ネタバレ有「アンという名の少女」シーズン2*第9話あらすじ感想|ステイシー先生、波紋を巻き起こす

アンという名の少女【シーズン2】

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海外ドラマ「アンという名の少女」シーズン2第9話のあらすじと感想、原作との違いをまとめました。

原作にも登場するステイシー先生がアヴォンリーの学校へやってきました。しかし奔放で斬新な彼女は初日から波紋を巻き起こします。

アンは黒い尾のキツネがビリーに狙われていることを知り、なんとか守ろうとしますが…。

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第9話のあらすじ

女性教師ミュリエル・ステイシーがアヴォンリーの学校に赴任してくる。ズボンをはいて原動機付き自転車を乗り回す彼女を〈進歩的な母親の会〉は問題視するが、アンは「心が通じ合う気がする」と憧れを抱く。

アンはステイシー先生と仲良くなろうとしてクラスメイトの私生活について喋り、「他人のプライバシーは尊重すべき」と注意される。一方、ギルバートは医大を目指すための勉強を見てもらうことになり、アンは嫉妬する。

教師の噂を聞きつけたリンド夫人は、マリラを伴ってステイシー先生の家を訪問。未婚女性が自転車を乗り回したり、コルセットを締めないのはよくないと注意し、教育者として相応しい振る舞いをするよう窘める。

ビリーが黒い尾のキツネを銃で撃とうとしていることを知り、心配するアン。さらにマシューが鶏小屋の前にキツネを捕るための罠を仕掛けたため、夜通し外を気にしながら宿題の作文に取り組むことに。

翌朝、アンはうっかりランプを落として作文を燃やしてしまい、先生に説明するためマリラと一緒に登校する。マリラは電気の科学実験を見学して感心するが、そこへリンド夫人と〈進歩的な母親の会〉の母親たちが現れ、科学実験を危険なものと決めつけて反対する。

ギルバートと一緒に農場の仕事をするはずだったバッシュは、ギルバートが来年医大を受けると知って家を出て行く。ボグ地区のメアリーに会いに行き、将来について相談するバッシュ。

アンはマリラとステイシー先生を森の中の秘密の小屋に連れて行き、コールがいじめを理由に登校拒否をしていることを話す。ステイシー先生はコールの家を訪れて相談に乗ろうとするが、コールが学校に行っていないことを知った母親は激怒する。

黒い尾のキツネを探すビリーたちは、森の中の小屋を見つけてめちゃくちゃに壊してしまう。翌朝、小屋が破壊されているのを見てショックを受けるアンとコール。

現場に落ちていたマフラーを見てビリーの仕業だと気付いたコールは、学校でビリーに殴りかかり、ストーブにぶつかったビリーは耳を火傷してしまう。

第9話の感想と解説

ステイシー先生、波紋を巻き起こす

フィリップス先生が学校を去り、代わりに女性教師のステイシー先生がアヴォンリーの学校へ赴任します。ズボンをはき、コルセットを締めず、原動機付き自転車を乗り回すステイシー先生は、たちまち〈進歩的な母親の会〉から問題視されてしまいます。

この〈進歩的な母親の会〉は、シーズン1の第3話に登場。アンドリュース夫人(プリシーとビリーとジェーンの母親)を中心とした、お金持ちの母親たちの集まりです。「進歩的」と謳っている割には、慣習に固執し偏見に囚われた人たちという印象。

学校評議員でもあるリンド夫人も女性教師の採用には反対で、ステイシー先生が未婚だと知ると、マリラを引き合いに出してオールドミスだのなんだのと非難します。これにはマリラもかちんと来てしまったようで。

学校で電気の科学実験を見学し感心したマリラは、ステイシー先生を擁護し、リンド夫人や〈進歩的な母親の会〉と対立することに。

バッシュの件といい、ステイシー先生の件といい、マリラは保守的に見えて意外と柔軟ですね。アンと出会った影響もあるのでしょう。シーズン1の最初の頃と比べて、ずいぶん変わったなぁと思います。

黒い尾のキツネを守ろうとするアン

アンはひと目見るなりステイシー先生を気に入り、仲良くなりたい一心でクラスメイトたちの私生活を吹聴し、注意されてしまいます。今回のアンはさすがにおしゃべりが過ぎました。理想的な先生が現れて、完全に舞い上がってましたね…。

