WOWOWのオムニバスドラマ「東京二十三区女」第4話「港区の女」のあらすじと感想です。
原作とは違うラストでした。
原作もかなり怖いのですが、映像になると恐怖が倍増しますね。
夜のタクシーって、どうしてこんなに絵になるんだろう。そのシチュエーションだけで、いくらでも物語ができそう。
Contents
第4話の登場人物(キャスト)
原田璃々子(島崎遥香)
フリーライター。霊感が強く、導かれるように東京二十三区の恐怖スポットを巡っている。その理由は……?
島野仁(岡山天音)
璃々子の先輩。元民俗学講師。璃々子に同行し、東京二十三区の歴史に関するウンチクを語る。
乾希恵(壇蜜)
服飾デザイナー。アパレルブランドを立ち上げ、社長となる。六本木ヒルズに夫・航平と共に住んでいる。帰宅するため台場からタクシーに乗り、ウンチク好きなタクシー運転手と共に夜の港区を徘徊する。
野河福郎(竹中直人)
希恵が乗ったタクシーの運転手。ウンチク好き。六本木ヒルズへ向かうが、たびたび道を間違える。
乾航平(大西信満)
希恵の夫。希恵のデザイナーとしての才能を信じ、支えてきた。
第4話のあらすじ(ネタバレ有)
アパレルブランドの女社長・乾希恵(壇蜜)は、お台場から六本木へ向かうタクシーに乗っていた。六本木ヒルズの自宅に帰るためだった。しかし希恵が目を覚ますとタクシーは目黒へ向かっていた。
運転手(竹中直人)は謝罪し、タクシーは再び六本木へ向けて走り出す。ところがタクシーはまたもや希恵が眠っている間に六本木を通り過ぎる。運転手は「お客さんが降りようとしなかった」と言い、希恵が指定したという場所へ連れて行く。
そこは、かつて希恵が夫の航平(大西信満)と暮らしていた小さなアパートだった。貧しくも希望に溢れていた頃を思い出す希恵。運転手は「どうして海に身を投げたんですか?」と希恵に訊ねる。
希恵は莫大な借金を抱え、どうすることもできなくなって自ら命を絶ったのだった。運転手は「もうすぐあなたはこの世のものではなくなる」と告げ、再び希恵をタクシーに乗せる。
フリーライターの璃々子(島崎遥香)は、取材のために病院を訪ねる。そこには、自分は死んだと思い込んでいる希恵が入院していた。璃々子の問いかけにも、夫の問いかけにも答えようとしない希恵。
璃々子が帰った後、希恵はようやく自分が生きていることに気づく。しかしそばにいた夫の航平は既に死んでおり、希恵をあの世に連れて行くためにこの世に残っていた亡霊だった。希恵が目覚めると、再びあのタクシーに乗っていた。
第4話の感想と原作との違い
ラストシーンは果たして現世なのか、それとも死後世なのか。
ドラマでは死者となった夫が迎えにきたり、運転手と希恵が〝二度目の会話〟であることを認識していたことからも、「死後世」と考える方がしっくりきそうです。
原作では、夫の航平が主人公。台場を出たタクシーは、仙台坂、白金トンネル、狸穴、六本木、アパート、青山霊園を巡ったあと、主人公の思い出の場所を順番に辿ります。
その後、死んだと思っていた主人公が、実は死んでいなかったという流れはドラマと同じ。原作では「コタール症候群」という精神障害を患っています。
医師は治療の一環として、航平を車に乗せて思い出の場所を辿り、家族との記憶を思い出させようとしたのでした。治療は一定の効果があったようで、航平は自分が生きていることを認識します。
しかし2週間後、退院した航平を乗せた車は、ガードレールを突き破って崖下の海へと転落しました。運転していた妻・希恵が心中を図ったのです。
目覚めたとき、航平はタクシーに乗っていました。運転手が「お台場」の話を始めます。
さて、主人公がいる場所は現世でしょうか。
それとも死後世でしょうか。
次回は「板橋区の女」。
原作のネタとなっている〝歴史〟はかなり衝撃的。
どこまでドラマ化できるんだろう。
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