ネタバレ有「密告はうたう」全話あらすじ・感想・キャスト

WOWOW「密告はうたう 警視庁監察ファイル」あらすじキャスト

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WOWOWの連続ドラマ「密告はうたう 警視庁監察ファイル」(全6話)についてまとめました。

伊兼源太郎による傑作警察ミステリーをドラマ化。4万人を超える警察職員の不正を暴くための部署、警視庁人事一課(通称“ジンイチ”)監察係にフォーカスした、疑念渦巻くスリリングなサスペンスドラマ。

人事一課に届いた一通の密告文に端を発し、 監察対象となった元同僚を尾行するうち、ある未解決殺人事件との接点が浮かび上がってくるというストーリー。

捜査一課からジンイチに異動する主人公・佐良正輝を松岡昌宏さんが演じます。

最初は少しとっつきにくい印象のドラマですが、どんどん面白くなっていき、最後にはすべての謎が腑に落ちる驚きの結末が待ってます。

作品概要

あらすじ

警視庁捜査一課の刑事、佐良正輝(松岡昌宏)はある殺人事件の捜査中に後輩刑事の斎藤康太(戸塚祥太(A.B.C-Z))を殉職で失い、警察職員の不正を取り締まる人事一課監察係に異動となる。過去の傷は癒えないまま、同僚からは裏切り者と敵視され、孤独に業務をこなす日々を送っていた。そんな中、一通の密告文が人事一課に届く。捜査一課所属時の佐良の元同僚、皆口菜子(泉里香)が、不正に機密データを漏らしているというのだ。佐良はかつての仲間を洗うことに葛藤を覚えながらも、上司の能馬(仲村トオル)から監察を命じられ、係長の須賀透(池田鉄洋)とともに皆口の行動確認を開始する。すると、ある未解決の殺人事件との接点、そして斎藤の殉職事件の真相が浮かび上がってくる。

WOWOW公式サイトより

原作について

このドラマの原作は、伊兼源太郎さんの小説『密告はうたう 警視庁監察ファイル』(2017年刊行)です。

「警視庁監察ファイル」シリーズの第1作。現在、シリーズ第2作となる「ブラックリスト」、第3作「残響」が発売されています。

登場人物(キャスト)

佐良正輝(松岡昌宏)
警視庁人事一課監察係主任。トーマツ産業社長刺殺事件の捜査中に後輩刑事の斎藤を殉職で失い、捜査一課から人事一課(ジンイチ)へ異動になる。同僚からは疎まれ、孤独に業務をこなす。元同僚である皆口への疑念を拭いきれずにいる。

須賀透(池田鉄洋)
人事一課監察係長。公安出身で「長袖の須賀」の異名を持つ能馬の右腕。佐良とバディを組んで皆口の行動確認(コウカク)にあたるが、佐良のことを信用していない。

皆口菜子(泉里香)
捜査一課時代の佐良の同僚で、殉職した斎藤の元婚約者。斎藤が殉職した際、「私のせいでこんなことに」という言葉を発している。現在は運転免許試験場の職員として勤務しているが、「免許証データを売っている」という内部告発文が届いたためジンイチの監察対象となる。

能馬慶一郎(仲村トオル)
人事一課監察官。佐良の上司。公安出身のエリートで、表情を一切変えず容赦なく身内の不正を暴くことから「能面の能馬」と恐れられている。佐良に皆口の監察を命じる。

宇田邦弘(三浦誠己)
高井戸南署刑事課主任。真面目で忠誠心が強く、情に厚いため「武者」と呼ばれる。池袋西署で佐良や皆口と一緒に目白駅殺人事件の捜査にあたったが現在も未解決となっている。被害者遺族の担当で誰よりも心を痛めていた。

北澤勝俊(眞島秀和)
警視庁刑事部鑑識課員。佐良とは同期でライバルのような存在。斎藤を殉職させたうえ人事一課に異動した佐良を嫌悪する。捜査関係者の中で皆口だけが左遷されたことに疑念を抱いている。

斎藤康太(戸塚祥太)
元捜査一課刑事。佐良の捜査一課時代の後輩。トーマツ産業社長刺殺事件の捜査中、ある情報屋から有力な情報を掴む。その情報をもとに密会現場を張り込んでいたときに何者かに殺され、佐良の目の前で殉職した。真相は現在も謎のまま。

夏木麻美(秋元才加)
早稲田署生活安全課員。皆口が信頼する先輩。佐良や皆口とは池袋西署で同僚だった。かつては斎藤も含めて食事に行く間柄だったが、斎藤の死後は疎遠になっている。皆口とは現在もたまに連絡を取り合っている。

