アンという名の少女【シーズン3】第2話|孤児院で両親の愛を疑う

アンという名の少女【シーズン3】

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海外ドラマ「アンという名の少女」シーズン3第2話のあらすじと感想、原作との違いをまとめました。

両親のことを知るため、生まれ故郷ノヴァスコシアへ向かうアン。シャーロットタウンではコールと再会。

ギルバートは初デートに臨みます(相手はアンにあらず)。

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第2話のあらすじ

マリラとマシューに送り出され、アンはノヴァスコシアへ向かう。途中、シャーロットタウンのジョセフィンを訪ね、コールと再会。コールとともに孤児院を訪れる。

だが孤児院に両親に関する記録は残っておらず、2人は冷たく追い返される。両親に愛されていたと思い込んでいたアンは、それすら自分の想像が生み出したもので、本当は捨てられたのではないかと疑心暗鬼に陥る。

ギルバートはワード医師の病院で働くウィニフレッドをお茶に誘う。ウィニフレッドからデートの手解きを受けたギルバートは、彼女に好意を抱く。

メアリーの息子イライジャがアボンリーにやってくる。メアリーが知らない間に子供を産み、バッシュと幸せな暮らしを営んでいることを知ったイライジャは、嫉妬と疎外感を募らせる。

酒を飲んで酔っ払ったイライジャはメアリーを罵倒し、動揺したメアリーは誤ってナイフで手を切ってしまう。翌朝、イライジャはギルバートの父親の形見を盗んで姿を消す。

マリラは帰宅したアンから両親の記録がなかったことを聞き、安堵する。だがその夜、アンが泣きながら「両親に愛された証拠がほしい」と神に祈っているのを立ち聞きし、ショックを受ける。

翌朝、アンが書いたミクマク族の記事を読んだマリラは、アンが嘘をついてミクマク族と関わっていたことを指摘し、危ないことをした罰としてノヴァスコシアへ行くことを禁じると告げる。

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第2話の感想と解説(ネタバレ有)

孤児院で両親の愛を疑う

アンは再会したコールとともに孤児院を訪れます。コールは美術学校に通い始めたようで、友達もできて楽しそう。アヴォンリーにいた頃よりずっと表情がよくなってます。

アンたちが孤児院の寮長の部屋へ行くと、妻を亡くした父親が子供2人を預けるところでした。「両親は死んだと伝えますか?」と寮長に聞かれ、「そうしてください」と答える父親。

その会話を聞いて、不安に陥るアン。孤児院に両親の記録は残っておらず、「両親は病死した」という事実すら信じられなくなってしまう。

「毎日ずっとここにいて、でたらめな想像ばかりしてたせいで今はもう何が事実かわからない。どこまでが本当なのかな。両親は死んでなくて、私を捨てただけかも。一緒に暮らしたくなくて……」

両親に愛されていたと思い込んでいたけれど、それも自分で想像した物語だったのかもしれない、と絶望するアン。コールは「想像力がこの場所から君を救ったんだ」と励まします。

「君は人の心に寄り添える。それに誰より広い心を持っている。勝手だけど、僕は過去の君に感謝してる。そのおかげで君は僕を理解し、受け入れてくれた。僕を救ってくれたんだ」

2人が孤児院を出ようとした時、かつてアンをいじめていた女の子に遭遇。彼女は誰にも引き取られず、成長して孤児院で働いていました。

アンはたまたま(それも手違いで)カスバート家にもらわれたけど、そうでなければ彼女と同じ立場になっていた。アンにとっては、もうひとりの自分を見るような気持ちだったんじゃないかと思う。

アンへの愛情をこじらせるマリラ

帰宅したアンは、マシューとマリラに「記録はなかった」と報告。病死したかどうか教会で確かめるため、もう一度ノヴァスコシアへ行きたいと伝えます。

2人の前では平然としていたアンも、自分の部屋でひとりきりになると感情があふれ出し、「母親に愛されていたかどうか確かめるまで、この虚しい気持ちはおさまりません」と泣きながら神様に訴えていました。

