海外ドラマ「フランキー・ドレイク ミステリー」シーズン1(全11話)についてまとめました。
禁酒法の制定、共産主義の台頭、ジャズの流行…世界が大きく変わりつつある 1920年代のカナダ。トロントで唯一の女性探偵のフランキー・ドレイクと相棒のトゥルーディは、警官志望のメアリー、死体安置所員のフローとともに警察が触れたがらない訳あり難事件に挑む。
BS12公式サイトより
1920年代のカナダを舞台に、女性私立探偵フランキー・ドレイクが相棒のトゥルーディとともに難事件を解決するミステリードラマ。シーズン4まで製作されています。IMDbの評価は6.7。
Contents
作品概要
- 放送局:BS12
- 放送時間:2023年1月20日(金)から毎週金曜21:00~
- 製作国:カナダ(2017年)
- 原題:Frankie Drake Mysteries
あらすじ
トロント育ちのフランキー・ドレイク(ローレン・リー・スミス)は冒険を求め、第一世界次大戦では海を渡りメッセンジャーとして戦火の中をバイクで駆け抜けた。カナダに帰国したフランキーは普通の仕事では満足できず、トロント唯一の女性だけの探偵事務所を設立し、相棒のトゥルーディ(シャンテル・ライリー)とともに警察が介入できない事件や、他の探偵が興味を示さないような事件を引き受け、常識にとらわれない方法で事件を解決してゆく。
BS12公式サイトより
予告動画
時代背景(年表)
年代 | 出来事 |
---|---|
1913年 | マック・セネットが映画会社キーストン・ピクチャーズ・スタジオを設立。翌年、チャールズ・チャップリンの映画デビュー作「成功争ひ」を公開する |
1914~1918年 | 第一次世界大戦 |
1920年 | 国際連盟が発足 米国ウォール街で爆破テロ発生 |
1921年 | アインシュタインがノーベル物理学賞を受賞 中国共産党成立 |
1922年 | ソビエト連邦成立 エジプト考古学者のハワード・カーターがツタンカーメン王の墓を発見 |
1923年 | 関東大震災 |
1928年 | 蒋介石が国民政府主席に スターリンによる第1次5か年計画開始 |
1929年 | ヘミングウェイが『武器よさらば』を発表 ニューヨーク市場が大暴落、世界恐慌が始まる |
1931年 | 満州事変 |
1933年 | ドイツにヒトラー内閣が成立 |
登場人物(キャスト)
主要人物
フランキー・ドレイク(ローレン・リー・スミス)
トロントで「ドレイク探偵事務所」を営む女性探偵。冒険好きで、恋多き女性。第一世界次大戦中はフランスでバイクを乗り回し、伝令の仕事をしていた。父親のネッドは三流詐欺師で、10年前に亡くなっている。
トルーディ・クラーク(シャンテル・ライリー)
フランキーの友人であり相棒。機転が利き、銃も扱える。両親と3人の弟と一緒に住んでいる。
メアリー・ショー(レベッカ・リディアード)
トロント警察のモラルオフィサー。おしゃべりで好奇心旺盛。父と同じ正規の警察官になることを夢見ている。フランキーたちの捜査に積極的に協力する。
フロー・チャコウィッツフランキー(シャロン・マシューズ)
トロント市の死体安置所の係員。フランキーに遺体に関する情報を提供する。
そのほか
アーネスト・ヘミングウェイ(スティーヴ・ランド)
〈トロント・スター〉紙のフリー記者。フランキーの友人。本物の事件を記事にしたいと、フランキーにネタの提供を要求する。
ウェンディ(グレース・リン・カン)
フランキーたちの行きつけの中国喫茶〈クォワンズ〉の経営者。中国人。ハリーという息子がいる。
ビル・ピーターズ(ロメイン・ウェイト)
トルーディの友人。市役所に勤務し、トルーディの求めに応じて情報を提供する。トルーディに好意を寄せている。
ノーラ・エイモリー(ウェンディ・クルーソン)