梶原武治(甲本雅裕)
高井戸南署長。佐良が池袋西署の刑事だった頃の上司で、宇田の現上司。吉祥寺署長の堤とは同期で、出世を争うライバル。

堤忠男(鶴見辰吾)
吉祥寺署長。皆口の元上司。斎藤の死後、皆口のことを気にかけている。かつては人事一課の監察官を務めたこともある。出世に貪欲で、ライバルの梶原と新宿署長の座を争っている。

新穂(ブラザートム)
捜査一課の刑事。5年前、佐良や皆口らとともに目白駅ホーム上殺人事件の捜査にあたった。現在も地道な捜査を続けている。

石黒(木村祐一)
元組織犯罪対策課の刑事。3年前まで高井戸南署にいたが、組との癒着がバレて退職した。今でも反社会的勢力との繋がりがある。なぜか宇田の行動を監視している。

佐々木茂(アキラ100%)
モグリの廃品業者。裏の情報屋でもあり、かつて斎藤に使われていた。皆口と密会し、宇田を監視している。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

捜査一課から人事一課監察係に異動になった佐良正輝(松岡昌宏)。佐良は一年前の夏、ある殺人事件の捜査中に後輩刑事の斎藤(戸塚祥太)を殉職で失い、同僚から疎まれる孤独な日々を送っていた。
そんなある日、上司の能馬(仲村トオル)から皆口菜子(泉里香)の行動確認を命じられる。彼女が免許証データを売っている、という内部告発文が届いたのだ。皆口は佐良のかつての同僚であり、殉職した斎藤の婚約者でもあった。
佐良は皆口の裏切りが斎藤の死を招いたのではないか、という思いを拭えずにいた。複雑な思いを抱えたまま、係長の須賀(池田鉄洋)と彼女のコウカクにあたる佐良。すると、彼女が真夜中に外出して佐々木(アキラ100%)という裏の情報屋と密会していることがわかる。
2年前。佐良が斎藤と皆口から婚約の報告を受けた頃、トーマツ産業の社長が刺殺される事件が起こる。半年経っても容疑者は挙がらず、捜査にあたっていた佐良と皆口は、所轄時代に担当するも未解決のままとなっている目白駅ホーム上殺人事件を思い出す。
そこへ、斎藤が有力な情報を掴んでくる。トーマツ産業の副社長が、中国の通信機器メーカーの開発担当部長とたびたび密会しているというのだった。捜査情報が漏れることを恐れた佐良たちは、3人だけで密かに捜査を進めることに。
3人が密会場所に張り込んでいると、倉庫の中から叫び声と銃声が響く。とっさに飛び出した斎藤を追いかける佐良。斎藤は倉庫の中で血まみれの状態で見つかり、佐良の目の前で息を引き取る。そして後からやってきた皆口が「私のせいだ。私のせいでこんなことに…。こんなことになるなんて」とつぶやくのを聞く。

皆口が裏の情報屋・佐々木と接触していることが判明。佐良はかつての同僚である夏木麻美(秋元才加)から彼女に関する情報を聞き出そうとし、そのことが皆口に伝わって警戒されてしまう。
注意深く皆口の行確を続けた佐良と須賀は、皆口が高井戸南署の宇田(三浦誠己)と会っているところを目撃。さらに、元組対課刑事の石黒(木村祐一)が宇田を監視していることがわかる。
5年前、佐良と皆口と宇田の3人が池袋西署の刑事だった時、目白駅で殺人事件が発生。3人は捜査一課の新穂らとともに捜査にあたったが、未解決となっていた。
被害者遺族の担当として誰よりも心を痛め、捜査熱心だった宇田が不正をするはずがない、と主張する佐良。だが能馬は「君のその甘さが仲間を死なせた」と指摘する。
佐良は情報屋の佐々木を問い詰め、彼が殉職した斎藤に使われていたことや、皆口の指示で宇田を監視していることを知る。だがその理由については口を割らなかった。
皆口に呼び出され、2人きりで会う佐良。皆口は、斎藤を死なせた裏切り者は自分ではなく佐良ではないかと告げ、佐良に疑念を抱いていることを明らかにする。
宇田を監視していた佐々木は、宇田がある男と密会している現場を撮影する。その男は目白駅ホーム殺人事件の容疑者だった。佐々木は皆口に「住所を調べて送ります」と伝えた直後、何者かに襲われる。

