ネタバレ解説*映画「僕のワンダフル・ライフ」4回生まれ変わったベイリー

映画「僕のワンダフル・ライフ」ネタバレ解説

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映画「僕のワンダフル・ライフ」を見ました。

転生を繰り返す犬と、人間たちの物語。
覚悟はしていたけど、泣けます(わたしは開始15分でウルウルきました)。

わたしは猫を飼っているのですが、映画を見た後、愛おしさが倍増。
ぎゅーっと抱き締めたくなりました(で、嫌がられる)。

悲しい場面もありますが、最後は幸せな気持ちになれます。
犬好き、動物好きなら、何度でも見たくなる作品。

作品概要

  • 製作国:アメリカ合衆国
  • 上映時間:127分
  • 公開日: 2017年1月27日(アメリカ)、2017年9月29日(日本)
  • 原題:A Dog’s Purpose
  • 原作:W・ブルース・キャメロン『野良犬トビーの愛すべき転生』
  • 監督:ラッセ・ハルストレム
  • 脚本: W・ブルース・キャメロンほか

あらすじ

ある夏の暑い日、ゴールデン・レトリバーの子犬・ベイリーは車に閉じ込められ苦しんでいるところを8歳のイーサンと彼の母親に助けられ、感激する。その後、イーサンのママが渋るパパを説得し、晴れてベイリーはイーサン家の一員になった。

U-NEXT公式サイトより

予告動画

登場人物(キャスト)

ベイリー(声:ジョシュ・ギャッド)
何度も転生を繰り返し、〝犬生〟の意義について考える犬。前向きで人間好き。ひしゃげたアメフトのボールでイーサンと遊ぶのがお気に入り。

イーサン(ブライス・ガイザー(8歳)/K・J・アパ(10代)/デニス・クエイド)
ベイリーの飼い主。車の中で弱っていた子犬のベイリーを助け、飼い主になる。

ハンナ(ブリット・ロバートソン(10代)/ペギー・リプトン)
イーサンの恋人。ベイリーのことも可愛がる。

エリザベス(ジュリエット・ライランス)
イーサンの母。動物好きで心優しい女性。車の中に閉じ込められていたベイリーを助け出す。

ジム(ルーク・カービー)
イーサンの父。当初は犬を飼うことに反対していたが、エリザベスの説得でしぶしぶ許可する。営業の仕事に慣れず、しだいに荒れるようになる。

ビル(マイケル・ボフシェヴァー)
イーサンの祖父。郊外で農家を営む。ベイリーに甘く、こっそり食べ物を与える。

フラン(ガブリエル・ローズ)
イーサンの祖母。

トッド(ローガン・ミラー)
イーサンの高校の友人。アメフトで活躍するイーサンに嫉妬する。

カルロス(ジョン・オーティス)
シカゴ警察の警察官。エリーを訓練し、警察犬に育て上げる。

マヤ(カービー・ハウエル=バプティスト)
ティノの飼い主。内気な大学生。友達をつくるのが苦手で、いつも1人で過ごしている。

アル(プーチ・ホール)
マヤの同級生。ロクシーの飼い主。

ウェンディ(ニコール・ラプラカ)
ワッフルズの飼い主。

ベイリーの犬生(犬種と飼い主と死因)

最初の犬生
トビー

犬種:?
飼い主:なし(野良犬)
死因:野犬駆除に捕まって殺処分される

2番目の犬生
ベイリー

犬種:ゴールデン・レトリバー
飼い主:イーサン
死因:老衰と病気(安楽死)

3番目の犬生
メリー(警察犬)

犬種:ジャーマンシェパード
飼い主:カルロス
死因:犯人に撃たれる

4番目の犬生
ティノ

犬種:ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
飼い主:マヤ
死因:老衰

5番目の犬生
ワッフルズ⇒バディ

犬種:セントバーナードとオーストラリアンシェパードのミックス
飼い主:ウェンディ⇒イーサン

あらすじと感想(ネタバレ有)

