刑事モースCase26あらすじ感想|サーズデイがボックスの仲間に!

「刑事モース~オックスフォード事件簿」シーズン6ネタバレ感想・登場人物(キャスト)

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「刑事モース~オックスフォード事件簿~」Case26のあらすじと感想です。

今回はのどかな村シグトン・グリーンが舞台。一見平和そうに見える村ですが、数か月前から住人たちの秘密を暴く手紙が届いていて、ついに連続殺人事件へと発展します。

手紙の送り主=犯人だと推理するモースに対し、「手紙はただのいたずら」と決めつけるボックス警部はさっさと捜査を打ち切ってしまいます(またか!)。

サーズデイ警部補は妻ウィンとの関係に悩み、ボックス警部と“ある秘密”を共有することに…。

Case26「甘い罠」のあらすじ

1969年9月。シグトン・グリーンという小さな村で、狐狩りをしていた製菓会社の社長グレヴィル・クレスウェルが銃殺される。モースは容疑者と思われるレネット・ベルの農場へ向かい、そこでベルの妻マンディ=ジェーン・ベルと、ベルの遺体を発見する。

ベルの家で「あなたの妻はクレスウェルと寝ている」という手紙とチョコ缶に入っているカードが見つかり、妻とクレスウェルの関係を知って激怒したベルが2人を殺して自殺したと思われた。

数か月前から、村には個人を中傷する匿名の手紙が送りつけられていたことが判明。手紙はすべてオックスフォードの消印で、クレスウェルズ製菓が発売するチョコ缶のカードが添えられていた。

モースは何者かが手紙を送ってベルに2人を殺害させたと考え、再び事件が起こることを懸念するが、ボックス警部は捜査終了を宣言。モースに別の事件の捜査を命じる。

ヘスコット・カレッジへ向かったモースは、発見された遺体がグレヴィル・クレスウェルの次男ルパートの婚約者サラのいとこで、シグトン・グリーンの村では嫌われ者だったルーファス・バーラだと知る。

モースは彼の部屋でシグトン・グリーンの消印がついた手紙とカードの燃えかすを見つけ、クレスウェルの事件と関連していると考えるが、ボックス警部は取り合わない。そんな中、モースは捜査中に知り合った獣医師の娘でシングルマザーのアイラに好意を抱くようになる。

グレヴィル・クレスウェルの長男マーレイがチョコレート工場で遺体となって発見される。凶器は獣医師が紛失した安楽死用の銃と思われたが、獣医師は犯行時刻に往診の依頼を受けて外出中だった。

チョコレート工場を調べていたモースは、人事部のミス・ニールが新聞の人生相談コラムを書いている謎の人物“ミス・リング”だと知る。殺されたマンディは彼女のコラムの熱心な読者で、キッチンには人生相談の切り抜きが貼ってあった。

人生相談の内容を読んだモースは、犯人が獣医師の娘アイラであることに気づく。彼女は息子ヘンリーの父親がマーレイ・クレスウェルだと察したマンディ=ジェーンに脅されていたのだった。

アイラはマンディ=ジェーンに報復するため、ほかの人たちへの中傷の手紙に紛れ込ませて彼女の夫レネット・ベル宛に手紙を送り、ベルに事件を起こさせたのだった。

ルーファスはアイラと同じく村に恨みを抱き、彼女から中傷の手紙を受け取ってオックスフォードから出していたが、自分の悪質ないたずらのせいで人が殺されたと知って自殺した。

マーレイを工場に呼び出して殺したのは、彼に真実を話すよう言われ、息子ヘンリーを奪われそうになったからだと怒りを露わにするアイラ。彼女はモースにも軽蔑するような視線を向ける。

サーズデイはボックス警部から出所不明の“ボーナス”を渡される。ボックスは降格されて給料が減ったことを指摘し、「利口になれ」と諭す。貯蓄を失ったことで妻ウィンとの関係がこじれてしまったサーズデイは、“ボーナス”を受け取ることに。

モースはブライト警視正に呼び出され、交通事故の現場へ向かう。身元不明の男がが乗っていた車の中には銃と金が入ったバッグがあり、運転席の下から見つかった使用済みの薬莢はファンシーを殺した銃と同じ口径だった。