フランキーの母。フランキーが幼い頃に死んだと聞かされていたが、実は健在。犯罪組織“ドレイク団”のトップで、稀代の詐欺師。フランキーとの関係を取り戻すべく、調査に積極的に協力する。
エイブ・エイモリー(デレク・マクグラス)
第1話に登場する鋼鉄王。クラウン・ホテルに滞在中、金庫に入れていた真珠の首飾りを盗まれる。フランキーの母ノーラの再婚相手。
コンロイド(ハワード・フーバー)
第2話に登場する工場経営者。銃を持った男たちに自宅を襲撃され、犯人を見つけ出してほしいとフランキーに依頼する。
エリック・モリソン(ウィリアム・メリング)
第3話に登場する元信号隊司令官の息子。自分のカバンから死体が見つかり、父親の友人だったフランキーに助けを求める。
モーゼス・ペイジ(エマニュエル・カボンゴ)
第3話から登場する将来有望なボクサー。フランキーのボクシングのインストラクター。フランキーとはカジュアルな恋愛関係を楽しんでいる。
エルシー(グレタ・オニグー)
第4話に登場する牧師の娘。病や怪我を癒す“手”を持っている。両親に内緒でジャズクラブに通っていたが、ある日突然姿を消す。
マック・セネット(ドミトリー・チェポヴェツキー)
第5話に登場する映画プロデューサー。撮影した映画フィルムに殺人事件が映り込んでいたことから、フランキーたちに調査を依頼する。
ジョー・ペリー(ルーク・ハンフリー)
第6話に登場する地元マフィア。酒を密造して売りつけている。銃撃事件で弟ジーノを亡くし、自らも流れ弾を浴びて負傷する。詐欺師の娘であるフランキーを気に入り、仲間に誘う。
ジェニー・ショー(メラニー・スクロファーノ)
第7話に登場する英語教師。メアリーの姉。中華街の慈善団体で英語を教えていたが、行方不明になる。
グレッグ・ミルズ(ローレンス・フォックス)
第8話に登場する元イギリス陸軍航空隊の整備士。元同僚のアンダーソンの息子が誘拐され、事件を調査するフランキーに協力する。
ルイス・デビッドソン(ジム・ワトソン)
第9話に登場するフランキーの友人。元兵士で、第12ヨーク部隊に所属していた。戦時中に行方不明になり音信不通だったが、フランキーが調査で訪れた軍事病院で再会する。戦時中の記憶を失っている。
アナ(ジョデル・フェルランド)
第10話に登場する身元不明の20代女性。NYで保護され、過去の記憶を一切失っている。英語やロシア語、フランス語などを話すことができ、ロマノフ家の皇女アナスタシアではないかと言われ…。
ジョン・スミス(チャーリー・キャリック)
第11話に登場するMI5の諜報員。フランキーをカナダに送り込み、ドイツのスパイを見つけ出すよう命じる。
各話のあらすじ(ネタバレ有)
トロントで探偵事務所を営むフランキーは、警察に勤務する友人メアリーから、自分が窃盗事件の容疑者になっていると聞かされて驚く。
盗まれたのは、クラウン・ホテルに宿泊する鋼鉄王エイブ・エイモリーが所有する真珠で、消えた真珠の代わりに鳥の羽根が残されていたという。その手口が詐欺師だったフランキーの亡き父ネッドと同じだったため、フランキーに疑いがかけられたのだ。
自分への疑いを晴らすため、フランキーは相棒のトルーディとともに捜査に乗り出す。だが父の犯罪仲間だったジャックとモーリスは、羽根のことを知る人物は自分たち以外には存在しないと断言する。
被害者のエイブとその妻ノーラに会ったフランキーは、ノーラがペテン師であることを突き止める。フランキーが問い詰めると、彼女は自分がネッドの元妻で、フランキーの実の母だと打ち明ける。
父から「母は死んだ」と聞かされていたフランキーは動揺し、自分を捨てた母を憎むが、互いの潔白を証明するために協力して捜査にあたることに。
実質“ドレイク団”を束ねていたノーラは、犯人がドレイク団の手口を真似ていることから、盗品の密売方法も同じだと推測。犯人が出した新聞広告を見つけた彼女たちは、ジャックとモーリスにも手伝わせ、買い手になりすましてホテルにおびき出す作戦を立てる。
