刑事モースCase18あらすじ感想|モースが巡査部長に、新メンバーも登場

「刑事モース~オックスフォード事件簿」シーズン5ネタバレ感想・登場人物

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「刑事モース~オックスフォード事件簿~」Case18のあらすじと感想です。

シーズン5に突入しました。

ついに、ようやく、モースが巡査部長になりました!
長かったねぇ~。まさかこんなに時間がかかるとは思わなかったよ。

新人も加入し、すっかり貫禄が出てきたモース。
でも相変わらず女性に振り回されてます。

Case18「堕ちたミューズ」のあらすじ

1968年4月。オックスフォード市警察は4つの警察と統合し、テムズ・バレー警察となる。カウリー署の面々は全員残っていたが、モースの処遇は先延ばしにされていた。

ホリウェル通りで元ボクサーのジョーイ・サイクスの射殺遺体が発見される。遺体の耳には大きな釘が打ち込まれ、車内には口紅の付いた吸い殻が残されていた。「白いレインコートの女が車から出てきた」という目撃情報もあり、モースは捜査を開始する。

同日、ロンズデール・カレッジでオークションのために展示されていたロマノフ家の宝飾品“イノセンス”の窃盗未遂事件が起きる。

現場に残されていた赤いバラを見て、ロビン・グレイ博士はインターポールが手配中の窃盗犯「ザ・シャドウ」の仕業だと話す。

昇進して巡査部長となったモースは州警察から来た刑事巡査ジョージ・ファンシーの教育を任されるが、軽薄でおしゃべりなファンシーに辟易させられる。

サイクスの殺害現場に乗り捨てられていた車は、ギャングの隠れ蓑マグダレン・タクシーのものだった。だがギャングのエディ・ネロはサイクス殺害には関与していないという。

ロビン・グレイ博士が遺体で発見される。遺体は両目が潰されており、唇には赤い口紅がついていた。博士が殺された夜、学生のひとりが“白いレインコートの女”を目撃しており、美術モデルの女性だと証言する。

モースとサーズデイは美術モデルで娼婦のイヴ・ソーンを聴取する。イヴはグレイに呼び出されて部屋に行ったが、9時過ぎに帰ったという。

その後、グレイ博士の友人で美術商のサイモン・レイクが惨殺される。「ザ・シャドウ」はレイクで、グレイ博士らと共謀し保険金詐欺を狙っていたことがわかる。

グレイ、クロックスリー、レイクらは〈バーサーカーズ〉の会員だった。遊び人の彼らはグレイの結婚を弔うパーティーを開き、余興に娼婦のイヴとルースを雇ってルースを集団で強姦していた。

その後、ギャングのエディ・ネロの計らいで電話交換手になったルースは、職を利用して〈バーサーカーズ〉のメンバーをひとりずつ追跡し、復讐していったのだ。

ルースはクロックスリーを殺して復讐をやり遂げ、自殺を図る。ロマノフ家の宝飾品はルースがレイクの部屋から盗み、友人のイヴに「これで人生を生き直して。私の分まで」というカードを添えて贈っていた。

Case18の登場人物(キャスト)

ジョーイ・サイクス(ビクター・ガーデナー)
元ボクサー。ホリウェル通りで射殺遺体となって発見される。エディ・ネロのもとでタクシー運転手をしていた。

ロビン・グレイ博士(ロジャー・バークレー)
ロンズデール・カレッジの講師。ロシア帝国の宝飾品の権威。卒業生から遺贈されたロマノフ家の宝飾品‟イノセンス”をオークションに出すため展示していたが、窃盗未遂にあう。

サイモン・レイク(トム・ドゥラント・プリチャード)
グレイ博士の友人。美術商。ロマノフ家の宝飾品‟イノセンス”の前の持ち主の代行者。

ジェラード・ピックマン(トム・ウィズダム)
ロンズデール・カレッジの美術講師。イヴを美術モデルとして雇う。

エディ・ネロ(マーク・アーデン)
ギャング。ボクシングジムやマグダレン・タクシーを経営している。

イヴ・ソーン(シャーロット・ホープ)
娼婦。ピックマンに雇われて美術モデルもしている。白いレインコートを着て事件現場に現れていた。

ルース・アスター(アントニア・クラーク)
電話交換手。イヴの友人。

ルーシー・グレイ(エミリー・バーバー)
グレイ博士の妻。

タンクレッド・ハウレット博士(サム・クレーン)
ロンズデール・カレッジの講師。ルーシーに想いを寄せている。

エイドリアン・クロックスリー博士(デヴィッド・ニューマン)
ロンズデール・カレッジの講師。

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Case18「堕ちたミューズ」の感想

※ネタバレを含みますのでご注意ください

モースが巡査部長に昇任

Case17のラストで、一度は決断したロンドン行きを躊躇していたモースでしたが、やはり留まることにしたんですね。ジョアンのこともありますしね…。

オックスフォード市警察は統合されて、今回から「テムズ・バレー警察」になりました。シーズン2のCase9で一瞬盛り上がったテムズ・バレー計画、その後頓挫したのかと思ったら続いてたのね。