署に戻ったモースはサーズデイに知らせようとするが、彼はボックスやジャンゴたちと酒を飲み談笑していた。モースはサーズデイに声を掛けずに立ち去る。

Case26の登場人物(キャスト)

グレヴィル・クレスウェル
クレスウェルズ製菓の社長。キツネ狩りの途中で行方不明になり、銃殺遺体で発見される。1832年に創業し、万国博覧会で“ハッピー・ファミリー・アソート・ボックス”を発表。おまけのカードが流行り、人気商品になった。

マーレイ・クレスウェル(ジャック・ホーキンス)
クレスウェル家の長男。家族で工場経営に携わっている。父の死で株価が暴落し、キッドバリーズに買収されることを懸念している。

ルパート・クレスウェル(ベン・ラム)
クレスウェル家の次男。工場で働いていたサラと婚約。

クレミー・クレスウェル(クラウディア・ジョリー)
マーレイの妻。

サラ・クランプ(ケイティー・ゴールドフィンチ)
ルパートの婚約者。クレスウェルズ製菓の工場で働いていた。両親はシグトン・グリーンで青果店を営んでいる。

シェパード(クリストファー・ボウエン)
シグトン・グリーンの住人。クレスウェル家に出入りしている獣医。

アイラ・フェアフォード(オリビア・チェネリー)
シグトン・グリーンの住人。シェパードの娘で、シングルマザー。一人息子ヘンリーを育てている。

ポッター巡査(オリヴァー・ファーンワース)
シグトン・グリーンの警察官。殺されたマンディと付き合っていたことがある。

ジュディス・ニール(ティリー・ブラックウッド)
クレスウェルズ製菓の人事部で働く女性。

レネット・ベル
シグトン・グリーンの住人。農場経営者。自宅の2階で遺体で発見される。

マンディ=ジェーン・ベル
ベルの妻。クレスウェルズ製菓の工場で働いていた。農場で銃殺され、遺体で発見される。

ルーファス・バーラ
サラのいとこ。神経質で成績優秀なオックスフォードの学生。以前はシグトン・グリーンによく足を運んでいた。

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Case26「甘い罠」の感想(ネタバレ有)

村人に届く中傷の手紙がきっかけで…

オープニングで描かれるのは、のどかな田舎の村シグトン・グリーンの日常風景。郵便配達人が青果店のレッティ・クランプ(サラの母)に手紙を届けています。

どこから見ても平和な風景にしか見えませんでしたが、手紙を受け取ったサラの母親は険しい表情。

1月にサラの祖母が亡くなったとき、「魚屋のミスター・キャラウェイが腐った魚を売った」という内容の手紙が届いていたことが後にわかります。

以来、村には週に一度の頻度で誰かを中傷する手紙が届くようになり、ついに殺人事件が起こります。村でチョコレート工場を営むグレヴィル・クレスウェルが銃殺されたのです。

シングルマザーに恋するモース

その後、農場主のレネット・ベルが妻マンディ=ジェーンとともに遺体で発見され、ベルが「あなたの妻はクレスウェルと寝ている」という手紙を受け取っていたことから、妻の浮気を知って激怒したベルが浮気相手のクレスウェルを殺し、さらに妻を撃って自死したと判断されました。

ボックス警部は単純明快な事件として「捜査終了」を言い渡しますが、モースは手紙の送り主がそうなるよう仕向けたのではないかと深読みし、捜査を続けます。

で、捜査をする中で、またもや事件の関係者に恋してしまうモース。今度のお相手は、シングルマザーで5歳の息子を持つアイラ。「今度はうまくいくかも」と友人のストレンジに話すも苦笑され、思わず言い返します。

「みんなにチャンスがあるのに、なぜ僕は違う?」
「おまえだから」
「そんなのごめんだ。だって大事なことだろ。家で待つ人がいるって」

「おまえだから」って即答するストレンジに笑ってしまったわ。わかるけど。

モースは騒がしい寮住まいから脱出すべくアパートを探していて、シグトン・グリーンでよさげな貸家を見つけて引っ越そうかな~なんて考えてます。アイラにもすぐ会えるし…ってとこでしょうかねぇ。

