「長安二十四時」第9話・第10話のあらすじと感想です。
過去回で謎だった部分が繋がってきて面白い。
でも、まだまだわからないことだらけ。
聞染はちょっと怪しくなってきたなぁ。
どこまで計画に関わっているんだろう。
Contents
第9話・第10話のあらすじ
林九郎は小敬が犯した罪に複雑な裏事情があったことを知る。その事実は“三女”と呼ばれる人物が調べたものだった。さらに永王が熊火幇に命じて、小敬の動きを阻止しようとしていることも耳に入る。
小敬の過去を知った靖安司の李必、檀棋、姚汝能は、小敬が靖安司のために必死に働くのには別の目的があるのかもしれないと考え始める。
一方、曹破延らに捕らわれた小敬は「長安の地図を書いてやる」と持ちかけ、右相府の守備図を書く。そこへ聞染を捕らえた熊火幇たちが押し寄せ、さらに崔器率いる旅賁軍も到着し、屋敷は混戦状態となる。
逃げ出そうとする曹破延の前に、崔器が立ちはだかる。兄の敵を討とうと曹破延に遅いかかる崔器。曹破延は聞染を人質に取り、「将軍の娘だ」と嘘をつく。崔器に武器を捨てさせ、聞染を連れて裏庭から逃げる曹破延。
狼衛の隠れ家が襲撃されたことを知った龍波は、魚腸がわざと妓女の札を残したのではないかと疑う。2人は計画を成し遂げるため、別の場所で爆薬製造に取り組んでいた。
曹破延とマガルを逃がした崔器だったが、旅賁軍の名声を守るため「狼衛を全滅させた」と虚偽の報告をする。小敬が失踪したと聞いた李必は、確認のため檀棋を修政坊に向かわせる。檀棋は倒れている小敬を見つけるが、全身に傷を負った小敬は意識を失う。
未の七刻(午後2時45分)、汝能は「靖安司を閉め捜査を終了せよ」という太子からの命を李必に伝える。しかし殲滅していなければ君主を欺く罪になると考えた李必は、檀棋からの報告を待つことに。
檀棋は曹破延の遺体がないことを知り、崔器を問い詰める。小敬は「俺の指示だ」と崔器をかばい、崔器から曹破延とマガルが女を連れて逃げたことを聞き出す。そして檀棋に「“張小敬の縁者を放て”と永王に伝えろ」と告げる。
その頃林九郎は、小敬が平康坊での捜査中に間者を殺したという情報を得る。その間者が郭利仕将軍と金器の件に関わっていると知った林九郎は、ある計画を思いつく。
登場人物&相関図はこちら
徹底解説「長安二十四時」相関図・登場人物(キャスト)一覧・時代背景・用語解説
第9話・第10話の感想
小敬の目的と徐賓の狙い
小敬が犯した殺人は“復讐”だったことを知り、小敬には何らかのもくろみがあるのでは、と考え始めた李必、檀棋、姚汝能。
李必は、小敬を「捜査係」に選んだ徐賓のことも疑います。本人はあくまで大案牘術(データの分析術)の結果だと主張していましたが……徐賓はかなり怪しいと見た。彼の家はあの安業坊にあって、李必との出会いも偶然ではなさそう。
徐賓が「安業坊の立ち退き」に絡んでいるのなら、小敬とも繋がっているのかもしれず、2人はグルという可能性もありますよね。
聞無忌の死、安業坊再建の裏側
回想シーンでは、小敬と聞無忌(聞染の父)の過去が描かれました。小敬にとって無忌はともに生き残った戦友というだけでなく、家族同然だったんですね。
“烽燧堡の役”の後、長安に戻って不良帥となった小敬。無忌に「なぜそんなに働く?」と聞かれた小敬は、「仲間のためだ。長安に来るのは仲間の夢。仲間に代わり俺たちが夢の中にいる。その夢は美しくないとな」と答えていました。
小敬が長安を守るのは、死んでいった仲間たちのためだったのか…。
しかし、安業坊で香舗を営んでいた無忌は、みかじめ料(ショバ代)の値上げに反対し、熊火幇の秦珏と交渉するために出かけた先で襲われ、死んでしまう。「聞染を頼む」と小敬に言い残して。
このみかじめ料値上げの裏には、林九郎と永王が絡んでいます。
安業坊に公館を新設することを提案したのは林九郎で、工期を早めるために永王と熊火幇を結託させ、無理やり住民を立ち退かせたのです。このときの永王と林九郎の密談を、殺された影が聞いていたんですね(第2話より)。
林九郎は小敬にとっても敵だった
それだけでなく、小敬と無忌が戦った“烽燧堡の役”では、上層部が援軍を送らなかったために211人の兵が亡くなっており、その時の兵部尚書(兵部の長官)は林九郎でした。
小敬にとっては、林九郎に2度も仲間を殺されたわけです。
小敬が林九郎を恨んでいることは間違いなく、狼衛の曹破延に書いて渡した地図は“右相府の守備図”でした(本物かどうかはさておき)。
林九郎は太子の敵であり、同時に李必や何執正の敵でもあったわけですが、ここで張小敬の敵であることも判明しましたね。
林九郎と永王と小敬の関係
その仇敵・林九郎も、ひそかに小敬の経歴を調べ上げています。
調べたのは“三女”なる謎の人物。靖安司に潜り込ませている間者かな?
そして熊火幇の秦珏に小敬を捕らえるよう指示していたのが、永王だということもわかりました。「なぜ永王が?」という林九郎の問いに対する吉温の答えがこれ。
「安業坊再建の件です。張小敬は譚同寿を殺し2時姿を消した後、長安県に自首しました。その間の記録はありません。調べたところ、馬小屋にいた永王に奴が暴行を加え、その後永王は病と称し屋敷に籠もりきりに…」
小敬は安業坊の立ち退きに永王が絡んでいることを知って、復讐しようとしたんだろうなぁ。永王がその事実を隠したのは、露見したらマズイからでしょう。
つまり、小敬は永王の弱みを握っているわけですね。
郭利仕と金器の件
もうひとつ、浮上した謎が。
これまた“三女”なる人物からの知らせで、小敬が平康坊で捜査中に間者(小乙)を殺したことが林九郎の耳に入ります。
ここで、小乙が「郭利仕と金器の件」を調べていたことが再び持ち上がるんですよね。そう、第6話で葛の旦那が話していた、あのややこしい話。簡単にまとめるとこう。
郭利仕は、皇家だけが使えるという金器を1356個も蔵の中に隠し持っていた。ある男がそれを偽物とすり替えて盗み出し、とある場所に埋めた。その後、男は何者かに殺され、金器の場所はわからずじまい。
男を殺したのは小乙と思われますが(そもそも小乙は紛失した金器の件で上から捜査を命じられた小敬が、地下都市に潜り込ませていた間者)、この金器の件がどう関わってくるんだろう?
林九郎は陛下が郭利仕に会うと聞いて、なんとか邪魔しようと(郭利仕が狼衛全滅の報告をするのを防ぐため)宮殿の茶器を欠損した物と取り替えさせたりするのですが、何をたくらんでるんですかねぇ。ちょっとわからない。
「長安二十四時」記事一覧