ネタバレ有「刑事モース」シーズン3(Case10~13)全話あらすじ・感想・キャスト・視聴方法

「刑事モース~オックスフォード事件簿」シーズン3ネタバレ感想

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海外ドラマ「刑事モース~オックスフォード事件簿~」シーズン3(Case10~13)についてまとめました。

イギリスで2016年1月3日から1月24日にかけて放送された第3シリーズ。ブレナム・ヴェイルの事件で逮捕されたモースと負傷したサーズデイ警部のその後が描かれます。

それぞれに事件の後遺症を抱えながら捜査にあたる2人。レギュラーメンバーにも変化があったりと、感慨深いエピソードが多かったです。

最終話のCase13は、最後まで目が離せない展開。ハラハラしました~。

作品概要

  • 製作国:イギリス(2016年)
  • 原題:Endeavour
  • 原案:コリン・デクスター『モース警部』
  • 脚本:ラッセル・ルイス
  • 監督:レベッカ・イートン
  • 演出:サンドラ・ゴールドバッカーほか
  • 音楽:バリントン・フェロング

視聴方法(動画配信)

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登場人物(キャスト)

※シーズン2までのネタバレを含みます

主要人物

エンデバー・モース(ショーン・エヴァンス/声:矢野正明)

オックスフォード市警カウリー署の刑事巡査。頭脳明晰。冷静な判断と直感で数々の難事件を解決する。クロスワードパズルとクラシック音楽を愛し、かよわい女性に弱い。
Case9で犯人に嵌められ殺人容疑で逮捕されるが、容疑が晴れて釈放される。捜査には積極的に参加するが警察に対する失望は残っており、人生にも悲観的。

フレッド・サーズデイ(ロジャー・アラム/声:土師孝也)

オックスフォード市警カウリー署の警部補。モースが信頼する唯一の上司。誰よりもモースの才能を買っている。Case9で犯人に撃たれ重傷を負うが無事復帰。モースを心配し、復帰をうながす。

レジナルド・ブライト(アントン・レッサー/声:佐々木睦)

オックスフォード市警カウリー署の警視正。組織の規律や慣習を重んじる昔気質の性格で、モースの非社交的なふるまいや型破りな捜査を嫌う。復帰したサーズデイとモースを歓迎する。

ジム・ストレンジ(ショーン・リグビー/声:丸山壮史)

オックスフォード市警カウリー署の巡査。モースのよき友人でもある。モースの収監中に昇進試験に合格し、巡査部長に昇格。ジェイクスの後任となる。

ピーター・ジェイクス(ジャック・ラスキー/声:岡本未来)

オックスフォード市警カウリー署の巡査部長。Case9で少年時代に矯正施設で虐待を受けていたことをモースに告白。モースの引っ越しを手伝うなど親しくなるが、結婚が決まり警察を辞めてアメリカに移住することに(Case10)。

シャーリー・トルーラブ(ダコタ・ブルー・リチャーズ)

オックスフォード市警カウリー署の女性巡査。Case11から登場。新人ながら優秀で、何事にも意欲的に取り組む。

マックス・デブリン(ジェームズ・ブラッドショー/声:魚建)

オックスフォード市警に勤める警察医。非常に優秀で、的確な指摘で事件の解決に貢献する。

サーズデイの家族

ウィン・サーズデイ(キャロライン・オニール)

サーズデイの妻。毎朝夫に昼食用のサンドイッチを作って持たせている。

ジョアン・サーズデイ(サラ・ヴィッカース/声:長尾明希)

サーズデイの娘。ウェセックス銀行に勤務している。好奇心旺盛で、恋愛にも積極的。かつて父親に隠れてジェイクスと付き合っていたことも。

サム・サーズデイ(ジャック・バノン)

サーズデイの息子。陸軍に入隊するため家を出る(Case13)。

そのほか

ドロシア・フラジル(アビゲイル・ソウ/声:定岡小百合)

