刑事モース~オックスフォード事件簿~Case27|カウリー署の仲間たちが窮地に陥る

「刑事モース~オックスフォード事件簿」シーズン6ネタバレ感想・登場人物(キャスト)

「刑事モース~オックスフォード事件簿~」Case27のあらすじと感想です。

シーズン6の最終話です。いや~盛りだくさんでした。「えっ、まだあるの? ここからまだあるの?」という感じで…終盤は怒濤のどんでん返し。爽快。

情報が多すぎてこんがらがっている部分もあるので、整理しつつ、ストーリーの流れを見ていきたいと思います。

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Case27「新世界の崩落」のあらすじ

1969年10月。オックスフォードのボドリアン図書館で、館長のオズバート・ペイジが閉館直後に刺殺される。閉館まで閲覧室にいたのは数学教授のニコルソン博士と地質学者のバロウズ教授だった。

モースが捜査を進めるうち、ニコルソン博士の周りで“いたずら”が頻発していることが判明。バロウズ教授はティーガーデン家からの遺贈品に関することでペイジ館長と激しく言い争っていたことがわかる。

図書館の階段には泥の付いた靴跡が残っており、ペイジの自宅は何者かによって荒らされていた。モースはペイジがガウアー半島の地図に書き込んだ「H・B」というイニシャルに注目する。

そんな中、1年前に建設された高層住宅クランマー・ハウスが崩落するという事故が起こる。モースたちは入居者の救助にあたるも、多数の被害者が出る。壁のひび割れなど崩落の兆候はあったが、住宅計画局のバーキット議員は「爆発による事故」と説明する。

クランマー・ハウスの基礎部分から、コンクリート詰めにされた身元不明の遺体が見つかる。遺体はファンシーを撃ったのと同じ銃で撃たれており、「H・B」のイニシャルがついたキーを所持していた。

モースは遺体がホリス・ビンクスという市の調査士で、バロウズ教授やペイジ館長の知り合いだったことを突き止める。バロウズ教授によると、ビンクスは1年前にウィックルシャムのフォー・ウィンズ骨材について尋ねてきたという。

モースはフォー・ウィンズ骨材を扱うウィックルシャム採掘場のジョージ・マギフィンに話を聞こうとするが、マギフィンはモースを脅して追い返す。

バロウズ教授は戦争前、ティーガーデン家の親戚でユダヤ人のデボラ・バウムガルテンと恋に落ちていた。だが彼女とその家族は逃亡の手引きをするはずだったニコルソンに裏切られ、ミッテルバウ=ドーラ強制収容所で亡くなっていた。

バロウズ教授はティーガーデン家の遺贈品の中にあった手紙でその事実を知り、ニコルソン博士に報いを受けさせようと嫌がらせを繰り返していたことを告白。だがペイジ館長殺害については無関係だと主張する。

ファンシーを撃った銃について調べていたストレンジは、1964年の銃器報告書の中に同じ銃を見つける。銃を使用していたのはボックスだった。ストレンジはフリーメイソンのワーシップフル・マスターであるマギフィンに、モースの捜査をやめさせるよう指示される。

ブライト警視正は、バーキット議員と繋がるボトムス警視長からモースの捜査を止めるよう命じられ、断ると命を狙われる。サーズデイは金を返してボックスとの関係を断ち切ろうとするが、彼の背後にいるバーキット議員とマギフィンに脅される。

モースはクランマー・ハウスを建てたマギフィン建築が、フォー・ウィンズ骨材で作る高品質な砂入りのコンクリートの代わりにガウアー半島の海砂を混ぜ、差額を着服したと推測。塩分によって鉄筋が腐食し、建物の崩落に至ったと考える。

ビンクスはマギフィンとバーキット議員の不正に気づき、口封じのために殺されたのだと説明するが、サーズデイは「ブレナム・ベイルの二の舞になる。捜査はやめろ」と命じる。

モースのもとに、図書館に残された靴跡の泥がウィックルシャムの泥の成分と一致したという知らせがドクター・デブリンから入る。その直後、デブリンは何者かに拉致されて失踪する。

モースがウィックルシャム採掘場へ行くと、ジャーゴとマギフィンが待っていた。ジャーゴはモースを撃とうとするが、サーズデイとブライト、ストレンジが現れて加勢する。

ジャーゴはエディ・ネロのヘロインを盗み、彼の商売を引き継いでいた。モースたちを殺して罪を着せようとするジャーゴ。そこへブライトが呼んだ交通部の警官たちが駆けつける。ジャーゴはボックスに撃たれて死亡し、ボックスも被弾する。

