「カウンターパート」第1話|もうひとりの自分は敏腕スパイ

「カウンターパート/暗躍する分身 」ネタバレ感想

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どうも、夏蜜柑です。
WOWOW公式サイトで配信されていた「カウンターパート/暗躍する分身」第1話を一足早く見させていただきました。

面白い。

とてもよくできた「パラレルワールドSF」で、引き込まれました。
ふたりのハワードを演じるJ・K・シモンズの演じ分けが見事。別人にしか見えません。

温厚で冴えないハワードが、冷酷で尊大な敏腕スパイのハワード(分身)に出会い、今後どんな影響を受けるのか。この先の展開がとても楽しみです。

第1話「向こう側からの訪問者」のあらすじ


  • ハワード・シルクは、ベルリンにある国連諜報機関の情報伝達部に勤務して30年になる温厚な男。毎日意味不明な仕事を続けてきたハワードは、戦略部に空きができたと聞いて副部長のクエイルに異動を申し出るが、全く相手にされない。
  • ハワードの妻・エミリーは6週間前に交通事故に遭い、昏睡状態が続いていた。ハワードを嫌うエミリーの弟・エリックは、エミリーを引き取り実家の家族で看護したいと申し出る。
  • ある日、ハワードはクエイルに呼ばれ、自分とうり二つだが、自分とは正反対の性格で敏腕スパイである“もうひとりの”ハワードと対面させられる。動揺するハワードに、クエイルは“もうひとつの世界”の存在を話す。
  • 30年前、冷戦のさなかに東ドイツの科学者が実験ミスをし、通路が開通してしまった。その通路の先には我々の世界と全く同じもうひとつの世界があり、諜報機関のビルが建っているところが向こうの世界との交差点だという。
  • 同じ人間であるにもかかわらず、2人のハワードには大きな違いがあった。それは開通をきっかけに違いが出始め、時間と共に大きくなったためだとクエイルは語る。
  • 敏腕スパイのハワードがこの世界にやってきた理由は、この世界に入り込んでいる暗殺者・ボールドウィンを抹殺するためだった。ボールドウィンがハワードの妻・エミリーを狙っていることを知り、ハワードは協力を余儀なくされる。
  • 裏世界(プライム)のハワードは表世界(アルファ)のハワードになりすまして暗殺者をおびき寄せるため、エミリーの病院へ見舞いに行く。そこへエミリーの弟・エリックが現れ、プライム・ハワードはエミリーを引き渡すことを拒否する。
  • 病院に現れたボールドウィンはプライム・ハワードの存在に気づき、激しい銃撃戦の末に逃亡。プライム・ハワードはまた来ると言い残してもとの世界へ帰って行く。ハワードはクエイルから今後も協力してほしいと頼まれるが、その条件として昇進を要求する。

第1話の感想

不思議な世界観のドラマで、早くもハマりました。

主人公が働いているのはベルリンにある国連諜報機関。
しかし、その仕事はなんとも奇妙です。

ずらりと並んだ無機質な部屋にひとりずつ入ると、部屋の中はガラスで仕切られていて、向こう側にも同じように部屋がある。

主人公は向こう側から現れた人間と向かい合わせに座り、互いにブリーフケースの中から書類を出して読み上げ、チェックする。その作業はわずか数分で終わります。

これが何を意味しているのか、何の役にたっているのか、視聴者だけでなく主人公ハワード自身にもわかりません。

[kjk_balloon id=”2″]星新一の作品に出てきそう。[/kjk_balloon] [kjk_balloon id=”1″]こういう雰囲気、大好き。[/kjk_balloon]

ハワードは30年間黙々と続けてきたこの仕事に飽き飽きしていて、戦略部に移りたいと思っているのですが、上司のクエイルは「君は必要とされてない」とバッサリ。

そんなとき、ハワードは平行世界からやってきた“もうひとりの自分”と出会い、この世界とそっくり同じ“もうひとつの世界”が存在することを知ります。

クエイルの話によると、30年前の冷戦のさなかに東ドイツの実験ミスによって“もうひとつの世界”に繋がる通路が開通してしまったと。

開通をきっかけに2つの世界には違いが生じ始め、それは時間と共に大きくなったと言います。

ハワードが出会った“もうひとりの自分”は、自分と同じ顔なのに、性格はまるで違う。
彼は自信に満ちあふれた敏腕スパイで、情報伝達部のハワードを見下して鼻で笑うような尊大な人間でした。

この演じ分けが素晴らしかったですね。

演じているのはどちらもJ・K・シモンズですが、顔の表情や体の動きだけでなく、ふたりから醸し出される雰囲気がまったく異なるのです。

[kjk_balloon id=”16″]J・K・シモンズ、わたしは「セッション」しか見てないんですけど、演技派だったのね。[/kjk_balloon]

ドイツのベルリンが舞台ということもあって雰囲気は重く、全体的に暗いです。
でも、この奇妙で不気味な世界に漂う緊張感(エッシャーの絵の中に入り込んだような)はかなり好きです。

平凡で変わり映えのしない毎日に甘んじていたハワードが、想像もしなかった窮地に立たされ、今後どう変わっていくのか、興味を掻き立てられます。

注目したいのは、同じ遺伝子でありながら別人のように見える“もうひとりの自分”との違いです。

彼と自分との“差異”を生んだものは、いったいなんなのか。
人間の性格は、何によって形成されるのか。

始まったばかりでまだまだ謎の部分が多いのですが、これからの展開が楽しみです。
シーズン2も決まりましたしね。