オックスフォード・メール新聞の気骨ある編集者。モースの捜査にたびたび協力してくれる。

モニカ・ヒックス(シヴォーネ・マークス)

モースのアパートに住む看護師。前シーズンでモースと恋仲になるが、モースが殺人容疑で逮捕され、釈放後もアパートには戻らなかったことから2人の関係は終わってしまった様子。

ハリー・ローズ(ヴィンセント・リオッタ)

ギャングのボス。“スロットマシンの王者”と呼ばれていた。服役していたが出所し、ビクスビー主催のパーティーでモースと会う。ビクスビーのパトロン(Case10)。

各話のあらすじ(ネタバレ有)

1967年3月。モースの逮捕とサーズデイの負傷は、ディア警察次長の精神疾患によるものと判断され、調査は打ち切られる。少年矯正施設ブレナム・ヴェイルに関する捜査資料は、今後50年封印されることに。
サーズデイ警部補は職場に復帰。モースは刑務所から釈放されるも警察組織に絶望し、湖畔のコテージを借りて暮らしていた。大学時代の友人で上流階級のアンソニーやブルースたちと付き合い、華やかな日々を送るモース。
ある日、湖近くの森で若い女性ジーニーの遺体が発見される。大学では学生のジェラルドが不審な死を遂げる。
サーズデイは湖畔のコテージを訪れモースに復帰を促すが、モースは「闇に染まる前に辞める」と拒む。なぜ復帰したのかと聞かれたサーズデイは、「犯罪者を野放しにできない」と答える。
モースは湖畔に屋敷を構える謎の大富豪ビクスビーと親しくなる。ビクスビーはブルースの妻ケイを愛していた。やがてビクスビーが湖で射殺され、モースは復帰を決意する。
殺されたジーニーはブルースの愛人で、ヘロインの運び屋だった。大学生のジェラルドはジーニーからヘロインを買い、中毒死したのだ。
ビクスビーの家で古いトランクケースを見つけたモースは、裏に“チャーリー・G”と書かれた少年の写真と“キャシー”から“チャーリー”に宛てて書かれた古い手紙を見つける。“キャシー”はケイ、“チャーリー・G”はビクスビーだった。
死んだはずのビクスビーが現れ、驚くモース。湖で見つかった遺体はジェラルドと仲がよかったロディの可能性が出てきた。ブルースはジーニー殺害の容疑で逮捕され、ケイとビクスビーは再会を喜び合う。
しかし、ビクスビーだと思われたのは双子のコンラッドだった。チャーリーとコンラッドは移動遊園地のマジシャン、ジェーナスの息子で、ジェーナスは双子をマジックのタネに利用するためにコンラッドの存在を抹殺し、影として生きることを強要していた。
チャーリーとケイが逃げ出した後、コンラッドは“スウォープス”として生かされた。コンラッドはジーニーを殺してブルースに罪を着せ、ビクスビーを撃ち殺し、ビクスビーになり替わって財産とケイを手に入れようとしたのだった。
ジェーナスはコンラッドを射殺し、逮捕される。ケイはブルースとともにケニアへ旅立つ。ビクスビーの葬儀のあと、モースはサーズデイに「この世に本物のマジックはない。愛以外には。あとは嘘とごまかしだけ」と告げる。

