「アンという名の少女」シーズン2徹底解説!全話あらすじ感想・原作比較・キャスト・時代背景・予告動画

アンという名の少女【シーズン2】

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Netflixの海外ドラマ「アンという名の少女」シーズン2についてまとめました。

シーズン1よりもオリジナル要素が増え、原作からはますます遠ざかって「赤毛のアンだけど赤毛のアンじゃない」物語になっています。

ここまでくると、もはや別の世界(パラレルワールド)なので、逆に原作を切り離して楽しむことができました。内容も悪意の演出が控えめになり、希望に繋がるシーンが多く見られました。

原作には登場しないクラスメイトのコール、黒人青年のバッシュ、後半に登場するステイシー先生が魅力的。

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作品概要

  • 製作国:カナダ(2018年)
  • 原題:Anne with an “E”
  • 原作:L・M・モンゴメリ『赤毛のアン』
  • 脚本:モイラ・ウォリー=ベケット
  • 監督:ポール・フォックスほか

予告動画

原作者L・M・モンゴメリについて

このドラマの原作は、ルーシー・モード・モンゴメリの小説『赤毛のアン』です。

作品の舞台にもなっているカナダのプリンス・エドワード島在住のモンゴメリが33歳の時(1908年)に出版し、100年以上たった今も高い人気を誇る不朽の名作。原題は「Anne of Green Gables」。

その後、出版社と読者の求めに応じて『赤毛のアン』の続編となる『アンの青春』『アンの愛情』などを次々と発表。世界中で愛される連作シリーズとなりました。

時代背景

年代出来事
1763年北アメリカがイギリス領となる
1776年アメリカ独立宣言
1861~1865年南北戦争
1867年自治領カナダ(カナダ連邦)成立
1873年プリンス・エドワード島がカナダ連邦に加盟
1874年L.M.モンゴメリ誕生
1878年スワンが白熱電球を発明
1892年ディーゼルがディーゼルエンジンを発明
1908年『赤毛のアン』出版
1909年『アンの青春』出版
1912年タイタニック号沈没事故
1914~1918年第一次世界大戦

アンとの共通点

『赤毛のアン』は自伝小説ではありませんが、主人公アンと作者のモンゴメリには、共通する点がたくさんあります。

モンゴメリは、プリンス・エドワード島がカナダ連邦に加わった翌年の1874年に生まれました。母親は彼女が2歳になる前に病死したため、彼女は昔気質で厳格な祖父母(母親の両親)に預けられました。

『赤毛のアン』の主人公アンもまた、物心つく前に両親を亡くして孤児となり、やがて祖父母の年齢に近いマシューとマリラに引き取られます。

幼い頃から文学作品に親しみ、十代から小説やエッセイや詩を創作し、教師になる夢を抱いて勉学に励んだところも、アンと重なります。

アンと同じようにお気に入りの場所に名前を付け、ガラス扉に映った自分を友達だと想像して話しかけ、親友アマンダと〈物語クラブ〉を結成して物語の創作を楽しみました。

古い家柄

モンゴメリが生まれた場所は、プリンス・エドワード島のキャベンディッシュ(アヴォンリーのモデル)から10キロほど離れた大西洋岸の村クリフトン(現在の地名はニューロンドン)です。

その後、キャベンディッシュで農場を営む母方の祖父母に引き取られました。

モンゴメリの祖先はスコットランドからの移民で、1770年代に入植してプリンス・エドワード島北部を開拓した、島の中ではもっとも古い家柄です。

父方の祖父は島の上院議員で初代カナダ首相のジョン・A・マクドナルドとも親交があり、母方の曽祖父は島の下院議長でした。父方・母方ともに島の政治、教育、経済に関わってきた名家です。

物語の中でアンが引き取られるカスバート家のモデルとなった〈グリーン・ゲイブルズ〉は、モンゴメリの親戚が住むキャベンディッシュの農場でした(現在は国立公園)。

結婚と作家活動

教師として働きながら、詩やエッセイなどの投稿で職業ライターとしても活動していたモンゴメリですが、1898年に祖父が亡くなり、祖母の世話をするため再びキャベンディッシュに戻ります。

