「刑事モース~オックスフォード事件簿~」Case23のあらすじと感想です。
シーズン5の最終話です。
毎回シーズンの最終話は切ない終わり方をするのですが、今回もまた。まさかカウリー署が閉鎖されることになるとは…淋しい。
Case23「ねじれた翼」のあらすじ
カウリー署は月末で閉鎖されることが決まる。モースたちの今後の配属先は、各自に通知されることになる。
男子校のコールドウォーター学校で古典教師のジョン・アイヴォリーが失踪、捜査を担当していた地元警察の警部補と助手が交通事故で死亡する。
モースは上層部から潜入捜査を命じられ、教師に扮して学校に赴任。トルーラブはモースの妻役として同行し、2人は密かに捜査を開始する。
モースがアイヴォリーから引き継いだクラスには、エディ・ネロの息子ブレットや、いじめを受けているスタンロー、尊大なラックウェイらがいた。
モースは通りがかった墓地で、行方不明になっていたラウンツリーの遺体を発見。アイヴォリーの失踪前に退学になった生徒で、彼のお気に入りだったという。
クロムウェル・エイムスが武装した手下を連れてエディ・ネロのビリヤード場に乗り込んだと聞き、現場へ向かうモースたち。だが到着すると、生き残っている者はひとりもいなかった。
ファンシーは撃ち合いに巻き込まれて死んでしまう。署に駆けつけたトルーラブはファンシーの死を知ってショックを受ける。
現場でアイヴォリー宛のヘロインが見つかり、エディ・ネロとアイヴォリーが麻薬取引をしていたことが判明。交通事故で死んだ地元警官たちは、その事実をつかんだためにネロに消されたと思われた。
モースとサーズデイは学校に戻り、体罰教師を狙撃しようとしていたスタンローを阻止する。スタンローはアイヴォリーの使い走りをさせられていた。
アイヴォリーを殺したのは寮母のシーモアだった。アイヴォリーは旅先で仕入れたヘロインを、ラウンツリーを使って生徒たちにさばいていた。その後、手に負えなくなったラウンツリーを退学させ、スタンローを使い始めた。
看護師でもあるシーモアは、ラウンツリーが薬物を過剰摂取していることに気づいていた。スタンローを同じ目に遭わせないためにアイヴォリーを殺したのだった。
サーズデイは弟のチャーリーに貸した金が返ってこないと知り、辞職を撤回する。事実を知ったウィンは打ちのめされ、家を出て行く。
ファンシーの葬式が行われ、モースは詩を朗読する。トルーラブは葬式に出席せず、ロンドン警視庁へ。ブライト警視正は責任を感じて辞めることを決断する。
ストレンジ、サーズデイ、モースは、ファンシーを撃った犯人を必ず見つけると警視正の前で誓い合う。モースはサーズデイと握手を交わして別れる。
Case23の登場人物(キャスト)
ジョン・アイヴォリー
コールドウォーター校の古典教師。ラグビーチームのコーチで学期末の学校劇も担当していた。10月4日に村のパブを出て以来、行方不明になっている。生徒のスタンローを可愛がっていた。
ブラックウェル(フェリックス・スコット)
コールドウォーター校の教師。軍事教練の指導を行っている。攻撃的な性格で、一部の生徒に体罰を行っている。
アラン・ボドナー(アンドリュー・バックリー)
コールドウォーター校の化学教師。モースに好意的。アイヴォリーが生徒たちに悪影響を与えたと考えている。
シーモア(マデリン・ウォーラル)
寮母。看護師でもある。ほかの生徒からいじめられているスタンローを心配している。
マッケンジー校長(マイケル・シムキンズ)
コールドウォーター校の校長。モースを刑事と知らずに教師として採用する。
ラヴェンナ・マッケンジー(リリー・レッサー)
校長の娘。
ケイト・アイヴォリー(キャロライン・マーティン)
ジョンの妻。夫が消息を絶ち、守衛のコテージに住んでいる。
スタンロー(アルド・マーランド)
コールドウォーター校の生徒。運動が苦手でブラックウェルに目をつけられ、ほかの生徒からもいじめられている。アイヴォリーのお気に入りだった。
ラウンツリー
アイヴォリーの失踪前に退学になった生徒。その後行方不明となり、墓地で遺体となって発見される。アイヴォリーのお気に入りだった。
ブレット・ネロ(アンソン・ブーン)
ギャングのエディ・ネロの息子。ブラックウェルのスタンローへの体罰をやめさせようとする。
