「コールドケース2」第8話ネタバレ感想|伝わらなかった父の思い

WOWOW連続ドラマW「コールドケース2」

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WOWOWの連続ドラマ「コールドケース2-真実の扉-」第8話“17歳の母”のあらすじと感想(ネタバレ有)です。

今回は1996年に起きた高校生轢き逃げ事故を紐解きます。

この時代の歌を聴くと、すぐに当時の空気が蘇ります。それだけ歌(時代)に特徴があるということでしょうね。

今回の元ネタは、アメリカ版「コールドケース」シーズン3第1話“Family”です。

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WOWOWドラマ「コールドケース3 ~真実の扉~」あらすじキャスト ネタバレ有「コールドケース3-真実の扉-」登場人物(キャスト)一覧・全話あらすじ感想

第8話「17歳の母」のあらすじ

百合(吉田羊)の高校時代の友人で、保護観察官の杏子(藤谷美紀)が執行猶予中の少女・皆本凛(木竜麻生)を連れてくる。凜の母親・皆本美姫(山田杏奈)は17歳で凜を産み、ホテルに置き去りにしていた。

数日前、凜のSNSアカウントに本物の父親と名乗る男から「杉田武史を殺したヤツを知っている」というメッセージが届いたという。凜の父親・杉田武史(坂東龍汰)は美姫の同級生で、凜が産まれた夜に姿を消し、轢き逃げ事故に遭って死亡していた。

当時、美姫は武史と付き合っていたが、教師の小池(佐藤貴史)に脅されて関係を持ったことがあった。凜にメッセージを送ったのは小池で、武史を殺した人物を知っていると書いたのは凜を誘うための口実だった。

武史は美姫のお腹の子を、数学教師の安居(小市慢太郞)に引き取ってもらう約束をしていた。当時、安居は不妊治療の末にようやく授かった娘を死産で亡くしたばかりで、妻の素子(片岡礼子)と共に美姫の子どもをもらうことを心待ちにしていた。

だが生まれた子どもを見た武史は手放せなくなり、自分たちで育てることを決める。ショックを受けた素子は衝動的に武史を車で跳ねて死亡させたのだった。百合は凜に真相を語り、母親・美姫(中村優子)と引き合わせる。

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WOWOW連続ドラマW「コールドケース2」 ネタバレ有「コールドケース2-真実の扉-」登場人物(キャスト)一覧・全話あらすじ感想

第8話で使用された曲

  • 「DA.YO.NE」EAST END×YURI
  • 「涙がキラリ☆」スピッツ
  • 「CRAZY GONNA CRAZY」TRF
  • 「SWEET 19 BLUES」安室奈美恵

第8話の感想

ルーズソックスの女子高生

小室ソングが大ヒットしていたこの頃、女子高生はみんなルーズソックスでしたねー。

ブルセラや援助交際、オヤジ狩りという言葉もよく聞きました。ジベタリアン、アムラー、プリクラ、たまごっちが流行ったのもこの頃。

当時のわたしは20代で、高校生とそんなに年齢が違わなかったのですが、あの頃の女子高生はまるで別の国の住人みたいでした。普通の子もいたはずなんだけどね。

ちなみに「ブルセラ」はブルマーとセーラー服の混成語。百合が「子どもたちを商品にしたのは大人です」と言っていたけど、その通りだと思います。

伝わらなかった父の思い

17歳で父親のわからない子どもを妊娠し、出産した美姫。恋人の武史に捨てられたと思い込んだ彼女は、赤ん坊を置き去りにして母親になることを放棄してしまいます。

なぜ武史は美姫と赤ん坊を残してホテルを出て行ったのか。武史が殺されてしまったことで、その真相がわからないまま、20年以上たった今も美姫は立ち止まったままです。

犯人は武史の命を奪っただけでなく、本来なら美姫と凜に伝わえられるはずだった「家族を守りたい」という彼の想いをも奪い、彼女たちの人生を狂わせてしまいました。

誰よりもそのことを悔やんでいたのは、想いを伝えられずに亡くなった武史だったかもしれませんね。

再会した美姫と凜が楽しそうに語り合う横で、武史(の幻)が穏やかな表情を浮かべて2人を見守る場面には、おもわず目頭が熱くなりました。

武史の心変わりが“希望の灯り”を消した

子どもを中絶することができず、困った美姫と武史は、数学教師・安居に生まれた子どもを手渡す約束をしていました。

安居の妻・素子は、長い不妊治療の末にようやく授かった娘を死産で失ったばかりでした。彼女は二度と子どもが産めなくなり、夫婦の関係は崩壊寸前だった。

美姫と武史の子どもは、彼らにとって唯一の“希望の灯り”だったのでしょう。子どものいる暮らしを夢見て待ち望んでいた2人にとって、武史の突然の心変わりは残酷だったのかもしれません。

安居は妻・素子の心の状態が不安定で、赤ん坊という“希望の灯り”によってギリギリ繋ぎ止められていることを知っていたからこそ、諦めるわけにはいかなかったのだと思う。

17歳の少年に土下座して、必死にすがりついて、子どもをくださいと頼み込む安居の姿が傷ましくて見ていられませんでした。

立川さんの知られざる事情

今回、滝藤賢一さん演じる立川さんの知られざる事情が明かされました。前回「長靴をはいた猫」で笑わせてくれたのは、前振りだったのかな。

安居夫婦と同様、彼も子どもに恵まれず、夫婦で不妊治療を行っていたことを告白。養子縁組もうまくいかず、結果的に夫婦仲は壊れ、別居することになったようです。そんな事情があったとは…。

課長代理はずっと会えなかった孫とようやく対面できて嬉しそうだったけど、その様子を見つめる立川さんの胸中を思うと切ない。

最後は笑顔だったから、ある程度吹っ切れてはいるのかな…。

アメリカ版との違い

ここからは、元ネタとなったアメリカ版「コールドケース」シーズン3第1話“Family”との違いについて説明します。

事件の経緯は同じですが、登場人物の設定に少し違いがあります。日本版のほうが作り込まれていて、より深みのあるストーリーになっていました。

高校生のクインは、高校卒業の日に学校のトイレで子どもを出産。恋人のジミーは出産に立ち合うものの、その直後に姿を消して遺体で発見されます。

ジミーは学校の人気者で、陸上の奨学金で大学に進む予定でした。陸上部の顧問はお金を渡して中絶させようとしますが、ジミーはクインと家族になることを決意。

彼に中絶を思いとどまらせたのは、日本版では産婦人科医でしたが、アメリカ版では学校の保健室の看護師でした。クインと関係を持ったもう一人の男性(父親だと言って娘に接触してきた男)は、陸上部の顧問です。

日本版に登場する美姫の父親や、美姫の親友は登場しません。代わりにジミーに横恋慕する女子生徒が登場し、ジミーが保健室の看護師に相談しているのを立ち聞きしたり、ゴミ箱に捨てられていた赤ん坊を発見したりしています。

もっとも大きな違いは、殺害した犯人です。日本版では数学教師の妻でしたが、アメリカ版に妻は登場しません。死産で娘を亡くしているという設定もありません。

生まれた赤ん坊を養子として引き取るはずだったのに、断られて逆上したという部分は同じで、ジミーを車で轢き殺したのは数学教師でした。

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