だがそこへ現れたのは、被害者のエイブだった。フランキーに理由を問われた彼は、高級志向の妻に搾り取られ、保険金詐欺を企んだと打ち明ける。犯行の手口がドレイク団と同じだったのは、ノーラが「トロントで聞いた大泥棒」の話を彼に話して聞かせていたからだった。
ノーラとエイブは別れることになり、ノーラは新しい人生を歩むためにしばらくトロントに残ることを選択する。
フランキーとトルーディは銃を持った男たちが豪邸に押し入るのを目撃し、協力して撃退する。屋敷の主であるコンロイドは工場の経営者で、従業員と対立していることから、犯人は共産主義者だろうと話す。そしてフランキーに犯人を暴いてくれと依頼する。
フランキーがコンロイド社を探っていると、探偵事務所に「1人で工場に来い」という電話が入る。工場を訪ねたフランキーが馬に気を取られていると、突然ワゴンが爆発する。その後、現場から遺体が発見され、工場の経理を担当していたヘンリーと判明する。
馬とワゴンを使った爆発は、1920年にウォール街で起きた共産主義者のテロと酷似していた。フランキーはメアリーに馬の調査を頼む。
トルーディはクララという偽名で工場に潜入し、従業員のゼルダと親しくなる。ゼルダは上司のスキャロンの指示を受け、新人であるトルーディを探っていた。スキャロンは従業員の中から共産主義者を見つけ出そうとしていた。
ゼルダは女性平和団体の集まりにトルーディを招き、彼女たちが扇動者の正体だと明かす。だが彼女たちの目的は参政権で、今回の事件とは無関係だった。トルーディが探偵だと知ったゼルダは、既婚者であるスキャロンと付き合っていることを打ち明ける。
メアリーは馬が立ち寄った小屋でヘンリーの血痕を発見する。犯人は小屋でヘンリーを殺害し、死体と爆薬をワゴンに積み込んで馬に運ばせたのだ。小屋の持ち主はすでに亡くなっていたが、コンロイド家の使用人ファーンのおじだとわかる。
フランキーに問い詰められたファーンは、犯人に協力したことを認める。コンロイド家を襲撃して共産主義者の犯行に見せかける計画を立てたのは、スキャロンだった。ファーンもまた、スキャロンと男女の関係に陥っていた。
スキャロンに利用されていたことに気づいたゼルダは、フランキーたちに協力してスキャロンを嵌める。彼は会社の金を横領し、女性たちとの浮気に使っていたのだ。そしてその事実をヘンリーに知られたため、殺害したのだった。
コンロイドは従業員たちと平和的に話し合い、ゼルダは労働者が自立する道を探る。メアリーは捜査に協力してくれた馬のマーフが安楽死させられると聞き、引き取ることを決める。
ある夜、フランキーの前に元信号隊司令官の息子エリック・モリソンが現れ、助けてほしいと訴える。彼の父はかつてのフランキーの雇い主で、不倫相手でもあった。断りきれず応じると、エリックはフランキーを駐車場に連れていき、かばんの中身を見せる。そこには男の死体が入っていた。
エリックは男に見覚えがなく、なぜ自分のかばんに死体が入っているのか見当もつかないという。フランキーは匿名で警察に通報するよう助言し、謎の解明に乗り出す。
死体が入ったかばんは車の中にあり、その車はエリックと一緒にトロント島でテント暮らしをしている友人アーチーが3週間前に盗んだものだった。車の所有者はオンタリオ湖ヨットクラブの会計係ジョン・ラッセルと判明するが、なぜか盗難届が出ていなかった。
フランキーとトルーディは、ヨットクラブ会長の御曹司ピーター・ベネットと資産家の娘ローズ・アダムスの婚約パーティーに潜入し、ジョン・ラッセルを探す。だがラッセルは来ておらず、記者のヘミングウェイから「今はハバナにいる」と聞かされる。
かばんに入っていた死体の身元は、私立探偵のバディ・スティールと判明。フランキーとトルーディはバディの探偵事務所に忍び込み、エリックとローズの密会現場を隠し撮りした写真を見つける。
エリックを問い詰めると、彼はトロント島でローズと出会い、恋に落ちたという。ローズによると、バディはローズの父親ドナルド・アダムスが彼女を監視する目的で雇った探偵だった。