新庁舎はキッドリントンに建設中だそうで、カウリー署が存続するかオックスフォードロードの新設の署に吸収されるか、まだ決まっていない状態。

さらに巡査部長は2人も要らない、ということでモースの処遇についても先延ばしになっている様子。宙ぶらりんな状態が半年間も続いて、不機嫌なモース。

モースはなぜかストレンジと一緒に住んでるんですよね。前回泥棒に入られて引っ越すと言ってたけど、お金が準備できなかったのかしらねぇ。ルームシェア向きの人間ではないと思うけど…。

新たなメンバーとジョアンのその後

巡査部長となったモースは、新米刑事のジョージ・ファンシーと捜査をすることに。このファンシー、なかなかのチャラ男でして。「おしゃべり」で「軽薄」な性格を披露し、一瞬でモースに嫌われてしまいました。

まぁでも、モースも新人の頃は空気が読めなくてサーズデイ以外の上司や同僚には嫌われてたし、事務仕事は敬遠していたし、人のこと言えないんだけどね。

ファンシーがどんなキャラに育っていくのか、第一印象が悪すぎた分、今後の成長過程が楽しみでもあります。

流産したジョアンはレミントンから戻ってきた様子。でもサーズデイ警部(警部補から昇格した)とは未だ和解できていなくて、実家には顔を出してもいない。

ジョアンは「私の人生を壊した」とサーズデイ警部を非難していたけど、あんな酷い目にあっても、あの最低な男との愛人生活を続けたかったの?

ジョアンの「親に口出しされたくない」「失敗も含めて放っておいてほしい」という気持ちはよくわかる。だけど、サーズデイ警部の「守ってやりたい」「辛い思いをさせたくない」という気持ちもわかるのよね…。

ルースの命をかけた復讐

今回の事件は悲しくて辛い話でした。

犯人は殺人現場で目撃された「白いレインコートの女」イヴではなく、彼女の友人だった電話交換手のルース。

イヴがモースに語った「ある女の子が修道院で学び、芸術家を目指してた」というのは、ルースのことでしょうね。

彼女は生活のためにモデルやダンスの仕事をしていて、あの夜〈偽ウミガメを弔う会〉のパーティーに行ったのも、エディに命じられて渋々だった。そのとき彼女をタクシーで送った運転手が、射殺されたジョーイ・サイクス。

パーティーで自分をレイプした男たちを探し出し、アルテミジア・ジェンティレスキの絵画になぞらえた方法で次々と殺していったルース。

ルースが自殺した理由について、ブライト警視正は「自分の罪に耐えられなかったか」と。それに対し、「やつらの蛮行にも」と付け加えるモース。

女性の気持ちに寄り添える人だから、モテるんだろうなぁ。

ジェレンティスキの絵になぞらえて

ルースが復讐のモチーフに使った絵画の画家ジェレンティスキは、劇中でモースが語ったとおり、自身もレイプ被害を受けて裁判を起こした女性です。

アルテミジア・ジェンティレスキ

17世紀イタリア、カラヴァッジオ派の女性画家。画家だった父に習いながら画家としての頭角を現す。1612年に指導役のタッシから性的虐待を受け、裁判においてセカンド・レイプを受けることとなった。

ヤセルとシエラ

1人目のジョーイ・サイクスは、耳に釘を刺されていました。これはジェレンティスキの絵画「ヤエルとシセラ」を表していました。

題材は旧約聖書の「士師記」。ヤエルがカナンの将軍シセラを油断させて眠らせ、天幕の釘を頭に打ちこむという一節を描いた作品です。

サムソンとデリラ

2人目のロビン・グレイは、両目にナイフを突き刺されていました。これはジェレンティスキの絵画「サムソンとデリラ」から。

題材は同じく旧約聖書「士師記」。女好きで乱暴者のサムソンが恋に落ちた美女デリラに裏切られ、ペリシテ人の手に落ちて両眼をえぐり出されるという一節を描いた作品。

ホロフェルネスの首を斬るユディト

3人目のサイモン・レイクは、首を切り落とされました。これはジェレンティスキの絵画「ホロフェルネスの首を斬るユディト」。

題材は旧約聖書の「ユディト記」。未亡人のユディトが侍女とともに敵の陣営に乗り込み、将軍ホロフェルネスを誘惑して酔わせ、剣で首を切断するという一節を描いた作品。

4人目のエイドリアン・クロックスリーには、ルース自身が味わった恐怖を思い知らせるため、うつぶせにして頭を殴って殺害しました。

ちなみにジェンティレスキはレイプ事件後も画家としての名声を上げ、女性としては初めてフィレンツェの美術アカデミーの会員に選ばれています。

ジェレンティスキのようにはなれなかったルース。やりきれない結末でした。

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