ボックス警部の誘惑

モースの恋はあっさりジャーゴにばれてしまい、サーズデイ警部補の耳にも入り、「参考人だぞ!」と叱責されます。

勤務外だと主張するモースに、「警官は警官なんだ、終始一貫して」とお説教するサーズデイ。でも「それでどうなりました?」とモースに反論され、閉口してしまいます。

サーズデイは妻ウィンとの関係を取り戻そうと、旅行に誘ったり、クレスウェルズ製菓のチョコレート缶を買って昔の思い出話を語ったりするのですが、ウィンの心は固く閉ざされたまま。

体を張って長年仕事に打ち込んできたのに、肩書きもお金も家族も失ってしまったサーズデイ。そんな彼に、ボックス警部が出所不明のお金を“ボーナス”と称して差し出します。

「やましいものじゃない」と言ってたけど、どう見ても怪しいでしょ!

ボックスはサーズデイに父親の影を重ねていて、降格されて給料が減ったサーズデイに「利口になれ」と言います。

「親父は30年近く制服警官だった。年金まであと2か月ってとこで金庫破りを追って天窓を突き抜け10m下に落ちて背骨を折った。見返りに得たものは時計と鎖だった。時計は2週間後に壊れ、半年後親父は死んだ。親父の墓に誓ったよ。この仕事に命を懸けるなら、ショボい時計と鎖以上のものを手に入れる。あんたもそれにふさわしい」

なんだかな~もう。絶妙なとこ突いてきますよねー。こんな話持ち出されたら、ボックス警部のことを嫌いになれないじゃないかっ。

結局サーズデイは怪しい金を受け取り、ボックスやジャーゴたち(ジャーゴもボックスから金をもらっている)の仲間に入ってしまいます。

犯人はやっぱり…!?

モースが恋をした時点で犯人は薄々わかっていましたが、やっぱりアイラでしたね。

彼女の目的は、マンディ=ジェーンへの報復。マンディは新聞の人生相談コラムの愛読者で、アイラが“アッパーペンベリーの憂い人”という名で相談した記事を読んで、相談者がアイラであることや、アイラの息子の父親がマーレイ・クレスウェルだと気づき、マーレイを強請っていました。

それで、アイラは彼女を陥れるために中傷の手紙を夫のレネット・ベルに送りつけ、事件を誘発したのです。ほかの村人たちに送っていた手紙(おそらくほぼデタラメ)は、目的を隠すためのカムフラージュだったようです。

事件の真相が発覚しても、アイラは反省の色を見せるどころか開き直り、「撃ったのは私じゃない」「彼女のしたことは最低。他人のことに首をつっこんで。あなたも同じよ」とモースを非難しました。

ちなみに彼女の協力者だったルーファス・バーラについてモースが聞き込みを行った相手は、「ラグビー仲間のローズ奨学生クリントン」。のちに第42代アメリカ合衆国大統領となる、あのビル・クリントンのことらしいです。

実際に、彼は1969年当時、ローズ奨学生としてオックスフォード大学に留学しています。

ブライト警視正とストレンジは…

ブライト警視正は、妻が肺がんと診断されてドクター・デブリンに相談。セカンドオピニオンを受けるため優秀な医師を紹介して欲しいと頼みます。

デブリンは「イングランドならサー・ジュリアン・フィッツァランが一番の名医です」と答えますが、彼こそが妻の主治医でした。

名医でも間違えることはあると意見したうえで、「おふたりの時間を大切にしてください」と告げるデブリン。

ストレンジは頻発するキニーネ入りヘロインの過剰摂取で死亡する事件がファンシーを殺害した犯人に繋がると考えているようですが、捜査は進展せず。

「ボックス主導の捜査が行き詰まるのは理由があるからだ」と主張し、俺たちでやるしかないとモースをけしかけますが、モースはその気になれません。

しかし、ブライト警視正に呼ばれて交通事故の現場へ行き、車の中に落ちていた使用済みの薬莢がファンシーを殺した銃と同じ口径だと知ります。

すぐさまサーズデイに知らせようとしますが、その頃サーズデイは“秘密”を共有する仲間となったボックスやジャーゴと楽しそうに酒を飲んでいて…。ひとり、雨の中を立ち去るモースの背中がなんとも淋しい。

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