フジ月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」最終回の副音声。
スタッフから寄せられた撮影裏話を、五十嵐役の小手伸也さんが紹介するという内容でした。すごく面白かったので、全部まとめました。
第1話(ゴッドファーザー編)の撮影裏話
- ボクちゃんが犬の散歩をするシーンで、赤星の部下が乗っている車は田中監督のリアル自家用車
- 空港で赤星の部下軍団がスーツケースをすり替えるシーンは、今話題の日大のマスゲームを参考にして作られた
- 赤星が飛行機から飛び降りようとしゃがんだ時、赤星のズボンのお尻が破れてしまった
- ラストの赤星がパラシュートで着陸した直後、強風でパラシュートが持って行かれそうになったが、江口さんが見事にパラシュートを外して事なきを得た。この映像は本番で使われた
第2話(リゾート王編)撮影裏話
- クルーザーの撮影の時、波浪警報が出る中での撮影だったので、大波で転覆しそうになった。役者・スタッフとも全身ずぶ濡れになってすぐ引き返した
- 吉瀬美智子さんは悪女役が初めてらしく、シーンを撮り終わるごとに「嫌な女ねぇ~」とモニターチェックをしてとても楽しんでいらっしゃいました
第3話(美術商編)撮影裏話
- 石黒賢さんは、クランクインの日、子供の絵を見て涙するというラストシーンを撮影。まだ肝心なシーンを全く撮影していない中でも、本番一回目で感動の涙を流していた
- ダー子扮する王さんが高額で競り落としたアンティークの中に、映画「本能寺ホテル」で登場したオルゴールが混じっている。これは「本能寺ホテル」をやったデザイナーと助監督がこのチームにいたので実現した
- でんでんさんがいる贋作アトリエと、4話「映画マニア編」のカフェ「スワンソン」は、実は同じセット。さらに石黒賢さんのテレビ番組の背景の壁も、そのセットの壁を転用(もちろん予算削減のため)
- でんでんさんの贋作工房の表のシーンのロケ撮影時、その現場の撮影終了直前に工房の看板の文字「修復」の「修」の字が間違っていることに気づいた。どうすることもできず、CG処理で済ませた
第4話(映画マニア編)撮影裏話
- リチャードの映画プロデューサーの変装をどうしようか悩んでいる時、偶然目に入った紙袋に描いてあった人物を参考にした
- 佐野史郎さんが回想で小劇場の舞台上の小さいプールからバームクーヘンを食べながら出てくるシーンは、実際に佐野史郎さんが若い頃に経験した舞台の体験談らしい
第5話(スーパードクター編)撮影裏話
- ジョージ松原役の山田孝之さんは、髭を生やしメイクもせず、頭にタオルを巻いただけのクオリティであの存在感はさすがだなと思いました(笑)
- ラストの小日向さんが縛られてスイートルームにやってくるシーンは、本当はSM用の赤い紐で、本格的な亀甲縛りをしている設定だった。コンプライアンスの問題でお蔵入りになった
- ダー子が見ている医療ドラマに我修院達也さんが出演しているのは、手術シーンでマスクと帽子を被っているため目元だけで誰かわかる役者さんがいい、ということで我修院さんがキャスティングされたらしい
第6話(古代遺跡編)撮影裏話
- ラーメン屋の撮影で東出さんが夜遅くまで撮影した時、近所の子供が見学に来ていたが遠いところで色紙を持ってモジモジ。東出さんが自ら近寄って「サイン書こうか?」と書いてあげていた
- 発掘現場のロケ地である千葉県君津市は、山奥で本当に寒かった。強風でベーステントが飛ばされて、監督たちと慌てて回収した
- 発掘現場は、第4話で佐野史郎さんが陣羽織を着て笑っているシーンと同じ場所
- 内村さんは寒いのが苦手らしく、顔色が悪く常に震えていた。スタッフに気を遣っているのか、寒くても我慢して現場でずっと待っていて、何ひとつ文句も言わず、本当にスタッフ思いの優しい方だなと思った
- 1月の撮影ですごく寒かったのに、遠慮してカイロを貼らなかったのをすごく後悔した(五十嵐談)
- 内村さんがたくさんの若い女性たちと遊んでいるシーンの現場では、男性スタッフが「誰がいちばん可愛いか」という下世話な話をしていたことは言うまでもない
