Huluで配信中の海外ドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」シーズン3第6話のあらすじと感想(ネタバレ有)です。
ジューンはワシントンD.C.を訪れ、ギレアドの新たな支配の形を目の当たりにします。ニックと再会したジューンは、彼に取引を持ちかけますが……。
セリーナとの対立も深まり、希望と絶望が交錯する中で、ジューンの覚悟がさらに強まる回でした。
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 ネタバレ有「ハンドメイズ・テイル」シーズン3全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)一覧・用語解説
  ネタバレ有「ハンドメイズ・テイル」シーズン3全話あらすじ・感想・登場人物(キャスト)一覧・用語解説  
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第6話「D.C.」のあらすじ
ジューンとリディア、ウォーターフォード夫妻は、カナダ政府と交渉するためワシントンD.C.のウィンズロウ司令官の屋敷に滞在し、ニコールの送還を求める映像を撮る。
ウィンズロウ夫妻には5人の子どもがいたが、今も屋敷には侍女がいた。ワシントンD.C.の侍女たちは口をきけないように唇を輪で留められており、ジューンは愕然とする。
久しぶりにニックと再会し、喜ぶジューン。ジューンはカナダ政府との仲介者であるスイスの外交官と面会し、ニコールをカナダに留まらせてほしいと訴えるが、カナダはギレアドの強大な力を恐れ、争いを避けるために事を荒立てたくないと考えていた。
ジューンはニックを説得してギレアドの権力構造の情報を提供させることを約束し、代わりにニコールの送還を止めるよう交渉する。
だがニックがギレアド建国のために戦っていたことを知ったスイス側は、ニックとの面談を拒否、ニックは指揮官としてシカゴの前線へ向かう。
ジューンはリンカーン記念堂でセリーナと会い、ニコールの幸福のためにカナダに残すべきだと訴えるが、セリーナは「あの子に会って気持ちが変わった」と語り、2人は決裂する。
ウォーターフォード夫妻はカナダのテレビに流す映像を撮るために、記念堂の前に何万人もの侍女たちを整列させ、ニコールの帰還のために祈りを捧げさせる。ジューンは心ならずもそれに従う。
第6話の感想
唇を封じられた侍女たち
ジューンたちはワシントンD.C.を訪れます。到着早々、侍女たちが赤いマスクで顔の下半分を覆っていることに気づき、不穏な空気が漂います。
リディアおばは「信心深い証」としてその姿を称賛しますが、実は彼女たちの唇は金属の輪で物理的に閉じられており、言葉を発することすら許されていないのです。
この事実を知ったジューンは、「私たちに沈黙を望むのですか?」と問いかけ、リディアおばは苦悩の表情で「いいえ」と答えます。ギレアドの支配が、信仰や秩序を名目に人間の尊厳を奪っていく様子が、視覚的にも強烈に描かれていました。
リディアおばの回復ぶりと対照的に、侍女たちの沈黙は制度の残酷さを象徴しています。
ニックとの再会
ジューンはワシントンでニックと再会します。スイスの外交官たちは、ニコールをカナダに留める代わりに、ギレアド内部の情報提供を求めてきます。
ジューンはニックに協力を求め、「これはあなたにとってチャンスなのよ。あの子の父親になれるチャンスなの」と語りかけます。この言葉には、ジューンのしたたかさと生存戦略が表れていました。倫理的に複雑な状況の中で、彼女は感情と目的を巧みに使い分けていますね。
ただし、ニックの過去が外交官に知られたことで交渉は決裂。彼がギレアドの建国に関与していたことを知ったジューンは、動揺を隠せません。
ジューンとニックの関係は、愛情というよりも極限状況下での心の拠り所だったのかもしれません。彼女がニックに惹かれた理由は、単純な恋愛感情ではなく、ギレアドという抑圧の中で生き延びるための選択だったとも考えられます。
ジューンとセリーナの決裂
破壊されたリンカーン像の前で、ジューンはセリーナに「なぜニコールをギレアドに戻そうとするのか」と問い詰めます。セリーナは「愛しているから」と答えますが、ジューンはそれを否定します。
「それは愛じゃない。あなたは愛し方を知らない。誰かと一緒にいたくてこの世界を作り出したんでしょ。でも失敗ね。あなたはちっぽけで非情。空っぽよ。この先もずっと空っぽ」
ふたりの信念と感情が激しくぶつかり合う象徴的な場面でした。
セリーナの「その口を輪で閉じるべきだった」という言葉に対し、ジューンは「炎の中に置き去りにすべきだった」と応酬。互いに深い傷を抱えながらも、もはや理解し合うことは不可能であることが明確になります。
ワシントン記念塔が十字架に変わり、ナショナルモールに数万人の侍女たちが整列する光景は、ギレアドの支配力と宗教的象徴の強さを視覚的に印象づけます。
フレッドとセリーナはウィンズロウ夫妻に気に入られ、D.C.に残るよう勧められますが、ジューンとの関係がこのまま終わるとは思えません。
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