その言葉を廊下で立ち聞きしてしまったマリラは、相当ショックだったに違いありません。今ではアンの母親として、わが子同然にアンを愛しているのですから。

マリラがアンの部屋へ行ったのは、刺繍をした小さい枕を渡そうとしていたからです。刺繍を完成させるために、暖炉の前で目を酷使しているシーンがありました。

完成した刺繍はのちに登場しますが、マリラの「アンを手放したくない」と思う切実な気持ちが伝わってきて胸が痛くなります。

翌朝、アンが書いたミクマク族の記事を読んだマリラは激怒し、罰としてノヴァスコシアへ行くことを禁じます。完全に、アンに対する愛情と不安をこじらせてしまったマリラ。

どうしてこんな仕打ちをするの、と問うアンに「愛しているからです!」とヒステリックに叫ぶけれど、そんなふうに伝えても、愛情が伝わるわけはなく…。

マリラが抱える不安など知りようもないアンは、理不尽な怒りをぶつけられて傷つき、マリラへの信頼が揺らぎ始めます。

イライジャの嫉妬と疎外感

ブライス家で幸せに暮らすバッシュとメアリー夫妻にも変化が。ボグ地区にいたメアリーの息子イライジャが訪ねてきたのです。

互いに再会を喜びますが、夫婦に子供が産まれていたことや、恵まれた環境で暮らす幸せそうな家族を見て、イライジャは嫉妬と疎外感を募らせていきます。

自分は望まれて生まれた子供じゃなかった、とメアリーを罵るイライジャ。彼が本当に訴えたいことは「僕を愛して」だと思うのですが、母親を詰ることでしか気持ちを伝えられない。

だけどメアリーは、ちゃんとイライジャの複雑な気持ちを理解していました。

「生んだときからあの子が苦労することはわかっていた。だから誓ったの。あの子にたっぷり愛情を注いで、守ってあげようって」

けれどメアリーの思いは届かず、イライジャは部屋にあったギルバートの父親の私物を盗んで姿を消してしまいました。

愛されていることを確かめたい子供たちと、愛していることをわかってほしい親たち。愛情はいろんな形に変わるから、簡単なようで伝わらない。

初デートに浮かれるギルバート

それぞれの親子問題がシビアに描かれる中、ギルバートだけはお花畑状態。同じ病院で働く受付のウィニフレッド嬢を誘い、初デートを経験します。

いきなり年上の女性をお茶に誘うとは。原作と違って積極的なギルバートにびっくりです。

父親の死や船乗りの経験を通して成長したギルバートは、アヴォンリーの同級生たちよりも大人の世界で生きているような気がします。

アンは第1話でギルバートを意識し始めたことを忘れてしまったのか、汽車の中で彼に八つ当たりして怒らせてしまい、2人はまた険悪な雰囲気に。

アンに冷たくされたからウィニフレッドを誘ったのかしらねぇ。

原作との違い

ここからは松本侑子さん訳の文春文庫版『赤毛のアン』をもとに、ドラマと原作との違いを見ていきます。シーズン3も原作から離れたストーリーになっているので、原作と共通する部分だけ取り上げます。

アンの両親

両親に関する情報を求め、孤児院を訪れるアン。ドラマでは、アンは両親の名前以外なにも知らないようでしたが、原作では、多くのことを知っています。アンを最初に引き取ったトーマス夫人が、アンの両親について知っていることを話してくれていたからです。

トーマス夫人は、アンの両親が暮らす家に通っていた掃除のおばさん。アンの父親の名はウォルター、母親の名はバーサといい、2人とも高校の教師をしていました(母親は結婚して辞めた)。小さな黄色い家に住み、貧しく、2人とも若くてまだ子供みたいだった、と言います。

アンが生まれた時、母親が「珠のように可愛い赤ちゃん」と喜んだことも、アンはトーマス夫人から聞かされて知っていました。両親はアンが生まれて3か月後に熱病で亡くなり、親戚もなく、仕方なしにトーマス夫人が赤ん坊のアンを引き取ることになったのです。

アンと孤児院

アンが抱えるトラウマとして、何度もフラッシュバックされる孤児院での辛い日々。アンは「13歳になるまであちこちに引き取られ、いつも孤児院に戻された」と語っていますが、原作では違います。

アンは両親が死んだ時にトーマス夫人に引き取られ、その後、トーマス家から直接ハモンド家にもらわれました。そして、ハモンド氏が死んだ時に孤児院に預けられたのです。

それからすぐにマリラとマシューに引き取られたので、アンが孤児院にいたのはたった4か月間です。原作のアンが辛い思いをしたのは、孤児院よりもトーマス家やハモンド家での生活でした。

愛を叫ぶマリラ

アンを愛するマリラは、親戚が見つかってアンを失うことになるのではないかと不安を抱きます。不安は恐れとなり、やがて怒りに変化して、アンを怒鳴りつけることに。

このドラマでは、マリラは頻繁に声を荒げたり、衝動的に怒りを露わにしたりしますが、原作のマリラが激昂することはありません。彼女にとっては、人前で取り乱すくらいなら「死んだほうがまし」なのです。

アンに「愛している」と言葉で伝えることもありません。原作のマリラがその言葉を口にするのは一度だけ。物語の終盤、ある人物が亡くなってアンが悲しみに暮れていた時だけです。

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