中国ドラマ「長安二十四時」第43話・第44話のあらすじと感想です。
前回までの灯楼&花萼楼の攻防はひとまず収束し、小敬たちは再び町の中へ。林九郎の謀略で太子が窮地に追い込まれたり、皇帝が逃亡して行方不明になったりと、ややこしい展開に。
徐賓は何者なんでしょうねぇ。
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第43話・第44話のあらすじ
龍波は皇帝を、小敬は厳太真になりすました檀棋を連れて、花萼楼を脱出。4人は抜け道を通って寂れた廟に身を隠す。厳太真が偽物だと知った龍波は小敬の裏切りに憤り、2人は激しく言い争う。
靖安司で調査を続ける程参は、徐賓が書いた新税法が霊武で導入中の税法とそっくりだと気付き、太子との関係を疑う。だが吉温は真に受けず、程参を牢に戻してしまう。
興慶宮では郭利士が太子に即位の準備をさせようとするが、陳将軍に反対される。右相府に戻った林九郎は、皇帝拉致の黒幕を太子に仕立て上げ、永王を擁立して実権を握ろうと画策する。
靖安司には太子に謀反の疑いありという知らせが届き、小敬、李必、檀棋、何執正を捕らえよという命令が下る。王韞秀は太子に近い者として捕らえられ、牢に入れられてしまう。
小敬たちが隠れる廟が包囲され、混乱に乗じて皇帝が逃亡。小敬は手分けして探すことを龍波に提案し、大吉酒店で落ち合う約束をする。
林九郎の策略に気付いた郭利士は、太子に龍武軍を率いさせ、皇帝を救うよう命じる。
太子が龍武軍に皇帝・李四郎の捜索を命じたことを知った林九郎は、龍武軍の参将・郭守一に上元節の祝い品を届けさせる。
通りすがりの役人に罵倒され、負傷した李四郎は戸部の記録係・祝慈の一家に救われる。庶民の貧しい暮らしを目の当たりにするも、「そんなはずはない」と現実を受け入れない李四郎。老人の正体が皇帝だと気付いた祝慈は、あらためて困窮を訴え、「この機に長安城外を見て回るべきです」と進言する。
李四郎と祝慈を乗せた馬車が賊に囲まれ、そこへ龍武軍の兵が現れる。「太子の命令だ」と叫んで李四郎に矢を放つ兵たちを見て狼狽する郭守一。祝慈一家は矢を受けて命を落とし、激怒した李四郎は兵に向けて伏火雷を投げつけ爆発させる。小敬と龍波、檀棋が現場に辿り着き、李四郎を連れて大吉酒店へ向かう。
林九郎は太子の配下が龍武軍に紛れて陛下を襲ったという郭守一の証言を受け、右驍衛の甘守誠に太子の断罪を命じる。それを知った郭利士は、太子に逃げるよう警告。李必は「安全な場所を探す」と言い残し、太子のもとを離れる。
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徹底解説「長安二十四時」相関図・登場人物(キャスト)一覧・時代背景・用語解説
第43話・第44話の感想
林九郎が再び策略をめぐらす
主要人物が一か所に集まっての灯楼&花萼楼の攻防がめちゃくちゃ盛り上がったので、急に失速したような印象。灯楼の爆発は、あれだけ引っ張ったんだからあと1回くらい見せ場があってもよかった気がするなぁ(個人的にもっと見たかった)。
小敬と龍波は皇帝と檀棋を連れて逃げ、林九郎は右相府に戻って太子を陥れる謀略を企て、靖安司は小敬たち太子派を追うことに。結局また元の状態に戻ったような…。
皇帝が失踪し、動揺を隠せない側近たち。歴代王朝で皇帝不在は1日もないそうで、巳の正刻(午前10時)までに新帝を即位させなければ混乱が生じると言います。
すぐにでも太子を即位させたい郭利士と、なんとしても避けたい林九郎。“利する者が疑われる”と、互いに様子を伺いつつ、保身を図ることも忘れません。
郭利士は太子に皇帝を捜索させることで謀反の疑いを晴らそうとし、林九郎は龍武軍の参将を取り込んで太子の謀反をでっちあげようとします。毎度毎度、林九郎は策略にかけては天才的ですね。
庶民の暮らしぶりを知る皇帝
小敬と龍波が追っ手と戦っている隙に、逃亡する皇帝・李四郎。豚泥棒と間違われて追いかけられたり、居丈高な役人にボコられたりと、さんざんな目に遭います。
運の悪いことに皇帝の印である「龍袍」を脱いでいたもんだから、“薄汚れた老人”にしか見えない彼のことを誰も皇帝だとは思わない。しかし、たまたま通りがかった戸部の役人・祝慈は、会話の内容から正体に気付きます。
そして、皇宮へと向かう馬車の中で、勇気をふるって進言します。
「今こそ長安城外を見て回るべきです。場外の民の暮らしは困窮し、民の声は久しく陛下に届いていない。政令も妥当に見えますが地方で施行される時は官吏が方途を尽くして利を奪い、己の手柄としています。今日の長安の繁栄は万民の骨までしゃぶった結果得られたもの。それがいつまで続くと?」
庶民の貧しい暮らしぶりを見ても「そんなはずはない」と信じなかった李四郎。彼は本心から自分が作り上げた唐の繁栄を信じて疑わなかったんですね。
ちなみに林九郎が語っていた「武則天」は、中国史上唯一の女帝・則天武后のこと。第4代皇帝となった我が子を廃して帝位につき、皇帝権力の強化を目指しました。彼女が国号を「周」に変えたので、彼女の代(約15年間)だけ唐王朝は一時的に中断しています。
そして、この混乱を治めて「開元の治」と呼ばれる繁栄期へと導いたのが、玄宗皇帝(李四郎のモデル)でした。
謀反の罪で追われる太子派
靖安司で調査を進めていた程参は、徐賓が事件の黒幕ではないかと吉温に報告しますが、信じてもらえません。それどころか「おまえを犯人したほうが手っ取り早い」と言われ、再び牢に戻される始末。
真実を確かめようともせず、無実の人間に罪を着せる吉温や趙七郎に幻滅した程参は、「お前たちと同僚になるくらいなら、科挙などやめだ」と宣言しました。
靖安司には、小敬、李必、檀棋、何執正など、太子の関係者を捕らえよという命令が下ります。父親が太子の義兄である王韞秀も、牢に入れられてしまう。
皇帝を守るはずの龍武軍(の一部)は、なぜかどさくさに紛れて皇帝を攻撃。「太子の命令だ」と聞こえよがしに嘘っぱちを叫びます。
自分を助けてくれた祝慈一家を殺され、激怒した皇帝は隠し持っていた伏火雷を投げつけて反撃。すごいことするなー。廟に置いてあったのを、くすねてきたんですね。
小敬と龍波、檀棋も現場に到着し、皇帝を連れて退散。4人は、かつて徐賓が「面倒なことになったらここへ来い」と言っていた大吉酒店へ向かいますが…。
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