アンという名の少女【シーズン3】第6話|ギルバートに恋するアン

アンという名の少女【シーズン3】

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海外ドラマ「アンという名の少女」シーズン3第6話のあらすじと感想、原作との違いをまとめました。

今回は、品評会を楽しむアンたちの様子が生き生きと描かれました。品評会ってこんな感じだったんですね~楽しそう。

アンはギルバートへの想いを募らせ、彼こそ「運命の人」ではないかと舞い上がりますが…。

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第6話のあらすじ

島で開かれる品評会に出品するため、メアリーのレシピでケーキを作るアン。ところがバニラエッセンスの瓶を割ってしまい、棚にあったものを使う。マリラは自慢のスモモパイを焼き、マシューは畑で取れた特大のラディッシュを出品する。

アンはギルバートへの想いが募り、ダイアナに打ち明ける。品評会では占い師の予言を真に受けて有頂天になるが、ギルバートがウィニフレッドと一緒に歩いているところを見てショックを受ける。

アンのケーキは審査で酷評され、笑われる。落ち込むアンを元気づけるため、気球に乗ることを提案するマリラ。聞いてみると、アンがバニラエッセンスだと思っていたのは湿布薬だった。気球に乗ったアンは、素晴らしい眺めと爽快な気分を味わう。

夜、バーンダンスを楽しむ女の子たちは、ギルバートとウィニフレッドの仲を噂する。ルビーはムーディーに夢中になり、ギルバートのことは終わったと語る。

ビリーに呼び出され、暗がりで体を触られたジョーシーは、抵抗して逃げ出す。腹を立てたビリーはジョーシーに迫られたと友人たちに嘘をつき、2人の噂はあっという間に広まる。

アンはジョーシーを気遣い、ビリーに抗議するが、ビリーは嘘をついたことを認めずジョーシーを「ふしだら」だと罵る。

アンは学校でビリーの行為について問題提起するが、女の子たちは仕方がないこととして受け流そうとする。納得がいかないアンは、その夜ひとりで新聞を刷る。

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第6話の感想と解説(ネタバレ有)

優勝を目指して、いざ品評会へ

島で開かれる品評会に向けて、それぞれ出品するものを準備するカスバート家。アンはメアリーのレシピで焼いたケーキを、マリラは自慢のスモモパイを、マシューは畑でとれた巨大ラディッシュを持参します。

アンのケーキは予想以上にうまく焼き上がり、「何かを完璧に仕上げたのって初めて!」と感涙にむせぶアン。メアリーのレシピ通りなら優勝間違いなし、とバッシュも期待を寄せます。

ところが、ケーキを口にした審査員たちは、全員顔をしかめて「酷い味だ!」と吐き出します。みんなの前で恥をかき、その場から逃げ出してしまうアン。

実は、アンがバニラエッセンスだと思って投入したのは、湿布薬だったんですね。マリラが以前、湿布薬の瓶を割ってしまった時に、中身をバニラの空き瓶に移していたのです。つくづく失敗の天才だよねー、アンって。

マリラのスモモパイは今年も優勝、マシューの巨大ラディッシュは〈奇妙きてれつ野菜賞〉を受賞しました。3人で気球に乗るシーンが素敵でした。マリラとマシューがこんなに大はしゃぎするなんて…。

原作にも登場する〈品評会〉は、秋の収穫後に地方都市で開かれる展覧会です。1890年から、プリンス・エドワード島州全体の品評会が開催されるようになりました。劇中、看板に「1899 ISLAND COUNTY FAIR」とありましたね。

原作の時代設定は1890年より前なので、アンとダイアナはシャーロットタウンで開かれる品評会に出かけています(詳しくは後述)。

ギルバートに恋するアン

前回のダンス練習以降、ギルバートが気になって落ち着かないアン。ダイアナに「ギルバートが好きなの?」と単刀直入に聞かれ、ようやく恋だと気付きます。

彼が「運命の人」なのかどうか、品評会のインチキ占い師に未来を予言してもらうと、「背が高くて黒髪でハンサムでダンスが上手い」男性だと言われます(もちろん適当)。すっかり舞い上がり、「ギルバートが運命の人かも!」と興奮するアン。……が!!