ローズとピーターの結婚が政略結婚だと知ったフランキーとトルーディは、アダムスについて調べる。すると、彼の事業計画の資金源がジョン・ラッセルだとわかる。
アーチーが彼の車を盗んだ場所は、アダムスの事業開発地だった。アダムスはそこにカナダ史上最大の公共事業である下水処理場の建設を計画していた。だが3週間前、ラッセルは突然その計画から手を引くと言い出した。
彼が全財産をハバナに移したと知ったアダムスは激怒し、その場で彼を殺害してしまったのだ。そしてその秘密に気づいた探偵のバディ・スティールを殺し、エリックに罪を着せたのだった。
エリックはフランキーに協力してアダムスを罠にかけ、ラッセルの遺体を埋めた場所におびき出す。エリックに問い詰められたアダムスはラッセル殺害を認める。
エリックはローズとの結婚を望んでいたが、彼女にとってエリックは恋人ではなく、ひと夏の思い出にすぎなかった。ピーターとの結婚を望まない彼女は、父親が逮捕されてようやく自由の身になれたと喜ぶ。
牧師の娘で、病や怪我を癒やす“手”を持つ10代の少女エルシーが失踪する。牧師夫妻から依頼を受けたフランキーとトルーディは、彼女が両親に内緒でジャズクラブに通っていたことを突き止める。クラブへ行くと、エルシーは歌手としてステージに立っていた。
エルシーのそばには教会のピアニストだったティクルスが寄り添い、彼女は大好きな歌を続けるためティクルスと一緒にニューヨークへ行く計画を立てていた。
しかし何者かがエルシーを襲い、危険を感じたトルーディは彼女を自宅に匿うことに。フランキーは強盗の前科がある牧師を疑うが、彼は服役して更生したと主張する。
牧師を監視していたフランキーは、彼が怪しい男と言い争う場面を目撃する。フランキーは教会の裏口から忍び込み、そこで偽札を発見する。
牧師を呼び出して問い詰めると、刑務所で知り合ったライルに脅され、偽札の換金に協力していたことを打ち明ける。エルシーは偽札とは知らずに教会の金を盗んで持ち出したため、ライルに狙われる羽目になったのだ。
ライルはティクルスを襲ってエルシーの居場所を突き止め、トルーディの家を襲撃。エルシーを拉致しようとするが、トルーディと彼女の家族が阻止する。ライルは逮捕され、エルシーは父親と和解してジャズシンガーを続ける。
フランキーとトルーディは、映画プロデューサーのマック・セネットから調査依頼を受ける。彼が撮影した映画フィルムに偶然、殺人事件が映り込んでいたのだ。2人は撮影場所のサニーサイド・パビリオンを訪れ、殺害に使用されたと思われる銃の薬莢と血痕を見つける。
マックによると、数日前から小道具係のダン・チャニングが行方不明だという。ダンの部屋には有名女優ソフィア・デボ―の写真が何枚も貼られていたが、ソフィアは彼のことを知らないと言う。
フランキーたちはマックの助手として映画会社に潜入し、調査を進める。そんな中、スタジオの照明が落下し、ソフィアのスタントを担当していたルースが負傷する。フランキーは急遽、彼女の代わりにソフィアのスタントを任されるが、何度練習してもうまく演技できない。
一方、フランキーから遺体の捜索を頼まれたメアリーとフローは、撮影現場近くの湖で男性の遺体を発見する。所持品から、遺体は失踪中のダンと判明する。
メアリーの調べで、ダンは本名ルシアン・トランブレといい、強盗罪で15年間服役していたことがわかる。彼は3週間前に釈放されており、盗んだ金を持ち逃げした相棒を訪ねてトロントにやってきたのではないか、とフランキーたちは推察する。
マックを疑ったフランキーは彼を問い詰めるが、事件発生時、彼は撮影をヴィクターに任せて水着美人と一緒にいた、とアリバイを主張する。そして映画に出演している人物こそ、犯人ではないかと指摘する。
