ネタバレ有「アンという名の少女」シーズン3*第7話あらすじ感想|アンの記事が波紋を呼ぶ

アンという名の少女【シーズン3】

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海外ドラマ「アンという名の少女」シーズン3第7話のあらすじと感想、原作との違いをまとめました。

アンの記事が巻き起こす騒動、ジョーシーとビリーの破局、ダイアナとアンの喧嘩、学校評議会への抗議など、もりだくさんな回でした。

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第7話のあらすじ

アンは“女性の尊厳”に関する記事を書き、独断で新聞を発行。翌朝、教会で配られた記事を読んだ大人たちは憤慨し、ジョーシーは深く傷つく。

帰宅したマリラは「ああいうことは新聞に書いて広めるべきじゃない」とアンを叱責し、ジョーシーが泣きながら教会を出て行ったことを伝える。

ダイアナからも謝るべきだと言われ、ジョーシーの家を訪ねるアン。だがジョーシーは、アンが自分を妬んで嫌がらせをしたと思い込み、アンの頬を平手打ちする。

ジョーシーの両親は、まとまりかけていたアンドリュース家との縁談が白紙になるのを恐れ、娘の気持ちを無視してビリーとの結婚を願うが、アンドリュース家は悪い評判の立ったジョーシーを早々に見限る。

学校新聞を問題視した学校評議会は、発行を続ける条件として、評議会が決めた内容の記事を書くこと、アンを辞めさせることを提示する。言論の自由を奪う行為だと激怒するステイシー先生。

アンはある提案を持ち込み、ギルバートや仲間たちとともに行動を起こすことに。だが、ジェリーからダイアナと交際しているという話を聞いてショックを受け、ダイアナと喧嘩してしまう。

アンたちは町の人々に声をかけながら、公会堂へ向かって行進する。学校評議会の男性たちの前で、猿ぐつわをして“言論の自由は基本的人権”と書かれた木の板を持ち、パフォーマンスする生徒たち。住民の間からも拍手が起こる。

深夜、男たちが学校に侵入し、印刷機を盗み出す。

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アンという名の少女【シーズン3】 「アンという名の少女」シーズン3徹底解説!全話あらすじ感想・キャスト・原作との違い・時代背景・予告動画

第7話の感想と解説(ネタバレ有)

アンの記事が波紋を呼ぶ

アンが書いた「女性の尊厳」に関する記事は、大人たちから問題視され、ジョーシーを傷つけるという不本意な結果になってしまいます。

あんなことを新聞に書くべきじゃなかった、と指摘するマリラに、アンは猛反論。

「あれは意見じゃない。事実でしょ。女性の多くは結婚するとなったら高値を付けた男性に買われるのよ。まるで牛や土地みたいに」

間違ったことは書いてないと言い張る一方で、ジョーシーを傷つけたと知って困惑するアン。「ジョーシーのことは考えてなかった」とダイアナに打ち明けます。

「だから書けたのね」とダイアナは冷たく言い放っていたけど、本当にそのとおりだと思う。ジョーシーの気持ちを考えれば、書けなかったはず。こういうときにこそ想像力を使ってほしかった。

ダイアナに促されてジョーシーに会いにいくものの、アンが悪意で記事を書いたと思い込んだジョーシーは、アンの頬を引っぱたいて罵倒します。

癒やされないジョーシーの傷

今回いちばん悲しかったのは、傷ついているジョーシーの心に誰も寄り添おうとせず、むしろ身近な人が無神経な発言や行動で彼女を繰り返し傷つけてしまっていること。

「こんなこというのは辛いけど、現実は厳しいものよ。あなたがこの状況を招いた。自分の責任でしょ。もう噂が広まった。女は一度噂になってしまったら選択肢はなくなるの」

ビリーの人柄など関係ないと言いきり、どんな手を使っても婚約破棄を回避しようとする母親。「傷物にならなかったんだから、まだよかったわ」というセリフもひどい。

彼女自身も、これまでに悔しい思いを何度も経験し、女が権利を主張してもどうにもならない、という悲しい結論に達したのかもしれませんが、ジョーシーの気持ちを思うとやりない。

一方、ビリーの父親はあっさりとパイ家を見限り、「シャーロットタウンへ行って、うちの条件に合う女性を見繕うことにしよう」などと楽しげに話します。こちらも、ビリー本人の気持ちは無視です。

