アンという名の少女【シーズン3】第5話|ダイアナとジェリーの秘密の恋

アンという名の少女【シーズン3】

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海外ドラマ「アンという名の少女」シーズン3第5話のあらすじと感想、原作との違いをまとめました。

品評会に向けてバーンダンスの練習をし、ギルバートに特別な感情を抱き始めるアン。ダイアナとジェリーは密会を重ね、秘密の恋に胸をときめかせます。

人騒がせなルビーと、妊娠に関するデマでうろたえる女の子たちがユニーク。

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第5話のあらすじ

アンたちは野外授業で森に出かけるが、ムーディーが転んで大怪我をしてしまう。アンはミクマク族に助けを求め、彼らが蜂蜜や柳の皮を使って手当するのを見たギルバートは衝撃を受ける。

デルフィーヌの世話に疲れ果てたリンド夫人は、バッシュに再婚を勧める。そんな気になれないバッシュは故郷の母に手紙を書き、アヴォンリーに来て欲しいと頼む。

学校では、品評会に向けてバーンダンスの練習が行われる。リンド夫人の指導で、ダンスを踊る生徒たち。ルビーが「男子に近づいたり触れたりすると妊娠する」と言い出し、アンたちは動揺する。ステイシー先生は「妊娠までには段階がある」と説明する。

アンとギルバートは互いに意識し、その感情に戸惑う。アンはチャーリー・スローンに言い寄られ、「頭を使いすぎると不妊になる」と忠告されてショックを受ける。ダイアナとジェリーは隠れて会うようになり、2人は秘密の恋を楽しむ。

アンたちは妊娠に関する疑問で落ち着かず、医学を学んでいるギルバートに質問することに。アンは知性と感情が強い女性は不妊になるのかと尋ねるが、「そんな話は信じられない」というギルバート。

アンは根拠のないデマを頭から追い出すため、スコットランドの本に載っていた〈ベルテイン祝祭〉を提案する。夜、〈輝きの湖〉のそばの草原に集まり、たき火を囲んで気高い女性になる誓いを立てる女の子たち。

ギルバートはメアリーの追悼文を新聞に書き、それを読んだバリー夫人はメアリーの招待を断ったことを恥じる。バリー夫妻はバッシュを助けようと、彼の農園のリンゴを輸出品目に加えることを見当する。

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第5話の感想と解説(ネタバレ有)

野外授業でミクマク族に助けられる

ステイシー先生の野外授業で、森に出かけるアンたち。岩の上を歩いていたムーディーが転んで足を怪我してしまい、たまたまそれを見ていたミクマク族の子供たち(カクウェットの妹と弟)が驚いて叫び、それを見たルビーが失神して倒れてしまう、という騒動に。

ムーディーはすっかり“ドジっ子キャラ”になっちゃったなぁ。

アンがミクマク族の村へ助けを呼びに行き、カクウェットの父親と治療師が来て手当をしてくれました。痛み止めとして柳の木の皮を食べさせ、蜂蜜を塗って傷口を塞ぎ、手際よく傷を縫う治療師。

ギルバートは身近な自然の中にも治療に役立つものがあると知って、大興奮。両親やメアリーの死で「医者になっても助けることができなければ意味がない」と疑問を持ち始めていたギルバートでしたが、再び医学に取り組む気になったようです。

ダイアナとジェリーの秘密の恋

ダイアナと楽しいひとときを過ごしたジェリーは、彼女が学校から帰るのを待ち伏せて、家まで一緒に歩きます。

最初は驚いて「不適切よ」と冷たくあしらっていたダイアナですが、本心は嬉しかったようで、その日からジェリーと会うのを楽しみにするようになります。

大親友のアンにも内緒にして、ジェリーから借りた『フランケンシュタイン』の本を読んだり、ジェリーのイニシャルを刺繍したハンカチを贈ったりして、秘密の恋を楽しむダイアナ。ジェリーも憧れのダイアナと両想いになれて、すっかり有頂天に。

『フランケンシュタイン』は、イギリスの女性作家M.W.シェリーが1818年に発表した怪奇小説。科学者フランケンシュタインに造られた怪物が、醜悪な見た目ゆえに人間社会から疎外される悲劇を描いた哀しい物語。

バーンダンスで妊娠!?

品評会に向けて、学校でバーンダンスの練習が行われます。指導を引き受けたリンド夫人は大はりきり。夫のトーマスと息子のケイレブを連れてきて、バーンダンスを披露します。

なんとか息子とステイシー先生をくっつけようと必死なリンド夫人ですが、その気がないステイシー先生は迷惑そう。

バーンダンス(barn dance)は、よく西部劇で見かけるダンスですね。直訳すると「納屋の踊り」という意味で、伝統音楽や民族音楽に合わせて踊る昔ながらのダンス。

照れながらも男子と手を繋ぎ、ぎこちなくダンスを踊るアンたち。すると、ルビーが顔面蒼白になり「私、妊娠したかも」と爆弾発言。驚く一同でしたが、よくよく聞いてみると…。

「お母さんが言ってた。男の子に近づくと妊娠するかもしれなくて、もし触れたりしたら絶対に妊娠しちゃうって。だから私たち、みんな妊娠したかも」

女の子たちは全員パニックになり、「私も触った!」「大変、父親がわからない!」と大騒ぎ。「なんでこんなことさせたの!?」とステイシー先生を糾弾するジョーシー。みんな真剣なんだけど、笑ってしまう。

この時代に性教育マニュアルなんてないだろうし、ルビーの母親が娘を守るために言った嘘を非難することもできない。

困ったステイシー先生は、「ダンスで妊娠はしない」こと、「妊娠までにはいくつも段階がある」ことを説明。女の子たちは一応納得するものの、言葉を濁した説明にすっきりしません。

感情的で考えすぎる女性は不妊になる?

