「カウンターパート」最終話|交差点封鎖、断絶された2つの世界

「カウンターパート/暗躍する分身 」ネタバレ感想

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どうも、夏蜜柑です。
海外ドラマ「カウンターパート/暗躍する分身」最終話(第10話)。

多くの謎を残したまま、第1シーズンが終わりました。
第2シーズンへの期待がふくらむ、最高に面白い最終話でした。

交差点の扉が閉ざされ、もとの世界に戻ることができなくなったハワード。

ハワードの中にはかつてなかった凶暴さが生まれ、自分本位だった別ハワードの中には他者への愛が芽生えた。2人のハワードが第1話とは逆になっているところが興味深い。

第2シーズンのWOWOWでの放送も決定しました。今から楽しみです。

最終話「中間地帯 パート2」のあらすじ


  • 衝突事故を起こしたクエイルは軽傷で済み、クレアはクエイルが〝アリバイ作り〟のために事故を起こしたことを知る。血の海となった戦略部に出向いたクエイルは、ファンチャーから執行部との会議に出席してほしいと頼まれる。
  • 一方、裏の世界でも執行部との会議が開かれ、別エミリーが出席。エミリーは交差点の中間地帯に留まる〈エンジェル〉の身柄を要求し、表の世界に対するテロ行為を認めるべきだと発言するが、執行部は拒否する。
  • 表の世界の執行部は、クエイルにほかの潜伏スパイを見つけ出すよう命じる。〈エンジェル〉は中間地点で息途絶え、ファンチャーたち外交部は〝宣戦布告〟とみなして交差点を封鎖する。
  • 国外に逃亡しようとしていた別ハワードは、アルドリッチから入院中のエミリーの警護を解くと言われ、エミリーのもとへ戻る。そこでエミリーの命を狙うボールドウィンと取引をし、ボールドウィンに金を渡してエミリーを救う。ボールドウィンはアルドリッチを射殺し、金を持って逃亡する。
  • 裏の世界にいるハワードは表の世界に戻るためポープを頼るが、ポープは渡航を助ける条件として、スパイになって自分のために働くことを命じる。断ったハワードはポープに殺されそうになり、とっさにポープを殺してしまう。ハワードはイワンに捕らわれ、エコーへ送られる。
  • クエイルの妻であろうとするクレアは、襲ってきたアルドリッチの部下を殺害。クエイルはクレアを抱き締め、死体の処理を手伝う。>別ハワードはクエイルと密会し、エミリーの命を保証するならばクレアのことは見逃す、と取引を持ちかける。


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「カウンターパート/暗躍する分身 」ネタバレ感想 ネタバレ有「カウンターパート」シーズン1全話あらすじ・登場人物(キャスト/吹き替え)・用語解説

最終話の感想

交差点が封鎖されてしまいました。

クレアによると、これは〝始まり〟とのこと。
過激派たちの狙いは、両世界の関係をこじらせて戦争に持ち込むことなのでしょうか?

そして今回、初めて交流局を仕切る〈執行部〉が登場しました。
と言っても、正体は謎に包まれたまま。

わたしはこれまで、彼らが「4階」と呼んでいる部署は〈戦略部〉だと思い込んでいましたが、〈執行部〉だったんですね。

夏蜜柑
交流局の組織図を見せてほしい。

2人のハワード

交差点の扉が閉ざされ、元の世界に戻れなくなったハワード。
ポープを頼るもうまくいかず、結局ポープを殺してイワンに捕まり、独居房へ。

ハワードは、妻エミリーと別ハワードが以前から交流があったとポープに聞かされ、大きなショックを受けていました。その感情の乱れも、ポープ殺害に影響していたと思われます。

夏蜜柑
このあたりの人格の変化は、別ハワードが辿った道と同じなんですよね…。

一方、国外へ逃げようとしていた別ハワードは、入院中の妻エミリーが狙われていると知って戻ってくる。病室で殺し屋ボールドウィンと取引をする彼は、まるで別人でした。

クエイルと会った時、彼はこう言っていました。

「休戦しようじゃないか。病院にいる女性は、私にはとても大事だ。だから約束する。君の奥さんの件がバレることはない。私の妻が無事な限りは」
「〝私の妻〟?」
「わかるだろう?」

花を買い、1本だけ病院の受付の花瓶に挿し、エミリーに本を読んであげる別ハワード。
第1話のハワードそのものでしたね。

どちらのハワードが〝本当のハワード〟なのか、答えは出ていません。

家族を選んだクエイル

前回、追い詰められた末に自殺を図ったように見えたクエイル。

しかし、そうではありませんでした。
彼は苦悩の末に、クレアと家族を守ることを決意したのです。

事故を起こしたのは〝アリバイ〟を作るため。
自分とクレアは「テロとは無関係」だと思わせたかったらしい。

行き当たりばったりの浅はかな言動を繰り返すクエイルですが、結果的にはうまくハマったようで。ファンチャーも執行部もすっかりクエイルを信頼し、スパイ捜しの責任者に任命。

いち早くスパイの存在に気づいたのはエミリーと別ハワードで、〈インディゴ〉の存在を突き止めたのはアルドリッチや別エミリーたちなんだけどねぇ。

ふぐ丸
完全に手柄横取り。

クレアの選択

クレアもまた2つの世界の狭間で苦しんでいました。

おそらく彼女の中では、スパイとしての自分よりも、妻・母としての自分が〝本当の自分〟になっているのでしょう。あるいは、そうありたいという願望かもしれませんが。

クエイルに正体を知られた今、自分はこれからどう振る舞えばいいのか。

彼女はその悩みを、この世界の母親に相談するのです。
その時点で、既に答えは出ているんですけどね。

「ものごとがとてつもなく困難に思えて投げ出したくなったら、笑顔を作っておいしいご飯を用意して、すべて順調ってフリをするの。するとそれが現実になる」

母親のアドバイスどおり、クエイルの前では〝普通の妻〟であろうと努力するクレア。

夏蜜柑
いじらしくて泣ける。

しかし彼女がスパイを辞めたいと思っていても、そう簡単に辞められるとは思えません。第2シーズンも引き続き、危うい存在になりそうです。

ボールドウィンの復讐

恋人のグレタに、ヴァイオリニスト「ナディア・フィエロ」の存在を知られてしまったボールドウィン。

ナディアは表の世界の自分なのでボールドウィンとは別人だけど、グレタにはわからない。当然、死んだはずのナディアがなぜ生きてるのか、ってことになる。

グレタはボールドウィンの正体に不安を覚え、家から追い出してしまいます。

ボールドウィンもまた、スパイの自分ではなく、表の世界のナディアこそが〝本当の自分〟だと思いたかったのかもしれません。

ボールドウィンはエミリーの病室でハワードから取引を持ちかけられ、金を受け取って逃げることに。

最後にアルドリッチを撃ったのは、ナディアを殺されたことへの報復だったのでしょう。

多くの謎を残したまま、第2シーズンへ続くことになりました。

「もうひとりの自分」を持つ登場人物たちの緻密な心理描写、SFなのに荒唐無稽さを感じさせないリアルな世界観が素晴らしかったと思います。

こういう独特な世界は日本のドラマでは味わえないので、楽しかったです。

毎週、幸せな時間を過ごさせていただきました。
第2シーズンを楽しみにしています。