ペイジ館長とビンクスはウォーキング仲間だった。ペイジは警察にもバーキット議員の息がかかっていることを恐れ、警察に知らせずにビンクスを探していたが、それを知ったマギフィンの手下に殺されたのだった。

ボトムス警視長は早期退職となり、ブライトがキャッスルゲート署全体の指揮を執ることが決まる。ブライトは巡査部長にストレンジを指名し、警部の代行をサーズデイに頼む。

モースは寮を出て、麻薬常習者たちが住んでいた家を買い、引っ越す。

Case27の登場人物(キャスト)

オズバート・ペイジ(マイケル・ジェン)
オックスフォードのボドリアン図書館の館長。閉館直後に何者かに殺害され、遺体で発見される。自宅には「H・B」と書き込んだガウアー半島の地図があった。

ルーシー・パルー(Precious Mustapha)
司書見習い。ペイジ館長の遺体の第一発見者。モースの捜査に協力する。

バロウズ教授(ポール・ジェッソン)
ガースタング・カレッジの教師。地質学者。趣味は切手の収集と研究。閉館間際まで図書館にいたことで、ペイジ殺害の容疑者となる。ティーガーデン家からの遺贈品リストに関してペイジと口論になっていた。

ニコルソン博士(エイダン・マクアードル)
ガースタング・カレッジの教師。数学者。ペイジが殺害された日、閉館間際まで図書館にいた。申請が必要な「ファイ・コレクション」の図書を頻繁に閲覧し、ペイジの怒りを買っていた。

ジェンキンス(Ian Saynor)
大学の守衛。モースの捜査に協力する。ヘブライ語で書かれた謎のメモや泥人形がニコルソン博士のもとに届く“いたずら”が頻発していると教える。

デボラ・ティーガーデン(Laura Donoughue)
ドイツ系英国人。本来の名字はバウムガルテン。“デボラ”は亡くなった祖父の弟エミールの娘の名。祖父の遺産をガースタング・カレッジに遺贈する。ヘブライ語で書かれた文字の意味をモースに教える。

エミール・バウムガルテン
物理学者。ユダヤ人で、デボラ・ティーガーデンの祖父の弟。戦前ベルリンで重元素の研究をしていたが、人種差別法が可決され、戦争中にミッテルバウ=ドーラ強制収容所で妻と娘デボラとともに亡くなった。

クライヴ・バーキット議員(アレクサンダー・ハンソン)
住宅計画局のトップ。オックスフォードのマーターズ・フィールド開発事業を推し進め、1年前に最先端の高層住宅クランマー・ハウスを完成させた立役者。

ジョージ・マギフィン(イアン・バーフィールド)
クランマー・ハウスを建てた〈マギフィン建築〉の代表者。ウィックルシャム採掘場で採れる“フォー・ウィンズ骨材”という高品質な砂入りのコンクリートを扱っている。フリーメイソンのワーシップフル・マスター(支部代表者)でもある。

ホリス・ビンクス
市の調査士。バロウズ教授やペイジ館長と面識があった。“フォー・ウィンズ骨材”について調べていたが1年前に失踪し、クランマー・ハウスの地下で遺体で見つかる。

オリーヴ・レイノルズ(Faith Omole)
クランマー・ハウスの最初の入居者。娘のサンドラとともに入居し、念願のマイホーム生活を始めるが…。

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Case27「新世界の崩落」の感想(ネタバレ有)

カウリー署の仲間たちが窮地に陥る

カウリー署の閉鎖後、バラバラになってしまった元カウリー署の仲間たち。最終話では、さらに厳しい状況に追い込まれてしまいます。サーズデイ、ブライト、ストレンジの状況を順番に見ていきましょう。

怪しい金を受け取ったサーズデイ警部補は…

前回、ボックス警部にそそのかされて出所不明の怪しい金を受け取ってしまったサーズデイ警部補。「失った蓄えを全額取り戻したぞ!」と妻ウィンに伝えるも、「どこから来たお金?(ꐦ°д°) 」とソッコーで突っ込まれます。

そんなお金欲しくない、とにべもなく言われ、さらに弁護士と付き合っているという爆弾発言まで! 2人はついに離婚という話になってしまいます。

モースに「あなたには正しいほうでいてほしい」と言われたサーズデイは、ボックスに金を返して異動願を出し、関係を断とうとしますが、そう簡単にはいきませんでした。

ボックスを背後で操っていたのは、バーキット議員とマギフィン。2人はサーズデイの弟チャーリーが信用詐欺で警察に追われている(Case23参照)ことをネタに、モースの捜査を止めろと脅します。

