海外ドラマ「アンという名の少女」シーズン3第8話のあらすじと感想、原作との違いをまとめました。
学校が全焼し、学校評議会のしわざだと知ったリンド夫人は奮起します。アンたちはクィーン学院の入学試験に挑み、ギルバートはウィニフレッドとの結婚に悩みます。
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Contents
第8話のあらすじ
アンが登校すると、学校が全焼していた。ステイシー先生は学校評議員のしわざだと気づき、憤慨する。アンから話を聞いたリンド夫人は、自分がなんとかすると請け合う。
寄宿学校から脱走したカクウェットは、プリンス・エドワード島行きの荷物に紛れて移動し、故郷に辿り着く。ミクマク族の村で家族と再会し、泣き崩れるカクウェット。
ダイアナはジェリーに別れを告げる。クィーン学院の試験が明日に迫った日、ジョセフィンがバリー家を訪れ、ダイアナに試験を受けるよう勧める。翌日、ダイアナは両親に内緒で試験会場へ行き、アンたちと一緒に試験を受ける。
デルフィーヌの世話をするため、バッシュの母・ヘイゼルがアヴォンリーにやってくる。白人であるギルバートを“ご主人様”扱いするヘイゼルに、心の距離を感じるバッシュ。
シャーロットタウンで試験を受けたギルバートは、ウィニフレッドの家に立ち寄り、彼女の父親から結婚の許可を与えられる。さらにパリのソルボンヌ大学留学を支援するという申し出を受け、悩むギルバート。
アヴォンリーに戻ったギルバートは、結婚についてアンに相談する。「私には何も言えない」と言い、ウィニフレッドとの結婚を後押ししてしまうアン。ギルバートはアンに振られたと思い込み、結婚を決意する。
リンド夫人は学校評議会の会議に出席し、彼らが印刷機を盗んで学校を燃やしたという噂を広めない代わりに、女性の評議員を3人加えることを認めさせる。その結果、マリラは評議員の一人に選ばれる。
ダイアナは「嘘をついていい子のふりをしてる」と妹のミニー・メイに指摘され、強くなろうと決意。アンに「心の友はあなただけ」と書いたカードを贈り、2人は仲直りする。アンはギルバートを愛していることに気づく。
第8話の感想と解説(ネタバレ有)
燃えてしまった学校
アンたちの抗議デモに腹を立てた評議会の男性たちは、夜中にこっそり学校に侵入して印刷機を盗み出し、その際に落とした煙草の火が燃え広がって学校は全焼。ひどい…。
落ち込む生徒たちを、ステイシー先生は鼓舞します。
「真相を暴くのは無理かもしれない。でもこんなことに負けてはだめ。引き下がっちゃだめ。彼らがこんな卑劣で許しがたいことをしたのは、あのデモによってあなたたちを恐れたからよ。よくやったわ」
アンはすぐさま学校評議員のメンバーであるリンド夫人に抗議しに行きますが、何も知らないリンド夫人は学校が燃やされたと聞いて動揺し、泣き出してしまいます。
「問題は根深い。彼らの女性の扱いはひどいものよ。あなたの無謀な記事のおかげで、私も気づかされた」
みんなが声を上げれば世の中を変えられると、この問題に立ち向かう決意を固めるリンド夫人。「この件は任せて」と言われ、安心するアン。
評議会に乗り込んだリンド夫人は、印刷機を盗んで学校を燃やした犯人を言いふらす、と彼らを脅し、黙っている代わりに女性の評議員を3人加えることを認めさせました。やるねー。で、マリラも評議員に加わることに。
クィーン学院の入学試験
そしてなんと、クィーン学院の入試は明日に迫ってます! 驚きです(|||O⌓O;) 試験前に品評会や新聞作りを楽しむ余裕があったとは…。
学校が燃えてなくなったので、アンたち受験生はステイシー先生の家で勉強。でもみんな、試験勉強よりも恋の話題で盛り上がってます。ギルバートはウィニフレッドとの関係について質問攻めに。笑顔が消えるアン。
ダイアナはジョセフィンおばさんに説得され、両親に内緒で試験を受けます。これにも驚きです。1年間試験勉強を続けてきたアンたちと違って、ダイアナは何の準備もしてません。