“運命の人”であるはずのギルバートは、アンの知らない年上女性ウィニフレッドと仲良く登場。彼に好かれていると思っていたアンは、大ショック。

もしこういう出会い方をしてなければ、アンとウィニフレッドはけっこういい友達になれたかも。アンの名前を聞いて真っ先に「綴りには“E”がつくのかしら?」と聞いてくれる人なんて、なかなかいません。

せっかく覚えたバーンダンスも、ギルバートとウィニフレッドと3人で踊るのでは楽しくもなんともなくて、アンは終始不機嫌な顔。

ビリーとジョーシーの破局

ジョーシーとビリーは親同士も認める仲となり、結婚の話が進んでいます。経済的にはアンドリュース家のほうが上らしく、ジョーシーの両親は気に入られるべく必死です。売り物のように、ジョーシーを飾り立てる母親。

ビリーはバーンダンスの最中にジョーシーを人のいない暗がりに呼び出し、しつこくキスをしたり胸に触ったりして、ジョーシーに拒まれます。

プライドが傷ついたのか、ダンス会場にいる男友達に「ジョーシーのほうから積極的に迫ってきた」などと触れ回るビリー。噂はあっという間に会場中に広まってしまう。

ジョーシーが傷ついていることを察したアンは、みんなの前でビリーに抗議します。しかし、小心者のビリーに罪を認める度胸などあるはずもなく、ジョーシーをふしだら扱いしてその場を逃れようとします。

翌日、学校でビリーの無神経な行為について問題提起するアンでしたが、ジェーンは「昔からジョーシーは下品だった」と言い、ティリーは「2人きりになったのが悪い」と受け流します。

この時代は、たとえ交際中であろうとも男女が2人きりで会うのは恥ずべきこととされていて、男性には紳士的なふるまいが要求されました。

男性が女性と話すのは、女性を家まで送り届けるときや、地域の催しもののとき、夜に女性の家に訪ねていくとき(両親のいる時間帯でなければならない)など、限られていました。

なので、本来であればビリーが責めを負うべきなんですけどね。本人もそれがわかっているからジョーシーを悪者にして逃げたのでしょう。情けない人です。

女性の評判だけが落ちることに納得がいかないアンは、ひとり夜中に学校で新聞を刷り……。なにやらまた騒動が起こりそうな予感。

原作との違い

ここからは松本侑子さん訳の文春文庫版『赤毛のアン』をもとに、ドラマと原作との違いを見ていきます。シーズン3も原作から離れたストーリーになっているので、原作と共通する部分だけ取り上げます。

品評会

プリンス・エドワード島で開催され、アヴォンリーの住民たちがこぞって来場していた品評会。原作では、シャーロットタウンで開かれています。

アンが13歳の9月のことで、ダイアナと一緒に初めてシャーロットタウンのジョセフィンおばさんの屋敷に泊まりに行ったとき、品評会へ連れて行ってもらったのです。

アンとダイアナは何も出品しませんでしたが、ジョーシーは棒針のレース編みで、リンド夫人は自家製バターとチーズで一等賞をとりました。

会場には何千人もの人が来ていて、アンはのちに「自分がとてもちっぽけに感じられた」とマリラに語っています。

アンの心のヴェール

アンはギルバートとダンスを踊った時に感じた気持ちをダイアナに聞かれ、「私の深層心理を覆っていたヴェールが突然めくれた」と説明していました。

原作のアンは、なかなか自分の気持ちに気付けません。アンの16歳~18歳の出来事が描かれた『アンの青春』では、ダイアナに彼を好きかと聞かれ、友達としては好きだが恋愛対象としては好きじゃない、ときっぱり答えています。

アンは理想の男性に「気品のある顔立ち」や「憂愁をたたえた謎めいた瞳」や「とろけるような優しい声」を求め、それらを兼ね備えた“王子様”を待ち焦がれていました。

ドラマでは、ギルバートが「運命の人」かもしれないと興奮した様子でダイアナに語っていましたが、原作のアンにとってギルバートは同郷の幼なじみでしかなく、理想の男性ではありませんでした。

