シャーロック・ホームズの冒険*第13話「最後の事件」ネタバレ感想

海外ドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」キャストあらすじ

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海外ドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」第13話「最後の事件」のあらすじと感想です。

モリアーティ教授とホームズの直接対決が描かれた、原作でも有名なエピソード。

ドラマでは前回の「赤髪連盟」が伏線になっていたため、教授に命を狙われたホームズが大陸に逃げるという大胆な展開にも違和感がなかったです。

ストーリーの大筋は原作どおりでしたが、前半は原作にはない「モナ・リザ」盗難事件のエピソードが加えられ、ホームズがどのようにモリアーティ教授の犯罪計画を阻止したのかがわかる内容になっていました。

第13話「最後の事件」あらすじ

フランス政府から依頼を受けたホームズは、ルーブル美術館から盗まれた「モナ・リザ」を取り戻し、犯人逮捕に協力して勲章をもらう。だが事件の黒幕はモリアーティ教授で、「モナ・リザ」の贋作を本物と称して売るのが目的だった。

計画を妨害されたモリアーティは、ベイカー街221Bを訪ねるとホームズに死を宣告して立ち去る。その後、ホームズは暗殺者に命を狙われるようになり、かろうじてベイカー街221Bに戻ってくると、4か月ぶりに再会したワトソンに経緯を語って聞かせる。

ホームズはモリアーティの犯罪組織を壊滅させるべく行動を起こし、月曜日には教授も手下も一斉に逮捕される手はずになっていると説明する。そしてそれまで身を隠した方がいいと判断し、ワトソンとともにロンドンを離れることに。

ホームズとワトソンはモリアーティ教授の追跡をかわしてスイスへ向かうが、ロンドンから「一味全員を逮捕したが、モリアーティ教授を取り逃がした」という報せが届く。危険を感じたホームズはワトソンを帰国させようとするが、ワトソンは「君一人を置いていけない」と拒む。

マイリンゲン村に到着した2人は、地元の人の勧めでライヘンバッハの滝を見に行く。すると宿の主人から急病人を知らせる手紙が届き、ワトソンは使いの青年にホームズの案内を任せて宿に戻る。だがそれはモリアーティ教授が仕組んだ罠だった。

騙されたと気づいたワトソンは急いで滝に戻るが、ホームズの姿はなかった。滝のそばにはワトソンに宛てた手紙が残されており、そこには「モリアーティ氏の好意でこれを書き残す」「宿からの使いの手紙は偽だとわかっていた」「さようなら。元気でやってくれ」と死を受け入れる言葉が記されていた。

ワトソンはホームズとモリアーティ教授が滝の断崖絶壁で死力を尽くして戦い、2人して滝つぼに墜落したのだろうと推測する。ワトソンはベイカー街221Bでホームズの最後の事件記録を書き綴る。

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海外ドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」キャストあらすじシャーロック・ホームズの冒険|各話ネタバレ感想・登場人物/キャスト・原作比較・時代背景

第13話の感想(ネタバレ有)

「モナ・リザ」盗難事件

前半で描かれた「モナ・リザ」盗難事件。原作には「フランス政府の招きで最重要事件を手がけている」と書かれているだけで、その内容については触れられていません。

ドラマでは、ルーブル美術館から「モナ・リザ」を盗み出し、贋作を「本物」と偽って金持ちに売りつけるというモリアーティ教授の犯罪計画を、ホームズが見事に阻止するという内容になっていました。

これにはモデルとなった事件があります。1911年、「モナ・リザ」は実際にルーブル美術館から盗まれているのです。

盗んだのは、ルーブル美術館に雇われたことがあるイタリア人でした。動機には2つの説があり、ひとつは本人が語っている「レオナルド・ダ・ヴィンチの作品を祖国イタリアに返そうとした」という説。

もうひとつは、詐欺師に裏で操られていたという説。その詐欺師は贋作者に絵の複製を依頼し、「本物」と称して売りさばこうとしていたらしい。

盗まれた「モナ・リザ」は1913年にルーブル美術館に返却されました。

迫力のある墜落シーン

モリアーティ教授から逃れるべく、ヨーロッパ大陸へと逃げるホームズとワトソン。そして辿り着いたのがスイスのマイリンゲン村です。

ドラマでは実際にスイスでロケが行われ、本物のライヘンバッハの滝で墜落シーンを撮影しました。映像をよく見ると、落ちていく2人の背中からワイヤーが伸びているのが見えます。もちろんスタントマンが演じているのですが、それにしてもすごいですよね。