1967年4月。アパートの一室が爆発し、住人だった貧乏画家サイモン・ハルワードの焼死体が発見される。同じ頃、スーパーマーケット「リチャードソンズ」で買い物をした女性ローレン・フィギスが道端で倒れ、亡くなる。
スーパーで売られていたベビーフードにはガラスの破片が混入しており、「リチャードソンズ」には以前から多数の脅迫状が届いていたことが発覚。社長のリチャードソンは警察に通報せず無視していた。
モースは爆発で死んだサイモンのアトリエでヒ素を混入させたニシンのペーストを見つける。「リチャードソンズ」に嫌がらせを行っていたのはサイモンだった。
リチャードソンの娘ベリティが誘拐され、犯人から身代金を要求する電話がかかってくる。モースは結婚を控えたジェイクスの代わりに身代金の受け渡し役を買って出るが、犯人に殴られ金を奪われてしまう。モースはジェイクスとともに鉱山の洞窟に監禁されているベリティを発見。時限爆弾が爆発する寸前に彼女を救出する。
その後、ベリティが画家のサイモンと知り合いだったことや、昨年アムノックスの活動でローデシアに行っていたことがわかる。ベリティはローデシアで黒人青年のカスバート・マカンバと恋に落ち、帰国後に妊娠が発覚。リチャードソン夫妻は結婚を許さず、本人の意志を無視して強制的に中絶手術を受けさせていた。
異物混入や脅迫は、ベリティが両親に復讐するためにサイモンと結託して行ったことだった。だがサイモンが暴走したため、協力者のアイーシャが事故に見せかけて殺害。誘拐犯の電話は録音テープを再生したもので、洞窟に仕掛けた時限爆弾もベリティが脱出したのを見計らってアイーシャが遠隔操作で爆発させたのだった。
ベリティとアイーシャは、中絶手術を受けた病院で出会っていた。アイーシャは“愛の家”の創始者ギデオンに弄ばれ妊娠、同じく中絶手術を受けていた。
ベリティは病院を抜け出して“愛の家”に向かい、アイーシャとともに自殺しようとするが直前に思いとどまる。モースたちが駆けつけるが間に合わず、アイーシャは精神安定剤を大量に飲んで死んでしまう。
ジェイクスは恋人が妊娠したため警察を辞め、彼女の実家のワイオミングの牧場で働くことに。モースはアメリカに旅立つジェイクスに別れを告げ、子どものために割増金付き貯蓄債権を送る。

1967年6月上旬。デンマークの留学生イングリッド・ヒョルトが夜間学校の帰りに姿を消してしまう。彼女は野生動物の保護活動をしているローレンツ博士の家で住み込みの子守をしていた。
サーズデイは1963年6月に起きた未解決事件サンドラ・ジョーダン事件を思い出す。サンドラの通勤路とイングリッドの通学路は重なっていた。今も昏睡状態が続くサンドラを見舞い、犯人検挙に強い思いを抱くサーズデイ。
やがて川に遊びにきていたリッキー・パーカーが行方不明となり、切断された遺体の一部が川岸で発見される。その近くの森では野鳥監察家のモクセム博士も行方不明となり、周辺の民家で羊や犬が襲われる事件も発生する。
リッキーの遺体の一部を検死したデブリンは、大型の肉食動物に襲われた可能性を示す。モースたちは“狩り”を行うため森の中で捜索を行い、ローレンツ博士の遺体を発見する。
森のそばにはモートメーン伯爵が妹たちと暮らす屋敷クレブクール・ホールがあった。伯爵はローレンツ博士の研究に資金提供し、人工授精で絶滅危惧種を繁殖させてクレブクールをサファリパークにする計画を立てていた。だが妹のジョージーナが飼っていたトラに襲われたため、動物たちを手放したと言う。
モースはローレンツ博士が死ぬ前に残した言葉が「マンイーター」ではなくエクアドル語で妹を指す「マニータ」だと気づく。ローレンツ博士に片想いをしていたジョージーナは、博士が自分を襲ったトラを研究材料にしていると知ってショックを受け、彼に自分と同じ恐怖を味わわせようとトラの分泌物をハンカチに染み込ませて襲わせようとしたのだった。
だがローレンツ博士の恋人だったイングリッドが博士からハンカチを借りたため、森でトラに襲われることに。4年前にサンドラをレイプしたのは公園管理人のホッジズで、イングリッドはホッジズの車に乗せられて森に連れて来られていた。
モースとサーズデイがジョージーナを連行しようとすると、トラが庭園の迷路に入り込む。モースは伯爵の妹ジュリアをかばってトラの前に立ちはだかる。モースに襲いかかるトラを銃で仕留めたのは、かつてインドでトラと戦った経験のあるブライト警視正だった。
ストレンジが退職したジェイクスの後任になり、同僚の出世に触発されたモースは昇任試験を受けるため書類を提出する。