『赤毛のアンが』が出版される2年前の1906年、長老派教会牧師のユーアン・マクドナルドと婚約。祖母が亡くなった直後の1911年7月11日に36歳で結婚しました。

執筆当時ユーアンと婚約中だったモンゴメリは、キリスト教の根本原理である「隣人愛」を主題として『赤毛のアン』を書きました。作中には聖書の引用が多数見られるほか、マリラ(マリア)、マシュー(マタイ)、アン(アンナ)など、登場人物の名前は聖書にゆかりのある名前となっています。

『赤毛のアン』が大ヒットしたことで、出版社の求めに応じて次々と続編を発表。続編執筆には当初から前向きではなく、その後も読者の期待に応えてアンを書き続けなければならないことに、人知れず苦悩していたようです。

登場人物(キャスト)

シーズン1のネタバレを含みます

カスバート家

アン・シャーリー・カスバート(エイミーベス・マクナルティ)

アン・シャーリー・カスバート(エイミーベス・マクナルティ)
カスバート家に引き取られた孤児。おしゃべりで空想好き。生後3か月で両親を亡くし、その後はトーマス家、ハモンド家の子守として劣悪な環境で働かされ、孤児院ではいじめを受けていた。赤毛とそばかすを気にしている。

マリラ・カスバート(ジェラルディン・ジェームズ)

マリラ・カスバート(ジェラルディン・ジェームズ)
アンの養母。堅実で禁欲的な暮らしを好む。愛情表現が苦手で、内心ではアンを思いやりつつも厳しく接する。シーズン1で経済的危機に陥り、グリーン・ゲイブルズを守るために下宿人を募集した。

マシュー・カスバート(R・H・トムソン)

マシュー・カスバート(R・H・トムソン)
マリラの兄。グリーン・ゲーブルズに住む農夫。内向的で女性が苦手。アンを溺愛し、マリラからは「甘やかしすぎ」と怒られることも。シーズン1で心臓発作を起こして倒れるも、一命を取り留めた。

ジェリー・ベイナード(エイメリック・ジェット・モンタズ)

ジェリー・ベイナード(エイメリック・ジェット・モンタズ)
カスバート家の下働きのフランス人少年。学校へは行かず、家計を助けるために働いている。シーズン1でアンと一緒にシャーロットタウンへ行き、馬を売ったお金を強盗に奪われてしまう。

バリー家

ダイアナ・バリー(ダリア・ベラ)

ダイアナ・バリー(ダリア・ベラ)
アンの親友。グリーン・ゲイブルズのそばに住むバリー家の長女。裕福で礼儀に厳しい家柄だが、アンとは初対面で意気投合し“親友の誓い”で結ばれる。

エリザ・バリー(ヘレン・ジョンズ)

エリザ・バリー(ヘレン・ジョンズ)
ダイアナの母。行儀作法に厳しく、自由奔放なアンが娘に悪影響を与えるのではと心配している。金鉱騒動で夫との間に軋轢が生じる。

ウィリアム・バリー(ジョナサン・ホームズ)

ウィリアム・バリー(ジョナサン・ホームズ)
ダイアナの父。貿易関係の仕事をしている。ネイトから「金が出る」という話を聞き、アヴォンリーの住民に土地の検査料を立て替えることを申し出るが…。

ミニー・メイ・バリー(ライアン・キエラ・アームストロング)

ミニー・メイ・バリー(ライアン・キエラ・アームストロング)
ダイアナの妹。シーズン1で喉頭炎にかかり、アンに救われた。

ジョセフィン・バリー(デボラ・グローバー)

ジョセフィン・バリー(デボラ・グローバー)
ダイアナのおば。シャーロットタウンの豪邸に住む大金持ち。同性のパートナーを失い、悲しみに暮れている。聡明で個性的なアンを気に入り、友人になる。

アンの学友たち

ギルバート・ブライス(ルーカス・ジェイド・ズマン)

ギルバート・ブライス(ルーカス・ジェイド・ズマン)
アンと同じ学校に通っていたハンサムな男の子。成績優秀で優しく、女の子に人気がある。シーズン1で父親を亡くし、天涯孤独の身に。広い世界を見るため、アヴォンリーを出て船で働くことを決める。

コール・マッケンジー(コーリー・グルーター・アンドリュー)