ただしこの墜落シーン、正確にはワトソンの想像です。実際にここで何があったかは、当事者の2人にしかわかりません。

ドラマの構成としては今回が第2シリーズの最終話で、同時に「シャーロック・ホームズの冒険(原題:The Adventures of Sherlock Holmes)の最終話でもありました。

第3シリーズからはタイトルが「シャーロック・ホームズの帰還(原題:The Return of Sherlock Holmes)に変わるのですが、日本では一貫して「シャーロック・ホームズの冒険」というタイトルを使用しています。

原作との違い

ここからは深町眞理子さん訳の創元推理文庫版『シャーロック・ホームズの回想』に収録されている「最後の事件」をもとに、ドラマと原作との違いを見ていきます。

発表は1893年、短編の中では24番目の作品にあたります。

ホームズとモリアーティ教授

ホームズはフランス政府からの依頼を受けて、「モナ・リザ」盗難事件をみごと解決。計画を台無しにされたモリアーティ教授は怒りを募らせ、ホームズを抹殺すべく次々と刺客を送り込みます。

ドラマだと前回の「赤髪連盟」事件もモリアーティが仕組んだことになっていて、さらに今回の前半で原作にはない「モナ・リザ」盗難事件が描かれ、モリアーティがホームズを排除しようとする理由がわかりやすく伝えられていました。

ところが原作は、ここまでモリアーティ教授は一切登場しません。このエピソードにだけ突然現れて、(読者からすると)いきなりホームズの命を狙い、最後はホームズとともに退場します。

というのも、作者アーサー・コナン・ドイルはホームズ・シリーズを書くことにうんざりしていて、モリアーティ教授はドイルがシャーロック・ホームズを終わらせるために作り上げた人物だったからです。

原作にモリアーティ教授が登場するシーンは少ないのですが、ホームズと同等の頭脳を持ち、互角に戦った人物として、世間的にはめちゃくちゃ有名になってしまいました。

ワトソンの決意

ドラマはワトソンが短い休暇から戻り、ホームズと4か月ぶりに再会するシーンから始まります。原作ではワトソンは結婚してベイカー街221Bを離れているので、ホームズがワトソンの家を訪ねています。

そして原作ではここで初めてワトソンがホームズから「モリアーティ教授」の名を聞き、ホームズが陥っている危機的状況を知ることになります。

原作におけるワトソンがこの記録を書いているのは、事件から2年後。黙っているつもりだったけれども、最近になってモリアーティ教授の弟が兄を弁護する(事実をことごとくねじ曲げた)書面を公開したので、真相を世間に発表すべく、やむをえずペンを取った、とあります。

ホームズの思惑

ホームズは「モリアーティ教授とその一味が捕まるまで、身を隠していた方が賢明だと思う」と言い、ワトソンを誘ってヨーロッパ大陸へ向かいました。

しかしこれ、実はホームズたちが逃げているのではなく、モリアーティ教授をおびき出すためのホームズの作戦だったのではないか、とする説があります。

ワトソンに複雑な経路でヴィクトリア駅に向かわせたり、途中下車で行先を変更したりしたのは、頭脳明晰なモリアーティ教授に罠だと見抜かれないための偽装。同時にわざと手がかりを残し、教授が追跡できるように仕向けたのだと。

ホームズはモリアーティ教授が警察から逃れることを予測していました。そして実際にその通りになると、「君を確実に破滅させることができれば、僕は公共の利益のために喜んで死を受け入れよう」という言葉のとおり、自らが囮となる最終手段を決行したのです。

解釈のひとつではありますが、なるほどと思ってしまいますね。

世間の反響

雑誌『ストランド・マガジン』にこのエピソードが掲載されると、世間は大騒ぎに。喪章をつけて歩く人、雑誌の予約購読を取り消す人、作者に抗議の手紙を送りつける人が殺到したそうです。

ドイルは「現実世界で人を殺したとしても、これほど多くの悪意に満ちた手紙を受け取ることはなかったはず」と語っているので、よほど凄まじかったのでしょうね…。

しかしドイルはその後もホームズ復活の要望を拒み続けました。そして「最後の事件」発表から約10年後、1903年の「空き家の冒険」でホームズはようやく復活を果たします。