佐々木の遺体が発見され、皆口は捜査一課の聴取を受ける。佐良は独自捜査を始めるが、鑑識の北澤(眞島秀和)らかつての同僚とは衝突、能馬や須賀からも叱責される。
一方、宇田は密かに接触していた滝本(松浦祐也)が佐々木を殺害したことを知り、動揺。滝本に自首を勧めるが、「俺が全部喋ったらお前の人生は終わりだ」と脅される。滝本は佐々木が宇田を監視していたことを知り、彼が連絡を取っていた相手・皆口を突き止めようとする。
佐々木殺しは捜査一課に任せるよう能馬に命じられ、皆口のコウカクを続ける佐良と須賀。佐良は監察業務の一環だと宇田を呼び出し、皆口と会った理由について問いただす。宇田は2週間前に皆口から目白駅事件を調べ直さないかと誘われ、資料を渡しただけだと話す。
佐良と宇田、皆口の3人は、新穂を手伝って目白駅事件のチラシ配りをする。そこへ滝本が現れ、佐々木の携帯から皆口に電話する。宇田と皆口の様子から滝本の存在に気づいた佐良は、彼を追うが、ナイフを向けられ階段から突き落とされてしまう。

皆口は佐良を突き落とした滝本を追うが、宇田の計らいによって逃げられてしまう。佐良は宇田と皆口が隠しているものを突き止めるため、新穂の意見を伺う。すると、新穂は2週間前に匿名の封書が届いたことを明かす。中には「目白駅の殺人事件の捜査どうなりましたか?」という文書と、宇田の名刺が入っていた。
名刺は当時の宇田が聞き込み中に配ったものと思われ、宇田の初動捜査に重要な証言が含まれていたのではないかと推測する新穂。皆口も何らかの方法でその情報を仕入れ、捜査資料を確認しにきたという。
宇田を尾行していた元刑事の石黒は、かつての上司である梶原に頼まれたことを明かす。ジンイチの聴取を受けた梶原は、宇田から「監察対象になっているかもしれない」と相談を受けたことを明かす。
宇田は目黒駅事件の初動捜査で犯人逮捕に結びつくような重要な目撃証言を得ていたが、手柄を焦って誰とも情報共有せず、さらに目撃者の連絡先を書いた肝心のメモをなくしてしまったという。
梶原は3年前にメモ紛失の事実を宇田から打ち明けられていたが、自分の出世に影響することを恐れて隠蔽したのだった。
滝本は宇田を脅して皆口を品川埠頭に呼び出させ、海に突き落とす。皆口を監視していた佐良は海に飛び込んで彼女を救出するが、その直後に宇田の襲撃に遭う。

佐良は宇田の襲撃を受け、皆口とともに倉庫に監禁される。そこには目白駅殺人事件の犯人である滝本の遺体もあった。宇田は滝本を殺害し、皆口を利用して佐良をおびき出したことを明かす。彼の目的は、自分の捜査ミスを密告した人物を突き止めることだった。
1年前、宇田は目白駅事件の初動捜査で犯人を目撃した女性から連絡を受け、最近になって再び犯人を見かけたという情報を得る。宇田は一人で捜査を始め、品川埠頭の倉庫で警備員をしていた滝本を発見。犯行を認めた滝本は一旦は自首を受け入れるも、やがて宇田の弱みを利用して脅迫するようになったという。
宇田は捜査ミスを密告した人物を叩き潰すまで終われないと言い、佐良に暴力をふるって2人を追い詰める。そこへ須賀の車が突っ込み、佐良と皆口は窮地を逃れる。宇田は「誰のことも信じるな。後を頼む」と佐良に言い残して自ら命を絶つ。
滝本は自殺、宇田も自宅で自殺したこととされ、宇田の罪は揉み消される。佐良は宇田の妻から自分あての封筒を渡される。封筒の中には記録カードが入っており、宇田の告白動画が保存されていた。
宇田は3年前に辞表を書いたとき、ジンイチ宛に自分自身を告発する匿名の密告を投げていた。だがコウカクされることも呼び出されて聴取されることもなかったという。
3年前に密告文を読んだ誰かが、今になってそれを持ち出し何かに利用しているという宇田。その人物を突き止め、企みを暴いてほしいと佐良に訴えていた。
佐良はジンイチの保管庫で宇田の密告文書を探すが、処分に至らなかったものは廃棄されていた。3年前のジンイチの名簿を見ると、須賀と能馬、そして吉祥寺署長の堤の名前があった。