フランキーはもう一度映像を見直し、ソフィアとして映っているのが本人ではなくスタントのルースであることに気づく。フランキーはソフィアを罠にかけ、ルースになりすまして彼女を呼び出す。ルースに裏切られると思い込んだソフィアは、彼女を殺して口を塞ごうとする。だが銃に入っていたのは空砲だった。
逃げようとするソフィアをトルーディが取り押さえ、その一部始終をマックが撮影する。ソフィアはかつてダンと一緒に強盗を働き、盗んだ2万ドルを使って新しい容姿と人生を手に入れたのだ。そして突然現れた昔の相棒に分け前を要求され、撮影中に殺害したのだった。
マックはトルーディの演技を絶賛し「ハリウッドに来ないか」と誘うが、トルーディは「まだやることがある」と断る。
フランキーとトルーディは、収監中のジョー・ペリーが遺体で発見されたという新聞記事を目にする。死因は自殺と書かれていた。2人は6か月前に起きた事件を思い出す。
6か月前、フランキーとトルーディが通う中国喫茶が銃撃を受け、店主のウェンディの息子が流れ弾を受けて負傷する。銃撃の直前、地元マフィアのペリー兄弟がウェンディを脅していたことから、フランキーは兄弟による脅迫を疑うが、現場で銃弾を浴びた弟ジーノの遺体が発見される。
真相を突き止めるため兄ジョーのアパートを訪ねたフランキーは、彼もまた流れ弾を受けて負傷していることを知る。フランキーはジョーを遺体安置所に連れていき、フローに頼んで手当をさせる。ジョーはペトリロ家の縄張りで商売をしていたが、当主のロレンツォ・ペトリロは彼のおじで、裏切りはありえないと話す。
一方、トルーディとメアリーは銃撃犯の手がかりをつかむため、バーレスクダンサーのレナに会う。彼女の恋人が現場で目撃されていたのだ。だがレナによると、恋人は3日前にトロントを離れたという。
ペリー兄弟がグッダーハム・アンド・ウォーツ蒸溜所と取引していることを知ったトルーディとメアリーは、グッダーハムのトラックを尾行して森の中の秘密の蒸留所にたどり着く。そこではペリーの仲間たちが、グッダーハムから仕入れた酒を密造酒で薄める作業を行っていた。メアリーがバッジを見せて逮捕すると告げると、男たちは証拠隠滅のため蒸留所に火をつけて爆発させる。
フランキーは半ば脅されてジョーと行動をともにし、グッダーハムのトラックを盗んで取引場所へ運ぶ。そこに現れたのはシカゴのギャング、アル・カポネだった。
ジョーはカポネに酒を提供し、その見返りに大量の銃を仕入れる。彼の目的はペトリロを退かせ、自分がトロントを牛耳る闇社会の王になることだった。弟のジーノは親族であるペトリロを裏切ることに反対したため、ジョーは弟の密告を恐れて彼を銃殺させたのだ。
事務所に戻ったトルーディとメアリーは、ペトリロの訪問を受ける。彼によると、レナの恋人はバーテンダーのボビーだという。銃撃犯がボビーだと知った2人は、レナから彼の居場所を聞き出す。
ジョーはボビーに積荷を運ばせようとするが、そこへトルーディとメアリー、ペトリロが現れる。メアリーはジョーに手錠をかけて署に連行する。ペトリロの意向により、積荷の銃も警察に引き取られる。
6か月後の現在。フランキーの前に死んだはずのジョーが現れる。彼はペトリロ家の情報を警察に売り、解放されていたのだ。ジョーはフランキーに別れを告げて立ち去る。
メアリーは中華街で失踪した英語教師ジェニーの捜索をフランキーとトルーディに依頼する。ジェニーは華人慈善団体で英語を教えていたが、昨夜から行方不明だという。
フランキーは慈善団体を運営する貿易商ジェームズ・リーから情報を得て、ジェニーと繋がりがあるらしいアヘンの売人トミー・チャウに会うため、彼の家で開かれている怪しげなパーティーに潜入する。
パーティーで母ノーラと再会したフランキーは、彼女の協力を得てトミーの家を探り、意識を失った状態の女性たちを発見する。
メアリーは失踪したジェニーが2年前に家を出た姉であることを告白する。急進派で近代主義のジェニーは保守的な父親に反発し、家族から離れていったという。
