海外ドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」についてまとめました。
原作を忠実に映像化し、“真のシャーロック・ホームズ”と世界中のホームズファンから絶賛されたジェレミー・ブレット主演のドラマシリーズ。英国グラナダTVで1894年~1994年に放送されました。
熱狂的なファンを生むも、主演ジェレミー・ブレットの死により全原作の映像化には至らず、第6シリーズ(全41話)で終了。19世紀ヴィクトリア朝のロンドンを再現した街並み、衣装、小道具などにも注目したい名作です。
Contents
作品概要
- 放送局:BSプレミアム/BS4K
- 放送時間:2021年8月11日(水)から毎週水曜21:00~
- 製作国:英国(1984年~1994年)
- 原題:The Adventures of Sherlock Holmes(第1話~第13話)/The Return of Sherlock Holmes(第14話~第26話)/The Case-Book of Sherlock Holmes(第27話~第35話)/The Memoirs of Sherlock Holmes(第36話~第41話)
- 原作:アーサー・コナン・ドイル「シャーロック・ホームズ」シリーズ
- 音楽:パトリック・ゴワーズ
あらすじ
自分の推理力を発揮できる刺激的な事件を待っているシャーロック・ホームズ(ジェレミー・ブレット)のもとに仕事の依頼が届く。友人でありパートナーのワトソン(デビッド・バーク)とともに迎えた依頼者はただならぬ雰囲気の人物だった。そして、ホームズは生涯、忘れえぬ女性、エレーナ・アドラーと対峙することになる。
NHK公式サイトより
原作について
このドラマの原作は、英国作家アーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズです。
原作のシリーズ第1作は長編『緋色の研究』で、ホームズとワトソンの出会いもこの作品で描かれていますが、このドラマでは制作されなかったストーリーのうちのひとつ。
ドイルは1887年から1927年にかけて合計60編(長編4、短編56)を発表しました。最初の長編2つ(「緋色の研究」と「四つの署名」)は人気が出ず、創刊されたばかりの月刊誌「ストランド・マガジン」で短編の連載を始めたところ、大人気に。
そのヒットのきっかけとなった作品が、このドラマの第1話で描かれた「ボヘミアの醜聞」です。以降、シャーロック・ホームズは一話完結のシリーズもの(当時は画期的だった)として毎月掲載され、熱狂的なファンを獲得します。
しかしドイルが本当に書きたかったのは「本格的な歴史文学作品」で、彼にとってホームズは収入を得るために書いた「レベルの低い娯楽作品」でした。自分の思惑に反して多くの読者の心を掴み、一人歩きするホームズを、彼は憎々しく思っていました。
一旦はホームズを死なせてシリーズを終了したドイルでしたが、結局は破格の報酬や読者からの圧力に負けてホームズを死の淵から蘇らせ、シリーズを復活させることになりました。
私は20代の頃に何冊か読み、ドラマもNHK放送時に時々見ていたのですが、大昔過ぎて内容はほとんど覚えてません…。今回の放送に合わせて原作を読み返してみようかな、と思っています。
年表(時代背景)
| 年 | イギリスの出来事 |
|---|---|
| 1829年 | ロンドン警視庁(スコットランドヤード)創設 |
| 1837年 | ヴィクトリア女王即位 |
| 1840年 | アヘン戦争(~1842年) |
| 1847年 | シャーロット・ブロンテ『ジェーン・エア』出版 |
| 1848年 | コレラ流行 |
| 1851年 | ロンドンで第1回万国博覧会開催 |
| 1853年 | クリミア戦争(~1856年) |
| 1857年 | インド大反乱(~1858年) |
| 1858年 | 東インド会社解散、植民地時代が終わる |
| 1859年 | チャールズ・ダーウィン『種の起源』出版 |
| 1863年 | ロンドンで世界初の地下鉄が開通 |
| 1865年 | ロンドン市内で下水道の整備工事始まる ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』出版 |
| 1877年 | イギリス領インド帝国成立 |
| 1887年 | アーサー・コナン・ドイル『緋色の研究』発表 |
| 1888年 | 切り裂きジャック事件 |
| 1890年 | ロンドンの街で自動車が走り始める |
| 1901年 | ヴィクトリア女王崩御、エドワード7世即位 |
| 1902年 | 日英同盟締結 |
| 1914年 | 第1次世界大戦(~1918年) |
登場人物(キャスト/吹き替え)
シャーロック・ホームズ(ジェレミー・ブレット/声:露口茂 ※追加収録分は諸角憲一)
並外れた観察眼を持つ私立探偵。ベイカー街221Bの下宿に住んでいる。平穏を毛嫌いし、刺激を与えてくれる難解な事件が起こるのを待ち望んでいる。事件がないときは退屈に耐えられず、モルヒネやコカインに手を出す。
ジョン・H・ワトソン(デビッド・バーク/声:長門裕之 ※追加収録分は金尾哲夫/立木文彦 第14話以降はエドワード・ハードウィック/声:福田豊土 ※追加収録分は園江治/宝亀克寿)
ホームズの同居人で相棒。元軍医。戦地で負傷して帰国し、友人を介してホームズと知り合った。ホームズを尊敬し、友人として事件の捜査にも進んで協力する。
ハドソン夫人(ロザリー・ウィリアムズ/声:竹口安芸子)
ホームズとワトソンが暮らすベイカー街221Bの下宿の女主人。変わり者のホームズに手を焼きつつ、母親のような目で見守っている。ホームズは「朝食の工夫はスコットランド女性も顔負け」と絶賛している。
マイクロフト・ホームズ(チャールズ・グレイ/声:久米明 ※9話のみ松村達雄)
シャーロックの兄。英国政府機関で会計検査官をしている。入会資格は「内気で人間嫌い」という奇妙な集まり〈ディオゲネス・クラブ〉の会員であり、創設メンバーのひとり。観察力・推理力ともにシャーロックを上回るが、著しく行動力に欠ける。
レストレード警部(コリン・ジェボンズ/声:川辺久造)
ロンドン警視庁の警部。ホームズとはライバル関係にあるが、助言を求めることもある。
ジェームズ・モリアーティ教授(エリック・ポーター/声:南原宏治)
ホームズの宿敵。数学教師という表の顔と、ロンドンの犯罪組織を牛耳る黒幕という裏の顔を持つ。ホームズいわく「犯罪界のナポレオン」。ホームズの度重なる妨害に憤り、彼の抹殺を企む。