エディ・ネロ(マーク・アーデン)
ギャング。ボクシングジムやタクシー会社を経営している。エイムスとの抗争が本格化する。
クロムウェル・エイムス(デイビット・ヨンソン)
ギャング。エディ・ネロを殺して町を支配しようとしている。
チャーリー・サーズデイ(フィル・ダニエルズ)
サーズデイの弟。ロンドンに住んでいる。Case19でサーズデイに金を借りているが、返済の目処が立たない。
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ネタバレ「刑事モース」シーズン5(Case18~23)全話あらすじ・感想・キャストCase23「ねじれた翼」の感想
※ネタバレを含みますのでご注意ください
悪魔のような教師
今回の舞台は男子校。モースは教師になりすまして潜入捜査です。
Case7のときの女子校といい、このドラマに登場する学校はかなり不気味ですね。いじめと体罰教師は日本でもありがちな光景ですが、殺された教師アイヴォリーが麻薬の売人で、生徒に売りつけて金儲けしていたというとんでもない真相でした。
この麻薬取引にはエディ・ネロが絡んでいたという事実も判明。学校にいる生徒の中にはエディ・ネロの息子もいたのですが、息子くんが正義感のある真面目な少年だったのが救い。
犯人は寮母のシーモア。アイヴォリーから生徒を救うためでした。
ファンシーを撃った犯人は見つからず
回を重ねるごとに頼もしくなってきた新人のファンシーが、残念なことに殉職しました。とてもあっけない死に方でした。
クロムウェル・エイムスを見張っていたファンシーから「エディ・ネロのビリヤード場に向かった」という報せを受け、モースたちが現場に駆けつけてみると、死体が累々と。その中にファンシーもいました。
なぜファンシーがギャングたちの撃ち合いの場にいたのか、どのようにして死んだのか、結局わからないまま。
ファンシーを撃った銃弾は現場の凶器のどれとも一致しなかった…つまり犯人は生きていて、凶器を持ったまま現場から逃走したと思われます。
亡くなる直前、トルーラブに贈る指輪を選んでいたファンシー。トルーラブと両想いになれて、とても幸せそうだったのに…。
さよならカウリー署…4人の誓い
カウリー署が閉鎖されることになってしまいました。ショック…。
見ている側としては、モースがカウリー署に来てから10年くらい経っているような感覚だけど、実際は3年程度。
サーズデイ警部はモースに「もう一人でもやっていける」と言ってましたが、3年程度じゃまだまだですよね~。自信が持てないのも頷ける。
とはいえ、3年間でモースが解決した事件の数は相当なものでしょうけども。
ブライト警視正は責任をとって辞職を決意。トルーラブは希望どおりロンドン警視庁に。ストレンジ、サーズデイ警部、モースの異動先は不明。
仲間たちが離ればなれになってしまうのが淋しいです。
ストレンジはファンシーの敵を討つと宣言し、モースとサーズデイ警部もブライト警視正の前で誓いました。カウリー署はなくなっても、この事件は次回以降に引き継がれそうです。
サーズデイ夫婦の危機
ラストシーンではモースがジョアンの家を訪れ、2人の関係がいい方向に進展しそうな予感を抱かせるのもでしたが、サーズデイとウィン夫婦には最大の危機が。
Case19に登場してサーズデイ警部から金を借りていった弟のチャーリー。不穏な空気をまき散らしていた彼ですが、やはり予想どおりでした。
悪い連中に騙されて詐欺商法の隠れ蓑にされたらしく、サーズデイ警部が貸したお金も連中の手に。老後のために貯めていたお金が……全部パア。
しかもそのお金は妻のウィンに黙って貸していたため、よけいにややこしくなってしまう。相談もなく貸したうえにお金は戻ってこない。悠々自適どころではなくなって、サーズデイ警部の引退は先延ばしに。
ウィンは怒って家を出て行ってしまいました。怒るよね、そりゃ。
ひとりになったサーズデイ警部を心配してジョアンが訪ねてきてくれて、2人はようやく和解できたけど、ウィンとの仲直りは簡単にはいかなさそう。
次回からはシーズン6に突入。
モースにお髭が生えます。
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