フランキーたちは再びパーティーに潜り込み、ジェニーの手帳と謎の液体を見つける。フローに液体の正体を調べてもらうと、破傷風のワクチンと判明。その後トミーは何者かに殺害され、メアリーも拉致される。
トミーはアヘンの売人ではなく、自宅で診療所を運営する医師だった。パーティーの参加者は彼の後援者で、奥の部屋にいた女性たちは彼が治療していた中毒者だったことがわかる。
トミーの家にいた中国人女性のリンは、密輸業者に騙されて中国から連れてこられ、波止場で出会ったジェニーに助けられてトミーの家に隠れていたと話す。
リンの証言で、貿易商のリーが密輸に関わっていることが明らかに。フランキーたちはリーの会社を訪ね、地下室に囚われていたメアリーとジェニーを発見する。リーの背後にいた黒幕は、メアリーの上司ブラッドリー警部だった。フランキーたちはリーを脅してブラッドリー警部を呼び出し、偽の取引を持ちかけることに。フランキーの母ノーラが取引相手になりすまし、密入国させられた女性たちを連れてこさせる。
メアリーはブラッドリー警部を逮捕し、ノーラとフランキーは女性たちを保護する。ジェニーはメアリーに礼を言い、姉妹は和解する。
飛行場で航空ショーを楽しんでいたフランキーは、グレッグという元イギリス陸軍航空隊の整備士に出会う。会場では「赤ちゃんコンテスト」が開催されていたが、そのさなかにグレッグの元同僚で飛行士のフィリップ・アンダーソンの幼い息子チャーリーが連れ去られるという事件が発生。
その場にいたフランキーは誘拐を阻止し、アンダーソン家に今後の警護を申し出るが、フィリップは「警察に頼む」と拒否。後日、フィリップの妻ミラが探偵事務所を訪れ、夫に内緒でフランキーたちを雇う。
アンダーソン家の内情を知る者の犯行と考えたフランキーは、ベビーシッターのシルヴィア・フロストを怪しむ。トルーディの友人で市役所勤めのビルが調べたところ、その女性は30年前に亡くなっていることが判明する。
フランキーは犯人が逃走に使おうとした未登録の飛行機を調べ、陸軍航空隊・第15飛行隊の布バッジが貼り付けられた天使のカードを見つける。
そんな中、ミラが在宅中に何者かに襲われ、チャーリーが誘拐されてしまう。フランキーは天使のカードを手がかりに飛行機の持ち主ジョニーを探し当てるが、彼はホテルの部屋で殺害されていた。
ジョニーの死亡時刻から、2度めの誘拐犯が別人であることがわかる。メアリーはベビーシッターの過去を調べ、彼女が幼い子供を火事で亡くしていることや、カレドンという町で目撃情報があり、警察が捜査していることを伝える。
グレッグを怪しんだフランキーとトルーディは彼を尾行し、森の中の小屋でグレッグと一緒にいるミラを発見する。ミラは夫から息子を守るために、グレッグやベビーシッターと協力して偽装誘拐をしたと打ち明ける。
ミラの息子チャーリーは生まれつき耳が聞こえず、そのことを知った夫のフィリップは「欠陥品は後世に残せない」と考え、息子を殺そうとしていた。飛行場での誘拐はフィリップが計画した犯行で、ジョニーは彼の元部下だった。
フランキーたちはベビーシッターとチャーリーがいるカレドンへ向かうが、フィリップに先を越され、チャーリーを奪われてしまう。飛行場でチャーリーを奪い返し、フィリップを追い詰めるも、フランキーは過去の戦争のフラッシュバックに襲われ発砲することができない。
グレッグはフランキーから銃を奪い、逃走をはかったフィリップの飛行機を撃つ。銃弾を受けた飛行機は黒い煙を出して墜落、炎上する。
無事にチャーリーを取り戻したミラは、フィリップの飛行場を引き継ぎ、グレッグに管理を任せることを決める。
休戦記念日が近づくある日、フランキーは退役軍人の妻エルスペスから夫グラント・バートンの調査を頼まれる。元工兵隊の大尉だったというグラントは、明らかに何かを隠している様子で、フランキーに「もうすぐ何もかも解決する」と告げた直後、爆発に巻き込まれて死亡する。