3年間に宇田が投げ込んだ密告文を闇に葬り、時を経て利用せんとした人間がいることを知った佐良は、当時ジンイチにいた吉祥寺署長の堤を疑う。
佐良は宇田の告白動画を堤に見せ、昏睡状態の皆口をおとりに使って堤を罠に嵌めようと企てるが失敗。逆に立場が危うくなり、追い詰められてしまう。
佐良は能馬に辞表を提出し、覚悟の行動に出る。堤のいる吉祥寺署を訪ね、皆口と宇田に関する件で聴取を行うと告げる佐良。それは能馬が許可した正式な呼び出しだった。
佐良はジンイチを敵対視する北澤ら鑑識課がルールを破り、破棄すべき書類のコピーを取って保存していることを知り、彼らの協力を得て3年前の宇田の密告文と鑑定嘱託書のコピーを発見していたのだ。鑑識に依頼をしたのは堤だった。
堤は監察官だった3年前に密告文を読み、鑑識で宇田の指紋が検出されたことから、宇田本人による告発文と確信。だが宇田を呼び出すことも処分を与えることもせず、その不正の事実を利用しようと考えたのだった。
ライバルの梶原と次期新宿署長を争うことになった堤は、かつての部下である皆口に宇田の捜査ミスの噂を吹き込み、彼女を駆り立てた。次に皆口に関するデマをジンイチ宛てに投げ、ジンイチが皆口をマークするよう仕向けたのだった。
堤の目的は、宇田が隠している不正をジンイチに暴かせ、宇田の上司である梶原を出世レースから脱落させて自分の昇進を確実にすることだった。
宇田も皆口も自業自得だと罵る堤に怒りを覚えた佐良は、堤を殴って「クズはお前だ」と吐き捨てる。ジンイチに連行され聴取を受けた堤は、依願退職を申し出る。能馬は事前監察の終了を告げ、密告文を破棄する。
能馬はなぜ今回の監察に佐良を選んだのか。そして斎藤はなぜ死んだのか。情報源は誰だったのか。あらためて当時の状況を思い返し、整理する佐良。
昏睡状態から目覚めた皆口は、「自分が3人だけで動こうと言ったせいで彼は死んだ」と罪悪感に苦しんでいたことを明かす。佐良は彼女の判断が間違っていなかったことを告げる。
佐良は導き出した答えを能馬と須賀に報告する。それは、斎藤が公安の人間だという隠された事実だった。斎藤は表向きの身分は捜査一課の刑事だったが、その内実は公安部の指揮下にあり、斎藤が死ぬまでの一連の事件には裏で公安部が関わっていたのだ。
殺された被害者たちは公安のスパイであり、斎藤が掴んできた密会のネタも情報源は公安だった。斎藤の葬儀に届いた立派な花輪は、上層部が偽名を使って贈ったものだろうと推測する佐良。
公安部の指揮下で起きた殉職だったため刑事部の責任問題にはならず、当時の捜査幹部が誰一人責任を負わなかったのはそのためだと説明する。
能馬は今回の事前監察が、佐良を今後もジンイチに置いておくかどうかを見極めるためのテストでもあったことを明かす。佐良を必要な人材と認めた能馬は、「これからも尽力してください」と辞表を返す。
さらに、能馬から女性監察官になれそうな人材に心当たりはないかと問われた佐良は、あると答える。

感想

おお~素晴らしい幕引き! めちゃくちゃ面白かったです!

最初は画面も内容も暗すぎて、松岡さん演じる主人公のキャラもパッとしなくて、なかなか入り込めなかったのですが、徐々に面白くなっていきました。バラバラだった点が繋がっていくにつれ、予想外な展開にぐいぐい引き込まれました。

登場人物がほぼ全員なんらかの秘密を抱えているので、「誰も信用できない」という点がこのドラマの面白さでもあり、逆にとっつきにくい部分でもあったと思います。主人公の味方が誰もいないというのは、見ててしんどいですからね。

でも物語が進むにつれて少しずつ、本当にわずかだけど「あ、この人は信用してもいいかも」と思えるシーンが増えてきて、それがけっこうじわじわ来るというか、胸熱だったりします。個人的には池鉄さん演じる須賀ですかね~キャラ的にめっちゃツボでした。

最初の印象だけで見るのをやめようと思っている人がいたら、「もったいないから最後まで見て」と言いたいです。

原作はいま3作目まで出ているので、ぜひドラマも続編を作ってほしいところ。須賀とのバディがどう変化するのかも知りたいし、新たに加わる女性監察官が誰なのか(皆口だと思うけど)も知りたい。