コールドケース2-真実の扉-第4話「執行」あらすじ感想|ねこさんがカッコいい!

WOWOW連続ドラマW「コールドケース2」

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

「コールドケース」記事一覧

WOWOWの連続ドラマ「コールドケース2―真実の扉―」第4話のあらすじと感想です。

今回は、1997年に幼い兄弟が刺殺された事件。
ゲストは、佐藤浩市さんと吉岡秀隆さんでした。

ゲストがメインの回になると予想していたのですが、レギュラー陣がメインの話でしたね。内容はよかったけど、少しもったいない気もしました。

ゲストのおふたり、別の話で出てほしかったなぁ。

今回の元ネタは、アメリカ版「コールドケース」シーズン3第20話“Death Penalty: Final Appeal”です。

関連記事

第4話「執行」のあらすじ

神奈川県警の現職警官・中島明が自殺を図る。証拠のもみ消しなど、中島の不祥事が明るみに出た矢先だった。金子(光石研)は、かつて中島と共に荻原(吉岡秀隆)の取り調べを行ったことがあった。

荻原は1997年に幼い兄弟を殺害したとして死刑判決を受けていた。荻原の教育担当となった刑務官の寺山(佐藤浩市)は、今も荻原が犯行を否認していることを金子に伝える。

ルールを犯して密かに調査を始める金子だったが、百合(吉田羊)と高木(永山絢斗)が加わることになり、やがて本木(三浦友和)にも知られてしまう。

事件当日、荻原は引っ越し業者として殺された兄弟の母親・葉子(西田尚美)に雇われ、荷物の運搬作業を行っていたが、不手際で葉子を怒らせていた。反省した荻原は葉子に謝罪の手紙を渡すため、夜になって再び家を訪ね、倒れている兄弟を発見したと主張していた。

葉子は玄関から出て行く荻原を見たと供述していたが、証言を撤回。事件当日、長男が荻原に悩み事を相談し、2人は打ち解け合っていたと話す。

本木と金子は再捜査を訴えるが、県警刑事部長の井内(利重剛)はメンツを理由に却下。真相を突き止められないまま、荻原の死刑が執行される。金子は寺山から荻原が自分に宛てて書いた手紙を渡される。そこには「俺の無実を証明してください」と書かれていた。

中島が隠し持っていた書類の中から、荻原が葉子に宛てた謝罪の手紙が見つかる。手紙には前向きな言葉が綴られ、とても殺人を犯す前に書いたとは思えない内容だった。だが井内は「死刑が執行された荻原に名誉など必要ない」と言い放ち、金子は思わず井内を殴ってしまう。

百合と金子は、当時荻原が雇われていた引っ越し業者の社長・戸川(橋本じゅん)を取り調べる。戸川は実の娘に性的虐待を繰り返し、娘が家出したことで鬱屈を抱えていた。自分の寂しさを埋めるため、母親が夜勤でいない兄弟のもとへ足を運び、抵抗されて犯行に及んだのだった。

百合は葉子に事件の真相を伝える。金子は寺山と共に、荻原の火葬に立ち会う。

第4話で使用された曲

  • 「白い雲のように」猿岩石
  • 「砂の果実」中谷美紀 with 坂本龍一
  • 「歌うたいのバラッド」斉藤和義
  • 「Calling」B’z

第4話の感想(ネタバレ有)

ねこさんがカッコよかった!

佐藤浩市さんと吉岡秀隆さんという存在感ありすぎるお二人がゲストなので、絶対ゲストメインのストーリーだろうな~と予想していたら、なんと光石さんの回だった!

予想を裏切られたけど、めちゃくちゃよかったです。いつも穏やかで、暴走しがちな立川や高木を止める役割だった“ねこさん”が、感情にまかせて上司に食ってかかるシーンは痺れました。カッコよかった!