警察は自殺と判断するが、フランキーは事件に巻き込まれたと見て調査を開始。バートン大尉が最近よく訪れていたという軍事病院を訪ね、そこで友人のルイスと再会する。だがルイスは戦時中の記憶を失っており、フランキーのこともバートン大尉のことも覚えていなかった。
メアリーは爆発が起きた現場を調べ、ペンシル型の起爆装置と「また会おう」と書かれた切手のないハガキを見つける。
トルーディとフランキーは、バートンが爆発に巻き込まれる前に電話をかけていた薬局を訪ね、薬剤師のダグラス・ハーグローブの遺体を発見する。さらにその場にいたガスマスクの男に襲われ、爆発に巻き込まれそうになる。
ハーグローブはバートンと同じ元工兵隊の兵士で、同じハガキを受け取っていた。フランキーはルイスが鍵を握っていると見て、彼の記憶を呼び覚まそうとする。ガスマスクの男に関する記憶をたぐりよせたルイスは、「ポートン」という地名を思い出す。
エルスペスによると、バートンはイギリスのソールズベリー近くに駐屯していたという。ポートンはソールズベリーの近くにある村の名前だった。フランキーは国防省の機密資料で、英国陸軍工兵隊が研究所で毒ガス対策を行っていたことを知る。
トルーディは軍事用のガスマスクの出どころを調べ、犯人の家を突き止める。家に侵入し、地下室でガスマスクや殺された兵士たちの写真を発見するが、犯人のマクロイに見つかってしまう。
駆けつけたフランキーは、地下室で拘束されているトルーディを発見。そこにあった兵士の写真を見て次のターゲットがチャンストン大将だと知り、マクロイを追う。
マクロイは戦時中ルイスと同じ第12ヨーク部隊に所属し、ポートンダウンに配属されていた。ポートダウンには工兵隊の研究所があり、バートンやハーグローブ、チャンストンらが駐屯していた。
フランキーはチャンストンを殺そうとするマクロイを説得し、ポートンダウンで何があったか聞く。当時、ドイツの毒ガス攻撃の対策としてマスクの効果を調べていたチャンストンらは、第12ヨーク部隊を使ってテストを行い、その結果16人の兵士が犠牲となって死んだのだ。そして軍はその事実を隠蔽した。
マクロイは生き残ったものの、顔半分に大きな傷を負った。仲間のために復讐を果たそうとするマクロイだったが、フランキーはチャンストンに真実を公表するよう約束させ、彼の命を救う。
ルイスは記憶を取り戻し、フランキーと最後に会った日のことを思い出す。「あの日、何があったんだ」と尋ねるルイス。フランキーは「私たちは似てる。ひとりだけ生き残った」と告げる。
フランキーは記者のヘミングウェイに頼まれ、ルイザ・ウィンチェスター夫人の邸宅を訪ねる。彼女はコサック舞踊団のメンバーであるアナが皇帝ニコライ2世の末娘アナスタシア・ニコラエヴナであると信じ、それを証明してほしいとフランキーに頼む。
ルイザは1905年に駐ロシア大使だった父親とともに冬宮を訪れ、幼い皇女に会ったことがあるという。そしてアナを見たとき、皇女に間違いないと確信したというのだ。
ロマノフ家はロシア革命によって滅亡し、皇帝一家は銃殺されたと報じられていた。しかしルイザは生存説を信じ、帝国の復活を願うロシア人にとってアナスタシアの存在が希望になると訴える。
アナはNYで錯乱状態だったところを保護され、病院で目覚めたときにはそれまでの記憶を失っていたと話す。その病院でコサック舞踊団のセルゲイたちと出会い、彼らと行動をともにするようになっていた。
フローに頼んでアナの身体検査を行ったところ、X線撮影で頭部に銃弾が埋まっていることが判明する。ルイザは銃弾こそがアナスタシアである証拠だと喜ぶが、邸宅には「ロマノフ家に死を」と書かれたキャビアの入った箱が届けられる。さらにアナが襲われ、彼女が持っていたラスプーチンの指輪が盗まれてしまう。
フランキーは暗殺者を突き止めるため、ヘミングウェイに協力を求める。キャビアはロシア料理店で出されていたもので、店主のアレクセイは革命を支持するボリシェビキだった。さらにアメリカからボリシェビキの暗殺者が渡ってきたことも判明する。
