アンという名の少女【シーズン2】第4話|マシューとジェニーの恋の行方

アンという名の少女【シーズン2】

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海外ドラマ「アンという名の少女」シーズン2第4話のあらすじと感想、原作との違いをまとめました。

詐欺師たちは去ったけど、被害を被ったバリー家はピリピリした雰囲気に。罪悪感に駆られたマリラは家に閉じこもり、少々神経質になっています。

アンはマシューに訪れたロマンスを実らせようとしますが…。

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第4話のあらすじ

金騒動で被害を被ったバリー家からは笑顔が消え、バリー夫人の夫に対する不満は高まる。ダイアナとミニー・メイは、家で厳しい花嫁修業をさせられる。

マシューにはジェニーからの手紙が何通も届くようになり、アンは2人の恋を実らせようとマシューの代わりに手紙の返事を書く。

詐欺師たちをアヴォンリーに呼び込んだことで、自分を責めるマリラ。リンド夫人は「あなたは悪くない」とマリラを慰める。

ジェニーからの手紙を読んで不審に思ったマシューは、アンが返事を書いていたことを知って怒り、「お前の行為は間違ってる」と指摘する。

ミニー・メイが厳しい躾に苦しんでいることを知り、バリー夫人は夫ウィリアムと話し合う。「あなたの対等な伴侶として、思いを共有したかった」と明かすバリー夫人。

トリニダードの港に立ち寄ったギルバートとバッシュは、売春宿を追い出された妊婦ルースに出会う。2人は産気づいたルースのお産を手伝い、無事に赤ん坊を取り上げる。

マシューはジェニーに会いに行き、返事を書いたのはアンだと説明する。そしてジェニーの気持ちに応えながらも、今はアンのためにできるだけそばにいてやりたいと明かす。

アンはマシューに謝り、「愛する人と一緒にいてほしかった」と話す。マシューはアンと一緒にいることでその願いは叶えられていると告げる。

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第4話の感想と解説

騙された人々

ネイトに1700ドルも騙し取られたバリー氏は、すっかり意気消沈しています。150ドルが年収の半分だと言っていたから、相当な額です。そりゃ落ち込みますわ。

バリー夫人はそんな夫にイライラを募らせ、子供たちに八つ当たり。とつぜん「子供時代は終わりよ」と宣言し、ダイアナとミニー・メイに女性のたしなみを教え始めます。

マリラは詐欺師を呼び込んだことに責任を感じ、教会へも行かずに家に閉じこもり、「今は町の平穏のために自重すべき」とアンの冒険をたしなめます。

マリラの気持ちはわからなくもない…。町の人々もしばらくは引きずってしまうでしょうね。

あなたの対等な伴侶として

バリー夫人のスパルタ教育に苦しむミニー・メイは、おねしょをしてしまいます。子供たちに無理をさせていると気付いたバリー夫人は、夫と話し合うことに。

彼女は金騒動で損をしたことを責めているのではなく、バリー氏があの時も今も何も話してくれないことに腹を立てていたのです。

「間違っても構わない。思いを共有したいだけ。あなたの対等な伴侶として」

現代人のわたしには共感できるセリフだけど、当時こんなふうに夫に向かって堂々と言える女性がどのくらいいたんだろう。

マシューとジェニーの恋の行方

マシューにはジェニーから手紙が届くようになり、アンは気になってたまりません。ジェニーはシーズン1第5話に登場したマシューの同級生で、カーモディで高級婦人服店を営んでいる未亡人です。

いけないことと知りながらも我慢できず、ジェニーからの手紙を読んでしまうアン。そこには、マシューへの想いが綴られていました。

アンはリンド夫人からマシューが一家を支えるために学校を辞めたことを聞き、悲劇的なロマンスに陶酔してしまいます。

マシューの代わりに返事を書き、ジェニーとの文通を始めるアン。しかしすぐにマシューに知られてしまい、マシューはアンを叱ります。

「ジェニーにも、誰にでも、気持ちがある。お前の行為は間違ってる」

優しいマシューを傷つけ、嫌われてしまったと思い込んだアンは謝罪文を書いて許しを請いますが、マシューは受け入れようとしません。

マシューはジェニーに事の真相を説明しに行き、「君を想ってた。学校を辞めた後、ずっとだ」と打ち明けます。そして今はできるだけアンのそばにいてやりたい、と告げます。

余談ですが、シーズン1では郵便局まで受け取りに言っていた郵便物を、今シーズンは馬に乗った配達人が農場まで届けに来ていましたね。

実際にプリンス・エドワード島の各家庭に郵便が配達されるようになるのは、1910年代以降です。このドラマの時代設定は1890年代らしいので、ちょっと早い?