利重剛さんは、嫌らしい高官の役を演じたらピカイチですよね(褒めてます)。本当に憎たらしかったです。ねこさんが殴ったときはザマミロと思ってしまいました。

ねこさんと寺山の関係

佐藤浩市さん演じる刑務官の寺山とねこさんは、旧知の仲といった雰囲気でした。お互いにタメ口でしたしね。2人が飲み屋で酒を飲むシーンがまた渋い~。

ちなみに佐藤浩市さんは1960年12月生まれの57歳。光石研さんは1961年9月生まれの57歳。なんとなく佐藤さんのほうが上かと思ってましたが、同じ年齢だったんですね。

劇中では詳しく語られませんでしたが、2人の会話の端々に不穏なニュアンスが漂っていたので、お互いに軽々しく口にはできないことを腹の中に抱え込んでいる、ということなのでしょう。年齢的に考えても、それが普通だと思います。

寺山は、荻原の無実を証明できるのがねこさんだけだということも知っている。
だからしつこくハッパをかけたのでしょうね。

残された手紙と真犯人

メンツを気にする刑事部長は再捜査を許可せず、荻原の死刑は執行されてしまいます。ねこさんのもとに届いた手紙には、「俺の無実を証明してください」と書かれていました。

この手紙を受け取ったねこさんの気持ちを想像するとたまらない。辛すぎる。

真犯人は、荻原と一緒に仕事をしていた引っ越し会社の社長・戸川でした。橋本じゅんさんも存在感のある人だから、薄々気づいていましたけども…。

実の娘に性的虐待を繰り返していた戸川は、当時、娘が家を出ていったことで鬱屈を抱えていました。そしてその感情が、たまたま出会った幼い兄弟に向けられてしまったのです。

荻原の火葬に立ち会ったねこさんが立ち去ろうとすると、荻原の幻が現れてじっとねこさんを見つめていました。

荻原の表情がたまらないんですよね。感謝とも、無念とも、悲嘆とも、受け取れるような、あるいはそのすべてを滲ませているような顔で。思わず涙がこみ上げてくる場面でした。

チームの絆、強まる

今回の事件を通して、チームの絆がより強くなったように感じます。

「死刑判決の出た事件に手は出せない」と言いながら、ねこさんの思いを汲んで捜査に協力する百合と高木。

立川は当初、「上司なら止めろよ」「甘いな」と非協力的な態度を見せていたのに、死刑が執行されて悄然とするねこさんを「手遅れじゃないでしょ」と奮い立たせる。

課長代理の「おれを仲間はずれにすることないだろ」もいいですよね。このチーム、ずっとこのまま変わらずにいてほしい。

アメリカ版との違い

ここからは、元ネタとなったアメリカ版「コールドケース」シーズン3第20話“Death Penalty: Final Appeal”との違いについて説明します。

ストーリーの流れ、事件の経緯などはほぼ同じ。登場人物の設定が少し変わっています。年代は日本が1997年なのに対し、アメリカ版は1994年。

被害者は日本版では幼い兄弟でしたが、アメリカ版では16歳の少女ケイトで、引越し当日にレイプされて殺害されました。

被害者の家族は、母親ではなく父親。母親はアルコール依存症で入院しているという設定です。

引っ越し業者として少女の家にやってきた元服役囚のアンドレは、酒に酔って傷害事件を起こし、服役していた過去がありました。

事件が起きた流れも同じで、アンドレは謝罪の手紙を父親に渡そうとしてケイトの家を訪れ、キッチンで血まみれになっている彼女を発見します。

このとき、彼女はアンドレに「フェイス」という言葉を残していて、のちにそれが真犯人の娘の名前だったことが判明します。

日本版との大きな違いは、佐藤浩市さん演じる刑務官が登場しないこと。アメリカ版では、アンドレ本人が直接警察に電話してきて、ジェフリーズ刑事(日本版のねこさんにあたる)に捜査を依頼しています。

アンドレは日本版と違って若干チャラい感じ。彼は自分を救えるのはジェフリーズ刑事しかいないと信じていて、しつこく無実を訴えるのですが、ジェフリーズは最後まで彼の言葉を信じませんでした。

死刑が執行される日も、アンドレは処刑に立ち合ったジェフリーズに泣きながら無実を訴えて死んでいきます。

佐藤浩市さんの役は日本オリジナルでしたが、吉岡秀隆さんが演じた荻原も、日本人らしい(あるいは吉岡さんらしい)役になっていたと思います。

あともうひとつ。利重剛さんが演じた刑事部長は、アメリカ版では検事補で、当時の担当検察官でした。この改変は大成功だったと思います。

日本のタテ社会が生む圧迫感がストーリーに厚みを持たせていて、ねこさんのキャラクターやチームの結束を引き出す効果もありました。

ちなみにアメリカ版の検事補は、事件解決後に解雇されています。

「コールドケース」記事一覧