モースか自分か、どちらかが彼らに命を奪われることになる…と苦悩するサーズデイ。

妻の病気を治したいブライト警視正は…

妻が肺がん闘病中のブライト警視正は、上司のボトムス警視長に呼び出されます。そこにはなぜか、バーキット議員の姿が。

「地元政府の関連部署に悪い影響を与える」という理由で、モースの捜査をやめさせろというボトムス。バーキット議員は、アメリカの新しいガン治療法の治験に参加できるよう、友人として口利きすると言いますが…。

「私たちは友人じゃありません。幸い、今後友人になることもないでしょう」

一瞬も迷わず断言するブライト警視正、カッコよすぎ。けれど、そのために命を狙われることに。

ボトムス警視長に呼び出されて外出したブライト警視正は、真っ昼間の町の中でマギフィンの手下2人に追い詰められます。万事休す。ところがそこで、とんでもない救世主が現れるのです!

それは、彼がペリカンと共演したCMを見ていた子供たち。「サインして、ペリカン・マン!」と無邪気にサインをねだる子供たちのおかげで、暗殺者は退散。ブライト警視正は危機を脱するのです。

署内で馬鹿にされる原因となっていたCMが、まさかここで彼の命を救ってくれるとは…! 胸熱!!

フリーメイソン会員のストレンジは…

同僚ファンシーを殺した犯人を追うストレンジは、1964年の銃器報告書を調べ、ファンシーを撃った銃を使っていたのがボックス警部であることを突き止めます。

サーズデイがボックスに取り込まれていると考えたストレンジは、モースにだけそのことを伝え、確実に起訴に持ち込むため慎重に行動しようとします。

ところが、そこへマギフィンから呼び出しが。なぜマギフィンとストレンジが繋がってんの? と不思議に思っていたら、ストレンジは彼のことを「ワーシップフル・マスター」と呼んでいました。

「ワーシップフル・マスター」は、秘密結社フリーメイソンの支部(ロッジ)を仕切る代表者の呼び名。そうだった! ストレンジはフリーメイソンの会員だった!(Case6参照) すっかり忘れてた~。

マギフィンは「ある者がこの支部の功績と評判を危うくしている」と言い、モースの捜査をやめさせろとストレンジに命じます。

まさかこんな方向から締め付けてくるとは…。にしても、モース包囲網がすごい。どんだけ恐れられてるの。

巻き込まれたドクター・デブリンは…

クランマー・ハウスの地下で見つかったホリス・ビンクスの遺体がファンシーを撃ったのと同じ銃で撃たれていたことや、ペイジ館長の殺害現場に残されていた靴跡の泥がウィックルシャム採掘場の泥の成分と一致することを突き止めたドクター・デブリン。

モースと電話中にマギフィンたちに拉致され、拘束されてしまいます。ドクターを助けるため、たったひとりで敵地に乗り込むモース。そこにはジャーゴとマギフィン、そしてブライトを暗殺しようとしたマギフィンの手下2人が。

なんと、裏で暗躍していたのはボックスではなくジャーゴだった!

相手は4人、もはや…と思ったところへ、サーズデイとブライト、ストレンジが駆けつけます。なんちゅう熱い展開! まるで西部劇!

殺人事件の真相

ここからは事件の真相について見ていきます。今回のメインとなったペイジ館長の殺害事件を合わせて、最終的には5つの事件が解決しました。

  1. ペイジ館長殺害事件
  2. ホリス・ビンクス殺害事件
  3. ジョージ・ファンシー殺害事件
  4. キニーネ入りヘロインの過剰摂取による死亡多発事件
  5. ニコルソン博士に対するいたずら

①ペイジ館長殺害事件

ボドリアン図書館で殺されたペイジ館長は、失踪したホリス・ビンクスとはウォーキング仲間でした。自宅にあったガウアー半島の地図に書かれていた「H・B」は彼のことで、ひそかに探していたんですね。

警察に届け出なかったのは、彼の失踪にバーキット議員が絡んでいると気づいていたから。しかし、その動きが彼らにとっては目障りだったのでしょう。マギフィンの手下に殺されてしまいました。

図書館にいたバロウズ教授やニコルソン博士は、事件とは無関係でした。

②ホリス・ビンクス殺害事件

クランマー・ハウスの地下に埋められ、崩落事故で遺体が発見されたホリス・ビンクス。市の調査士だった彼は、クランマー・ハウスを建てたマギフィン建設の不正に気づき、殺されました。

ガウアー半島にはマギフィンの会社があり、マギフィンはクランマー・ハウス建設の際に半島の海砂を混ぜた粗悪なコンクリートを使用して、差額分を着服していたのです(バーキット議員も関与していると思われる)。