ですが、同じく『アンの青春』の終盤に、アンがふとギルバートにときめきを感じる場面があります。その時の描写がこちらです。

まるでアンの胸の奥の意識にかかっていたヴェールが持ち上げられ、思いがけない本当の感情と現実が、天の啓示として、アンに見せられたようだった。

しかしヴェールはすぐに降りてしまい、アンはそれからもずっと自分の本心に気づけないまま、ギルバートとの友情を続けます。彼女の胸の奥のヴェールが再び持ち上がるのは、それから4年後の22歳の時です。

ギルバートとウィニフレッド

ギルバートはウィニフレッドの両親に会い、結婚を意識し始めます。ウィニフレッドと結婚したいかとバッシュに聞かれ、わからないと答えるギルバート。

原作のギルバートは、初めて会った日からずっとアン一筋。アンに冷たくされても一途に想い続け、ほかの女の子に気持ちが移ったり、揺らいだりすることはありません。

ギルバートと噂になる女の子はいますが(アンは2人が婚約すると聞いて動揺する)、後に、周囲が勝手にでっち上げた噂で、恋人でもなんでもないことが判明します。

進路に悩むギルバート

ギルバートは免疫学を学ぶために、パリのソルボンヌ大学へ行きたいと考えています。ウィニフレッドの父親は、経済的援助をほのめかしていました。

原作では、ギルバートはアンと同じ進路を選んでいます。まず師範学校のクィーン学院へ行き、1年で教員免許を取得して教師になり、2年間プリンス・エドワード島で教師をしてお金を貯めた後、本土(ノヴァスコシア)にある4年制のレッドモンド大学に進みました。

アンは4年でレッドモンド大学を卒業しますが、ギルバートは医学部を終えるまでさらに3年大学に通います。

ちなみに「レッドモンド大学」のモデルはノヴァスコシアのハリファックスにあるダルハウジー州立大学で、医学部の水準が高いことで知られています。

アンの失敗ケーキ

品評会に“完璧なケーキ”を出品したアンでしたが、完璧なのは見た目だけで、味は大失敗。バニラエッセンスと間違えて湿布薬を入れてしまいました。

原作では、アンが12歳の時にしでかした失敗エピソードです。尊敬するアラン牧師夫妻を招待することになり、張り切ってレイヤーケーキを焼くのですが、バニラエッセンスと間違えて「痛み止めの塗り薬」を入れてしまいます。

間違えた理由はドラマと同じで、マリラがバニラの空き瓶に塗り薬を移していたのを知らずに使ってしまったのです。アンが鼻風邪を引いていて匂いに気付けなかったところも同じ。

アラン夫人は何も言わずにケーキを食べ続け、失敗に気付いたアンが部屋に駆け込んで泣きじゃくっているのを見て「ケーキが上手に焼けたのと同じくらい、すばらしいものを頂いたのよ」と、アンの気持ちを受け取り慰めます。

マリラのスモモパイ

マリラは自慢の「スモモパイ」を品評会に出品し、今年も優勝します。

原作では、マリラが作る評判のデザートはスモモパイではなく、「イエロー・プラムの砂糖煮」です。

品評会に出品する場面はありませんが、マリラの作る「イエロー・プラムの砂糖煮」はことあるごとにテーブルにのぼり、人々をとりこにします。

ビリーとジョーシー

親同士も認める仲となり、幸せそうなジョーシーでしたが、ビリーの愚行で一変。悪い噂を流され、ジョーシーの評判はがた落ちに。

原作のジョーシーには、残念ながら浮いた話はありません。原作のビリーはドラマと違っておとなしい善良な青年で、密かにアンに恋い焦がれています。

アンの18歳から22歳までを描いた『アンの愛情』では、彼はアンに求婚する最初の男性として登場します(この本ではアンは4人の男性から求婚されます)。

しかし内気な彼は自分でアンの気持ちを確かめる勇気がなく、妹のジェーンに頼んで代わりに求婚させるのです。ドラマとは別人ですね。

ジェーンは、ドラマでは少し性格の悪い女の子になっていますが、原作では真面目で落ち着いた人物としてアンの信頼を得ています。

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