自身も辛い経験をしたプリシーは、「ビリー次第でジョーシーの評判を回復させられる」と主張しますが、家族の同意は得られませんでした。

ステイシー先生、腹を立てる

学校の仲間たちからも、身勝手な行動を責められるアン。ステイシー先生はいい論説だと記事の内容を褒めつつ、新聞は弱者の味方であるべきだと諭します。

「新しい考えを世間に理解してもらうには、慎重に言葉を選んで、非の打ち所のない記事にしなければ。あなたが急ぎすぎたせいであの記事は読者に受け入れられなかったし、人を傷つけた」

さらに学校評議会も新聞を問題視し、年配の男性たちは唯一の女性メンバーであるリンド夫人を無視して、一方的に決議をとってしまいます。

感じ悪かったですねぇ~この人たち。あのリンド夫人を黙らせてしまうとは。ローアングルが抜群の効果を発揮していました。

決議の結果、新聞の内容は評議会が決めることになり、アンは辞めさせられることに。ステイシー先生は「アンの記事を口実に報道の自由を制限しようとしている」と怒りを募らせます。

学校評議会への抗議

アンはもう一度ジョーシーの家を訪ね、傷つけたことを謝ります。「経験もないのに、なぜあんな論説が書けたの?」と聞くジョーシー。

「最近気付いたの。昔から私は私だった。今は愛されてるけど、愛されてなかった頃も価値がなかったわけじゃない。自分の価値を決めるのは自分だけ。ほかの誰でもない」

アンは学校評議会に抗議するため、学校の仲間たちと公会堂へ押しかけます。プリシーやジョーシーも駆けつけ、仲間たちと一緒になって言論の自由を訴えました。

リンド夫人が思わず感極まる表情にグッときてしまいました。彼女も辛かったんですね。

アンとダイアナの友情に亀裂が

ダイアナとジェリーは『フランケンシュタイン』についての感想を語り合いますが、教養の違いから2人の話は噛み合いません。ダイアナが話をやめてキスしたがるのを見て、傷つくジェリー。

ジェリーから恋の相談を受けたアンは、「あなたの恋人、あまりいい人じゃないね」と率直に答え、相手がダイアナだと知って仰天します。

翌日、ダイアナを問い詰めたアンは、彼女から「彼と関わらなければよかったって思ってる」というセリフを聞いてショックを受けます。ダイアナはジェリーを傷つけないように、パリへ行くときに自然と別れようとしていました。

ダイアナに不信感を募らせたアンは、「私もそういう扱いね」「私こそ最初からあなたと釣り合ってない」と発言し、ダイアナを怒らせてしまう。

「それ、本気で言ってるの? 出会った日から、いつでもあなたの味方をしてきた。あなたはたった一度のことで、今までの友情を終わりにしてしまうの?」

激しい言い争いの末に「友達じゃなかったってことね」と2人は結論づけ、ダイアナはアンから贈られた片割れのロケットを投げ捨てて立ち去ってしまいます。

原作では一度も喧嘩しないアンとダイアナの貴重な喧嘩シーンでした。

原作との違い

ここからは松本侑子さん訳の文春文庫版『赤毛のアン』をもとに、ドラマと原作との違いを見ていきます。シーズン3も原作から離れたストーリーになっているので、原作と共通する部分だけ取り上げます。

ダイアナの恋

ジェリーとの会話が弾まず、気持ちが冷めていくダイアナ。「彼と私は違いすぎるのよ」とアンに語り、ジェリーとの恋を終わらせようとしています。

原作には、ダイアナが身分違いの恋をする場面はありません。彼女が恋する相手は続編『アンの青春』から登場するフレッド・ライト。

フレッドは善良な青年ですが、アンには凡庸なフレッドのどこがいいのか理解できません(ダイアナの理想の男性像とはかけ離れていた)。その後、ダイアナはフレッドと婚約し、『アンの愛情』で結婚式をあげます。

原作者L.M.モンゴメリは、身分違いの恋の経験者です。モンゴメリ家はスコットランド貴族の血をひき、プリンス・エドワード島の政治や教育、経済にも関わってきた名家でした。

彼女が教師として働いていた23歳のとき、下宿先の農家の長男ハーマンと激しい恋に落ちます。モンゴメリは彼を愛していましたが、教養のない彼を尊敬することはできず、結婚も考えられませんでした。

ハーマンは26歳の若さで急死し、モンゴメリの秘密の恋は終わります。

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