試験会場は町の教会です。ギルバートだけは、シャーロットタウンで試験を受けたようです。
ダイアナの決意
ジェリーに借りていた本と贈り物を突き返し、一方的に別れを告げるダイアナ。ジェリーが可哀想になるくらい、思いやりのない冷たい態度でした。
ダイアナには「もう嘘をつきたくない」という思いがあったのでしょうけど、わたしには身勝手に見えました。“強くなる”って、相手を傷つけることに鈍感になることとは違うと思う。
そんなふうにしか恋を終わらせられないのが、若さなのかもしれないけど。
ミニー・メイに「いい子のふりをしてる」と指摘されたダイアナは、グリーン・ゲイブルズを訪ねてアンに謝り、仲直りします。
「私強くなりたい。今までより。もう嘘はつきたくない。いつも自分らしくいられる人になりたい。そしてここにいる、私らしい私はあなたの親友よ」
もう一度“親友の誓い”を立て、友情を取り戻すアンとダイアナ。
原作ではずっと「いい子」で、アンとは対照的に平凡な人生を歩むダイアナ。その彼女をあえて壊したのは面白かったけど、もう少し心の機微を丁寧に描いてほしかった。ジェリーに対してもそうだし、クィーン学院やアンとの仲直りにしてもそう。
アンに責められたから、ジョセフィンさんに勧められたから、ミニー・メイに指摘されたからじゃなく、彼女自身が考えて、自分の思いで行動してほしかった。
ギルバートの迷い
シャーロットタウンで試験を受けた後、ウィニフレッドの家へ行くギルバート。そこで彼女の父親から結婚の許しをもらいます。結婚すれば、ソルボンヌ大へ行く資金を援助するという申し出も…。
ウィニフレッドを愛しているかどうかわからないギルバートは、結婚に踏み切れず、アヴォンリーに戻ってアンに相談。
「ソルボンヌに、住まいに、必要なお金。全部叶えてくれる。彼女と結婚すれば。どうしたらいいんだろう」
「障害は何もないのに、なんで迷ってるの?」と聞き返すアンに、「理由はひとつだよ」と答えるギルバート。情熱的な瞳で見つめられて動揺したアンは、しどろもどろになりながらも結婚を勧めるようなことを言ってしまいます。
アンにフラれたと思い込んだギルバートは、ウィニフレッドとの結婚を決意します。翌日、アンはギルバートを愛していることに気付きますが…。
原作との違い
ここからは松本侑子さん訳の文春文庫版『赤毛のアン』をもとに、ドラマと原作との違いを見ていきます。シーズン3も原作から離れたストーリーになっているので、原作と共通する部分だけ取り上げます。
クィーン学院の試験
アンたちは町の教会でクィーン学院の試験を受け、ギルバートはシャーロットタウンで受けていました。
原作では、アンたち受験生は全員シャーロットタウンにあるクィーン学院の教室で試験を受けています。ドラマでは試験は1日だけでしたが、原作では午前と午後で一科目ずつ、数日にわたって行われました(月曜にアヴォンリーを発ったアンが、試験を終えて帰ってきたのは金曜の夕方でした)。
ドラマでは「1年前から準備していた」とアンが語っていましたが、原作では13歳の11月から1年8か月もの間、試験に向けて勉強しています。14歳の夏には、勉強しすぎて医者から「夏の間、勉強せずに屋外で遊びなさい」と注意されるほどでした。
アンは試験の間ジョセフィンさんの屋敷に泊まり、試験初日の夜にダイアナに手紙を書いて状況を知らせています(その手紙には、ムーディーが試験前に気を静めるために“かけ算九九”を唱えていたことも書かれています)。
ドラマでは試験当日にダイアナが駆けつけ、みんなと一緒に試験を受ける場面がありましたが、原作にはありません。
原作におけるアンとギルバートはこの時点でもずっと喧嘩中で、アンは「ギルバートよりもいい点で受かるという目標を念頭において、全神経を張りつめて頑張った」のでした。
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