1967年6月下旬。大物ギャングのハリー・ローズが亡くなる。その後、クリソルド社のセドリック・クリソルド社長がウェセックス銀行からの帰りに給与強盗に遭い殺害される。ウェセックス銀行にはサーズデイ警部補の娘ジョアンが勤務していた。
サーズデイはギャングたちによる跡継ぎ争いが始まったと危惧するが、モースはクリソルドの車から大量のポルノ映画フィルムが見つかったことや、所持していたノートが消えていることに疑念を抱く。
モースは大学時代の恩師ロリマーと再会。ロリマーから別居中の妻ニーナが付き合っている男の素性を調べてほしいと頼まれる。ニーナと不倫関係に陥っていたのはビンゴホールで働いているポール・ローマックだった。
トルーラブ巡査を連れてビンゴホールに潜入したモースは、ポールと親しげに話すジョアンを見かける。ポールは女たらしのペテン師だった。ジョアンに忠告するも、無視されてしまうモース。
ニーナは過去にクリソルドのポルノ映画に出演したことがあり、それを知ったロリマーがクリソルドを脅してフィルムを破棄させようとしたが、逆に購入者リストに載せると脅されたと話す。
モースはニーナとともにウェセックス銀行を訪ね、クリソルドが貸金庫に預けていたノートを見つけるが、ノートの内容は暗号で記されていた。そこへハリー・ローズの後釜を狙うコールたちギャングが銀行強盗に押し入り、モースとニーナ、銀行員のジョアンは人質となってしまう。
監禁された地下でノートの暗号を解くモース。ジョアンはポールに現金の到着日を聞かれたことを思い出し、ポールがギャングたちの仲間だったことを知る。
暴力的な捜査を行ったことで停職処分を受けていたサーズデイは、コールに電話をかけて説得を試みるが失敗。現場へ向かおうとしたとき激しく咳き込み、肺に残っていた銃弾の欠片を吐き出す。
コールはモースが警官で、ジョアンがサーズデイ警部補の娘だと知り、2人を連れて逃亡。ストレンジとサーズデイが追い詰めるが、ジョアンに銃を突き付け逃走ルートを確保しようとする。
モースはとっさに「弾切れだ」と嘘をつき、銃口を自分に向けさせる。サーズデイはコールの右腕を撃ち、息の根を止めようとするが、モースやブライトに説得されて思いとどまる。
クリソルド殺害を計画したのはロリマー夫妻だった。ロリマーはクリソルドに多額の借金があり、返済を迫られたため殺害を計画。ニーナの恋人ポールに給与強盗に見せかけて殺させたのだ。だが負債を書いたノートが見つからず、モースを利用してノートを手に入れようとしていた。
銀行員のロニーがギャングに撃たれて死んだことに責任を感じたジョアンは、両親に置き手紙を残して家を出て行く。ジョアンへの愛に気づいたモースは説得を試みるが叶わず、立ち去るジョアンを見送る。

感想(ネタバレ有)

Case10 表と裏のバラッド

Case9でモースとサーズデイが命を張って暴こうとしたブレナム・ヴェイルの事件は、 黒幕のディア次長が死んだのをいいことに「精神疾患」で片付けられ、 闇に葬られることに。しかも50年封印て。なんかもう…虚しい。

モースは容疑が晴れて釈放されたものの、心に負った傷は深く、警察への絶望感が拭えない。町を離れて湖畔のコテージに移り住み、上流階級の友人たちと遊びまくる。でもちっとも楽しそうじゃなくて、痛々しい。

