どうも、夏蜜柑です。
WOWOWの連続ドラマ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」第2話。
第1話は毒親に苦しめられる娘・弓香が主人公でしたが、第2話は母親の佳香が主人公。
〝毒親〟という一言で片付けるには悲しすぎる、母親側の真実が描かれます。
ほぼドラマのオリジナルストーリーと言っていいと思います。
原作でモヤッとした人にとっては、優しい物語になっていたのではないかと。
弓香がきゅうりのぬか漬けを美味しそうに食べるラストシーンが印象的でした。
▼第1話の感想はこちら
ポイズンドーター・ホーリーマザー第1話|悪いのは毒親か、毒娘か
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第2話「ホーリーマザー」の概要
- 娘の弓香(足立梨花)がテレビのトークショーで「私の母は毒親です」と告白し、佳香(寺島しのぶ)は世間から白い目で見られるようになる。一方、弓香は毒親発言で注目を集め、映画の主演が決まる。
- 理穂(山下リオ)は弓香に真実を告げようとするが、弓香は話を聞かずに電話を切ってしまう。弓香が付き合っていた恋人・幸弘(落合モトキ)は既婚者で、まもなく子供が産まれる予定だった。佳香はその事実を突き止め、幸弘を脅して2人を別れさせたのだ。
- たまたま出会った地元の中学生・乃愛(山田杏奈)が「母親から卒業する」と言うのを聞き、佳香は子離れを決意。弓香に「今日からは親でも子でもない。あなたの人生に二度と関わらない」と告げる。
- 弓香の毒親発言が週刊誌の記事に載り、自殺した弓香の中学時代の同級生まりあの母親(渡辺真起子)が佳香を訪ねてくる。彼女は「まりあの遺書に弓香の名前があった」と佳香に告げ、300万円を脅し取る。
- その帰り、佳香は橋から乗り出す少女を助けようとして道路に飛び出し、交通事故で死んでしまう。葬儀の席でも佳香への恨みを口にする弓香に、理穂は「私は自分の娘が弓香みたいな毒娘にならないように育てようと思ってる」と吐き捨てる。
- 実家の片付けをしていた弓香は、幼稚園時代に佳香から「お芝居が上手」だと褒められたことを思い出し、涙ぐむ。弓香は台所の床下に残っていた、佳香が作ったきゅうりのぬかづけを食べる。
- 放送局:WOWOWプライム
- 放送時間:7月13日(土)夜10時
- 原作:湊かなえ『ポイズンドーター・ホーリーマザー』
- 第2話脚本:清水友佳子(「リバース」「夜行観覧車」)
- 第2話監督:吉田康弘(「プラージュ」)
- 音楽:きだしゅんすけ/池永正二
登場人物(キャスト)
藤吉弓香(足立梨花)
駆け出しの女優。子供の頃から母・佳香の過干渉に悩んできた。テレビの生放送で佳香を「毒親」と告白し、世間の注目を集めることに。その後、佳香から「親子の縁を切る」と言われる。
藤吉佳香(寺島しのぶ)
弓香の母。老人ホームに勤務するシングルマザー。夫は弓香が幼い頃に病死している。弓香の毒親発言で自分が弓香を守ることに必死になるあまり過干渉になっていることに気づかされ、子離れを決意する。
野上理穂(山下リオ)
弓香の中学・高校時代の友人。老人ホームに勤務している。5年前に結婚し、志乃という娘がいる。テレビで毒親発言をした弓香に、佳香に謝るよう助言する。
野上塔子(宮崎美子)
理穂の義母。佳香と理穂が勤務する老人ホームの所長。佳香の人柄を好ましく思っている。弓香の毒親発言にショックを受ける佳香を気遣う。
浅岡幸弘(落合モトキ)
弓香の同級生で、理穂の元カレ。東京でサッカースクールのコーチをしている。理穂の結婚式で弓香と再会し、付き合うようになる。実は既婚者で、妻は妊娠中。
乃愛(山田杏奈)
佳香に懐く中学生。佳香が幸弘の家を盗撮している現場をたまたま目撃し、その後、万引きが見つかった時に佳香に救いを求めたことから親しくなる。母親から育児放棄されている。
第2話の感想
母・佳香の思いが伝わるストーリーでした。
娘に「毒親」呼ばわりされても、顔色ひとつ変えない佳香さん。
この〝わかりにくさ〟が誤解や行き違いを生んだような気がするなぁ。
でも、私自身もそうですが、思ったことをすぐに口に出せなかったり、言葉や態度でうまく伝えられなかったりする人は、たくさんいると思います。
文句や小言は簡単に言えるのに、愛情表現だけが素直にできない人も。
自分ではそれが普通だと思っているから、気づかないことが多い。
佳香さんも、弓香に言われて自分の欠点に気づいたんでしょうね。
だからっていきなり「親子の縁を切る」っていうのはどうかと思いますが。
根が生真面目すぎるというか……極端なんですよね~。
まりあの母親に「娘を潰す」と脅されて、河原で馬乗りになって首を絞めるシーンがありましたが、本当に殺したかと思いました。
この人は弓香のためなら人を殺すことも厭わない。
そう思わせる、寺島しのぶさんの迫真の演技でした。
弓香と佳香さんは、思い込みが強くて視野が狭いところが似ているような気がします。
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原作の「ホーリーマザー」は理穂の視点で語られています。
そのため、あくまで理穂から見た佳香像、あるいは理穂の義母・塔子が語る佳香の印象なんですね。
佳香本人が心の内を吐露することは、最後までありません。
佳香が死んだ理由も、自殺か事故かハッキリとはわかりません。
原作の理穂は、ドラマとは違ってなかなかのクセモノです。
わたしは彼女の言葉を鵜呑みにはできなかったので、最後は何が真実なのかわからず、かなりモヤモヤしました。
ドラマの反転は少し優しすぎる気もしましたが、受け入れやすい構成だったと思います。
ただ、順番的に「弓香視点⇒佳香視点」という反転の仕方だったので、どうしても後編の佳香視点のほうが真実のように見えてしまった点が引っかかりました。
もし順番が逆だったら、「優しいお母さんだと思っていた人が実は毒親だった」という物語にもなりえるわけで。それもまた真実だと思うので。
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次回は清原果耶さんの「罪深き女」です。
朝ドラでも話題の清原さんが、今度はどんな演技を見せてくれるのか楽しみです。