「噂の危うさと他者への尊重」という題で作文を書いてくるように言われ、自己嫌悪に陥るアン。医大を目指すギルバートはステイシー先生に特別に勉強を見てもらうことになり、そのこともアンの嫉妬心を掻き立てます。

そこへ、以前から友情を感じていた(森の中でよく見かけていた)黒い尾のキツネが、ビリーに狙われているという心配事まで重なります。

さらにマシューまでもが鶏小屋を守るためにキツネを捕るための罠を仕掛け、アンがやめてと頼んでも「ニワトリを守るためだ」と聞き入れてくれません。

破壊された秘密の小屋

アンはなりゆきでマリラとステイシー先生を森の中の秘密の小屋に案内することになり、彫刻を作ったコールについても話すことに。

翌日、ステイシー先生はコールの力になろうと農場を訪ねますが、コールが学校へ行っていないと知った母親は怒り心頭。コールは学校へ行くと嘘とついて、森の中の秘密の小屋で創作活動に励んでいたのです。

母親は無理して学校へ行かせていたようで、本当はコールに農場の仕事を手伝わせたかったらしい。「もう農場から出してもらえない」と、アンに怒りをぶつけるコール。

アンとコールの夢を紡ぐ場所だった森の中の秘密の小屋は、ビリーに見つかってめちゃくちゃに破壊されてしまいます。逆上したコールは学校に乗り込んでビリーに殴りかかり、転倒したビリーはストーブにぶつかって耳を火傷してしまいます。

原作との違い

ここからは松本侑子さん訳の文春文庫版『赤毛のアン』をもとに、ドラマと原作との違いを見ていきます。シーズン2は原作にないオリジナルエピソードがほとんどなので、原作と共通する部分だけ取り上げます。

ステイシー先生

フィリップス先生に代わって赴任したステイシー先生。原作では、アンがグリーン・ゲイブルズへ来て2年目の9月(12歳)に赴任しました。

ステイシー先生に会うのを楽しみにしていたアンですが、実際に会ったのは10月。夏休み中に屋根から落ちて足を骨折し、学校が始まっても登校することができなかったからです。

原作のステイシー先生も魅力的で、野外授業や体操などを取り入れ、たちまち生徒たちを夢中にさせます。もちろんアンも先生を大好きになります。

ドラマではリンド夫人や〈進歩的な母親の会〉に糾弾されますが、原作にはそのような場面はありません。

原作者モンゴメリにも敬愛する女性教師がいました。彼女の文才を見抜き、ピクニックを企画したり作文の宿題を出すなど、ステイシー先生と重なる部分があります。

自転車

機械好きなステイシー先生は、原動機付きの自転車に乗っています。原作では、ステイシー先生が自転車に乗る場面はなく、“自転車”そのものが登場しません。

アンシリーズに初めて自転車が登場するのは、続編の『アンの青春』においてです。乗っているのはギルバートです。

ステイシー先生に叱られる

授業と関係のないおしゃべりをして、ステイシー先生に注意されるアン。原作では、アンがステイシー先生に叱られるのは、先生が赴任して1年以上経った時です。

歴史の授業中、こっそり小説『ベン・ハー』を読んでいて先生に見つかったのです。アンは休み時間に残されて、勉強に費やす時間を無駄にしたこと、歴史の教科書を読んでいるふりをして先生をだましたことを指摘され、泣いて謝ったと語っています。

アンが噂話を注意される場面は、原作にはありません。

森の中の秘密の小屋

アンとダイアナとルビーが〈物語クラブ〉の活動をしたり、コールが芸術活動を行っている森の中の秘密の小屋。原作にはそのような小屋は登場しませんが、アイドルワイルド(牧歌の自然)という名前の家が登場します。

〈アイドルワイルド〉は、アンとダイアナが牧草地に作ったおままごとの家です。「白樺が小さな丸い輪になって並んで生えているところ」で、苔に覆われた石をいすにしたり、木から木へ板を渡して棚を作ったりしています。

しかし、アンが13歳の夏頃には、〈アイドルワイルド〉は過去のものとなりました。土地の所有者が白樺を切り倒してしまったのです。

といってもこの頃には、アンもダイアナもすっかりおままごとの家に飽きてしまっていたので、悲しみは一時的なものでした。黒い尾のキツネも原作には登場しません。

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