そりゃそうよね。1か月も刑務所に入れられて、その間サーズデイ警部補の生死も知らされず、ずっと自分のせいだと責め続けて。

カウリー署のみんなはモースの汚名を濯ごうと頑張ってくれたみたいだけど、事件そのものはほとんど隠蔽に近い形で解決。警察組織に絶望するのも無理はないと思う。

プラス要素をあげるとしたら、今回の一件でブライト警視正がモースの実力に気づいてくれたらしいこと。それと、腐敗勢力が一掃されたことかなぁ。

ストレンジはついにモースを追い越して、巡査部長に昇進しましたね。でも2人の友人関係は変わらず。頼もしい味方のひとり。

今回の事件もいろいろ絡み合っていて複雑でした。

マジシャンの父親が、マジックのタネに双子を利用したことがそもそもの発端。観客には双子だと知られないように、双子のひとりコンラッドを「影」の存在にして抹殺したことです。

表に出られるのは、舞台での一瞬だけ。
これも虐待ですよね…。

コンラッドが殺人を犯してまでも手に入れたかった「光」の人生。長年虐げられてきた恨みや苦しみが積もった結果だと考えるとやりきれません。

表に出ていたのはチャーリーなのに、ショーでは「ジェーナス・グリール&コンラッド」と名乗っていて、ここにもエゴが。試した結果、観客には「コンラッド」という名前のほうがウケがよかったからと。本当に酷い父親。

「この世に本物のマジックはない。愛以外には。あとは嘘とごまかしだけ」というモースの最後のセリフも、切ない。

Case11 遠き理想郷

ジェイクスが去ってしまいました…。モースとは根本的に相容れない仲だったけれど、信頼関係は築けそうだっただけに残念。

前シーズンのCase9で少年時代の悲惨な経験が明らかになり、心配するところではありました。途中の時限爆弾のシーンには心底ヒヤヒヤさせられましたよ~。死亡フラグ回避できてよかったわ。

恋人が妊娠し、警察を辞めてアメリカに行くことを決めたジェイクス。彼女の実家のワイオミングの牧場で働くそうです。ひ弱そうだけど大丈夫かしら。

婚約者の名前は「ホープ」。なんだか泣ける。
ジェイクスの幸せを喜びながらも、モースは淋しそうでしたね。

今回の事件は当時の世界情勢が絡んでいて、聞き慣れない言葉もたくさん出てきました。マカンバの故郷「ローデシア」は、現在のジンバブエ。イギリスの植民地で白人支配が長く続き、アパルトヘイト政策がとられていました。

黒人の政権が誕生し「大きな石の家」を意味する「ジンバブエ」という国名に変わったのは1980年。最近のことなんですね。

「リチャードソンズ」でマネージャーをしていたマドックスは、クエーカー教徒。モースの母親もクエーカー教徒で、モース自身も子どもの頃はいやいや集会に参加させられていたと語っていました。

クエーカー(Quaker)はキリスト教プロテスタントの一派。絶対平和主義で、反戦運動・平和運動で知られています。

犯人は「リチャードソンズ」の経営者リチャードソンの娘ベリティ。マカンバとの子どもを両親に中絶させられ、その復讐のために今回の犯行を計画。画家のサイモンと“愛の家”のアイーシャは彼女の協力者でした。

アイーシャの最期も切なかったです。“愛の家”はギデオンにとっては理想郷、アイーシャにとっては地獄。支配する者と虐げられる者、いつの世も同じ。

マドックスのように誰も恨まず逆らわず、すべてを受け入れるという平和な生き方ができればいいけれど…。ローデシアの人々が白人支配からの解放を求めて戦い、多くの犠牲とともに自由を勝ち取ったのも事実。

争いのない世界は、非現実的な理想郷でしかないのでしょうか。

Case12 森の怪物

ジェイクスの後任には、ストレンジが選ばれました。同僚で友達だったストレンジが瞬く間に出世して上司になり、モースはちょっと複雑そう。

サーズデイ警部補は行方不明の留学生イングリッドの事件を捜査するうちに、4年前の未解決事件との共通点に気づきます。

被害者のサンドラは仕事帰りにレイプされ、首を絞められて昏睡状態に。4年たった今も目を覚ましていません。サンドラが娘のジョアンと同級生だったこともあって、ひとごととは思えなかったのでしょう…。

犯人のホッジズがのらりくらりと質問をかわすのを見て、怒りを抑えきれなくなったサーズデイ。いつも冷静な彼が珍しく激昂し、ホッジズを殴り飛ばしました。

サーズデイ警部補はずっと体調が悪そう。なんでもブレナム・ヴェイルで撃たれたときの銃弾が心臓近くに留まっていて、取り除けないらしい。心配です。

ブライト警視正はいきすぎた彼の行為を声高に叱責しますが、上には「転んで怪我をした」とウソの報告をすることに。規律にうるさいブライト警視正が自らルールを破るとは!

