海外ドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」シーズン3第9話のあらすじと感想(ネタバレ有)です。
オブマシューの悲しい最期や、ギレアドの非人道的な制度に直面する中で、ジューンは自分の使命を見つめ直します。
彼女が再び立ち上がることで、物語は新たな局面へ。セリーナもまた、フレッドの本性に気づく日は近いのかもしれません。絶望から希望へと向かう転機となる、重くも力強い回でした。
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第9話「決意」のあらすじ
オブマシューは脳死状態となり、子どもを産むために生命維持装置にかけられる。ジューンはオブマシューを追い込んだ罰として同じ病室に監禁され、出産まで見届けるようリディアに命じられる。
ジューンは使用済みのメスを盗み、オブマシューを安楽死させようとするが、ジャニーンに止められる。ジャニーンはオブマシューから受けた暴行で右目に酷い傷を負い、手術を受けることになる。
正気を失ったジューンはオブマシューを見舞いにきたセリーナに襲いかかり、揉み合いになって手に怪我を負う。
オブマシューの担当医師は上に報告せず、ジューンの傷を治療する。彼は医師だったジューンの母ホリーと面識があった。
ジューンは自分でも気づいていなかった自殺願望を医師に指摘され、娘に会えないと絶望した日からだと話す。医師は「君は娘たちのために何をした?」と問う。
オブマシューの容体が悪化し、医師たちは帝王切開を行って子どもを取り出す。ジューンは帰宅を許され病院を去ろうとするが、廊下で初潮を迎えた少女ローズと会い、オブマシューの最期を看取りたいとリディアに申し出る。
息を引き取るオブマシューの前で、ジューンはできるだけ多くの子どもたちをギレアドから逃亡させることを誓う。リディアはジャニーンが右目の傷を隠せるように、赤いアイパッチを贈る。
第9話の感想
生かされる理由が「出産」のみである現実
脳死状態となったオブマシューは、胎児の出産のためだけに生命維持装置につながれ続けます。
彼女と同じ病室に閉じ込められたジューンは、出産までベッドの前で祈り続けるようリディアおばに命じられます。処罰ではないとされながらも、精神的な拷問に近い状況です。
病室の外では、ピンクの服を着た少女たちが列をなして歩いていきます。彼女たちは初潮の検査を受けるために集められた子どもたち。、ギレアドが「繁殖可能な年齢」を管理していることを象徴しています。
ジューンはその光景から、娘ハンナも同じように扱われる日が近いことを悟り、深い絶望に沈みます。
ジューンの錯乱とジャニーンの言葉
精神的に追い詰められたジューンは、病室で使用済みのメスを盗み、オブマシューと胎児を殺そうとします。その場に居合わせたジャニーンが彼女を止め、「あなたは変わった」と静かに語りかける。まさに視聴者の気持ちを代弁してくれた瞬間でした。
ジャニーンは、こんな目に遭ってもオブマシューを「許す」と言います。彼女の言葉は、ギレアドの中で人間性を保ち続ける強さと、深い共感を感じさせます。ジューンの行動が周囲に与える影響を考えると、ジャニーンの存在は物語の中で重要なバランスを担っているように感じます。
その後、ジューンはセリーナに襲いかかるという衝動的な行動に出ますが、医師の介入によって事態は収まります。この医師は、ジューンの母ホリーと面識がある人物で、彼女の過去を知る存在として、今後の展開にも関わってきそうです。
娘たちのために生きるという選択
医師から「娘たちのために何をしたのか」と問われたジューンは、自分がまだ何も成し遂げていないことに気づく。その言葉をきっかけに、彼女は再び生きる力を取り戻し、一人でも多くの少女たちをギレアドから逃がすことを誓います。
帝王切開によって胎児が取り出された後、オブマシューは放置され、誰にも看取られることなく命を終えました。
ジューンが最後に彼女のそばにいたことが、せめてもの救いでした。侍女の死が家族にすら知らされないという現実は、ギレアドの非情さを改めて突きつけてきます。
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