ビンクスを撃った銃はファンシーを撃った銃と同じであることが判明しているので、おそらくマギフィンの指示でジャーゴが殺したのでしょう。

③ジョージ・ファンシー殺害事件

ファンシーを撃った銃は、ボックス警部が1964年に使用した銃と同じでした。しかし、ジャーゴが「以前はな。でもあいつには根性がない」と語っているので、ファンシーを撃ったのはジャーゴのようです。

④キニーネ入りヘロインの過剰摂取による死亡多発事件

エディ・ネロの死後も薬物の流通が止まらなかったのは、ジャーゴが彼の商売を引き継いでいたから。キニーネ入りヘロインを売りさばき、みかじめ料(場所代)を徴収し、そのお金を署内の仲間たちに配って抱き込んでいました。

④ニコルソン博士に対するいたずら

いたずらの犯人は、バロウズ教授でした。彼は戦前ドイツへ行き、ユダヤ人の物理学者エミール・バウムガルテンの娘デボラと恋に落ちていました。

戦争中、ナチスに追われるバウムガルテン一家はイギリスに逃亡しようとしていましたが、手引きをするはずだった教え子のニコルソンに裏切られ、ミッテルバウ=ドーラ強制収容所で一家全員が亡くなったのです。

エミールが残した手紙には、ニコルソンが裏切ったのは研究ノートを奪うためだと書かれていて、真実を知った(遺贈品の中にあった手紙を読んだ)バロウズ教授は、報復のためにニコルソンを追い詰めていたのです。

実際には、ニコルソン博士は裏切っておらず、彼なりに力を尽くしたけれど助けられなかった、というのが真相です。研究ノートを奪ったのは野心からではなく、心を病んだエミールの名誉を守るためでした(研究には欠陥があった)。

バロウズ教授がニコルセン博士に送ったメモには、ヘブライ語で「エメット(真理)」と「マヴェット(死)」という文字が書き込まれていました。ヘブライ語は、ユダヤ人社会で使われるイスラエルの公用語です。

黒板に書かれていた「DORA(ドーラ)」は、ミッテルバウ=ドーラ強制収容所のこと。第二次世界大戦末期に、ナチスドイツが世界初の大型ミサイルV2ロケットやV1飛行爆弾を製造していた地下工場があった場所。のべ6万人の囚人が拘束されて劣悪な環境で労働を強いられ、うち2万人以上が死亡しました。

実際にあった高層住宅の崩落事故

マギフィンの不正により粗悪なコンクリートが使用された結果、“天空の家”クランマー・ハウスは鉄筋が腐食して全体の構造が弱まり、崩落に至りました。

実は、1968年にロンドン東部にあった高層マンションが部分崩落するという事故が実際に起こっています。崩落した写真を見ると、ドラマに出てくるクランマー・ハウスにそっくりです。

24階建ての“ローナン・ポイント”は1966年に着工し、1968年3月11日に竣工。その年の5月16日に18階の部屋でガス爆発が起き、一瞬のうちに建物の一部が崩壊しました。

直接の原因はガス爆発ですが、連鎖的に崩壊したのは 「プレハブ工法」による新しい建築方法が原因だったそうです(根本的ミスがあった)。

以降、イギリスにおいて高層住宅は“生活に好ましくない場所”として不人気に拍車をかけることとなりました。

再び結集するカウリー署の仲間たち

事件解決後、ボトムス警視長は早期退職となり、ブライト警視正がキャッスルゲート署全体の指揮を執ることが決定します。

サーズデイ警部補の異動願は見送られ、ボックス警部の代行を務めることに。ストレンジも巡査部長として合流するようだし、モースは薄暗い資料室から警部室の補佐のデスクへ移ることになりそう。

サーズデイとウィンの夫婦関係はなんとか持ちこたえた…? モースの心遣いで、心配するウィンのもとへ早々に帰っていくサーズデイ。

寮暮らしにうんざりしてアパートを探していたモースは、ついに家を購入。なんと、冒頭に出てきた麻薬常習者の遺体が見つかった家ですよ!(|||O⌓O;) 事故物件だから安かったのかしら?

そしてこの家、なんとなく見覚えがあるような…と思ったら、本家ドラマ「主任警部モース」で老モースが独り暮らしを満喫している家のようです。

やっとカウリー署の仲間たちが再結集しましたね~^^ 今シーズンはストレスが溜まる展開でしたが、最後の最後に気持ちのいい大団円で締めくくってくれました。次のシーズンからは、また以前のように彼らの活躍を見ることができるのかな? 楽しみです。

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