コール・マッケンジー(コーリー・グルーター・アンドリュー)
アンと同じ学校に通う繊細な男の子。絵を描くのが好きで、人から注目されることを嫌う。ビリーのいじめの標的となり、フィリップス先生からも敵視される。

ルビー・ギリス(カイラ・マシューズ)

ルビー・ギリス(カイラ・マシューズ)
アンと同じ学校に通う女の子。ギルバートに片想い中。シーズン1で家が火事になり、グリーン・ゲイブルズに預けられたことからアンと仲良しに。アン、ダイアナとともに結成した〈アヴォンリー物語クラブ〉の一員。

ジョーシー・パイ(ミランダ・マッキーオン)

ジョーシー・パイ(ミランダ・マッキーオン)
アンと同じ学校に通う意地悪な女の子。初対面のときから“孤児”という理由でアンを嫌う。何かとアンを見下す発言をする。

プリシー・アンドリュース(エラ・ジョナス・ファーリンガー)

プリシー・アンドリュース(エラ・ジョナス・ファーリンガー)
アンと同じ学校に通う年上の女の子。クィーン学院を受けるため、フィリップス先生に特別扱いされている。

ビリー・アンドリュース(クリスチャン・マーティン)

ビリー・アンドリュース(クリスチャン・マーティン)
アンと同じ学校に通う男の子。プリシーの弟。“孤児”という理由でアンを嫌い、差別的な態度を取る。シーズン2ではコールをいじめて楽しんでいる。

ジェーン・アンドリュース(Lia Pappas-Kemps)

ジェーン・アンドリュース(Lia Pappas-Kemps)
アンと同じ学校に通う女の子。プリシーとビリーの妹。アンと仲良くなる。

そのほかの人々

レイチェル・リンド(コリーン・コスロ)

レイチェル・リンド(コリーン・コスロ)
カスバート家の隣人で、マリラの親友。人の噂に目がなく、アヴォンリーで起きたあらゆる出来事を把握している。10人の子どもを産み育てた経験があり、アンに関しても何かとマリラに意見する。

セバスチャン・ラクロア(ダルマー・アブゼイド)

セバスチャン・ラクロア(ダルマー・アブゼイド)
ギルバートが船で知り合ったトリニダード出身の黒人青年。通称“バッシュ”。母親は今も故郷で白人に仕えている。ギルバートとともにアヴォンリーにやってくるが、町の人々から差別を受ける。

ナサニエル・ネイト(Taras Lavren)

ナサニエル・ネイト(Taras Lavren)
グリーン・ゲイブルズの下宿人。シーズン1の最終話でジェリーを襲って馬の代金を奪った強盗だが、地質学者を装っている。金鉱を発見したと偽ってダイアナの父ウィリアムを詐欺にかける。

ダンロップ(Shane Carty)

ダンロップ(Shane Carty)
グリーン・ゲイブルズの下宿人。ネイトの詐欺仲間。料理好きで明るい性格。アンと意気投合する。島での生活を気に入り、ネイトと縁を切ってアヴォンリーで暮らしたいと考えるようになる。

ジェニー(ブレンダ・バジネット)

ジェニー(ブレンダ・バジネット)
カーモディの高級婦人服店の店主。マシューの元クラスメイトで、未亡人。シーズン1でマシューに頼まれてアンのパフスリーブの服を仕立てた。

メアリー・ジョスリン(ニッキー・ローレンス)

メアリー(カーラ・リケッツ)
シャーロットタウンのボグ地区で暮らす黒人女性。洗濯屋で働いている。ボグ地区を訪れたバッシュと出会い、親しくなる。

アンドリュース夫人(ジャネット・ポーター)

アンドリュース夫人(ジャネット・ポーター)
プリシー、ビリー、ジェーンの母。〈進歩的な母親の会〉の中心的存在。

ミュリエル・ステイシー(ジョアンナ・ダグラス)

ミュリエル・ステイシー(ジョアンナ・ダグラス)
新任の女性教師。コルセットを着用せず、ズボンをはいて原動機付き自転車に乗る奔放で進歩的な女性。〈進歩的な母親の会〉から問題視される。

各話のあらすじと感想(原作ネタバレ有)

各話のあらすじと感想、原作との違いを詳しく解説しています(ネタバレ有)。