「ロング・ナイト」第11話・第12話(最終話)ネタバレあらすじ感想|写真が明かしたレイプ事件の真実

「ロング・ナイト 沈黙的真相」あらすじキャスト

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中国ドラマ「ロング・ナイト 沈黙的真相」第11話・第12話(最終話)のあらすじと感想です。

ついに厳良が朱偉を見つけ出しました。例の写真に写っていたレイプ事件の真実、候貴平の死の真相、そして最後の証人の正体が明らかに。江陽と朱偉の長く苦しい闘いが終わりを告げます。

彼らの願いは叶ったけど、こんな方法でしか事件を解決できなかったことが、悔しいし悲しいし切ない。

第11話・第12話のあらすじ(ネタバレ有)

2010年、江潭市。印刷工場を出荷した江譚晩報が行方不明になる。輸送車の運転手に新聞を廃棄するよう指示していたのは〈卡恩グループ〉だった。
その直後、朱偉はネットの掲示板に爆破予告のカウントダウンを投稿。街がパニック状態になる中、旧市街地のカーン製紙工場でガス漏れ事故が発生する。従業員たちは全員避難し、警察が駆けつけて事なきを得る。
厳良は過去に工場の臨時工として雇われていた“周新民”が朱偉であることを突き止め、彼が勤務する飲料水の販売所を訪れる。ついに朱偉と対面する厳良。朱偉は「こんな日が来ると思ってた」と静かに7年間の思いを語り、尋問の際に公安庁と検察院の上層部を同席させる条件で、警察に同行することを承諾する。
聴取の場で、朱偉は10年前の候貴平の事件について言及。平康県苗高郷で行われていた性接待に気づいた彼は、たまたま証拠写真の撮影に成功したために殺されたと説明する。
2000年10月25日の夜に麗景ホテルの前で撮影された写真には、当時の公安局刑事課課長・李建国、〈卡恩グループ〉会長の孫伝福、重役の胡一浪、レイプ被害者である葛麗、そして清州市副市長・秦大川(チン・ダーチュアン)の娘婿・曾祥東(ゾン・シャンドン)の姿が写っていた。
候貴平が残した被害者リストには、自殺した翁美香のほかに葛麗、李雪(リー・シュエ)の名前が記されており、葛麗は男児を出産するもすぐに引き離されていた。岳軍が丁春妹に預けていた少年こそ、葛麗の息子だった。葛麗は精神科病院にいたが、数日前に病院から連れ去られたという。
残された唯一の証人である李雪は、候貴平事件の目撃者でもあった。厳良は安全な場所に移動させたという彼女を保護するため、苗高郷の学校へ向かう。教室で待っていたのは、記者の張暁倩だった。

2009年。余命5か月を宣告された江陽は、マスコミの注目を集めるために自ら人生を終わらせる決断をする。江陽の強い思いに共鳴した張超は、敏腕刑事の厳良を捜査に加わらせるための計画を立てる。
陳明章は「誰も殺人者にしたくない」という江陽の望みを叶えるため、伸縮式物干しにモーターを付けた装置を作る。この装置によって、江陽は自殺でありながら他殺を装うことが可能になった。
2010年3月9日。江陽は朱偉と陳明章に最後の別れを告げる。「縁があったらまた来世で会おう」と涙を流し、固い抱擁を交わす3人。李静は自分が江陽を頼ったせいだと罪悪感に苦しむ。
事情聴取に応じた張暁倩は、候貴平は無実だと証言する。彼女は事件の夜、候貴平が岳軍らに無理やり押さえつけられて性交を強要され、窒息死させられるところを目撃していた。のちに朱偉に通報したのも彼女だった。
江陽と朱偉に探し当てられた時、一旦は証人になることを拒んだ張暁倩だったが、過去から抜け出すためにも真実をさらすべきだと決意し、計画への協力を申し出たのだった。
張暁倩は江陽が死の直前に撮った動画を見せる。そこには、江陽が捜査関係者に向けて思いの丈を語り、装置を作動させて自ら死んでいく場面が映っていた。
元清州市副市長の秦大川、娘婿の曾祥東、李建国が逮捕され、〈卡恩グループ〉の孫伝福は自殺する。秦大川には懲役15年、曾祥東、胡一浪には無期懲役、李建国と羅剛には死刑判決が下る。張超、朱偉、陳明章にもそれぞれ懲役判決が下り、張暁倩に対しては執行猶予判決となる。
地下鉄事件を解決に導いた厳良、任玥婷、顧一鳴、馬少林の4人には、功一級の勲章が授与される。それから7年後。出所した朱偉、張超、陳明章は、厳良たちとともに江陽の墓参りをする。

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第11話・第12話の解説と感想(ネタバレ有)

写真が明かしたレイプ事件の真実

江潭晩報社に届いた写真の断片がすべて揃いました。これは朱偉が「HGP(候貴平)」の名で送りつけたもので、2000年に候貴平が撮影した証拠写真でした。

前回までの流れでレイプ犯は胡一浪と李建国かと思われましたが、彼らはある人物に“性接待”を繰り返していたことがわかります。その人物とは、清州市副市長・秦大川の娘婿、曾祥東でした。

写真には、〈卡恩グループ〉の孫伝福と胡一浪、刑事課課長の李建国が、岳軍に命じて葛麗を連行させ、ホテルで曾祥東に引き渡す場面が写っていたのです。

この卑劣な“性接待”によって〈卡恩グループ〉には多額の公金が流れ、市から特別待遇を受けていたようです。

ひとつ気になったのが、写真の入手経路です。江陽はこの写真を呉副検察長から受け取りました。呉副検察長は「副検察長になった頃誰かが送ってきた」と言っていました。送ったのは誰なんでしょうね?