運命の人と出会ったベイリー

私は過去に犬を飼ったことがあり、そして現在、猫と一緒に暮らしています。
犬は私が20代の時に老衰で世を去り、猫は今年15歳を迎えました。

いつか看取る日が来ると覚悟している一方で、できることなら永遠にその日が来ないでほしい……とも思っています。

物語の語り手は、犬のベイリー。
映画は終始、ベイリーの視点で語られます。

最初の犬生は、野良犬の子犬として生まれ、あっという間に終了(野犬駆除で殺処分された)。

2度目の犬生は、ブリーダーのもとで生まれたゴールデン・レトリーバー。
ところが彼は犬小屋を抜け出し、怪しい男たちに捕まってしまいます。

男たちは犬を車の中に閉じ込めたまま、放置してしまう。
暑くてのどが渇いて死にそうになっているとき、イーサンが通りがかります。

このときのイーサンのお母さんが取った行動が、カッコいいんですよね~。
彼女はためらわず車の窓を割って、犬を救出。

イーサンと出会い、〝ベイリー〟と名付けられた彼は、「この子を離さない」と心に決めます。

言葉が通じなくても

ベイリーは大好きなイーサンのためなら何でも喜んでするけれど、そこは犬。
人間の求めるものが、時には理解不能だったりもします。

「何をしてほしいの? 言ってくれたらするのに」と、不思議そうに首を傾げるベイリーがもう……たまらなく可愛い!!

動物を飼っていると、「言葉が通じたらなぁ」って思う瞬間がよくあります。

わたしの顔をじっと見つめるとき。
何かを訴えようとして鳴いているとき。
わたしの言葉に耳をすませて、聞き取ろうとしているとき。

目と目が合うと、「何か通じた」ような気持ちになって、愛おしさがこみ上げてきます。

実際にはなんにも通じてないかもしれないし、もし本当に言葉が交わせたら、それはそれで大変だとも思うんですけどね(笑)

イーサンとの別れ

青年になったイーサンは、アメフトで大活躍。
ハンナという恋人もでき、ミシガン州立大への進学も決まり、順風満帆。

幸せいっぱいのイーサンとベイリーでしたが、ある日突然、不幸が襲います。

イーサンに嫉妬した友人トッドが放火し、イーサンの家が火事に。
ベイリーが気づいてなんとか脱出できたものの、窓から飛び降りたときに足を骨折してしまいます。

アメフト選手としての将来が断たれ、大学進学も白紙に。
自暴自棄になったイーサンは、一方的にハンナに別れを告げます。

イーサンは農業学校に通うため、町を離れることに。
仲良しのイーサンがなぜ自分を置いていくのか、理解できないベイリー。

イーサンと離ればなれになったベイリーは、年月と共に元気をなくしていきます。
年をとり、治療困難な病に侵されたベイリーは、イーサンに見送られて旅立ちます。

彼を愛し、幸せにするのが僕の役目。彼のことが心配だった。

息を引き取る間際でさえイーサンのことを心配するベイリーに、号泣。

警察犬として殉職

3度目の犬生は、ジャーマンシェパードでした。
中身は男の子のまま、女の子として生まれ変わります。しかも警察犬!