今回はブライト警視正が大活躍。戦前のインドで警官をしていたときにトラを退治したことがあったらしく、トラ狩りにも積極的。過去に仲間を死なせてしまったことを、今も忘れられずにいるようでした。

モースに遅いかかるトラを一発で仕留めたブライト警視正。「あっぱれだ…大したものだよ」というセリフは誰に対して言ったんでしょうね? 過去の自分と比べて、自分を褒めたようにも聞こえましたが。

殺人を実行した犯人はトラでしたが、仕向けたのはモートメーン伯爵の妹ジョージーナ。叶わない恋に苦しんだ末の凶行。

研究材料のトラを逃がしたのは世話係のゴギンズ。故意ではなかったようですが、逃げ出したトラがつぎつぎと人を襲って大惨事に。モースは計画的犯行と推理しましたが、半分外れましたね。

出世したストレンジに触発されたのか、モースは昇任試験を受けることに。今度こそ巡査部長になれるのでしょうか。

サーズデイ警部補の「おまえは警部の器だ。だが道は遠い。志願するなら手伝うぞ」という言葉がニクイですね~。オリジナルの「主任警部モース」ではしっかり警部になってます。

Case13 愛の終止符

はぁぁ~すごかった。見応えありましたね。

終盤は緊迫したやりとりが続いてハラハラしました。
Case10でチラッと登場したハリー・ローズの死がこんな大事になるとは。

ラストでジョアンへの愛に気づいたモースでしたが、気持ちを伝える間もなくジョアンは旅立ってしまいました。ポールに銀行の情報を渡してしまったこと、銀行員のロニーを死なせてしまったことで、自分を責めるジョアン。

大丈夫かなぁ。
心に傷を負ったときはひとりにならないほうがいいと思うんだけど…。

サーズデイは息子のサムも入隊して家を出てしまい、夫婦2人きりに。淋しくなりますね。でも肺に残っていた銃弾が吐き出せてよかった。これでもう体調は心配なし?

ブライト警視正に「前時代的だ」と、暴力的な捜査方法を咎められていたサーズデイ。これ1967年という設定なんですけど、日本だったら今でも通用しそうなセリフ。サーズデイみたいな刑事がいても全然違和感がない感じ。

Case9のブレナム・ヴェイル事件のときサーズデイがひそかに自宅から持ち出した銃、その後どうなったのか気になっていたのですが、ブライト警視正が「ひとつだけ宙に浮いた証拠」として持ってました。

その銃でギャングのコールを撃ち殺そうとしたサーズデイでしたが、ギリギリのところで踏みとどまりました。ルーサーなら間違いなく撃ってますけどね。

サーズデイからは「武闘派の部下が必要だ」と言われ、ストレンジからは「おまえは頭脳派だが俺は度胸で勝負している」と言われ、信頼している2人に否定されてしまう可哀想なモース。

たぶん頭のいいモースへのやっかみも含まれているのでしょうね~。

慕っていた恩師のロリマーにも利用され、「君は昔から女性に弱かったからね。悪く思うな」なんて言われる始末。今回はことごとく不憫なモースでした。

ところでシーズン1であれだけ匂わせていたモースの過去、未だに明らかになりませんねぇ。

今回、モースが父親の賭博の借金を返済しているらしいことや、継母に金を振り込んでいるらしいことが明らかになりましたが、前フリなのでしょうか。

次の第4シーズンも楽しみです。

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