メアリーがNY市警察から得た情報で、モナというロシア系移民の女性が頭を撃たれて教会に逃げ込み、1917年に失踪していることがわかる。フランキーはアナとモナが同一人物だと考え、ルイザに公表を思いとどまらせる。
その後、指輪を盗んだのはコサック舞踊団のミーシャだったことが判明する。また、暗殺者と思われたのはセルゲイで、彼は皇室を守るコサックの護衛兵だった。
アナはコサック舞踊団のサーシャと恋に落ちていたが、彼こそアナの命を狙うボリシェビキだった。サーシャはアナを殺すことができず、アレクセイに殺される。アナは真実を確かめるため、セルゲイとともにデンマークに渡ることを決める。
ヘミングウェイは特派員としてパリに移住することになる。フランキーは「一緒に来ないか」という彼の誘いを断り、トロントに残ることを決める。
NYでモナに関する調査を続けていたメアリーが帰国し、モナが修道女となって余生を過ごしたことや、1年前に結核で亡くなったことを報告する。
ドレイク探偵事務所に1本の電話がかかってくる。電話に出たメアリーに、相手は「青レモネード」とだけ告げて電話を切る。それを聞いたフランキーは顔色を変え、何も言わずに事務所を飛び出す。
メアリーから事情を聞いたトルーディは、フランキーの後を追いながら、初めてフランキーと出会ったときのことをメアリーに語る。
1918年。MI5のスパイとして働いていたフランキーは、ドイツの破壊工作を阻止するためカナダへ戻り、ある下宿に滞在することに。任務を与えたジョン・スミスは、その下宿にモード・ミューラーという陰謀の中心人物が潜伏していると告げ、敵を観察して報告するよう命じる。
下宿の女主人はヴァン・クリーフ。料理人として雇われているのはミルドレッド・クラークで、メイドは彼女の娘トルーディだった。トルーディはフランキーの行動を怪しみ、ドイツのスパイではないかと疑っていた。
ある日、トルーディはフランキーの部屋に侵入し、彼女が隠し持っていた銃を発見。トルーディに銃で脅されたフランキーは、MI5のスパイだと明かす。
トルーディの協力のもと、フランキーはもうひとりの下宿人クライブ・ハーパーがドイツと通じていることを突き止め、拘束する。そして彼が下宿の食料庫に隠していた荷物を調べ、暗号を解読してアジトを発見する。
アジトへ向かったフランキーとトルーディは、そこでモード・ミューラーと遭遇する。モードに銃を突きつけられる2人だったが、下宿の女主人クリーフ率いるトロント国防婦人隊が駆けつけ、モードを捕まえる。
モードの狙いはウェランド運河の破壊だったが、フランキーの活躍で陰謀は阻止される。だがジョンは民間人を危険に巻き込んだとして、フランキーを解任する。
現在。トルーディとメアリーは、〈クォワンズ〉でフランキーを見つける。「青レモネード」は、フランキーがジョンと〈クォワンズ〉で会うときの合言葉だったが、あの日以来、2人は一度も会っていなかった。
ジョンは〈クォワンズ〉に現れるが、その直後に何者かが発砲。混乱のさなか、ジョンは逃走する。彼はMI5に命を狙われており、フランキーは彼をおびきだすための囮として利用されたのだ。
フランキーはトルーディたちと協力し、近くの工場に隠れていたジョンと妊娠中のモード・ミューラーを見つけ出す。
モードは二重スパイで、処刑される運命であることを明かす。ジョンがフランキーを解任したのは、真実を隠し、彼女を守るためだった。フランキーたちの協力で、2人は無事にカナダからの脱出に成功する。
1918年。MI5を解雇されたフランキーは、トロントに残って探偵事務所を開くことを決意。その相棒として、同じく仕事を失っていたトルーディに声をかける。
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