候貴平は亡くなる直前、公安局に写真のコピーを提出しています。オリジナルのありかを岳軍に聞かれても答えませんでした(第5話)。このとき、候貴平は検察院に写真と被害者リストを送っていたのかもしれません。

候貴平の死の真相

この写真を撮影した候貴平は、そのために彼らに命を狙われることになりました。「丁春妹をレイプして警察に追われ、自殺した」というのはもちろんウソ。

事件の夜、候貴平はぐでんぐでんに酔っ払いながらも(酒には牛用の精力剤が混ぜられていた)、誘惑する丁春妹を拒んで部屋から追い返していました。そこで岳軍や胡一浪の手下たちが部屋に踏み込み、無理やり彼をベッドに押さえつけて性交を強要したのです。

殺すつもりはなかったみたいですが、布団をかぶせて強く抑え込んだために、候貴平は死んでしまいます。丁春妹が第6話「候貴平は死ぬときに私たち2人の姿を焼き付けてる」と語っていたのは、こういうことだったんですね。

そしてこの殺害の一部始終を、偶然目撃してしまった人物がいます。

第5話で、岳軍が「候貴平は終わりだ」と電話で話しているのを盗み聞きした、少女2人のうちのひとりです。彼女は学校に戻って候貴平に知らせようとしましたが、間に合わず、事件を目撃することになったのです。

彼女の名前は李雪

雨の日に村の公衆電話から「候貴平は無実」と朱偉に通報した人物であり、候貴平がリストに名前を書いたレイプ被害者3人のうちのひとりでもありました。

唯一の生き証人・李雪の正体

第11話で、新聞記者の張暁倩が密かに朱偉と繋がっていることが判明します。

なんと、彼女も朱偉たちの計画に加担していました! これは驚きだった…まったくのノーマークでした。まんまと騙されましたね。

さらに驚きだったのが、彼女の正体。候貴平事件の唯一の目撃者で、レイプ被害者でもある李雪だったのです。江陽と朱偉は苗高郷役場の資料室で彼女が張暁倩と名前を変えて暮らしていることを突き止め、捜し出していました。

被害者リストの3人のうち、翁美香は自殺し、葛麗は息子(のちに曾祥東が父親と判明)と引き離されて精神を病み、入院中。江陽たちにとって、李雪は最後の生き証人でした。

江陽の命を懸けた計画

肺がんで余命5か月と宣告された江陽。どうせ死ぬならと、自分の死を利用して事件を公表することを考えます。朱偉は反対しますが江陽の決心は固く、張超と陳明章が協力を申し出ます。

刑事事件専門の弁護士である張超は、厳良が優秀な刑事であることを知っていました。そこで彼を捜査に引き込むために、騒ぎをあおって捜査の規模を広げさせる計画を立てます。

計画に加わったのは、江陽、朱偉、陳明章、張超、そして李雪こと張暁倩です。

余命わずかとはいえ、江陽の決断が壮絶すぎて言葉がありません。やむをえず別れることになった妻子と残りの時間を過ごすという選択もできたのに…どこまで正義の人なんだ。

江陽と朱偉の不屈の精神と強い信念に心打たれるとともに、人生を犠牲にしなければならなかった彼らの怒りや無念に胸を締め付けられます。

伸縮式の物干し介護用手すりの謎

厳良が気にしていた伸縮式の物干し介護用手すりがどのように使われたのかも、判明しました。これは陳明章が作った「他殺に見せかけるための自殺装置」でした。

江陽は「誰も殺人者にしたくない」という理由から、自ら死ぬことを選びました。しかし自殺では事件にならないので、他殺に偽装する必要があります。

そこで陳明章は、リモコンを使ってモーターを作動させ、自動で首を締める装置を作りました。江陽がこの装置を使って自殺した翌日、張超が物干しを外してベランダに置き、介護用手すりに付け替えれば疑われない。

モーターは袋に入れて捨て、リモコンは張超が地下鉄で爆発騒ぎを起こしたときの起爆スイッチとして使われました。ケーブルについていた謎の傷は、モーターで巻き取られたときについた傷だったのかもしれません。

「縁があったらまた来世で会おう」と涙を流しながら抱き合う江陽、朱偉、陳明章。これまでのことがフラッシュバックして…このシーンがいちばん泣けました。

裁き

容疑者は全員逮捕され、それぞれ無期懲役や死刑の判決を受けました。逮捕直前に自殺した孫会長と、海外逃亡したと思われる岳軍は罰を逃れましたが…。

朱偉や張超、陳明章たちにもそれぞれ懲役刑が言い渡されました。朱偉が最も長い7年の服役を終えて出所し、みんなで江陽の墓参りをするシーンで物語は幕を閉じます。

彼らの長く苦しい闘いがようやく終わり、うれしいような、悲しいような…なんとも言えない余韻が残りました。ミステリーとしても人間ドラマとしても見応えのある素晴らしい作品。

中国ミステリーのファンになりそうです。

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