ギルバートとアンはダンスを踊りながら見つめ合い、すごくいい雰囲気に。お互いに意識しているのは間違いないのに、意地を張って認めようとしません。

アンに好意を寄せるチャーリーは「家まで送る」と申し出ますが、ギルバートに対する気持ちに動揺するアンは感情的になってしまう。チャーリーは「感情的で考えすぎる女性は不妊になる」と言い、アンはショックを受けます。

本来なら、大人が「そんなの嘘よ」と訂正すれば終わるのですが、マリラも「医学的な根拠はあるの?」とアンに聞くくらいで、大人ですら本当のことがわかりません。

不安になった女の子たちは、医学を学んでいるギルバートに聞くことに。

「知性と感情が強い女性は不妊になるって本当?」という質問に対し、「今まで医学を学びながらいろいろ見てきたけど、その話は信じられない」とちょっと気まずそうに答えるギルバート。

ティリーは“妊娠までの段階”についても聞いて、とアンに耳打ちしますが、アンは無視。さすがにその質問はギルバートが気の毒なので、思いとどまってくれてホッとした。ヒヤヒヤさせるわ…。

ベルテイン祝祭

アンは根拠のないデマを頭から追い出すため、ダイアナに借りたスコットランドの本に載っていた〈ベルテイン祝祭〉をやろうと持ちかけます。

ベルテイン祝祭については原作に登場せず、どういうものなのか詳しいことはわかりませんが、一般的には5月1日(または春分と夏至の中間)にアイルランド、スコットランド、コーンウォール、マン島などで行われるお祭り。

牛や作物、人間の成長を促すための儀式とされ、牧草地にたき火を焚いて、その周りを歩いたり跳び越えたりします。その炎や煙、灰には命を守る力があると見なされました。

正直なところ、ドラマの展開としては少し唐突で無理やりな印象を持ちました。ジョーシーはこういうことをするタイプじゃないし(アンの発案ならなおさら嫌がりそう)、ルビーが突然「私、女の子でよかった!」と言い出す場面もとってつけたようで、違和感がありました。

原作との違い

ここからは松本侑子さん訳の文春文庫版『赤毛のアン』をもとに、ドラマと原作との違いを見ていきます。シーズン3も原作から離れたストーリーになっているので、原作と共通する部分だけ取り上げます。

ステイシー先生の野外授業

ステイシー先生が取り入れた野外授業については、原作にも少しだけ記述があります。ステイシー先生が赴任したばかりの頃で、アンは12歳。

ステイシー先生がみんなを森に連れて行き、草花や鳥について勉強する授業だとアンがマリラに語っています。

アンを含む生徒たちは野外授業を楽しんでいましたが、リンド夫人は「男の子たちが大きな木のてっぺんに登ってカラスの巣を取っているのを見た時は、血も凍りそうだった」と言っています。

ブライス家のリンゴ

ギルバートが書いたメアリーの追悼文を読んで、自分を恥じるバリー夫人。バッシュの助けになりたいと、夫妻は彼の農園のリンゴを輸出品目に加えようと考えます。

ドラマのバリー氏は貿易関係の仕事をしているようですが、原作におけるバリー家はリンゴ園を営む農家で、屋号は「オーチャード・スロープ(果樹園の坂)」です。グリーン・ゲイブルズにもリンゴ園があります。

原作には野性リンゴを含む6種類のリンゴが登場し、“ストロベリー・アップル”が獲れるのはブライス家の果樹園だけ。リンゴはギルバートの“愛”のメタファーとしても描かれています。

リンド夫人の息子

ステイシー先生のお婿さん候補に、息子のケイレブを推すリンド夫人。原作でもドラマ同様、リンド夫人は10人の子供を育てて(そのうち2人を亡くして)いますが、息子たちは全員島を出ていて、物語に登場することはありません。

続編『アンの青春』では、リンド家に不幸が訪れ、シャーロットタウンに住んでいる娘のイライザが帰ってくる場面があります。

チャーリー・スローン

チャーリー・スローンは〈お知らせ板〉を使ってアンに告白しますが、アンは完全に無視。「家まで送る」と言われても、迷惑そうな態度です。

原作におけるチャーリーも、最初からアンに夢中。母親に「アンは学校でいちばん頭のいい女の子だ」と話したり、アンの悪口を言ったムーディーを殴ったりしています。

ただ、ドラマと同じくアンにその気はなく、「チャーリー・スローンは嫌いなの」とはっきりダイアナに語り、無慈悲なまでに冷たい態度を取り続けます。

続編『アンの青春』では、ギルバートとチャーリーがアンをめぐってライバル関係にあると、アヴォンリーの若者たちの間ですっかり噂になっています。

アンとギルバート

互いに恋愛感情を抱くアンとギルバート。ギルバートは自分の恋の相手がアンなのかウィニフレッドなのかわからなくなり、アンは初めての感情に戸惑います。

原作では、ギルバートは石板で殴られた時からアンに恋をしていますが、『赤毛のアン』では徹底的に嫌われて無視され、『アンの青春』では仲のいい友人に留まり、彼の片想いは『アンの愛情』までずーっと続きます。

アンはギルバートに友情以上のものを求められるのを嫌がり、彼がそういうムードを出してくると冷たくあしらうので、ギルバートもなかなか積極的になれません。

ただ、アンは自分でも気づいていないだけで、とっくにギルバートを愛しているんですけどね。原作では、彼女が真実の愛に気づくまで、ずいぶんと遠回りをすることになります。

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