シカゴ警察のカルロスに訓練を受け、警察犬として活躍するベイリー。
あ、でもこのときの名前は〝メリー〟です。

余談ですがわたしが子どもの頃は、〝メリー〟という名前の犬がたくさんいました。
最近はあんまり聞かないですけどね。

警察犬の仕事は彼にとっては〝面白くない〟ようだったけど、カルロスとのコンビで何度も表彰され、孤独なカルロスの心に寄り添う存在となっていきます。

しかし、誘拐事件の捜査中、彼は犯人に撃たれて致命傷を負ってしまう。
カルロスに抱き締められながら、息をひきとるベイリー。

楽しいという犬生ではなかったけれど、いい仕事をした。

大学生のマヤに飼われる

4度目の犬生は、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク。

飼い主は大学生のマヤ。
今度の名前は〝ティノ〟です。

内気で友達がいないマヤは、いつもひとりぼっち。
マヤと行動を共にするうち、ベイリーはマヤの考えていること(=食べたいもの)がわかるようになります。

やがてマヤは、同じクラスの男の子アルと付き合い始めます。
ベイリーも、アルが飼っている雌犬ロクシーにひとめぼれ。

マヤとアルは結婚し、子どもたちが生まれ、成長し、やがてベイリーは年老いていきます。

マヤに見守られながら、旅立つベイリー。

準備はできてる。今回も最高の犬生だった。

それぞれの犬生を受け入れる

5度目の犬生は、不運なスタート。

鼻ピアスの女性に〝ワッフルズ〟と名付けられたものの、彼女の恋人は犬嫌いで、犬を飼うことに反対します。

女性もしだいに犬を飼うことに飽きて、庭の一角に繋いで放置したまま、散歩にも行かなくなります。

ついには、動物虐待だと警察官が注意しに来る始末。
ベイリーは女性の恋人に見知らぬ場所に連れて行かれ、捨てられてしまう。

生まれ変わるたび、それぞれの犬に与えられた役割を受け容れ、ひたすらそばにいる人間のために尽くそうとするベイリー。

人間の都合で利用されても、虐待を受けても、文句ひとつこぼさず……。

イーサンとの再会

ぼろぼろになって捨てられたベイリーは、においを頼りにさまよい、ついにイーサンと再会します。

イーサンに〝バディ〟という名前をもらい、再び一緒に暮らすことになったベイリー。
年をとったイーサンは、ひとりぼっちで、どこか淋しそうでした。

イーサンを元気づけようと考えたベイリーは、ハンナに会いに行きます。
ベイリーの首輪についているタグを見て、飼い主がイーサンだと気づくハンナ。

ハンナと再会したイーサンは過去の過ちを詫び、2人は結婚します。

けれど、ベイリーにはもうひとつだけ、叶えたい願いごとがあった。
それは、イーサンに〝ベイリー〟だと思い出してもらうこと。

ベイリーは、かつて一緒に遊んだ古いアメフトのボールを、納屋の奥で見つけます。
イーサンに〝ボールを投げて〟と催促するベイリー。

イーサンが投げたボールを、ベイリーは昔と同じやり方で、イーサンの背中を踏み台にしてジャンプし、キャッチ。

まさかと疑うイーサン。

目の前にいる犬が〝ベイリー〟だと気づき、イーサンはベイリーを抱き締めます。

僕が生きる意味

ものすっごく泣けますが(動物を飼っている人は特に)、ベイリーがとにかく前向きで明るいし、死んでもまた生まれ変わるので、重苦しい気持ちにはなりませんでした。

生まれ変わるたびに飼い主が変わるけど、ベイリーは何も変わらない(外見は変わるけど)。ただ飼い主を喜ばせたい、役に立ちたい、一緒に楽しく過ごしたいという一途な思いだけ。

この映画はファンタジーですが、彼らが人間に注いでくれる限りない愛は本物です。

ただ、寿命が近い動物がそばにいると、やはりどうしても「その時」のことを想像して重ねてしまうので、ベイリーが死を迎えるシーンは辛かった。

映画を見ているときはストーリーに泣かされ、映画を見終わった後は自分が飼ってる猫のことを思い出して涙が止まらなくなりました。

「僕が生きる意味は?」
「僕はなぜここに存在してるの?」

ずっと抱き続けてきた問いの答えを、ようやく見つけたベイリー。

犬生を繰り返してきて学んだのは、もちろん楽しむこと。困っている人を探し、救うこと。好きな人をなめ、過去をいつまでも悲しまず、未来を憂いもしない。ただ今を生きる。今を、一緒に生きる。それが犬の目的。

次はもう、転生しないで天国へ行けるといいな。

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