します。でも、彼は羽佐間と違って、最後まで刑事を辞めなかったんですよね。

たぶん木崎のことだから、自分に与えられた仕事を誠実にこなし、最後の日まで誇りを持って職務を全うしたのでしょう。

そして、斎見から、木崎の誇りを受け継いだ矢倉が、警視庁の女性刑事として初めて汚職を摘発したと聞いて、木崎は「ちくしょう、そういうことか」と嬉しそうに零します。

この物語のタイトル「石つぶて」の意味が、ここで、すとんと心に落ちてきました。たとえ時が移り変わっても、人が移り変わっても、この方法なら、石を投げ続けることができます。

これ以上ないラストシーンでした。

出演者はもちろん、音楽もストーリー運びも、文句なしの面白さで、最後まで胸を熱くさせてくれたドラマでした。こういう内容のドラマは、ぜひ地上波でも放送してほしいです。

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