第7話(家族編)撮影裏話
- ラストの花火大会の撮影は2月の夜だったので寒すぎて、レジャーシートの下にホットカーペットを敷いたり大型のジェットファンを何台も用意した。が、突然現場近くのディズニーランドの花火が上がり、現場が和んだ
- 与論家のリビングでは食事をするシーンが多かったので、何も食べないシーンでも「次は何が食べられるの?」とよく聞かれていた。撮影で出てくる料理はどれもとても美味しかった、と役者陣に評判だった
第8話(美のカリスマ編)撮影裏話
- 来名田村の蔵の中での撮影は、12月中旬の撮影で、極寒の中でのライトロケだった。役者・スタッフ含め、震えながら撮影していた。小手さんが衣装の下にカイロを貼ってなくて、小日向さんやりょうさんが驚いていた
- 役作りのために、ほのか役の堀川杏美さんは5キロ太ることを課せられていた。衣装合わせの時に監督から「まだ痩せて見えるから頑張ろう」と言われていた
- 来名田村での撮影時、お昼休憩の時、長澤まさみさんが地べたに座ってお弁当を食べているのを見て驚いた。スタッフでは当たり前のことだが、女優さんが地べたに座って食べているのは初めて見たので声を出して驚いた。慌てて「椅子をお持ちしますよ」と声を掛けたら「日なたで温かくて気持ちいいから大丈夫」と言っていて、飾らない自然体な人なんだなぁと感心した
- 葛飾区の呑んべ横丁で撮影している時、地元のリアル酔っ払いと小手さんを間違えて人止めしそうになった。小手さんがクランクインしたてだったのと、猫の目八郎の衣装がリアルすぎたので地元の人だと勘違いしてしまった。また、小手さんをロケ弁の弁当屋さんと間違えて声を掛けそうになったこともありました
- 東出さんがパク・ジロウの変装をする時、アイラインを引かれるのがくすぐったいらしく、「ギャー!」と体をくねらせながら毎度耐えていました
- りょうさんがラストシーンで摘んでいるヨモギは、季節柄なかなか手に入らず、沖縄ヨモギを取り寄せた
- 来名田村は山形県の設定だったので、俳優部がずっと山形弁を練習していた。待ち時間の時もみんな山形弁を口ずさんでいるので、スタッフもしばらく山形弁が耳から離れなかった
第9話(スポーツ編)撮影裏話
- 東京JETSの社長室には映画「ミックス。」のDVDが置いてある。その直後のスイートルームには、机の上に「ミックス。」の番宣用のハート型ラケットが置いてある。これは、「ミックス。」の脚本家、プロデューサー、助監督がこのチームにいたから実現したこと
- 体育館でダー子が「全員今日から特訓じゃあぁ~!」とカメラ目線で叫ぶシーンは、長澤まさみさんが「クローズみたいだね」と言って、映画「クローズ」の真似をして叫びながらカメラに突っこんでいった。あのカットは、映画「クローズ」のケンカ開始カットへのオマージュなんです
- 「熱海チーターズ」は、撮影に際し、ちゃんと熱海市に市の名前の使用許可をもらっています。なので、市章も使っている
- チーターズのユニフォームが福井県から届くはずが、2月の大雪で高速道路がストップし、撮影日までに届かないかもという大事件がありました。奇跡的に、撮影前日にギリギリ届いたことで事なきを得ましたが、あの時は本当に焦りました
- ボクちゃん扮するバスケ選手ケント・ヤマグチ・サイモンは女性スタッフに人気でした。普段のおっとり東出さんとはガラリと違った雰囲気なので、みんな独り言のように「かっこいい…」とうっとりしていました。髪型が似合いすぎです
- ジェームズ役のMORDIORさんは、身長が205cmあるバスケ経験者でしたが、実は膝を壊していて、決め技のダンクシュートをやりたがらなかった。また、陽気なアフリカ人設定だったのに、MORDIORさん本人は本当に恥ずかしがり屋さんで、踊ったりふざけたりするお芝居をするのに時間がかかった
- 五十嵐の「ヒゲダンスからのガチョーン」を見たスタッフに「ああゆうのが小劇場の芝居なんですねー」と言われ、反省した。もうちょっとやり方があったのではないかと。でもあれが精一杯です(五十嵐談)
