「坂の途中の家」第5話あらすじと感想|里沙子が封印していた過去の記憶

連続ドラマW「坂の途中の家」

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WOWOW連続ドラマ「坂の途中の家」第5話のあらすじと感想です。

夫・陽一郎が支配する檻の中に閉じ込められてしまう里沙子。自分の言葉が誰にも届かないという状況は、水穂が置かれている状況そのものでした。

里沙子は「思い出したくない過去」として封印していた記憶を蘇らせます。

原作を読んでいるのに、新鮮に感じるのが不思議です。ストーリーは原作と変わらないんですけど、演出が巧みで毎回驚かされるんですよね。サスペンスとしても見ごたえがあります。

第5話のあらすじ(ネタバレ有)

里沙子(柴咲コウ)は嘘をついて精神科を受診させようとした夫・陽一郎(田辺誠一)に怒りを覚えるが、義父母の里子(風吹ジュン)と和彦(光石研)は陽一郎を擁護する。さらに和彦が児童相談所に通報したことを知り、里沙子はショックを受ける。

ひとりで帰宅した里沙子の前に、児童福祉司の新庄(西田尚美)が再び現われる。新庄は陽一郎の言動を詳しく聞きたがり、里沙子に「支配されていると感じたことはないか」と問いかける。

裁判では水穂(水野美紀)が供述を続けていたが、その言葉からは感情が読み取れない。裁判員たちが口々に水穂を責める意見を述べる中、里沙子は思わず水穂を擁護しようとし、六実(伊藤歩)にたしなめられる。

里沙子はうっかり文香(松本笑花)を電車の中に残して自分だけホームに降りてしまい、激しく反省する。陽一郎や義父母に知られることを恐れた里沙子は文香に口止めするが、文香は泣き出してしまう。

その瞬間、里沙子はかつて子育てに苦しみ、泣き止まない文香を床に落としたことがあったのを思い出す。里沙子の周辺を調べ、複数の関係者から話を聞いていた新庄は、里沙子が文香の顔にクッションを押しつけようとしているのを見て制止する。

第5話の感想(ネタバレ有)

初回からの謎がようやく解けました。あの証言者たちはやはり水穂ではなく里沙子のことを語っていて、聞き取っていたのは児童福祉司の新庄さんでした。

新庄さんは、原作には登場しない人物です。彼女が里沙子の関係者から話を聞く場面も、ドラマのオリジナル。

新庄さんという人物をストーリーに絡ませることで里沙子の問題を現在進行形にして、水穂の過去と思われた証言を一気に里沙子の過去(~現在)へと反転させる手法が見事でした。

赤ん坊を抱いて坂を上っていく女性の後ろ姿は、水穂だとばかり思っていたけれど、里沙子でもあった。

里沙子は当時髪が長くて、2人の後ろ姿がそっくりだということに今さらながら気づく。そして抱いていた赤ん坊を落としたのも…。映像ならではの劇的で巧みな演出に鳥肌が立ちました。

原作では、里沙子は水穂と自分を重ねていく中で、徐々に記憶の封印を解いていきます。里沙子の関係者が語ったようなことは、すべて里沙子自身が思い出す形で語られています。

母乳の話は原作だと序盤に出てくるので、「母乳のくだりは省くのか」と思っていました。こういう仕掛けだったとは。すごいなぁ。

次回はついに最終回です。

里沙子や六実、朝子たちがどんな決断を下すのか(あるいは下さないのか)、今のところまったく予想がつきません。

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