壊れたロケット

アンはドイツから来たというユダヤ人の行商人に会います。ドイツに妻と子を残しているという行商人は、想像力豊かで差別の心を持たないアンに、壊れたハート型のロケットを譲ります。

「壊れてる物って悲しげで美しく見えるわ。今までの長い年月に起こった楽しいことや悲しいことが全部染み込んでるから。まだそれほどたくさんのことを経験してない物よりずっとロマンチック」

この行商人は原作にも登場するのですが、ドラマでは優しい人に改変されてましたね。

しかし、詐欺騒動で神経質になっているマリラは、アンが知らない人と玄関先で話しているのを見るやいなや、行商人を追い払ってしまいます。

その後、アンはこの壊れたロケットをダイアナに贈るのですが、ケースの蓋が外れてしまい、2人は片方ずつ持つことにします。

原作との違い

ここからは松本侑子さん訳の文春文庫版『赤毛のアン』をもとに、ドラマと原作との違いを見ていきます。シーズン2は原作にないオリジナルエピソードがほとんどなので、原作と共通する部分だけ取り上げます。

キャメロットごっこ

冒頭、アンたちはバリー家の目の前にある〈輝きの湖〉で、テニスンの長編詩『国王牧歌』の中の詩「ランスロットとエレイン」を再現しようとします。

原作では、アンが13歳の時のエピソードです。ドラマと同じように、アンがエレイン役、ダイアナがランスロット役、ルビーがアーサー王役、ジェーンがグィネヴィア役でした。

ドラマではバリー夫人に見つかって止められましたが、原作ではアンをのせた小舟は池を漂い、途中で沈んでしまいます(舟底が裂けていた)。そして橋の脚にしがみついている時、たまたま舟で通りかかったギルバートに救出されます。

『国王牧歌』は、ヴィクトリア朝を代表する詩人アルフレッド・テニスンが「アーサー王伝説」をもとに書いた長編詩。

アンが憧れる「キャメロット王国」はアーサー王の宮廷があったとされる架空の都で、「エレイン」はアーサー王の円卓の騎士ランスロットに恋する娘。

しかしランスロットはグィネヴィア(アーサー王の妃)と不義の恋をしているためエレインの想いは実らず、失意のあまり衰弱死してしまいます。エレインの遺体は舟にのせられて川を流れ、やがてキャメロットにいるランスロットのもとに辿り着く…という内容。

原作では「ランスロットのもとに流れ着くエレイン」と「ギルバートに救出されるアン」を重ね合わせることで、アンのギルバートへの好意が暗示されています。

マシューの恋

マシューは元クラスメイトのジェニーと両想いであることがわかり、いい雰囲気になっています。原作には、このエピソードはありません。

ドラマにもありましたが、アンが「求婚したことある?」とマシューに尋ねる場面は、原作にもありました。

アンが病気になったミニー・メイを助けにいく直前、ドラマでは寝室で眠りについていましたが(シーズン1第6話)、原作では2人は台所で話し込んでいたのです。

「結婚を申し込んだことがある?」とアンに聞かれたマシューは、「したかどうか、わからんな」と答えています。

マシューの兄マイケルが亡くなり、一家を支えるためにマシューが学校を辞めて働くことになった、というエピソードも原作にはありません。

ユダヤ人の行商人

ドイツから来た通りがかりの行商人と話し込み、マリラに注意されるアン。行商人はアンに壊れたハートのロケットを譲り、去っていきます。

原作では、アンが“キャメロットごっこ”をする前(13歳の4月)のエピソードです。行商人がドイツから来たユダヤ人で、妻子を呼び寄せるために働いていると語っているところはドラマと同じです。

しかし原作ではアンにロケットを譲ることはなく、ドラマと違って少々怪しい人物として描かれています。ネタバレになってしまうので、詳しくは次回書きます。

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