- ラストのボクちゃんのスリーポイントシュートは、本当に決めている。決まった時は本番ということを忘れ、監督ベースの人たちが声を上げて盛り上がり本当に感動した
- バスケチームのメンバーは、撮影がない日があるごとにバスケの練習をしていた。東出さんはスマホで自分のフォームを撮影して上手に見えるか入念にチェックしていた
- ボクちゃんがムエタイの選手となってダー子にボコボコにされるシーンは、真冬で寒かったのに汗だくに見せるため、本番前にオイルでべたべたにしたうえ水をかけなくてはならず心が痛かった
最終回(コンフィデンスマン編)撮影裏話
- 佐藤隆太さんが働いている引越屋さんは「はにわ運送」。これは第6話でダー子が持っていた埴輪へのオマージュ
- 佐藤隆太さんは金井監督ともお友達なので、撮影中も小ボケを挟んでよくスタッフを笑わせてくれた
- ダー子の幼少期役の女の子は、撮影前日の夜、ダー子カットにするため髪を切ってきた。当日、あまりの完成度の高さにスタッフにどよめきが走った。めちゃめちゃ似ていた
- サッポロのスナックで戸田菜穂さんと絡む常連の酔っ払いのおじさんは、当日あまりのナチュラルな演技とアドリブのよさで金井監督が驚嘆した。あの人は誰だ!?という話になり、急遽その日の夜に撮影する五十嵐との打ち上げシーンに出演が決まった
- 10話の台本ができた時、スタッフ・キャストの間ですごく面白いと評判になった。特に長澤さんと東出さんは別の話の撮影の合間にずっと10話の台本を読んで「面白い、すごい」と言っていた。最終話でスケジュール的にも予算的にもかなり厳しい制限があった苦しい状況の下で、こんなに面白くて伏線を回収しまくる本を書けるなんて日本に古沢さんしかいないと思った。10話こそ古沢イズムの真骨頂だと思います
- スイートルームに置いてある金魚鉢には3匹の金魚がいる。これは、ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人を表している。撮影時は常時10匹のサブ金魚を完備し、水の濁り具合に戦々恐々としながら撮影をしていた
- 何と言っても春の新番組対抗バラエティで、コンフィデンスマンJPチームの長澤さんたちが他番組を押さえて優勝、スタッフにひとつ1万円の超高級弁当をゲットしてきてくれたのが印象的です。一生に一度の1万円弁当は本当に美味しかったです
- バトラー役のマイケルさんは、実はとってもすごい人。日本語ペラペラだし、自宅に農園みたいなものを持っていて毎回無農薬野菜を差し入れてくれたり、体はムキムキマッスルでスタッフに優しくて、本当にナイスガイです。実はマルチな活躍をされてるすごい方なんです
- 昨年12月末頃から、スタッフ内でインフルエンザが蔓延した。ひとり、またひとりと増えていく環境は本当に大変でした
五十嵐役・小手伸也さんに関する撮影裏話
- 五十嵐役の小手さんは、消え物をこちらの想定以上に食べてしまうので毎回ヒヤヒヤしていた。お皿の隅っこの添え物など、そんなまず食べないだろうというところまでたくさん食べるので、発注する際に毎回頭を抱えていた
- 劇団出身でなんでも器用に飄々とこなす小手さんですが、実は本当に真面目。毎回ブツブツと次のカットのセリフを何度も練習されていたのでとても感銘を受けた。視聴者の皆さんは五十嵐の小ネタとかアドリブっぽく見えているかもしれませんが、実は何度も何度も入念に練習しています
感想
副音声をこんなに毎回ちゃんと聞いたドラマは初めてかも。
やはり副音声担当・五十嵐の魅力が大きかった。最終回、出番が少なくてちょっと残念でした(でも小手さんはこれから引っ張りだこになるのでは…)。
スタッフもキャストもみんな楽しんでドラマを作っていることがわかって、こちらも楽しかったです。シリアスなドラマも好きだけど、とことんぶっ飛んだドラマも面白い。あと、ちょっとオタク心をくすぐる仕掛けや遊び心がある所が、個人的にはツボでした。
脚本担当の古沢さんは、今回とっても苦労されたようですが、ぜひシーズン2を作ってほしいです。
映画も楽しみにしています!
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